ゴルフ場は『孔球場』!?英語だらけのゴルフ用語を日本語に変換してみた件
20年ほど前のテレビ番組のゴルフ企画でお笑い界のビック3が集合し、揃ってゴルフをするという番組がありました。大変人気があった番組ですが、特にその中でも人気のコーナーは「英語禁止ホール」だったと思います。
これは、その決められたホールのプレー中、英語を使ってはいけないというルールです。大変面白い企画でしたので、実際にコースでやってみた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そして、やってみるとすぐに分かるのですが、ゴルフ用語は英語(カタカナ語)がいっぱいで、すぐにペナルティだらけになってしまい、とてもプレーになりません。(この場合は、日本人にしか通用しない和製英語も英語に分類させていただきます)
ほとんどのプレーヤーは、無意識に次から次へとゴルフ英語が出てきてしまうのです。無口にでもならない限りは、ゴルフができない状態です。それぐらいにゴルフでは、頻繁にカタカナ英語を使っているのだなと痛感します。
そこで今回は、そんな溢れるゴルフ英語を無理やり日本語に変換してみたいと思います。
もともと『ゴルフ』は、日本語では『孔球』もしくは『打球』というのだそうです。この言葉からして、例えばベースボール⇒野球のように浸透していませんよね。
英語禁止下にあった昔のゴルフ場で使用されていた言葉も使用していますが、今回はなるべくイメージがしやすいような日本語に置き換えてみました。日本語だけで理解できるでしょうか?状況を思い浮かべながら比較してみてください。
日本語だけで孔球を競技してみましょう
では、ごく一般的なコースでの行動を書きだしてみたいと思います。
私は打ち出し区域に向かい、木の1番で最初の1打を打った。同伴競技者に「良い弾道ですね」と声を掛けてもらい、球は短く刈り込まれた芝地へと飛んだ。そこから電動移動車に乗り込み、第2打地点へ向かう。球の位置の状態は良く、打具は鉄の7番を選ぶことにした。しかし、きれいな弧線を描くことは出来たのだが、向かい風に阻まれ、球は惜しくも砂窪地へ行ってしまった。
そこで私は砂用打具を使って脱出を試み、旗竿そばへ見事な乗せを行った。そこから球の推測曲がり幅を読み切り、基準打数であがることができた。
いかがでしょうか。非常に堅苦しく、しかも分かりにくいですね。
もともと日本語は外来語も上手に取り入れて、日本語と同じように動詞や形容詞、名詞に変化させて使いますので、日本語だけの方が無理のある文章になってしまいます。
では、同じ内容を普段通りに表現してみましょう。
私はティーグランドへ向かい、ドライバーでティーショットを放った。同伴プレーヤーに「ナイスショット!」と声を掛けてもらい、ボールはフェアウェイへと飛んでいった。そこからカートに乗り込み、セカンド地点へと向かった。ライは良く、クラブは7番アイアンを選ぶことにした。しかし、スイングは良かったのだが、アゲンストに阻まれ、ボールは惜しくもバンカーへ行ってしまった。
そこで私は、サンドウェッジを使って脱出を試み、ピンそばにナイスオンした。そこからラインを読み切り、パーであがることができた。
となります。どちらの方が、イメージが湧きやすいのかは一目瞭然ですね。
ゴルフ英語アレコレ
これ以外にもたくさんのゴルフ用語があります。いくつか例を挙げてみましょう。
OB・・・競技区域外地域
OB球・・・逸れ球
ウォーターハザード・・・水域
プロゴルファー・・・孔球競技専門家
スコア・・・打数
アプローチ・・・寄せ
などになるでしょうか。この中で使えそうなのは、“スコア(打数)”と、“アプローチ(寄せ)”ぐらいですね。
このように、カタカナ表記の言葉はゴルフ用語として定着してしまっていますので、特に英語と思ってはいないと思います。
しかし、普段の生活から鑑みても、ゴルフ用語は日本語に変換し難いものばかりです。他に使う必要のない言葉ばかりですから、あえて日本語に置き換える必要がなかったのでしょう。そのまま使われている言葉が多いことに気が付きます。
これを逆手にとって利用したのが、冒頭で取り上げた「英語禁止ホール」ゲームなのです。置き換える必要のないゴルフ用語を、あえて日本語で言ってみよう!というものですから、誰もが四苦八苦してしまいます。
そして、苦し紛れに発せられたヘンテコな日本語に笑ってしまうのです。こんな遊びができるのは、「日本人ならでは」なのではないでしょうか。
おわりに
ゴルフを始めたばかりの頃、ゴルフ特有の言葉が多く、先輩ゴルファーの言っている意味が分からなかった記憶があります。現在でも初心者ゴルファーの方は、レッスンを受ける際などで戸惑っているかもしれませんね。
ゴルフ用語は日本語の影響も受けて、独特なゴルフ英語に変化しているものもあります。日本で使われているゴルフ英語が海外では通じないという話は、聞いたことがあると思います。
例えば、「ナイスショット」「ナイスオン」と言わず、「good shot!」「You are on the green !」などと言うのが正しいというようなことです。
しかし、たとえ間違った言い回しでも日本のゴルフ用語のひとつとして完全に定着していますので、「ナイスショット!」と言っても全く問題ありません。同伴者が良いプレーをした時は、大いに使ってください。
そして、たまには「カタカナ英語禁止」でプレーしてみるのも面白いかもしれませんよ。