嫁は元アイドル!谷原秀人はマイペースを貫きながら賞金王を目指す
- 2016.11.27
- トピック
2016年シーズンを充実した内容で過ごしている谷原秀人選手。シーズン当初から安定した成績を残し、今季3勝(11月20日現在)を挙げるなど、賞金ランキングでは常に上位に位置する活躍をみせています。実力者であることは誰もが認める存在でありながらも、これまでは賞金王の座は手に入れられないでいましたが、今季はその栄冠に手が届きそうな勢いですね。
しかし、先日の11月17日~20日に開催された「ダンロップフェニックストーナメント」では、賞金王争いのデッドヒートを繰り広げている池田勇太選手が2位、谷原選手が6位タイとなり、賞金ランキングで池田選手が首位に返り咲き、今度は谷原選手が追いかける立場となりました。ただ2位となった谷原選手と池田選手の差は472万円と僅差であり、勝負の行方は本人たちも口にしているように最終戦までもつれ込みそうです。
また、現在(11月20日時点)賞金ランキング3位の金庚泰(キム・キョンテ)選手が「カシオワールドオープン」に出場しないため、賞金王争いは事実上、谷原選手と池田選手の一騎打ちとなりましたが、どちらも初栄冠へ向けて気合十分と言ったところでしょう。
そんな男子ツアーの押しも押されもせぬ“顔”である谷原選手ですが、その実力に比べ、キャラクター的にあまりファンの前に素顔が出てこない選手でもあります。プレーを見ていても、言葉数も少なく、あまり感情を表に出すタイプではありませんよね。
そこで今回はプロ15年目を迎え、プロゴルフ生活の節目を迎えている谷原選手にスポットを当ててみたいと思います。もしかすると意外な一面が見えてくるかもしれませんよ。
谷原秀人選手のプロフィール
所属:国際スポーツ振興協会
生年月日:1978年11月16日(38歳)
身長:178cm
体重:80kg
出身地:広島県
出身校:東北福祉大学
プロ転向:2001年
ツアー通算勝利:14勝(内、2016年「長嶋茂雄 INVITATIONALセガサミーカップ」、「日本プロゴルフ選手権大会 日清カップヌードル杯」「HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP」で優勝)
賞金ランキング:2002年(78位)、2003年(16位)、2004年(7位)、2005年(42位)、2006年(2位)、2007年(4位)、2008年(4位)、2009年(29位)、2010年(18位)、2011年(65位)、2012年(13位)、2013年(6位)、2014年(8位)、2015年(7位)
松山英樹選手や池田勇太選手、岩田寛選手などを輩出したゴルフの名門、東北福祉大学の出身ですが、大学時代にはそれほど目立った存在ではありませんでした。しかし、プロ入り後は順調に勝ち星を積み重ね、シード権を2003年に獲得後は維持し続けています。※2005年は規定試合数不足のため除外
海外志向も強く、早くから米QTにも挑戦。2005年に米PGAツアーにも本格参戦しますが、怪我もあり1年で撤退。米ツアーの厳しさを知った苦い経験になりましたが、そうした海外経験も経て、2006年の「全英オープン」では5位タイに入るなど、メジャー大会でも存在感のある活躍をしています。
さらに同年は国内ツアーでも2勝を挙げ、賞金ランキングも2位と躍進。一躍トッププロの仲間入りを果たしました。またこの頃は同年代の矢野東選手と共に若手のホープとして、そのファッショナブルなゴルフウェアにも視線が注がれています。このように新時代を牽引する存在として、早くから注目され続けてきたのです。
プライベートでは2008年、アイドルであったココナッツ娘。の元メンバーで、女優としても芸能活動をしていた長手絢香さんと結婚。美しい妻を持つプロゴルファーとしても羨望のまなざしを向けられました。
こうした経歴を確認すると、公私にわたり華やかな印象ですね。しかし一方で「ゴルフを通じて児童や障がい者の福祉の向上を目指す」とした一般財団法人を設立し、自身が代表を務めるなど、プロゴルファーとしての立場からの福祉活動も積極的に行っています。谷原選手には常にマイペースを崩さないおおらかさを感じますが、一方でその実力と可能性を周囲が放っておかないのかも知れませんね。
ツアーデータからプレースタイルを検証
データの上から谷原選手をみてみましょう。
2016年の平均ストローク1位(69.64)、平均パット4位(1.7344)、パーオン率3位(67.84)、バーディ率2位(3.9)と抜群の安定感を誇ります。※11月20現在
現在のランキングに位置するのも当然といえますが、一方でドライビングディスタンスは59位(276.4)、FWキープ率16位(60.54)と、ドライバーには特筆すべき点はありません。大きなフォロースルーで、美しいフィニッシュが印象的なスイングでしたので、ちょっと意外のような気もしましたが、そこから正確なアイアンショットを放ち(パーオン率3位67.84)、パッティングで差をつけるのが、谷原選手のプレースタイルなのでしょう。
実際、平均パットは例年上位につけ、特に2012、2013、2014年には1位になっていますので、自身のパッティングに抜群の自信と信頼を寄せているのではないでしょうか。飄々としたイメージとは裏腹の、どこからでもピンを狙っていく攻撃的な攻め方と安定したパッティングが噛み合い、これまで以上の成績を上げている谷原選手が、今季念願の賞金王になれるのか是非ご注目ください。
おわりに
リオデジャネイロオリンピックでは治安とジカ熱の不安から、出場に積極的ではなかった谷原選手ですが、池田選手と片山晋呉選手の奮闘をみて、思うところがあったのではないかと推測します。本来、個人プレーよりも団体プレーに闘志を燃やすタイプだそうなので、次回東京オリンピックの際に団体プレーが採用されることがあれば、谷原選手も黙ってはいないのではないでしょうか。
松山英樹選手、石川遼選手など、年下のスター選手に負けじと奮起する谷原選手をみてみたいと思いますし、そうした競争の中で、松山選手以外の日本人選手のグローバルな活躍を期待したいと思います。