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クラチャンの栄誉と義務。クラチャンに求められるものとは?

『クラチャン』とはクラブチャンピオン(club champion)の事。それぞれのゴルフ場で年一回開催される「クラブ選手権(the club championship)」の勝者のことを、多くのゴルファーは『クラチャン』と呼ぶのです。

「クラブ選手権」そのものをクラチャンと呼ぶこともありますが、ここでは、“人”として使用する意味でのクラチャンで統一したいと思います。

そのクラブのメンバー(会員)のみに出場資格があるクラブ選手権は、競技志向のメンバーにとって大切な試合です。クラチャンになれば、何といってもクラブのナンバーワンの称号が与えられるのですから。

今回は、そうした各ゴルフ場のクラチャンに与えられる様々な栄誉について、ピックアップしてみたいと思います。

特別扱いのクラブ選手権

ゴルフ場によっては競技形式が異なることもありますが、予選会はストロークプレー形式、予選を勝ち抜いた選手で行う決勝トーナメントはマッチプレー形式で行うクラブが多いようです。

これは、ゴルフの原点がマッチプレーにあるという事から、日本でも多くのゴルフ場で伝統的に開催しているのです。ここからもクラブ選手権が“特別”であることを感じることができます。

マッチプレースタイルは普段のゴルフではほとんど行われていませんので、クラブ選手権の決勝以外では、一般のゴルファーがマッチプレーを経験することは、ほぼないでしょう。このようにクラチャンの特別扱いは、もうすでに始まっているのです。

2人で対戦するマッチプレーは、非常に早くプレーが進行します。決着がつけばそのホールの敗者である相手がホールアウトしなくても次のホールへ進みますので、前方でプレーする一般プレーヤーの組を追い越し(パス)していくこともしばしばです。

クラブ選手権を開催している日は、ゴルフ場がクラブ選手権開催の告知をし、追いつかれた場合はパスをしていただくようにお願いしていますので、マッチプレー中のプレーヤーに抜かされていった経験をお持ちの方も、結構いらっしゃるのではないでしょうか?

「クラチャン(クラブ選手権)をやっていますので・・・」という理由で、ビジターのお客様を含めたすべての組を追い越してプレーができるという“特別扱い”をさせてもらえるのですから、その優越感はたまりませんよね。

※まれに明らかに不満顔で、パスを渋るプレーヤーがいらっしゃいますが、ここは選手を応援して、敬意をもって見送る方がゴルファーとしてスマートです。

このような行為が許されるほど、クラブ選手権はゴルフ場にとっても、メンバープレーヤーにとっても重要なイベントなのです。ですから、この重要な戦いを経て、クラブ選手権で優勝を勝ち取った『クラチャン』が特別な存在であることは言うまでもありません。

では、クラチャンになると何が特別になるのでしょうか?いくつかの例を見てみましょう。

クラチャンへの優遇

まずクラチャンになると、クラブハウスにその名前が貼り出されます。メンバープレートが並ぶ壁面に、歴代クラブチャンピオンとともに名前が刻まれるのが常でしょう。

「今年のクラチャンは○○さんだ」というようにそのゴルフ場を訪れる方々に周知されるのです。このゴルフ場の中で“一番上手い人”という看板を掲げられているようなものですね。

このようにクラチャンになると、ゴルフ場の顔になれるのです。

さらに、ゴルフ場によってはもっと分かりやすい優遇もあります。例えば、“クラチャン専用駐車場”です。

ゴルフ場の駐車場で、クラブハウスに近い特等席にクラチャンの人だけが駐車できるスペースが作られるのです。見た目にも分かりやすく表示してありますので、ここに駐車できることはとても優越感に浸れるでしょう。

また、“クラチャン専用ロッカー”というものを設置しているゴルフ場もあるようです。こちらも周りからの羨望のまなざしを受けそうですね。

これらは全て自分のゴルフの実力で勝ち取ったものですから、誇って良いものです。大人になってからこのような特別扱いを受けるのは、やぶさかではありません。また、他のゴルフ場へ行っても「○○クラブのクラチャン」という肩書が生まれます。ゴルフ場の中で、もっとも自慢できる肩書です。

このようにクラチャンになると、ゴルフ人生が大変華やぎます。もちろんインタークラブ競技への参加(ゴルフ場の代表として、クラブ同士で争う団体戦)など、競技者としてさらに充実することは言うまでもありません。しかし、それ以上に“栄誉”が与えられるのが、クラチャン(クラブチャンピオン)なのです。

クラチャンに求められるもの

クラチャンになると、それまで個人で楽しんでいたゴルフの環境が変わります。ホームコースでは、特に『クラチャン』としての振る舞いが求められるようになるのです。

まずは、スコアです。友人とのゲーム感覚のプライベートラウンドでも、その結果次第では「クラチャンなのに・・・」と言われかねません。

クラチャンは、いつもいつでも上手くないと、周りが納得してくれなくなるのです。さらにクラブハウス内での言動も、今まで以上に気を付けなくてはならなくなります。ゴルフ場の顔的存在なのですから、ゴルフ場の代表としての行動が求められるのです。

マナー・エチケットの面でも言葉使いにも気を付け、ゴルファーの見本にならなくてはなりません。クラチャンは目立つ存在なのです。これは、他のゴルフ場へ行っても同様です。

クラチャンのプレー内容や、立ち居振る舞いは、そのゴルフ場の評価につながります。クラチャンの評判が悪いと、ゴルフ場の評判まで落ちてしまいます。

クラブに公式に認められたクラチャンだからこそ、栄誉とともに、クラブのイメージを背負う義務もあるのです。こうした気持ちは、クラチャンになってから湧いてくるものだと思います。また、湧いてこなくてはいけません。

高いレベルのゴルフの技術を維持しながら、ゴルファーとして憧れの存在であることがクラチャンに求められる条件でしょう。

憧れのクラチャンになるために

クラチャンを目指し、一生懸命練習を重ねていらっしゃる方もいらっしゃると思います。しかし、クラチャンになるには、そうした技術面の充実のほかに、時間的な余裕や、金銭的余裕も重要な条件になってきます。そして、何といってもゴルフに対する真摯な努力が求められます。

通常のアマチュア競技はスコアが最優先ですが、クラチャンはそれだけではありません。特に、その栄冠に輝いてからの周りの目が違うのが、クラチャンという立場なのです。

クラチャンが尊敬されるのは、そうしたことも含まれるからなのだと思います。あなたもクラチャンを目指しますか?

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