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明暗分けた日韓の「女王」ゴルファー、LPGAファイナル・クオリファイングトーナメント(QT)

初日、1アンダー16位タイでスタートしたユン・チェヨンは、2日目4アンダーとスコアを伸ばし2位タイへ。3日目こそスコアを一つ落としましたが、最終日3アンダーでホールアウト。トータル7アンダーで堂々5位と、来季の出場権を手にしました。

QTは、LPGAツアーの活性化と門戸開放を目指して、来季のツアー及び下部のステップ・アップ・ツアーの出場権を取得するトーナメントで、今年のファイナルQTは11月29日から4日間、千葉・東急セブンハンドレッド東コースで開催されました。

ユン・チェヨンはQTのファースト(8月)から参戦、セカンド(11月上旬)、サード(11月下旬)と勝ち進み、ファイナルを迎えました。

イ・ボミ、キム・ハヌルと美女が多い、韓国ゴルファーの中でも、ユン・チェヨンこそが元祖美女ゴルファー。172センチとモデル並みのプロポーションを誇り、韓国の協会、KLPGAが毎年、実力と美貌に恵まれた10人を選ぶ「KLPGA広報モデル」の第1期生であり、8年連続で選出されているほどです。

まさに韓国ゴルフ界のエリートコースを歩んできました。小学校5年でゴルフを始め、国家代表常備軍入り。18歳でプロ入りし、2007年から10年間シード入りしています。しかし、意外なのはしばらく優勝できなかったことです。2位2回、3位1回になりながら、タイトルに結びつきませんでした。

悩みの中、2013年にアメリカでのトレーニングを導入、ウェイト、ランニングを中心にした身体作りや食事の改善を図りました。そしてデビューから実に159戦目にして2014年7月の済州三多水マスターズで初優勝を挙げました。

来年30歳を迎えるユン・チェヨンは今回の日本ツアー挑戦について、かつて「日本のツアーのほうがプレーする環境が整っていると思う」と語っていました。彼女にとって、10年間KLPGAで活動することから、新たな変化を求めたようです。今回の挑戦は2度目ですが、今年4月に日本で行われたヤマハ・レディースオープン葛城で3位に入ったことも決断の後押しとなったのでしょう。

2年連続日本で賞金女王となったイ・ボミ、今季2勝したキム・ハヌルの韓国美女軍団に新たに加わったユン・チェヨン。ファイナルQTでも、テレビカメラや報道カメラマンが彼女を取り囲みました。来季の女子ツアー人気を後押しする存在になるでしょう。

ファイナルQTで対照的な存在となってしまったのが、森田理香子でした。ツアーに本格参戦した2009年に27位となり初のシード権獲得。それから毎年シード入りし、2013年には年間4勝で賞金女王と初の頂点に輝きました。

2014年に1勝したものの、2015年は未勝利に終わり、2016年にいたっては33試合に出場しながら18試合で予選落ち。賞金ランキングで69位となり、シードを逃しファイナルQTに臨んでいました。

初日5オーバーと波にのれず、結局4日間で一度もアンダーで回れず、トータル9オーバー79位と惨敗します。来季はスポンサー推薦、過去優勝大会など数試合でツアーに出場できる可能性はあるものの、主戦場はツアー下部組織のステップ・アップ・ツアーにならざるを得なくなりました。

この数年の低迷には、「アプローチ・イップス」にあることは、本人も承知しているようですが、さすがにファイナルの結果にはホールアウト後、泣き崩れたようです。しかし、きっとツアーに復活することを願います。

ファイナルQTでは他にも話題の選手が出場しました。ソフトバンク・工藤公康監督の長女・工藤遥加はトータル3アンダーで15位に入り、来季のツアー出場権を手にしました。また、今年米ツアーからの里帰りを果たした有村智恵も17位と、優勝争いに絡む存在として活躍しそうです。

毎年ファイナルQT35位前後以内に来季ツアー全試合の出場権が与えられます。ユン・チェヨンとともに注目された韓国美女ゴルファー、アン・シンエはトータル4オーバーで45位と終わりました。韓国で「セクシー・クイーン」として話題のアン・シンエのフル出場はかないませんでしたが、半分程度の試合では、その魅力的な姿を披露しそうです。

ファイナルQTではさまざま悲喜劇がありました。これらのドラマは、来季のLPGAがさらに人気となる原動力となりそうです。

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