赤eggで飛ばしの卵を料理しよう!
プロギアが2017年9月に発売する“赤 egg ドライバー”“赤 egg フェアウェイウッド”をコースに持ち込んで徹底的に試打しました。
プロギアの“egg”シリーズというと、色々なアイデアを採用して飛距離が出るクラブというイメージと、面白い形状のフェアウェイウッドというイメージがあります。プロギアというメーカーは、少し前までは渋くてカッコイイ雰囲気だったのに、最近では挑戦的で、科学でクラブを進化させていくイメージに変わりつつあります。
“赤 egg ドライバー”“赤 egg フェアウェイウッド”は、どんな変わったクラブなのだろうと期待していましたが、良い意味で裏切られました。見た目は、オーソドックスで渋かったからです。
赤eggドライバーはみんなの味方?
今回発売される“egg”シリーズは、赤eggだけではなく、金eggもあります。
“金 egg”は高反発違反をものともせずに、公式競技では使用不可でも、プライベートなラウンドなら使用できる最大限の飛びをテーマに開発されたシリーズです。
“赤 egg”は規則違反にはならない範囲で飛距離を謳歌するために開発されたシリーズです。今回は、“赤 egg”だけをお借りして、コースに持ち込みました。
色々な考えのゴルファーがいて、それぞれの価値観でゴルフをするのは自由です。否定も肯定もするつもりはありません。単純に、個人的に他社との比較という視点で規則に適合した“赤 egg”のほうがわかりやすいと考えたのです。
コースに持ち込んだ“赤 egg ドライバー”のスペックは、ロフトは10.5°、シャフトは純正で硬さはM43、長さは45.5インチです。
構えたときのシェイプは良く出来ています。フェースは目標に合わせやすく、クラウンの曲線の溝もきれいに合っています。ネック側の後方にかなりのボリュームがあります。この部分は好き嫌いがありますが、僕はグッと来ます。最後の一押しをしてくれるような頼もしさを感じました。
当日は晴れていて、気温は30℃、コースのコンディションも夏真っ盛りで、ティーやフェアウェイの芝生も元気一杯でした。最初の一球は、フェアウェイの右を狙って、軽いドローを打とうとしました。打音は大きめで、打ち応えはやや柔らかく感じましたが、十分に良い手応えでした。
芯に当たったボールは、打ち出しから高く上がって、狙いよりも少し多めにドローがかかりました。フェアウェイの左サイドに落ちていきました。飛距離は220ヤード。飛距離性能は合格です。オーソドックス、というのが第一印象でした。
言葉選びが難しいのですけど、悪い意味ではなく、特に変わったところがないという意味です。それでいて、ボールをとらえようという動きは感じるのです。実際に、次のホールからでも、ドローは打ち易いドライバーでした。フェードも、ストレートも打てるのですが、スピン量が増えるようで、飛距離は少し落ちました。
飛距離性能を見極めるために、ドローボールででどんどん打ちました。強く振ると、ボールが少し吹き上がってしまう感じがしました。ボールをとらえて、左に曲げようという挙動は打っている範囲では感じなくとも、弾道には出ます。
“赤 egg ドライバー”は、スライスに悩む多くのゴルファーを助けるようなチューニングになっているようです。
また、ボールが上がりやすいのも、一般的には打ちやすいドライバーだという評価になるのだと感じました。飛距離性能はトップクラスです。狙い通りにドローを打って、スピン量などの弾道スペックが整ったときは、240ヤードは飛びました。
特筆すべきは、許容範囲の大きさです。芯を外したときのミスヒットでも強い弾道が出ます。そして、ボールが狙ったとこに行きやすいのです。
飛距離が出るドライバーの中には、ちょっとのミスショットなのに、全く狙っていない弾道が出てしまうものもあります。芯に当たったときに狙い通り飛ぶのは当たり前で、ミスショットすればそれなりに狙い所から逸れるのも当たり前です。
しかし、“赤 egg ドライバー”は、ミスしても大きくは逸れないのです。理屈はわからないのですが、結果として、そうなるのが不思議でした。
赤eggのフェアウェイウッドでぶっ飛ばす!
“赤 egg フェアウェイウッド”は、ロフト13°の2番ウッド、通称ブラッシーと、ロフト15°の3番ウッドのスプーンをコースに持ち込みました。スペックは、ドライバーと同じでM43の硬さのシャフトでした。
ゴルフクラブが規則で14本までと決められるまでは、ウッドは1番のドライバーから2番のブラッシー、3番のスプーン、4番というような4本組みで作られていたそうです。(当時は5番ウッドやショートウッドは一般的ではなかった)
最初に消えたのは、最も使わないと判断された2番ウッドでした。それから約80年が経って、市場には時々、2番ウッドが出現します。ドライバーが苦手な人や、3番ウッドが得意でもっと飛ばしたい人が使用して大成功という話も聞きます。
プロゴルファーや上級ゴルファーのためのブランドでは、スプーンとして13°に近いものと15°の二種類がラインアップされていることは珍しくありません。スプーンを使用するシーンの優先順位が、トップクラスのゴルファーの中でも大きく違うからです。
“赤 egg”の場合は、強いてスプーンを2系統の中から選ぶのではなく、ブラッシーとスプーンに分けてラインアップしたのです。これには興味を持ちました。構えた感じは、ほとんど差を感じませんでした。長さも半インチ違うだけです。ドライバーと同じように、フェースは目標に狙いを決めやすく出来ています。クラウンの溝もズレはなく、邪魔になりません。丁寧に作られていると感心しました。
実際に打ってみました。まずは、ブラッシーから打ちました。13°ですが、ボールはちゃんと上がりました。構えたときにも、ロフトが立っている不安はほとんど感じなかったので、自然な感じでした。変に意識して飛ばそうとしないで、普通に打てるかどうかが勝負になると感じました。
フェアウェイの良いライから打ったのですが、飛距離は210ヤード。やや軽いドローがかかって、高弾道のきれいなボールでした。第一印象は簡単だなぁ、ということでしたが、僕はスプーンを得意としているので、一般的には易しくはないかもしれません。
次は、ティーアップをして打ってみました。これも良い感じでした。フェースの上部に当たると、低スピンでドライバーような棒球っぽい弾道になります。続けて、15°のスプーンも打ってみました。
フェアウェイから打って、最初に感じたのは「あれ、ドローが強い」ということでした。
13°の2番では強く感じなかったのですが、スプーンはボールが左に行こうとする挙動がハッキリとわかります。ボールもかなり高く打つことも出来ますし、逆に低めに打ち出すことも出来ます。色々なボールが打てるクラブは頼もしいものですが、同時に意図しなくとも色々なミスが出るということでもあります。
何度か使っていて、ビックリするシーンがあったのです。思ったよりドローが強くかかって、狙いより15ヤードほど左に行ったのですけど、飛距離が230ヤードを少し越えたのです。『ドライバーで打ったよりも飛んだ……』と動きが止まりました。
“赤 egg フェアウェイウッド”のスプーンの飛距離性能は強烈で、思い切り魅力的です。しかしそれは、ドローを打ったときにしか発揮されません。更に問題なのは、ドライバーではコントロールしやすいと感じていたドローボールが、スプーンになると暴れてしまって、なかなか思い通りに同じ球を打つことができませんでした。
僕のヘッドスピード42m/秒では、13°のブラッシーを使いこなせていない可能性がありますが、ラウンドを通して感じたのはスプーンのほうが飛ぶという現実でした。過去の“egg”のフェアウェイウッドは、斬新すぎて遠慮するというゴルファーも多かったと思いますが、今回の“赤 egg フェアウェイウッド”は、オーソドックスなので違和感はないと思います。
飛ぶスプーンは魅力的です。パワーがある人や、ドライバーの代わりを探している人には13°のブラッシーを。飛んで簡単なスプーンを探している人には15°のスプーンをお薦めしたいと思います。
“赤 egg ドライバー”と“赤 egg フェアウェイウッド”をコースで打ってみて、総じて感じたことは、見た目は正統派なのだけど中身には確信が詰まっているということです。もう一つ、“egg”シリーズは、尖ったバリバリのアスリートだけではなく、広く多くのゴルファーを視野に入れて開発されたんだなぁ、と感心しました。
パッと見ただけだと、難しい印象を持つかもしれませんが、打ってみたら易しく使えるという感じです。是非、手に取って欲しいと思います。
スペック
赤 egg ドライバー
★発売日 2017年9月中旬
★ロフト 10.5° 11.5°
★長さ 45.5インチ
★シャフト M-43、M-40、M-37、M-35、M-30
★価格 1本 75,000円+税
赤 egg フェアウェイウッド
★発売日 2017年9月中旬
★番手/ロフト #2/13、#3/15、#5/18、#7/21、#9/24、#11/27
★シャフト M-43、M-40、M-37、M-35、M-30 ※M-35とM-30は#2の設定なし
★価格 #2、#3、#5 1本 50,000円+税
#7、#9、#11 1本 40,000円+税