パーオン!ナイスパー!は海外では通用しない?ゴルフに多い和製英語にびっくり!
ティーショットで会心の当たり。パートナーから「ナイスショット!」の声が飛びます。
ところが、英語では「good shot」が正解。日本人は「ナイス」が好きなのか、「ナイスオン」「ナイスタッチ」「ナイスパー」と「ナイス…」は全部、和製英語です。
「グリーンにオンした」「アプローチがピンそば」「良くパーがとれた」と、その情景が浮かぶような「ナイス…」使い用語。よくぞ生み出した“名語”と呼んでもいいくらいです。
かつて、ビートたけし、明石家さんま、タモリのビッグ3が登場する、お正月の特番ゴルフ対決がありました。その中で英語を話してはいけない「英語禁止ホール」があり、話すたびに1打増えるルールが痛快でした。
「あぁ、バンカーや」は「砂場」に言い換え。思わず口に出た「ナイスパー」も1打。うっかり使ってしまう英語が実に多かったのが笑えました。実はそれも和製英語でした。
実に情景をうまくとらえた表現が多いのも、ゴルフ和製英語の特徴です。
「パーオン」=2パットでパーがとれる打数でグリーンに載せる。英語は「green in regulation」
「ニアピン」=ピンそばに寄せた状態。英語は「closest to the pin」
「オーバードライブ」=ドライバーで他の人のボールより飛ばすこと。英語は「out drive」
「ドラコン」=ロングホール第1打の飛距離を競うドライビングコンテストの略。「最も飛ばした」との英語は、「the longest drive」
英語の語感ともまったく異なる、もはや“発明用語”と思えるのが次の例です。
「ショートホール」→「par3」
「ミドルホール」→「par4」
「ロングホール」→「par5」
さらに、
「ダフる」→「fat shot」
「トップする」→「thin shot」
「Fat=太った、膨れた」「thin=やせた、薄い」から、「地面を噛んだショット」「ボールを薄くとらえたショット」が英語の表現です。
和製英語では、英語の「duff=打ち損ねてボールの前の地面を打つ」に「る」をつけた表現と、「トップ=top」、上を叩いた、とイメージさせる表現です。
「フック」「スライス」は、英語ではウッドやアイアンショットの軌道を表しますが、和製英語では「フックライン」「スライスライン」と、グリーン上の軌道まで表現しています。英語では「brake left」、「break right」となります。
さらに、風の方向にも。
「アゲインスト」=向かい風。英語は「headwind」
「フォロー」=追い風。英語は「tailwind」
これらは、スキージャンプ競技などのスポーツ中継でも使われています。
世界でのゴルフの起源は不明ですが、スコットランドで1400年代には存在していたようです。
日本に初めてゴルフ場ができたのは、1901年の神戸ゴルフ倶楽部。そこから120年弱で、今や日本にあるゴルフ場の数は、アメリカ、イギリスに次いで世界3位となりました。
和製英語は誰が、いつ流行らせたのかはまったく分かりません。しかしユニークな和製英語の数々は、日本人が急速にゴルフに傾倒した証拠を物語るようです。