ゴルフコンペも年功序列?それがジャパニーズ・ルールなのです
以前、ゴルフ仲間の人からお誘いを受け、あるゴルフ場が主催するゴルフコンペに参加してきたんです。そのゴルフコンペは完全にオープンなもので、そこのゴルフ場の会員の人たちはもちろんのこと、電話やネット予約などで「参加しまーす」と伝えれば、誰でも参加できるというものでした。
なので、ゴルフコンペに参加している人たちは基本的には初対面の方々ばかり。お年を召された男性からお年をホニャララされた女性、いかにも上手そうに見える人や自分と同じくらいのレベルかなぁと思われるような人、若い人はあまりいなかったようですが、参加者は十人十色、多種多様。
ゴルフ場側の計らいにより自分はお誘いしてくれた人と同組で、他の2人は「はじめまして~」という方々でした。最近流行りのゴルフ1人予約に数組でのゴルフコンペという趣向が追加されたというようなものです。
それらの人たちとペリア方式でスコアを競い合うゴルフコンペでした。
目次
ゴルフコンペでのペリア方式とは?
このペリア方式というルールの説明を簡単にしておきましょう。主に日本国内のゴルフコンペで使われる特別なハンディキャップを算出する方法の1つです。
まず18ホールあるうち、ゴルフ場側が「隠しホール」というものを6ホール設定してくれます。「隠しホール」と言うくらいですから、当然プレーヤー側にそれらのホールは内緒です。
プレー終了後、「隠しホール」でのスコアを合計して、×3します。その数値からプレーしたゴルフコースのパー数(ほとんどがパー72だと思いますが)を引いた数値に×0.8をして出た数値が、そのゴルフコンペにおける「1日限定ハンディキャップ」になります。そして、プレーして実際に出したスコアから、その「1日限定ハンディキャップ」を引いた数値でゴルフコンペの順位を決めましょうというものです。
上記のような計算はゴルフ場側のスタッフが無料でやってくれます。我々はいつも通りプレーして、最後にスコアカードを提出するだけになりますので、こうした計算方式は覚えていなくても大丈夫です。
補足説明として、実際にプレーして出したスコアを「グロス」、そのグロスから「1日限定ハンディキャップ」を引いたスコアを「ネット」と呼びます。ゴルフコンペの表彰式などでは、そうした名称で発表されることが多いため、これは覚えておくといいかもしれませんよ。
僭越ながら自分のスコアを掲載します
と、文章で書いても、ちょっと分かりづらいですね…書いた本人はウンウン唸りながら文章にしてみたものの、我が文章力のなさを痛感しております。
ここは恥ずかしながら、そのゴルフコンペでの自分のスコアを例として掲載してしまいましょう。
この場合の「隠しホール」でのスコアの合計は 5+6+4+4+6+7=32 になります。
32を×3して、96。
96からゴルフコースのパー数72を引いて、24。
24を×0.8して、19.2。
この19.2という数値が、この日のゴルフコンペでの「1日限定ハンディキャップ」です。
最後に自分の実際のスコア92から「1日限定ハンディキャップ」19.2を引いて、72.8。つまり、グロス92、ハンディキャップ19.2、ネット72.8になります。
恥を忍んでここに晒した自分のスコアが、ゴルフコンペにおけるペリア方式でのハンディキャップ算出方法の理解に少しでもつながれば幸いでございます。
6インチプレースと1グリップOKというローカルルール
また、この日のゴルフコンペのローカルルールが記載された用紙も事前に配られました。主なものは6インチプレースと1グリップOKです。
6インチプレースとは、打ったボールの落ちた場所に障害物が存在したり、フェアウェイやラフなどが一部荒れたりしている場合に適用されるローカルルールで、6インチ以内であれば好きな場所に動かしても良いというものです。
6インチとは15.24cmになります。しかし無情にもボールが木の真後ろにあるというようなケースでは6インチプレースは不可です。
仮に15.24cm動かせたとしても、以下の画像みたいな状況では気休め程度にしかならないでしょうが。
1グリップOKとは、グリーン上でパッティングをした際、カップまでパターのグリップ分くらい近くに寄り、もう1打すればほぼ確実に入るだろうという距離まで付けられたら、1打追加して次のパッティングは打たなくてもOKという、これまたローカルルールです。
この距離には明確な基準はありません。ゴルフ初心者の人は「OK!」と言われて、1打カウントし忘れてしまうこともあったりするそうですが、スコアを書く時はもう1打きちんと追加しましょう。
かくいう自分も初めてラウンドした時は「OK!」と言われた打数をきちんと全てカウントしていたかどうかウロ覚えだったりしてることを、今更ながらお詫びしておきます。
6インチプレースや1グリップOKは通常のラウンドでもだいぶ一般的になってきてます。ただし当然ながらこれらのローカルルールは公式競技では許されません。ゴルフの基本中の基本は、ボールを「あるがまま」の状態で打つことなので。
なお、会社など仲間内でのゴルフコンペで行われることのあるドラコンやニアピンは、この時のゴルフコンペではありませんでした。まぁニアピンはさておき、ドライバーの飛距離にそれほど自信のない自分にとって、ドラコンは飛ばし屋さんたちの単なる余興という認識しかないのが寂しいところ。
以上のようなローカルルールはゴルフコンペによって異なることがあります。当日スタート前に、ゴルフコンペの幹事の人に確認しておくことをお勧めします。
そりゃもちろん自分も、この日のゴルフコンペのローカルルールが記載されている用紙をしっかり読みましたよ。でも、あの「特別ルール」に関することは一切書かれていなかったのです…
ゴルフコンペの表彰式は賞品がいっぱい!
ゴルフコンペの全組がホールアウトし、各自スコアカードを提出後、しばしのお風呂休憩を挟み、この日参加した人たちが一同に介して、軽食付きの簡単なパーティーと表彰式が行われました。
ちょっとした壇上には数々の賞品が並んでるじゃないですか!
キャディバッグやパター、ゴルフグッズ詰め合わせ、その地域の特産品などなど。
この日のゴルフコンペは参加した全ての人に賞品が貰えるというものだったのです。オープンなゴルフコンペで、こんなに太っ腹なのは珍しいかもしれません。もし賞品がパターとかだったら、ゴルフショップに持っていってウンチャラカンチャラなんて邪心は抱いちゃダメですよ。
話はちょっと遡りますが、プレー開始前、スタートホールのティーグラウンドで、ゴルフ場のスタッフの人に同じ組の4人で集合写真を撮ってもらったんです。さらに自分がティーショットを打つ時も写真を撮ってもらいました。
その時の集合写真と自分のティーショットの分割写真までいただきました。以下の画像での自分のスイングに対するツッコミはご容赦くださいませ〜
表彰式の司会もゴルフ場のスタッフの人でした。またこの人がお口が達者。
その司会者からまず最初にご挨拶とゴルフ場主催のゴルフコンペ参加に対する謝辞があり、ゴルフに関するジョークも含めた小気味良いトークを軽食とソフトドリンクを飲み食いしながら、皆で仲良く楽しみました。
順位発表、果たして自分は何位だったのか?
そして、このゴルフコンペのメインイベント。いよいよ順位の発表です。
順位は残念ながら最下位だった人から発表され、順々に上位へと続いていきました。皆さん、それぞれ賞品をいただいて嬉しそうです。
あれ?いつまで経っても自分の名前が呼ばれません。とうとう準優勝と優勝の発表を残すのみとなったのでした。
ドゥルドゥルドゥルドゥルドゥルドゥルドゥルドゥル・ドゥン♪
というようなドラムロール音が自分の頭の中で鳴り響いていましたさ。
「準優勝 もりだいすけさん!」
「優勝 ○○○○さん!」
おぉっと、惜しい!
自分は準優勝だったんです〜!
「準優勝のもりだいすけさん、グロス92、ハンディキャップ19.2、ネットは72.8でした。」
「優勝の○○○○さん、グロス92、ハンディキャップ19.2、ネットは72.8でした。」
むむ??
グロスもハンディキャップもネットも全く一緒じゃないっすか!
なのに、なぜ自分が準優勝で、○○○○さんが優勝なんですか!?
たしかに他の参加者の人たちもキョトンとした顔をしておりました。
以下の画像は参加者全員に配られた実際の順位表です。ほら、グロス(GROSS)もハンディキャップ(HDCP)もネット(NET)も、まるっきり同じですよね。
まさかの年功序列的ゴルフコンペ!
なんと!実はゴルフコンペで複数の人が全くの同スコアだった際、こういったオープンでそれほど厳格なゴルフコンペでない場合は、年齢が上の人の方が上位になるという特別ルールがあるのです!
「今回は○○○○さんがウン歳、もりだいすけさんがウン歳下のため、年齢差で○○○○さんの優勝になりまーす」
と、司会者が種明かし。
他の参加者の人たちも納得、○○○○さんは大いに納得、自分は納得せざるを得ず。
ゴルフ場で受付をする時、名前や連絡先を書く用紙に生年月日を記入する欄があったりしますよね。また、ゴルフコンペに参加する時にも、参加用紙に生年月日を記入したりします。それは、こういった「偶然」が起こった場合に適用されるのです。
そう!ゴルフコンペは順位を決める際には年功序列的な面もあったりするんですよー!
こんなところにも日本の高度成長期を支えた制度が導入されていたとは。高度成長期もバブル景気の恩恵も直接受けていない自分は知る由もなし。このときほど自分の若輩っぷりを嘆いたことはなかったですわ。
記事の最初の方で、このゴルフコンペの参加者は年配の人が多く、若い人はあまりいなかったと書かれていたのを覚えてますか?それがグロスもハンディキャップもネットも全く一緒というまさかの偶然が重なり、年齢による特別ルールで決着という形で結末を迎えたのです。
目上の人のことは敬うべしという儒教の精神を、ゴルフを通じ改めて思い起こさせられたゴルフコンペでございました。