恥ずかしがらずに叫ぶのが大事!危険を知らせる「フォアー」のコツとは
ラウンド中に何度か聞く「フォアー!」。実際には「ファァァーーー!」と聞こえるかもしれません。
ご存知の通り、「フォア―!」は、前の組や林の中、隣のホールなど、人がいるかもしれない場所に打ち込んでしまった場合に、打球への注意を促すために発する言葉です。
現実では、パターを除くすべてのストロークのたびに「フォアー」を発声する可能性はあるわけで、たとえフェアウェイをキープしていたとしても然り。そして、ゴルフのキャリアが長い短いにかかわらず、誰もが起こし得る可能性があるものです。
今回は、危険球を打ってしまった際に、プレーヤーがまずするべき対応、「フォアー!」について、お話ししたいと思います。
コースガイドをよく確認
ゴルフコースの造りは、ひとつのホールが100ヤード以上の縦に長いコースが、18ホール以上つくられています。当たり前のことですが、ホールが縦一列に並べられる縦長の土地が用意されているわけではなく、限られたスペースの中で土地を有効に使って作られています。
従って、距離の違いこそあれ、たとえば1番ホールの横には10番ホール、5番ホールの横には6番ホールが、並行して配置されていたりするのが一般的といえます。
そして、必然的に隣のホールでもプレー中のゴルファーが存在することになります。また、一筋縄でいかないようなコースが求められるので、林や崖、先が見えなかったりすることも大いにあります。
特に初めて行くコースなら、コースガイドでコースのレイアウトをよく確認することがとても大事です。スコアメイクに役立てるためと同時に、読み解くほどに危険を回避できるものと思います。
ほとんどのコースでオフィシャルのHPを持っていて、ラウンド前からコースガイドを確認できるので、最近は便利ですね。中にはドッグレッグ(フェアウェイ途中で、犬の後ろ足のように右または左にくの字に曲がっている)のロングホールで、「前組への打ち込みに注意」などと促してくれている親切なものもあり、事前に見ておけばいくらか気持ちの余裕も生まれるものです。
ゴルフ場では、スコアカードの裏などに簡易的なコースガイドが書かれていたり、ティーインググラウンド付近にレイアウト看板などがあるはずなので、確認を怠らないようにしたいものです。
初心者ならキャディー付きプレーでラウンドすると、安心してプレーできます。キャディーさんはそのコースを熟知しているので、コース攻略のアドバイスをもらうと同時に、安心・安全にラウンドするためのサポートをしてもらえます。
コースに出たら、皆ゴルファー
コースに出たら「ビギナー」ではなく、「ゴルファー」です。初心者でも上級者でもすべて、自分の打球は自分の責任になります。つまり、前組や隣のホールの人にボールを当ててしまったら、自分に責任が問われることになるのです。
もし、前の組や隣のホールにボールが飛んでしまったら、クラブや打球の種類にもよりますが、「フォアー」が聞こえたあと2~4秒で着弾すると心得ましょう。
危険球を知らせることはゴルファーの責任ですから、キャディーさんに任せきりにしないで、必ず同伴者全員で「フォアー!」と発声することを心がけましょう。
本来は打った本人ができるだけ早く大声を出すべきですが、実際には(やばいっ!)と思うのが関の山である可能性が高いです。同伴者は打つ瞬間とどちらに飛ぶかを一番よく見ているはずなので、積極的に「フォアー」を叫びましょう。
叫んだあとは、ボールの行方と、木の枝などにぶつかる音がするか、静かに耳を澄ますこと。林などに打ち込んだのであれば、ボールを探す際の手掛かりになりますし、人の声が聞こえたら、周囲のゴルファーがいる場所へ打ち込んだ可能性が高いといえます。
人にぶつからなかった場合でも、打ち込みはとても失礼で嫌われる行為です。どんな理由であれ、打ち込んでしまったら丁寧に謝罪しましょう。
万が一、人に当たってしまった場合は、「大丈夫」といわれてもなるべく中断して、医者に診てもらうことがベターな判断といえます。
また、同伴者の打球がぶつかったための死亡事故も、過去に実際発生しています。同伴者が打つ時は、先に打つ人より前に出ないように気を付けましょう。
「フォア―!」を発声練習
ベテランのキャディーさんに、「フォア―」のよい発声について伺ってみました。
1.一般的には「フォア―」
ホール名などをいうこともありますが、打ってから着弾までは、秒を争う速さなので、どこで?どっち方向に?と考えている余裕はまずないはず。とにかく「フォア―!」を大声で叫びましょう。
打った時に「まずいっ!」と思ったら、すかさず「フォア―!」だけをいう方が伝わります。
2.ビギナーもベテランも、まずは大きな声で
フックやスライスが多発しても、「フォア―」はキャディー任せ、という人がいますが、打球事故を起こしたら、責任は打った本人にあるのは当然のことです。
キャディー付きプレーなら、前組や隣ホールなどへ打ち込んでしまったと思われる場合は、ほとんどの場合、キャディーさんが「フォア―!」と叫んでくれるはずですが、そもそも打った本人が注意喚起を促すのが本筋です。
セルフプレーの時は、まずは自分から発するべき言葉なので、その時に備える意味でも大きな声で「フォア―!」を叫べるように、普段から声を張ることに慣れておきましょう。
キャディーさんと一緒の時なら、恥ずかしさも半減しますから、練習にはもってこいです。
3.周りに聞き取りやすい声で叫ぶ
大声は大前提ですが、大自然の中で聞き取りやすい声の特徴もあります。
それは、「アー」を強く長く伸ばすこと。そして、できるだけ高い声で叫ぶことのふたつ。
母音の「ア」は口を大きく広げる形になるので、自然と声も大きなり、長く伸ばしやすい音になります。また、甲高い声はお腹の底から出す声よりも、遠くまでよく通って耳に届きやすいのです。
お腹の底から出す声は、どちらかというと耳に心地よく響く音なので、カラオケなんかでは有効なのでしょうが、素早く危険を察知してほしい緊迫した状況には、耳に煩わしいくらいの、高い声の方が効果的です。
「(ふ)あぁぁぁぁーーー!(やっちゃった~~~)」みたいなコトでもいいので、ゴルファーとしての責任を果たす意味でも、必ず発声しましょう。
「フォア―!」が聞こえたら、とにかく頭を守る!
「フォア―!」と聞こえると、つい声の方向を見てどこからくるのか確認してしまいますが、ボールが顔に当たる可能性が高く危険なので、顔を上げることは避けましょう。
声が聞こえたら、とにかく小さくなること。たとえスイング中であっても、クラブを置いて、防御の態勢を取りましょう。
しゃがんで身体を小さく丸め、両手と両腕で頭を覆い隠します。
帽子の着用は、ゴルフでは義務付けられていませんが、頭の保護には役立ちます。万が一に備えるためにも、帽子はかぶってプレーしたいものです。
マナーとは、安全に身を守るためにあるものといえます。
ちょっと普段は口にするタイミングのない「フォア―」ですが、いざという時に必ずできるように、準備を整えておきましょう。
初心者川柳
フェアウェイで、まっすぐ飛ばなきゃ、まず「フォアー!」