“CHROME SOFT X ボール”(クロム ソフト エックスと読みます)は、キャロウェイゴルフより2017年3月3日に発売されます。

上級者用のボールとして高評価を得ているだけでなく、サッカーボール模様のバージョンで遊び心も刺激する“CHROME SOFT ボール”の追加機種は、どんなゴルファーのためのボールなのか?ツアーレベルまで『飛びとスピン』を高めたという売り文句は、一般的なアマチュアにも体感できるのか?

キャロウェイゴルフの底力を体感するつもりで、“CHROME SOFT X ボール”をゴルフコースに持ち込んで使ってみました。

ドライバーで見せる驚愕の飛距離性能で調子が狂う

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試打した日のコンディションは最高気温も一桁で、快晴でしたが、強い北風が吹き荒れていました。着ぶくれして、僕のヘッドスピードは40m/秒ほどに落ちていました。

“CHROME SOFT X ボール”を手に取ってみると、独特の『Callaway』の大きめのロゴと『NEW ヘックス・エアロネットネットワーク パターン』という多角形のディンプルが目に入ってきます。ボールナンバーは“CHROME SOFT ボール”と同じ赤です。

触った感じは微かにぬめり感があります。まずは、ドライバーで打ってみました。芯よりほんの少しトウ側でヒットしたことが手応えで伝わりました。強烈にやわらかく、つぶれる感触がします。

どこに当たったかわかるボールの芯もわかります。芯の感覚が鈍いボールは苦手ですから、ボールの芯を感じられる打感だけでも十分に好感を持ちました。

ボールは、中弾道で飛び、狙い通りに10ヤードぐらいドローしながらフェアウェイに着弾しました。「あれぇ?」と思いました。打った感じでは考えられないほどのドロップ気味の棒球だったからです。

そのホールは、270ヤードちょっとの短いパー4です。普段はドライバーを持ちませんが、ボールテストなのでドライバーで打ちました。フェアウェイに着弾するのを見て、ショートアプローチをするのだと想定していましたが、カートを走らせて2打目地点に向かって驚きました。

ボールはグリーンにワンオンしていました。このホールは200回以上プレーしていますが、ワンオンしたのは初めてでした。ドロップ気味の弾道から、低スピンで飛ぶのだ、と認識しながら、あの打ち応えで乗ってしまったという事実に戸惑いました。

パットに関しては打音は小さめですが、ショットほどやわらかい感じはしません。しっかりと弾きます。フェースに乗る感覚は強くないものの感じることができます。強い直進性を持ったボールです。

百戦錬磨で、滅多なことは動揺しないからこそ試打レポートができるのだと自負していましたが、この一発のワンオン体験が微妙に余計な力を入れることになってしまって、数ホールは困りました。

次のホールでも、ドライバーを使いました。狙い所に打ち出し、芯を捉えたのに、力が入ってしまって、ボールはドローせずに逆球のフェードになりました。ドロップしない綺麗な弾道を打ちたいという欲もあったのかもしれません。

飛ばないと越えない池のほうに飛びました。夏なら越えますが、冬だと良い当たりでもその池は越えないのです。ボールをなくしてしまったと後悔しましたが、行ってみるとボールはありました。池を越えていたのです。

その後、2ホールほどドライバーでボールを打ちました。余計な力が入らないようにするのに苦労しました。ドライバーでの低スピン性能は凄いものがあります。そして、ちゃんとキャリーも出ます。

ドライバーに関しての飛距離性能はトップクラスの更にトップです。この2年ぐらいで打ったボールの中で、ベスト3に入ります。“CHROME SOFT ボール”も試したことがありますが、個人的には“CHROME SOFT X ボール”のほうが圧倒的にドライバーは飛ぶと実感しました。

やわらかさ故に、つぶれることで低スピンになるのが飛びの理由です。僕は重症と同情されるほどのハイスピンゴルファーですので、スピン量が減ることは恩恵になります。しかし、今までのボールでも十分に低スピンのボールを打てていた場合は、スピンが減りすぎてしまう可能性がありますので注意が必要です。

強風が吹いていたので、風の影響がよくわかりました。低スピンのボールは向かい風に強い反面、追い風になるとボールの高度が足りなくなって、キャリーが落ちてしまうことがあります。

科学的に最も飛ぶように計算し尽くして作られたボールと求める数値になるように打つ努力の結晶は、その完璧さ故に自然の前では脆かったりするわけです。トッププロになると、この辺りの事情を考慮して、無風状態で最高のスペックにならないボールを選択するのです。

“CHROME SOFT X ボール”は向かい風には強いと感じました。吹き上がらないからです。飛距離も少ししか落ちませんでした。僕の場合、追い風になると浮力不足になってキャリーが落ちることがありました。この辺りは両立できない問題です。

アゲインストに強いというだけでも十分なプラスといえるでしょう。ドライバーショットだけでボールを選ぶゴルファーであれば、迷いなく“CHROME SOFT X ボール”を選ぶはずです。

止める意味でのスピン性能でも驚かされた!

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続いて、フェアウェイウッドとハイブリッド(ユーティリティー)を打ちました。やはりトップレベルに飛びます。しかし、それは転がりも入れての印象です。

ツアーレベルのボールとしては、かなり転がります。一概にマイナスとはいえませんが、ちょっとドキドキしました。この部分に関しては、僕のヘッドスピードも関係していると想定できます。

ヘッドスピードがあれば、ボールを高く打っても距離が著しく落ちることはないので、高さで止めるというテクニックが使えるからです。“CHROME SOFT X ボール”は、ツアーレベルの要求に応えるために作られたという現実を見せられたような気がしました。

アイアンを打つと少し事情が変わります。飛距離性能はトップレベルですが、ウッド系ほどの飛びは感じません。ミドルアイアンレベルでは、スピン量がちょうど良い感じなってボールが止まるようになります。

つぶれる打感は健在ですが、やや重いながら弾く感じも出てきます。ボールの芯に関してもしっかりと手に伝わります。この辺りの味付けというか、打ち応えは独特で面白いものです。

弾道に関しても、ウッドは自然に高弾道になるイメージでしたが、アイアンになるとやや低め飛び出してスピンで浮力を得ている感じになります。ウッドは曲がりづらいボールで、直進性が高いと感じていたのに、ミドルアイアンぐらいから敏感に曲がるようになります。

驚愕したのはショートアイアンと、アプローチでした。結論から書きますが、ウェッジで打った全ての領域で、過去に打ったどのボールよりもスピンがかかります。100ヤードをウェッジで打ったときに、狙い通りに99ヤードのグリーン上に落ちたボールは、受けている傾斜に当たったこともありますが、7ヤードも戻ってしまいました。

別のシーンでは70ヤードのショットで3ヤードのバックスピン。50ヤードでも2ヤードバックスピン。30ヤードでもほぼ落ちたところに止まります。僕はあまりスピンがかかるタイプではないので、これには驚きました。

球の高さは狙った通りに飛ぶイメージで、弾道的には特別なものを感じませんでした。通常、ドライバーで低スピンになるボールは、寄せでもその影響を受けて止まりづらい特徴があるものです。ドライバーは低スピンで飛んで、ウェッジはハイスピンで止まるという反比例する特性は同居しないという既成概念はぶち壊されました。

ウェッジで打つ場合は、それまで感じてきたやわらかさとつぶれる感触はなりを潜めます。普通にしっかりとして弾く感じがします。打音が小さく、高音ではないので、固いイメージはしませんが、手応えはむしろ固めです。

一緒に回っていた人が、あまりのスピン性能に、色々と質問をしてきました。何を変えたわけではないので、使い古しで良ければ、とテストしたボールを差し上げました。

個人的には、スピンがかかりすぎるボールはスコアアップには貢献しづらいものだと考えています。

「こういうサーカスは、見せる為のものですね」

短い距離から打った寄せが、バックスピンで戻るのを見ていた人に僕が言ったセリフです。見ている人がハッキリとわかるのは、極端な結果が出ている証拠です。

スコアアップにならないとしても、バックスピンに憧れるゴルファーはたくさんいます。“CHROME SOFT X ボール”は、ボールがトップレベルのスピンをかけてくれます。どのように活かすかはゴルファーごとの課題として、体験することは良いことだと思います。

もう一つ、プラスの面を確認しました。傷が付きづらく、耐久性が高いことです。やわらかさで飛ばすという考え方で作られたボールは市場にたくさんありますし、2017年の春のボールの新製品では合言葉のように使われています。

どれでも同じだと気にしていないゴルファーは多数派だと思います。でも、“CHROME SOFT X ボール”は、とりあえず使ってみる価値があるボールだとオススメします。

オープン価格なので、なんともいえませんが、“CHROME SOFT ボール”も特別安い価格帯のボールではなかったので、“CHROME SOFT X ボール”もそれなりの価格で販売されると予想します。ボールの性能は体感しやすいので、使用したゴルファーの口コミなどで評判が広がれば大ヒットボールになるような気がします。

“CHROME SOFT X ボール”には、本当に驚かされました。魅力があるボールです。最先端の機能を体感できることは素晴らしいことです。実際に発売されて、もし、流通価格が安ければ……とテストしてから考えてしまいました。

スペック

CHROME SOFT X ボール

★構造     4ピース(ソフトウレタンカバー)
★カラー    ホワイト、イエロー
★価格     オープンプライス