ピンゴルフは21世紀も新しい提案をゴルファーにし続ける!
ピンゴルフが2017年3月に発売する『i200 アイアン』『SIGMA G パター』『GLIDE 2.0 ウェッジ』『G Le シリーズ』が発表されました。
ピンゴルフは、時代の最先端をいくメーカーですが、今回の新製品も期待を裏切りません。こういうゴルファーに使って欲しいという明確なコンセプトで作られたクラブは、なかなか興味深い機能が満載です。
スコアアップをするために必要なアイテムとしての新製品を観察して、試打してきました。
本気の方へ。というメッセージのアイアンは?
まずは、“i200 アイアン”です。
ブレード感を重視して開発された、という説明がありました。パッと見た感じはセミキャビティーバックで、なるほどと思うのですが、これには秘密があるのです。
個人的なイメージなのですが、ピンゴルフのアイアンは使い手の感性を無視してでも、徹底した科学力で結果が出るものにするアイテムだと考えてしまうのです。20世紀末までは、間違いなくそのようなイメージでした。
しかし、今世紀に入ってから、新しいコンセプトがピンゴルフにはあるような気がします。ゴルファーの感性を逆手にとって、良いストロークができる手助けにするところまでが機能なのだと、提案していると思えるようなクラブを市場に出しているからです。
“i200 アイアン”は、見た目は少し難しそうに見えます。バックフェースの凹みは最小限だからです。また、アドレスしてみると、ネックの長さもあり、オーソドックスなフェースの形状をしているので、いかにも本格的な雰囲気を感じさせます。
「本気の方へ。」という“i200 アイアン”のコピーは、いわゆる上級者を見た目で満足させる要素だけでクリアできそうです。本気のゴルファーが使うアイテムに見えます。
実際に打ってみると『あれ?』と感じます。“G シリーズ”のような易しさを感じました。ミスヒットにも強いようです。
塞がれているのでわかりづらいのですが、“i200 アイアン”のバックフェースの下部はポケットキャビティーのようにえぐれています。その中には『大型エラストマーCTP』が入っていて、振動を吸収し、柔らかい打感を作る意味で機能しています。
難しく見えるのに、使ってみるとフルキャビティーバックのアイアンと同じ易しさがあるというのが“i200 アイアン”の最大の特徴です。更に細かいところに注目すると、8番以下のショートアイアンのフェースの溝は、削り出して製造されているのです。
フェースの溝は、普通はヘッドを製造する際に金型で作りますが、溝がないフェースのヘッドを作って、後から溝を削るほうが精度が高く、スピンも効きやすくなるのです。溝を削り出すほうを選択するこだわりのアイアンやウェッジをプロや上級者は好むという傾向があるがあるのは、それが優れている証明です。
もう一点、ちょっと感心したのが仕上げです。
パールクローム仕上げというピカピカではなくマットな渋い仕様になっていますが、これは手で触ったときの感触が良いとか、見た目が高級そうとかいうだけでなく、疎水性が高いことで濡れた状況からのショットでも変わらないスピン性能を維持し、ソールも滑りやすくなるという効果が期待できるのです。
上手い人が好んで使うこだわりが凝縮したビジュアルというのも所有欲を満たすゴルフクラブの機能だともいえます。それでいて、ゴルファーのミスヒットを助ける機能も満載しているのが“i200 アイアン”です。
上級者はもちろんですが、上級者を目指す人にもお勧めのアイアンです。
ピンのパターを使ったことがない人は……
「1パットでいこう!」というコピーは、パターのコピーであれば珍しいものではありません。ユーザーも、あるある、という感じで期待はしないかもしれません。しかし、ピンゴルフは、現在のパターのDNAに繋がる基礎を作ったメーカーであり、進化を続けていることを忘れてはなりません。
新しいシリーズ“SIGMA G パター”は気合が入っています。
まず、名称です。シグマは、合計とか、統括という意味です。“SIGMA G パター”は、Gシリーズを完結する、という意味が含まれているのです。ピンゴルフのGシリーズは、広い層のゴルファーに易しいゴルフを提案するコンセプトです。「易しく、パットも決めよう」というということなのです。
ラインアップも豪華です。16モデルが発売されます。シルバー調のプラチナム仕上げが9種類。渋い黒のブラックニッケル仕上げが7種類。『ANSER(アンサー)』のみが、両方の仕上げがあります。
“SIGMA G パター”の開発には、色々な方面からのリサーチをして、マーケティングした結果が反映されているそうです。“ゴルファーは何を望んでいるのか?”ということは重要です。77%のゴルファーがパットの時に柔らかいフィーリングを好むという結果、柔らかい感触を追求したわけです。
とはいっても、パターの機能として、しっかりと弾いて距離感を出すことも大切な要素です。
ピンゴルフが誇る『TR溝』は当然採用されていますが、約0.76mmの6061アルミニウムの削り出しに彫ったところが新しさの入口になります。その裏側には、約3.68mmの『Pebax(ペバックス)』というエラストマーが配置されているのです。
この構造そのものは、独自のものではなく、他のパターにも搭載されていますが、アルミニウムの薄さと『Pebax』の厚みが“SIGMA G パター”の特徴になっています。中身は見えませんので、知らなければわからないと思うのですけど、打ってみるとハッキリします。
実際に打ってみました。「なんだこれは?」と戸惑いました。
アルミニウムのフェースを感じさせない弱い感触は、打音が小さく控え目なことと強く影響しています。とにかく、わかることは「柔らかい」ということです。
色々なモデルを打ちました。そして、弱い感じだけど、けっこう転がるなぁ、ということもわかったのです。不思議な感触ですけど、新しいスタンダードが生まれるときには、例外なく戸惑ってきましたので、もしかしたら、と期待はします。
振った分だけ転がるのが良いパターだと思っています。そういう意味では、全く機能的には問題がなく高性能です。
生粋の「L字使い」としては、“SHEA H 〈シェイH〉”と“TESS 〈テス〉”の2本に痺れました。丁寧に作られていて、細部が綺麗です。曲線もさることながら、直線部分のシャープさが凄いです。
また、過去のピンゴルフのL字パターと比較してもヘッドの重量があります。(“SHEA H”が365g、“TESS”が350g)
“SHEA H 〈シェイH〉”は、実際に打ってみて、使いたくなりました。
戸惑う感触に、ビジュアルもシンプルで、クッキングで使うような形状が面白いのですけど、ブレードがスッと目に入ってきて、打つときの助けになるんです。気持ち良く、打ちたい方向にボールを打てる感じがしました。
16モデルもあるので、最適な1本は必ずあります、ということなのだと思います。一般的なゴルファーの好みと僕の好みは違うことは承知しております。
“KINLOCH C 〈キンロックC〉”も好感触でした。センターシャフトのパターは、時々浮気したくなるときに最も重視するポイントです。一言で書けば、構えやすいのです。
この“KINLOCH C”は、構えやすいだけではなく、振りやすかったです。ヘッド重量が365gということ、どっしりとアドレスできることが好感触のファクターなのかもしれません。
グリップは、重量が軽く、やや太めで寸胴なものが標準装備になります。グリップエンドを見るとわかりますが、平らな部分が多く、リブに角張った感じがあるものと、丸い円形が強調されたタイプの2種類から選択するようです。
まとめます。
“SIGMA G パター”は、確かに易しくパットを決めることを可能にできる1本が見つかると思わせました。オーソドックスな形状もあれば、挑戦的な機能優先の形状もあります。
フェースの構造、重めの重量、グリップなどは、まさに現時点での最先端といえます。価格も手ごろな2万円台が中心になっているので、“SIGMA G パター”は持っていても良いアイテムだと思います。
寄せるためのアイテムと執事が見せる夢
ウェッジも新製品が出ます。“GLIDE 2.0 ウエッジ”です。プロゴルファーの評価も高かった“GLIDE ウェッジ”の第二世代です。仕上げを“i200 アイアン”と同じパールクローム仕上げにしたことで、楽にソールが滑るウェッジとして定評があった機能を更に向上させたとのことです。
意図的だと思われますが、“i200 アイアン”と構えたときのビジュアルに違和感がなくなりました。いわゆる繋がりが良くなったということですが、これはアイアンと一緒にウェッジも替えたいというゴルファーには良いことです。
ピンゴルフのウェッジは苦手だというゴルファーは少なくありませんが、それはアドレス時の形状に違和感があったらからだと思われます。そういう意味では、“GLIDE 2.0”はオースドックスになっていますので、体験してもらいたいと思います。
幅広く多くのゴルファーに使用してもらうために、ソールが4種類あります。
『SS(スタンダード ソール)』は、スタンダードな癖のないソールです。46、50、52、54、56、58、60度のロフトがラインアップされています。
『ES(EYE ソール)』は、名器であるEYE シリーズのアイアンが採用していたソールで、広めのソールなのに、開いて使ったりしやすいようにネック寄りが削って落とされています。54、56、58、60度のロフトがラインアップされています。
『WS(ワイド ソール)』は、前作よりより広くなったソールが特徴です。56、58、60度のロフトがラインアップされています。
『TS(シン ソール)』は、丸い形状で、フェースを開いたときにロブショットがしやすいようになっています。58、60度のロフトがラインアップされています。バックフェースを見ると、通常のウェッジと同じように見えますが、実際には、蓋がしてあるだけでポケットキャビティーのような構造になっています。
打感はシャープです。固めの打感が現在のウェッジのトレンドですが、そういう部分にこだわるゴルファーに配慮したのかもしれません。個人的には、カチッとした打音がするウェッジが好きなので好感触です。
特別に易しいという訳ではありませんが、自分に合うソールが見つかれば、信頼できる1本になる可能性があります。ピンのウェッジの場合、ライ角などもオーダーできますので、その部分でも悩みを解消できるゴルファーがいると思います。
最後は、女性用のクラブです。“G Le (ジー・エルイー)”です。
ミントとネイビーというカラーで作られたクラブは、可愛いだけでなく、ちょっとカッコイイ女子ゴルファーにも受けると思います。
宣伝では、男性の執事がクラブを花束のようにして抱えた画像が使われます。その理由は、アイアン1本から、セットではなくバラで買うことができるからなのです。自分に合った1本と出会えることがコンセプトですけど、これだけで十二分に“G Le”は十分に魅力的です。
女性の場合、アイアンの番手差が出ずに、偶数だけ、または、奇数だけのほうが良いスコアになることも少なくありません。結果として、キャディーバッグの中に入っているアイアンの半分は使わないというケースもあります。
“G Le”は女性ゴルファーの為に作られたことがわかる面白い特徴があります。軽量グリップは当たり前ですが、軽いだけではなく、グリップが約2.5センチ短いのです。
現状のグリップのサイズは男性のためのもので、女性が使うのだとしたら長さも短くとも良いという発想は盲点でした。また、ウッド系のヘッドのクラウンについているタービュレーターという出っ張りは空力を良くするためのものですが、これらがフェースの重心の線上に寄ってるのです。画像を見てください。
ハイブリッド(ユーティリティーのこと)の画像ですが、ヘッドのクラウンを見てください。突起部分が、トウ側は左下向きの斜め、ヒール側は左上向きの斜めになっています。これによって、ボールをセットしやすくなり、方向性も合わせやすくなるということです。
実際に、現物を見ると、これが良い感じなのです。ハイブリッドが苦手という女性ゴルファーに、“G Le”のハイブリッドは良いかもしれないと思いました。
ボールを上げやすくする工夫も機能として取り込まれていますし、変な癖もないからです。非力な女性ゴルファーの場合、距離を打てるフェアウェイウッドとハイブリッドは得意クラブにしておきたいものです。“G Le”は、是非、手にして打ってもらいたいと思いました。
最後に一つだけ追加すると、“G Le”のドライバーをピンの契約プロの鈴木愛プロが計測器でデータを取りながら打ったのですが、キャリー218ヤード、転がりを入れると240ヤード近く飛んでいるという結果になりました。女性用の市販のクラブはアンダースペックだったことを考慮しても、なかなかのデータでした。
「自分のクラブと同じくらい飛びますね」
と鈴木プロはちょっと驚いていました。
“G Le”は、ゴルフを始める女子ゴルファーにも良いです。クラブとしてしっかりしていますし、1本から買えて、増やしていけるところがちょうど良いからです。
そして、バリバリゴルフをしている女子ゴルファーにもお薦めできます。
スペック
i200 アイアン
★発売日 2017年3月
★番手/ロフト 3/19度、4/22.5度、5/26度、6/29.5度、7/33度、8/37度、9/41度、PW/45度、UW/50度
★シャフト DG S200、N.S.PRO 950GH、N.S.PRO MODUS3 TOUR 105、N.S.PRO MODUS3 TOUR 120
★価格 1本 スチール 18,000円 (税別) カーボン21,000円(税別)
SIGMA G パター
★発売日 2017年3月
★種類 16種類(プラチナム仕上げ9種類、ブラックニッケル仕上げ7種類)
★標準仕様 標準ライ角70度、標準ロフト角3度、標準シャフト長34インチ
★シャフト スタンダード 31~36インチでカスタム可能
★グリップ PP60、PP62、CB60(カウンターバランス用)
★価格 25,500円~31,500円(税別) ※差永調整機能付きシャフトは3000円プラス
GLIDE 2.0 ウェッジ
★発売日 2017年3月
★ソール/ロフト SS/46度、50度、52度、56度、58度、60度
ES/54度、56度、58度、60度
WS/56度、58度、60度
TS/58度、60度
★シャフト AWT 2.0 WEDGE、DG S200、N.S.PRO 950GH、N.S.PRO MODUS3 TOUR 105
★価格 1本 スチール 20,000円 (税別)
G Le ドライバー
★発売日 2017年3月
★ロフト 11.5度
★長さ 44.5インチ
★シャフト ULT230J (フレックス L 37g / A 44g)
★価格 1本 55,000円 (税別)
G Le フェアウェイウッド
★発売日 2017年3月
★番手/ロフト #3/19度、#5/22.5度、#7/26度、#9/30度
★シャフト ULT230J (フレックス L 35g / A 41g)
★価格 1本 30,000円 (税別)
G Le ハイブリッド
★発売日 2017年3月
★番手/ロフト #4/22度、#5/26度、#6/30度
★シャフト ULT230J (フレックス L 41g / A48g)
★価格 1本 25,000円 (税別)
G Le アイアン
★発売日 2017年3月
★番手/ロフト 5/24度、6/27度、7/30.5度、8/35度、9/40度、PW/45度、UW/52度、SW/58度
★シャフト ULT230J (フレックス L 39g / A45g)
★価格 1本 17,000円(税別)
G Le パター
★発売日 2017年3月
★種類 OSLO(オスロ)、CARU(カル)、ARNA(アーナ)
★価格 1本 CARU/ARNA 26,000円(税別) OSLO 36,000円