宮里優作への期待値は時計以上!?選手会長に圧し掛かるプレッシャーとの戦いは?
- 2016.10.21
- トピック
2015年より腕時計ブランドのRICHARD MILLE(リシャール・ミル)とアンバサダー契約を結んだ宮里優作選手。
リシャール・ミルは2001年にスイスで設立され、アスリートやセレブが愛用する超高級ブランドとしてその名を確立しています。宮里選手も、試合中には右腕に着用してプレーし、その圧倒的なプレミアム感を存分に披露していますね。
また、同ブランドはバッバ・ワトソン選手やテニスのラファエル・ナダル選手などのトップアスリートと契約していることでも知られています。
ケースには主にチタンを使用し、ベゼル(カバーガラスをケースに固定するリング状の部品)には超高圧で放出された酸化アルミニウム・パウダー・チューブを使用するなど、プロ選手の過酷な使用条件にも耐えうる性能と装着性が支持される理由のひとつですが、なんといっても特筆すべきはその価格です。
例えば宮里選手も愛用する白いRM055バッバ・ワトソンモデルは、¥12.960.000と衝撃的ともいえるお値段。これだけの高級時計を使いこなしてもらうには、成績もそれなりに求められるのは言うまでもありませんね。
宮里選手は2013年の日本ツアー最終戦、「ゴルフ日本シリーズJTカップ」で念願の初優勝を遂げてから、着実に実績を積み重ね、今や日本ツアー選手の中心的存在として活躍していますが、リシャード・ミルと契約した昨年度は自身最高位となる賞金ランキング2位と大躍進し、トップ選手として充分に期待に応える活躍をしています。
さらに今シーズンからは池田勇太選手から選手会長職をバトンタッチされ、選手として以外にも日本ツアーを代表する存在として、責任と重圧を感じていることでしょう。
そんな宮里選手の活躍を振り返り、今後の宮里選手に大きな期待をかけてみたいと思います。
勝てない時代から、トップ選手へ
宮里優作選手は宮里聖、優作、藍のプロゴルファー3兄弟の二男。ジュニア時代から頭角を現し、数々のタイトルを獲得してきました。
2002年にプロに転向してからは、手堅くシード権は維持するものの勝てない日々が続き、才能は誰もが認める存在でありながらも「優等生」「優しすぎる」「ハートが弱い」などと揶揄されてきました。またこの頃は、妹の宮里藍選手が華々しく活躍していた時期でもあり、世間の目は「藍ちゃんのお兄ちゃん」というイメージであったと思います。
そんな宮里選手の才能が遅ればせながら開花したのは2013年の「ゴルフ日本シリーズJTカップ」です。男子ツアーの最終戦で劇的な大会初勝利を挙げ、この年の賞金ランキングを7位で終えました。
続く翌2014年には、「東建ホームメイトカップ」で早くも2勝目を挙げ、賞金ランキング11位。さらに2015年は「ダンロップフェニックス」で3勝目を挙げ、年間でもトップ10入りが10回と安定した成績を残し、ついに自身最高位の賞金ランキング2位と、最高の結果でシーズンを終えました。
もともと日本ツアーを代表する逸材と言われてきた宮里選手ですが、ここ数年でようやくその評価に値する活躍をし始めているといったところでしょう。また、宮里選手の美しいスイングは個人的には日本でも屈指だと思うのですが、2015年度はトータルドライビング(ドライビングディスタンスとフェアウェイキープ率を合わせた数値)で首位を獲得するなど、飛んで曲がらないという最も理想的なスタイルをみせつけてくれました。
しかし、そんな心技体が充実している現在の宮里選手ですが、2016年からは池田勇太選手から選手会長を引き継ぎ、選手としてだけではない活動も要求されるようになっています。
選手会長は選手会主催のファンサービスや、スポンサーへの挨拶廻り、またJGTOと選手とのパイプ役を果たすなど、仕事は多岐に渡ります。オフ期やシーズンの合間を縫って活動するとはいえ、どうしてもトレーニングや調整がままならない場面も出てくるのではと推測されます。
そのためか今季はまだ勝ち星に恵まれず、賞金ランキングも20位(10月17日現在)ですが、今年の全米オープンでは23Tと健闘するなど、随所に宮里選手らしさもみせてくれていますので、高額賞金が続くツアー終盤戦での巻き返しに期待したいですね。
また、こうした責任ある立場を任されるようになっていることも宮里選手にかかる期待の表れですから、是非、両方の立場での結果を残してほしいと思います。
おわりに
宮里兄弟の仲の良さは有名ですが、以前、藍選手が活躍し、自分が勝ちきれない時期でも藍選手の優勝を心から祝福し、周囲の宮里選手に対する「藍ちゃんおめでとう」という皮肉にも取れるお祝いコメント数々にも笑顔で受け答える姿を拝見したことがあり、とても印象的でした。妹でありながらトップアスリートとして尊敬しているという宮里選手の思いが、随所に感じられました。
また、逆に優作選手が優勝争いしている際には藍選手が駆け付け、ロープの外から応援する姿が何度も目撃されています。こうした宮里家の結束がゴルフを通して感じられるたびに、「優作兄ちゃんガンバレ!」と声援を送りたくなります。
宮里選手の実力はまだまだこんなものではありません。選手会長として、そして日本のトップ選手として、もっと力をみせつけてほしいですね。