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ゴルフ業界精算システムの紆余曲折

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ゴルファーは新しい物好きの人が多いですが飽きるのも早く、発売から2~3年もすると見向きもせずにホコリまみれの品物って結構あるものです。
ゴルフの道具類も毎年のように買い換え、古いクラブはホコリをかぶっていますが、なぜか売り払うのも惜しいような気がします。

ゴルフ場も古いスタイルから新しいシステムに変更することがありますが、その理由はゴルファーとちょっと違ったものです。

今回はそんなシステムチェンジに絡むゴルフ界についてのご紹介です。

システム導入と伝統

伝統を重んじるゴルフ界では、会議の席で「伝統」とか「慣習」という言葉を重んじすぎて、改革が起こりにくいという風潮がありました。

まだ昭和だったころ、ある情報システムの会社がゴルフ業界にアプローチをかけてきました。世の中はオフコンが主流の時代で、まだパソコンは処理能力が低くメールかホームページを操作する程度の時代です。

彼らは「ゴルフ場の精算システムを作りたい」と言ってきました。当時のゴルフ場は小さな伝票にサインをもらい、それをソロバンで集計して精算時にまとめて請求していたわけです。コンペが終わると一斉に精算することになり、フロントは大混雑していたものです。

その会社ではすでにホテル業界に同様のシステムを導入させていました。精算方法が似ていることから、簡単にできると考えたようです。
ところが当時はどこのゴルフ場も一律料金ではありません。メンバーとビジターの区分以外に、支配人枠の特別料金や営業用の割引料金など複雑になっていました。

そんな事もあり先駆的なシステム会社は、複雑な料金に対応するために会員管理も一緒に作ることになったわけです。

結果、約2年の歳月を費やし、予約と精算、会員管理やハンディキャップ管理など膨らみ続けたシステムがやっとできました。

・・・ところが、最終決定する理事会でなんと「却下」となったのです。

逆転のバブル到来!

なぜ却下となったか。
それはメンバーに「番号をつけるのは失礼」と言うのが大方の意見です。いまでは考えられないことですが、当時は大真面目にそういうことになったのです。

当時はレストランで片手をあげて「よろしく」とポーズをとると、テーブル全員分を支払う暗黙の了解があり、注文前に精算番号を提示する習慣はありません。
まして古参メンバーはサインをしないことがステイタスにもなっていたので反対は強固なものでした。

要は「特別な待遇」が会員の条件となっていた時代です。番号を見せないと精算できないとか食事を注文できないなんて許されなかったのです。
それでも苦労して開発したシステムを捨てることはできず、併用制から始まり、徐々にシステムが入り込んでいった頃に、〝あの〟バブルが到来します。

結果どこでもゴルフ場システムを導入することになり、にわかにゴルフ市場も活気づきました。
そこにIT業界が参入してきます。後発の会社のシステムもほぼ同じ内容ですが、その頃にはICチップやバーコードで読み取るものも表れ、当初よりも使い勝手がよくなってきました。

でもオフコン形式ですから一度導入すると、余程のことがないと別なメーカーのものに変えることはありません。そこで後発組は導入時の入力フォローを約束したり、グループ各社のゴルフ場の利用回数を確約して契約に持ち込もうとしました。

結果的にクラブ役員のなかに取り引き先があり、強い推薦で後発会社に変更することになります。
3000万円を超える投資を捨てて、新たに3000万円の投資を行うことになったりしたものです。

しかもこのころになるとゴルフ場システムがないと精算できなくなっていて、あれほど抵抗していた役員も「古き良き伝統」より早い精算力が便利だと感じてきたわけです。テーブル料金を一括精算する人も少なくなって個人精算が当たり前の時代になっていたのです。

再投資を繰り返す羽目に

たったの5年で6000万円以上を投資することになりましたが、それでお終いではありません。
なんとバブル崩壊後ゴルフ業界は構造不況業種となってバタバタと潰れ出していたので、システム業界は撤退することになったのです。

押しの一手で参入した某システム屋さんのゴルフ場システム部門は事実上の閉鎖。担当社員は違う会社に出向し、バックアップフォローができないということになったのです。
まさかのハードだけが残る危機的状況。かといって伝票会計には戻れませんしメンテナンスなしで使い続ければいつ止まってもおかしくない状況。業界は大騒ぎとなっていました。

そこに現れた救世主が、スキマ産業的なパソコン起業家です。あっという間にオフコンと同じものを作り上げ、しかも素人でも書き換えができるようになり、経理システムとも連動し今まで以上に便利なってきたのです。

内容的には数段進歩したうえに価格も当時よりはるかにリーズナブルになり、なんとか精算力を落とすことなく営業できるようになりました。

これまでの多額の出費は無駄になったものの、使いやすいシステムになったわけです。
とはいえOSのバージョンアップごとに改修が必要になったりして、導入後も毎年のように出費がかさみ、今度は理事会で「費用がかかり過ぎる」と文句を言われる羽目になったりしたわけです。

今、こうしてスムーズに清算ができるのは、そんな紆余曲折があったからかも・・・などと思いつつプレーしても気が重くなるので、プレーは楽しくしたほうがよいでしょう。
ですがたまにはそんな裏側に思いをはせてみてはいかがでしょうか。

 

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