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間違いだらけのゴルフスイング!【右脇を締める】の本当の意味とは?

多くのゴルファーが、右脇を締める意味を間違ってトライしている。

日々、ネットや雑誌のレッスン情報、あるいはコメントでよく言われている「正しいゴルフスイングは、右脇を締めてスイングする」というアドバイス。多くのアマチュアゴルファーが練習場でひじの位置に注意して試して、「あれっ、ボールが右にスライスしてしまうじゃん、ストレートに飛ばないなぁ」と思った人も多いはず。

実は「右脇を締めること」を意識してスイングするのは間違いなのです。右脇を締めることを意識してスイングすると、バックスイングでかえってフェイスが開き、ボールがスライスすることが増えてしまいます。また飛距離も伸びません。そんな人、そんなときに、試して欲しいことがあります。

正しく右脇を締める方法はこれ!実は「左」にヒントがある。

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ボールをストレートに飛ばすためのポイントは、アドレスで構えた際に作ったグリップをインパクト時までキープすること、これが重要です。そのためには、バックスイングに入り、トップを作った時点まで左腕をまっすぐに伸ばし、左肩を回転させてトップを作ります。

そうすれば右肘がカラダに近づき、自然と「右脇は締まる」状態になります。このトップの形をキープしたまま、つまりグリップと腕の角度をキープした状態で肩を回転させてインパクトを迎えると、また自然に「右脇も締まった」状態で理想的なインパクトを迎えます。

このようにスイングすると、トップで作った左手首の角度がキープされたままインパクトを迎え、インパクト時にハンドファーストとなり、インパクト時まで「ため」がほどけない、安定した強いスイングとなります。

つまり「右脇が締まった」状態とは、トップで作った正しい左手首のグリップをキープして肩を回転した結果に過ぎず、いくら右脇を締める練習だけを繰り返しても、正しいスイングは作れないということです。これは飛距離を出したいドライバーでも、距離と方向性を出したいアイアンでも同じことで、ゴルフスイングの基本原理のひとつです。

多くのティーチングプロは、なぜ「右脇を締めろ」と言うの?

ではなぜ多くのティーチングプロたちは、「右脇を締めて」と、右脇にタオルを挟むなどしてアドバイスするのでしょうか。その理由は、正しいトップの形を客観的に判断する際に、右脇の締りをチェックしているからです。

左腕が伸びた状態で左手首に適切な角度が作られてトップを作ると、自然と右脇は締まります。ひとりひとり体型や身体能力が違う生徒に教えるティーチングプロは、その生徒にとって最適のトップであるかどうかを判断する目安のひとつとして、右脇の締りを確認しているからです。

右脇の締まった、正しいトップを体感しよう。

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上達するためには、鏡やビデオを使ってトップの状態を確認するということも考えられますが、ビギナーには正しいトップかどうか、スイングを見ただけでは判断ができないと思います。そこで自分の体型や体格にあった最適のトップが体感できる練習器具をご紹介します。

まず使わなくなった古いウェッジなどを1本用意してください。つぎにヘッド部分にウエイトを取り付けます。

外れると大変危険なので、私の場合はダンベル用のウエイト500グラムを強力なビニールテープと強力な工事用接着剤を使って頑丈に固定し、さらに古くなったグローブを取り付け、グローブの手首部分もたこ糸と接着剤で固定しました。

この練習器具を今まで通りのクラブ軌道で、ゆっくりと振り上げます。ゴルフクラブを大変重いと感じると思います。そのため、トップを作る際に左腕がまっすぐでないとクラブヘッドを支えきれずバックスイングができません。

また、トップ時にクラブシャフトが垂直にならないとトップで静止し、クラブを支え続けることができません。そのため正しいバックスイングの軌道とトップ位置を体感することができます。

ゆっくりとダウンスイングに入ると重さで左手首が開いてしまいますが、これに逆らって左手首の角度を維持すると、インパクトまで「ため」を作るために必要な筋肉の使い方が体感できます。

体感するコツは、クラブを振るスピードをできるだけゆっくりと行うこと。また腕とクラブを一体となったコンパスのようにイメージして、常に等距離で振ることを心がけること。また右足と左足という下半身でクラブの重さを支えるようにすること。そうすればダフらずに、振り抜けるスムーズなスイングプレーンが体感できます。

試される方は、くれぐれも怪我をしないよう自分の体格と体力にあったウエイト重量を選択し、決して外れないようしっかりと固定してくださいね。またラウンド前に練習しておくと、効果的です。

実際にコースで実践できるように、練習しよう。

正しいスイングを習得するために私が行った方法をご紹介します。練習器具からいつも使っているクラブに持ち変えると、まず「ずいぶんと軽いなぁ」と感じると思います。いつものクラブを普通に振ると、上半身と下半身のバランスが狂い、体勢を維持できない場合もあります。

また、バックスイングに入る際に右手や右腕がリードして振っていたり、振り上げる速度か速いとカラダとクラブが同期しませんが、クラブとカラダを適切に同期させる感覚も身につけられます。

そこでまずは練習器具で体感したクラブ軌道やカラダの使い方をイメージして、ウェッジでクォーターショットを練習しましょう。振り幅の短いスイングはスイングスピードも遅く下半身もあまり使わないのでごまかしが効かず、正しくスイングできているか判断しやすいからです。

このクォーターショットで、地面にダフらず、ボールの中心を捉えて正面方向にストレートボールで飛ばす練習を繰り返します。左手首のコックが崩れてしまうと右方向にシャンクするボールがでます。そんなボールを打ってしまったら、また練習器具を使い正しいスイングを体感し、どこが悪かったのか原因や問題点を探り、改善することを繰り返します。

右脇を締めるスイングのまとめ。

1.スイングを作るために、いくら右脇を締めることに集中しても、良い結果は得られない。
雑誌やプロが「右脇を締めたスイング」を推奨するのは、良いスイングを見極めるチェックポイントだから。

2.右脇が締まるのは良いスイングの結果なので、まずはバックスイングからトップ位置まで、最適の位置になることを覚える。

3.最適のスイング軌道とトップ位置を覚えるためには、今回紹介した練習器具がお薦め。ヘッドが重い練習器具なので、バックスイングで体感を使い、腕を伸ばして維持しないと持ち上がらない。またトップ位置でグリップを正しく構えないと、クラブを維持することはできない。

4.この練習器具で覚えたスイング軌道とトップ位置を、通常のクラブでできるようにする。

5.正しいクラブ軌道を覚えるためには、ウェッジでの短いクォーターショットを反復練習するのがお薦め。

今回紹介した練習器具は自作できますが、重量があるので自作する際は安全性に気をつけて製作してください。また使用する際も安全性にくれぐれも配慮して練習してください。

あしたのスコアアップのために、まずは良いスイング軌道とトップを作ろう。そのために、プロゴルファーのようにボールをカツンといい音で捉えるクォーターショットを目指して、頑張って練習してください。

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