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ゴルフの上達のためには、シャフトの硬さへの偏見をなくそう

time 2015/12/09  folder ゴルフグッズ 技術向上

自分好みのクラブに仕上げるため、シャフトをカスタマイズする、いわゆる「リシャフト」するゴルファーが増えています。

既製品では難しい細かな部分にまで対応できるため、自分にマッチしたシャフトを選べば、自分のスイングを最大パフォーマンスまで引き出すことができます。

ゴルフを続けていると、自分に合ったクラブを探し求めたくなります。新しいモデルを買い求めるのも一つの方法ですが、自分が気に入っているクラブヘッドはそのまままに、シャフトを変えることで自分の目指すつかまりや球筋、そして飛距離を望めるのがリシャフトの最大のメリットでしょう。。

しかしそうはいっても、ショップで購入したそのままのクラブでプレーされる方のほうが、未だ圧倒的に多いのではないでしょうか?



こうしたメーカーで販売しているクラブに最初から付いているシャフトは、「純正シャフト」と呼ばれます。純正シャフトが決して劣っているというわけではありません。ゴルフメーカーは、例えばドライバーのヘッドを製作してから、そのヘッドに合うシャフトを選びます。

シャフトが不良ならば、そのクラブ自体の性能も落ちてしまいますので、メーカーとしても様々な条件下で、そのクラブに最適と判断したものを商品として販売するのです。ですから、純正シャフトはそのクラブヘッドの特性に合った、おススメのシャフトなのです。あなたにその純正シャフトが合うならば、それに越したことはないですよね。

ただ、既製品は当然ながら「万人向け」に作られますので、良くも悪くも性能にクセがありません。そこで、さらにゴルファーの細かな要望に応えるために、カスタムシャフトが存在し、購入後にもリシャフトができるのです。

あくまでも、リシャフトは純正シャフトでは自分のゴルフに合わない場合にすればよいものですので、今後ゴルフを極めていこうと思った際の、一つの手段だと思っていただければと思います。

さて、そんな既製品のクラブでも、自分で選べる項目があります。それは、ロフト角とフレックス(硬さ)です。

これはいわば洋服や靴のサイズを選んだりするのと同じで、見た目と値段はほとんど変わらずに、自分にフィットしたものを微調整できる選択肢です。そして、やはり洋服や靴と同じように、いつも「自分はロフト角9.5°のフレックスはSだ」などと決めてはいないでしょうか?

特にフレックスはプレーヤーのパワーを示す部分でもあり、「自分は力があるからSシャフトが良いんだ」というように、思いこんでしまっている方もいらっしゃいます。今回はそうした、シャフトに関する心理と傾向を探ってみたいと思います。

フレックスの基本的な表示



まず、フレックスの基本的な表示の説明をしたいと思います。メーカーによって表示は多少異なりますが、柔らかい方から順番に

L → A → R → SR → S → X

となります。基本的には、ヘッドスピードを参考にしてフレックスを選びます。

一般的なアマチュアゴルファーのヘッドスピードは、おおよそ40m/s程度ですので、目安としてそれに前後する38~43m/sぐらいのヘッドスピードなら、フレックスは「R(レギュラー)」が適しているとされています。

これを基準にすると、それより柔らかいのが「A(アベレージ)」、さらに柔らかいものが「L(レディース)」となり、逆に硬いのが「S(スティッフ)」、さらに硬いものが「X(エクストラ)」となります。

つまり、ざっくり分類すると、

Lはその名の通り、女性向け
Aは力のある女性やシニア、若干非力な男性向け
Rは一般的な男性プレーヤー
SRはやや力のあるプレーヤー
Sは力のあるプレーヤー
Xは非常に力のあるプレーヤー、トップアマレベル

となります。ヘッドスピードがパワーと直結しているわけではありませんが、概ねこのように考えていただければと思います。

そして、このように分類すると、多くのゴルファーがRのフレックスに集中しそうですよね。ところがここに、日本人的感覚の「真ん中よりちょっと上がいい」心理が働きます。これにより「SRやSの方が自分には合っているのではないか」という希望的感情が入るのです。

もちろんフレックスを決定するのはヘッドスピードだけでなく、スイングそのもののクセやスイングテンポなども重要となります。ですからヘッドスピードの数値だけで決める必要はないのですが、まずここで、フレックスの表示とプレーヤーの“R以上を選びたい心理”に差が出てくることがあるのです。

基準のないフレックス表示



ところで、このフレックスの表示は、実は明確な基準があるわけではありません。それぞれのメーカーがシャフトを製造するにあたり、相対的に決めているに過ぎないのです。

これ(R)より硬いからSR、さらに硬いからSのように、あくまでも同じシリーズのシャフトの中で堅い、柔らかいの違いを表現しているものと考えてください。ですから、メーカーが違えばフレックスの表示の硬さが違うのは当然で、同じメーカーでも、モデルが違えば同じような硬さとは限らないのです。

さらに言えば、シャフトは硬さだけではなく、重量やトルク(ねじれ度合)キックポイント(調子)など、様々な要素が絡み合ってパフォーマンスを発揮します。

同じクラブの中でのフレックスの違いはクラブの選び方の基準になりますが、今まで持っていたクラブや、他に検討しているクラブのフレックスは、あまり選択の参考にならないと思ってください。

つまり、「自分に合うフレックスはSだ」と思っていることにも、何ら明確な基準はないのです。

Rシャフトの風評被害



これまで、ドライバーでもアイアンでも「Rシャフトはフニャフニャして使いづらい。曲がるから駄目だ。」「Rシャフトは力のないゴルファーや、シニア向けだ。」と思っていらっしゃる方がいると思います。また、ゴルフ談義の中で、そのように発言しているプレーヤーをみることもあります。

実際、一昔、ふた昔前の時代は、柔らかい(硬くない)Rのカーボンシャフトは、いわゆる芯やコシのない頼りないシャフトが多かったのも事実でしょう。ですから、Rシャフトに不満を感じた方は、Sシャフトを選ぶ理由があったのです。

これらによって、“Rシャフト=非力なゴルファー”向けという考えが根付き、RよりもSシャフトを使うことが、クラブを使いこなす事ができる「上級者の証」のように考えてしまう原因ができてしまったのです。

全く間違いというわけでもありませんが、長い間のこうしたレッテルが、Rシャフトの存在のあるべき方向性を狂わせてしまいました。本来、最も多くの範囲のゴルファーに適したフレックスであるはずのRシャフトは、なぜか、中の下のような扱いになってしまったのです。

必然的にSRやSシャフトを選ぶ方の数が増えたため、メーカー側としても対策が必要でした。フレックスの合わないクラブは、ユーザーの満足度が下がるからです。(たとえそれがユーザー本人のチョイスであっても)

ユーザーの心理として、Rシャフトを選びたがらないのであるならば、SRやSシャフトの表記はそのままに、Rシャフトに近いフレックスを提供することで解決します。

前述したようにフレックスは基準のない表示ですから、その内容はどのようにも変更が可能です。相対的にRシャフトより硬ければ、それはSRやSシャフトなのですから。

なんだか本末転倒のような事態ですが、Rシャフトに対するゴルファーのイメージは、長い間このようなものだったのです。

こうした不遇のRシャフトでしたが、近年のシャフトの製造技術は、そうしたレッテルを払拭させるまでになっています。

優秀なRシャフト

シャフト製造に特化したメーカーが出来、シャフトの材料や製造技術の向上で、近年シャフトは飛躍的に性能がアップしました。カスタムシャフトはもちろんですが、純正シャフトも非常に優秀です。

どちらかというと、硬いシャフトよりも柔らかいシャフトでの性能の向上が顕著です。つまり、Rシャフト特有のしなりがショットの際にきちんとボールに伝わってくれるので、飛距離向上に直結します。軽くてしなるのにフニャフニャせず、頼りがいのあるというべきでしょうか。

現在は、実際のRシャフトの適応範囲に属するプレーヤー用として、充分なパフォーマンスを発揮するギアが数多く存在します。食わず嫌いのようにRシャフトを避けるのではなく、自分のゴルフをうまく伝えてくれる道具として、選択肢に入れてみるのはいかがでしょうか?

まとめ

キャディとしての経験を踏まえて申し上げると、コースでプレーヤーにマッチしていない、いわゆる「ハードスペック」を使っている方を、結構な割合で目にします。

人からもらったクラブですとか、特にクラブにこだわりは無いなどという方は、そのままゴルフを楽しんでいただければ、それで良いと思います。ゴルフに対する思い入れは、人それぞれですから。

しかし、ヘッドスピードの測定もし、さらには試打までし、たくさんの情報も取り入れて知識があるのにもかかわらず、上級者のシンボルのように「Xシャフト」を使う方がいるのです。

どんなクラブを選ぶのも、使うのもその方の自由ですから何の問題も文句もないのですが、一言でいうならば「もったいない」印象です。無理に自分に合っていないクラブ(シャフト)を使わなくても…と思ってしまうのです。

本人が楽しそうにプレーをしているのであれば、それでも構いません。しかし、嫌そうな顔をしながらプレーし、ストレスを溜めながらしているのであれば、見直すべきは自分の「小さな見栄やこだわり」かもしれません。

シャフトに限らず、クラブの性能は本当に一昔、ふた昔前とは比べ物にならないと思います。ツアープロもその進化のスピードを肌で感じるようで、特にドライバーの進化は、アイアンのそれより顕著だと言います。ですから、シャフトの硬さのみを最初から決めて考えるのは、ナンセンスなのかもしれません。

基本的には、練習を重ねてゴルフスイングを確立することが前提なのですが、もしクラブを買い替えようと思ったら、フレックスに対する偏見を取り除いてから試打してみてはいかがでしょうか?もしかすると、今までにない弾道がコースで打てるかもしれませんよ。


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KIMG0201
キャディ歴10年、ゴルフ歴25年のベテランmako

某人気ゴルフコースのキャディとして10年勤務し、自身のゴルフ歴は4半世紀。
自己流ゴルフで悩んでいましたが、レッスンを受けて開眼。
またゴルフが楽しくなってきました。
真面目なゴルファーです。


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