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7番アイアンを制す者はゴルフを制す!

  • 2015.11.04

「2番は空振りしがち、3番はスライスの恐れがある。4番はトップ、5番はフック。6、8、9はダフるし、ウェッジは距離がイマイチ。やっぱり7番。間違いがない。一番安全なクラブだ。」

そう言って7番アイアンだけでバックナインを回った結果、65のスコアを叩き出し、USオープンの地区審査を突破したのはレッスンプロであり伝説を作ったゴルファー、ロイ・マカヴォイ。

と言っても、これは映画のお話。ケビン・コスナー主演「ティン・カップ」の興味深い一場面です。

感動のフィナーレもあるので興味がある方は是非見てみて下さい。

そんなロイ・マカヴォイも愛した7番アイアンとじっくり向き合うというのが今回のテーマです。

初心者にとっての基本は7番アイアン

7番は、初心者が最初に使う番手というイメージをお持ちの方は多いかもしれません。

ティン・カップの話は極端ですが、確かに初心者のうちはしばらく7番を練習すべし、とはよく聞く話です。しかし、なぜ7番が基本クラブとされているのでしょうか。

ご存知の通り、一般的にはゴルフは長いクラブほど難しく短いものほど簡単だと言われています。これは、長くなればなるほどボールと体との距離が離れていくため、インパクト時のミート率が下がってしまうからです。

これは、クラブだとあまりイメージしにくいですが、例えば、箒(ほうき)をイメージしてみると分かりやすいと思います。学校の教室に置いてあるような柄の短い箒はごみを集めやすいですが、柄の長い竹箒は少し扱いづらいですよね。これと同じことがゴルフでも起こっている訳です。

14本のクラブの内、長さからしてちょうど中間の位置にあるのが7番アイアンです。どんなに運動センスがある人でもしばらくクラブを握っていない状態でいきなり長いクラブを持たされると、うまく操作することはできません。

プロやトップアマは練習場で短いクラブから順に打っていきますが、これは大きな遠心力に少しずつ体を慣らしていくためです。こうやって考えると、理にかなった練習方法だとは思いませんか?

中間のクラブを振ることで大体、どれくらいの遠心力が体にかかってくるのかが分かってきます。そうなるとクラブが急に変わってウェッジやドライバーになっても体が反応しやすくなるというのが基本クラブとして扱われている主な理由なのです。

それともう一つ、初心者ならだれでも振りたくなるクラブはドライバーですが、いきなり振らせてもまともにミートさせることはできません。しかし、7番アイアンなら初心者でも打てることはあります。ウェッジほど、易しいクラブではないけれども、それなりに難しい7番を打つことで自身をつけてもらいたいというレッスンプロの思いも含まれていることをお忘れなく。

6番アイアン基本説は?

 

上田桃子プロらが学んだ、あの坂田塾。やっとクラブを握れたと思ったらしばらくは6番だけ、という話はあまりにも有名です。坂田塾では6番アイアンのハーフスイングが基本とされています。

しかし、アマチュアゴルファーでしたら7番からで充分です。
なぜかと言えば、“女子プロでも7番からしか入れてない選手もいるくらいだから”。

女性のクラブセットは、7番からのパターンがほとんどです。少しデータは古いですが2014年~2015年シーズンにおける女子ツアー優勝者のクラブセッティングを確認してみましょう。

まず、6番からのクラブセッティングを組んでいる優勝者は以下の通りです。

イ・ボミ   2015年10月 スタンレーレディスゴルフトーナメント
キム・ハヌル 2015年9月 第46回マンシングウェアレディース東海クラシック
原江里菜   2015年7月 大東建託・いい部屋ネットレディス
申ジエ    2015年6月 ニチレイディス
2015年5月 サイバーエージェントレディスゴルフトーナメント
飯島茜    2015年3月 Tポイントレディスゴルフトーナメント
鈴木愛    2014年9月 コニカミノルタ杯

以下の2人は7番からのセッティングです。

表純子    2015年9月 第43回ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンゴルフトーナメント
前田陽子   2015年7月 サマンサタバサ ガールズコレクション・レディース

優勝者ではないものの、6番以降でのセッティングを組んでいるのは他にも、青木瀬令奈、香妻琴乃、佐伯三貴、堀琴音、茂木宏美などといった女子プロがいます。(コース次第ではクラブを変えたりもしますね)

これは女子だけに限った話ではありません。例えば終身シード権を獲得している片山晋呉プロなどは6番アイアンからのセッティングを組んでいる選手として有名です。

優勝した2014年のカシオワールドオープンでは、6番アイアンからのセッティングで話題になりました。進化した新しいクラブを使いこなし、クラブセッティングも常に見直し続けている道具に拘りを持つ選手の代表格でもあります。

男性だって、苦手なら無理に(意地で)5番、6番を入れておく必要はありません。打てないクラブをわざわざ格好つけてしまっておく必要は無いのです。見栄を張るくらいなら、確実に優しく打てるUTやFWを使って仲間を驚かせてやりましょう。その方が気持ちもスカッとしますよ。

なお、シニアツアーで活躍する選手のキャディバックの中身を見ると、数年前とはかなり様相が変わってきていることに驚かされます。ゴルフの帝王ジャック・ニクラウスの好敵手としても知られるトム・ワトソン選手のバックの中にはUTクラブがずらりと並んでいます。

彼らは5番や6番が打てなくて抜いている訳ではありません。少しでも良いスコアを出すため、貪欲にゴルフというものと向き合っているからこそアイアンtよりも高いパフォーマンスを出せるUTをバックに入れているのです。見栄やプライドは何の役にも立ちませんが、UTやFWはきっとあなたの心強い味方になってくれるはずですよ。

各クラブの役割をじっくり考えてみる

さて今日のお題は7番アイアンでした。ところで皆さん、ご自身のクラブを、以下の3つに分類してみていただけますか?

1.ボールを飛ばすクラブ

2.ボールを花道近くまで運ぶクラブ

3.ピン、またはカップを狙うためのクラブ

100ヤード以内をショートゲームとすると、ウェッジ、あるいはPWくらいまでは3に分類する方がほとんどでしょう。1のボールを飛ばすクラブはドライバーという選択をする方が多いでしょうし、2の花道近くまで運ぶとなると、フェアウェイウッドやユーティリティなどが当てはまりますかね。皆さん、どうでしょうか?

クラブは長くなればなるほど、グリーンに一発でオンできる確率は下がります。するとロフト角と長さがちょうど真ん中のポジションに位置する7番や6番は、微妙な立ち位置のクラブになります。

長さ、ロフトやライ角が違うクラブを使うということは、思っていなくても結果的にスイングは変わることになります。別に思っていなくても、番手ごとにボールと体との距離や前傾姿勢の角度も自然と変化しますし、目的や役割も微妙に違ってくるのでこれはしょうがないことでもあります。

問題は7番の役割は何なのかということではないでしょうか?

ここで、すこしだけ、7番アイアンのクラブヘッドと向き合ってみてください。8番アイアンと比べるとフェース、顔つきが全然違いますよね?

8番はウェッジに近く、7番はロングアンアンの顔に近いことがわかります。7番はその顔つきからして、アプローチのようにピンを狙っていくというよりかは飛ばすクラブに近い限りなく近い存在なのです。こういうことを言うと上級者の方に言うと少し怒られてしまいそうですが、テクニックの無いアマチュアゴルファーにとって7番アイアンはピンを狙っていけるクラブではありません。したがってピンを狙う必要もないクラブなので狙うのは「あそこらへん」でも充分通用するという考え方もできるということになります。

ちなみにアイアンに関しては狙っていける番手は人それぞれにバラつきがあります。例えば、タイガー・ウッズ選手は「ピンを狙うのは6番くらいまで」、池田勇太選手は「7番は距離感が優先で、8番はピンを狙っていく」と言っています。全てのアイアンでピンを狙っていると思っている我々アマチュアにとっては少し変だと思う話ですが、たとえ結果が厳しく求められるプロ選手でも判断の線引きは自分自身で行っているのです。とはいえ、狙う場所が適当ではいいと言っても毎回、同じくらいの飛距離が安定して飛ばせないのであれば、「あそこらへん」の目標さえも狙うことはできないでしょう。まずは同じ距離をコンスタントに出すためのテクニックを磨きましょう。

7番アイアンの飛距離を安定させよう

多くのアマチュアゴルファーは、ピンまで残り何ヤードかという残り距離にはこだわるのに、番手ごとの飛距離には、あまりこだわらない傾向があります。

その理由を訊ねると
「だっていつも同じ距離飛ぶわけじゃないし」と自虐的な回答。

いやいや、安定させましょうよ!

「たまに芯に当たると、飛びすぎるんだよね」

いやいや、芯に当たるのがベスト!

「別に、シングル目指してるわけじゃないし」

そういう問題じゃないと思うのですが・・・。

練習場ではよく見かけるゴルファー同士の会話の一コマです。

残り何ヤードかわかっていても、飛距離が安定しないんじゃ、意味がありません。
また、ランを含んだ飛距離では、池やバンカーを前にしてはもはや何の役にも立ちません。
つまり、アイアンはキャリーで何ヤード飛ぶかが重要なのです。

飛距離を安定させるためには、やはり、再現性の高いスイングを身につけること。
これしかありませんよね。
そして、高く上がって真下にスーッと落ちてくるアイアンらしいショットを打つためにはダウンブローに打っていく必要があります。これは必須条件です。リーディングエッジ(ヘッドの出っ歯)でボールをしっかり押し込むようにハンドファーストのインパクトとフィニッシュでの左サイドへの体重の完全移動ができてこそ、道具としてのアイアンの持ち味が生きてくるのです。

スイングの再現性を高めるのに7番を使うのは、やはり基本のクラブだからです。7番でコツをつかめれば6番以上のアイアンを握った時、7番を打てているのだから打てるはず!と、さすがに自信までは湧いてこないにしても、不安感は軽減されます。

8番ならなおさら、7番とはシャフトの長さがほとんど変わらないので違和感なく打てます。しかもつかまりやすい顔つきをしているのです。

90を切ったことだってある。でも、ラウンド中にスイング急におかしくなり、原因もわからず。当たりは悪くても下手に飛ぶから余計に始末が悪く、あえぎながら100を叩いてしまう・・・そんな方は、ぜひ、取り組んでみませんか。

自分に合ったスイングを見つけるには

手っ取り早いのは個人レッスンです。ただご存知の通りゴルフ理論はコーチの数と同じくらい存在すると言っても過言ではありません。また、何よりゴルフはメンタルがものをいうスポーツです。

初心者でもメンタルの影響は受けるもの、と言いますか、初心者であればあるほどメンタルの影響を受けると言えるかもしれません。ですから、合わないなと思うコーチの元からは、サッサと離れましょう。メンタルに悪いです。

いいコーチに巡り合えたとしても、今は雑誌、DVDの他、動画サイトもありますね。見たら気になってしまいます。そういう時はコーチに、こういう考えはどうでしょうか?と質問し、自分に合うかどうかチェックしてもらいましょう。

骨格や関節の動きは人によって違いますし、可動域にも個人差があります。あなたなりのスイングを体に覚えさせるまで、徹底的に取り組むことが、結局は上達への一番の近道です。

レッスンは、受けただけではもったいない

現在書店には、多くの自己啓発本がベストセラーとして平積みされています。読んだことがある方は多いと思いますが、もっと多いのは、せっかく自己啓発本を読んだのに、読んで気が済んでしまい、実行に移さず啓発本コレクターになり下がってしまう人。

ゴルフも同じだなぁとつくづく思います。基礎レッスンはノウハウ(自己啓発本)に過ぎず、それを実践し、素振りや打ち込みをしてこそ身になるのです。

パターの練習だけでなく、アイアンの素振り程度のスペースなら、家でも方法はあります。段ボールの上に毛足が長めのカーペットを敷けば、あっという間に即席のフェアウェイの完成。

ゆっくりとした素振りで、グリップや手首の使い方、地面を踏みしめる感覚など、(家具が心配なので)かえって集中できていい練習になります。それが無理なら、エア素振りでもいいじゃないですか!

アドレスの作り方、テイクバック時の意識ポイントなどを決め、ルーティーンを作ります。するとテンポもつかみやすくなり、シャンクなどが出てしまった時にも、ルーティーンがしっかりしていると、解決の糸口がつかめます。

自分に合ったアイアンの選び方とは

自分に合ったアイアンを選ぶことは、初心者にとっても買い替えの方にも大切な一大事です。自分に合ったクラブとは、通常は値段、見た目、好きなメーカーか、構えた時の感覚などが一般的な判断基準となります。

また、それ以外にも自分のレベルに合った優しいクラブを使うべきなどと言う人もいます。ここでいう優しいクラブとは、自分の今のレベルから見て、ミスヒット強く、スイートスポットに当たらなくてもある程度ボールが遠くへ飛んでくれるクラブという意味です。言い換えれば、ゴルフが下手でもごまかしが効くクラブということになるのかもしれません。

確かに、この意見には正しい面もあります。いわゆる難しいクラブは、どれだけ一生懸命にスイングしても振ったなりにしか飛ばず、誤魔化してはくれません。クラブ選びは、大げさに言えばゴルフとどう付き合いたいか、を考える大切な作業でもあります。しかし、もっと道具的な発想で消耗品だと考えれば、その時々にあった最適なものを購入した方が上手くいくこともあることを知っておいて下さい。

そうは言っても、自分の思いに見合ったクラブを選べば、愛着もわくというものです。思い切って好きな選手のクラブを参考にすると、モチベーションがあがるきっかけにもなります。

まとめ

そんなにお金も時間もかけられないよ、と誰か言っている声が聞こえます。今まで通りでもいいのですよ。ゴルフは、「あーあ、今日こそ100切れると思ったのになぁ」とぼやくのも、楽しみの一つなのですから。

7番が相棒となったら、ティン・カップのロイ・マカヴォイのように7番だけでラウンドしてみることも面白いかもしれませんね。

でもいつものラウンドよりもスコアが良かったりしたら・・・練習の成果でしょうが、素直に喜べない気もします。

 

この記事を書いたライター

前半10オーバー、後半10オーバーの92前後をウロウロしていることから、トト(10・10)と申します。
海外男子ツアーから国内女子ステップアップツアーまで、趣味は素振りをしながらのゴルフ観戦onTV。
スコア85を目指しながら、GOLFESで皆様とゴルフ三昧の時間を共有できることに感謝します!

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