縁の下の力持ち!コース管理はゴルフ場のなんでも屋さん
コースでプレーしていると、コース内で作業をしている方たちを見かけると思います。コース管理者や、グリーンキーパーと呼ばれ、グリーン、フェアウェイ・ラフの芝の管理や樹木の手入れなど、様々なゴルフ場内の作業を行っている方たちです。
いわゆる裏方の仕事になりますので、ゴルファーの皆さんがその活躍を目にすることはほとんどないと思いますが、コース管理なくしてゴルフ場の美しさを保つことはありえないのです。
今回はそんな縁の下の力持ちであるコース管理の仕事にスポットを当ててみたいと思います。
コース管理の仕事がよく分かる部分は?
コース管理ってどんな仕事だろうと考えた時、最初に浮かぶのは芝のメンテナンスでしょう。主にフェアウェイやラフの刈り込み作業や、グリーンの手入れなどになります。芝の手入れがきちんとされているとコースの印象がグッと上がりますので、コース管理の中でも重要な仕事でしょう。
プレーヤーがよく目にするのは、刈り込み作業と呼ばれる芝刈り機での芝のカットですが、それ以外にも肥料散布や目砂作業、スズメノカタビラをはじめとする雑草の除去など、芝の管理はなかなか手間がかかります。
さらにグリーンでは、グリーン状態を均一に整え、スピード(ボールの転がり)を保たなければなりません。さらに、カップ切り(切り替え)も重要になってきます。その日のホールロケーションを決める大切な作業であり、最も多くの人にその仕事の仕上がりを見せることになるからです。
カップ周りをよく見てみると上手くカットが出来ず、切り直したような跡が見えることや、酷い時には斜めにカップが切ってあるので、フラッグ(旗)も斜めになってしまっていることがあります。
「あぁ、慣れていない人が作業したのかな?」と思いますが、やはり良い印象は持ちませんね。逆にカップ周りの美しい切り口を見ると、「いい仕事しているなぁ」と某古美術鑑定家ばりに感心してしまうこともあります。
このようにコース管理の方の顔を見ることがなくても、その仕事ぶりから“ひととなり”を垣間見ることは出来ます。
コース管理の方によると、「寒い時期になると、早朝のグリーンはカチコチに硬くなってしまうので、そのグリーンのカップを切ることは、思っている以上に重労働」なのだそうです。また、夏場の芝の弱った時期には、少しでも芝に負担をかけないように切ることも配慮しているとのことでした。
私たちプレーヤーは普段意識してカップ周辺を見ることはないと思いますが、コース管理の方の仕事がよく分かる部分ですので、たまにはじっくりと鑑賞してみてはいかがでしょうか。
樹木の剪定作業も大変!
コース内の膨大な数の樹木の手入れも、コース管理の仕事です。大がかりな伐採などは専門業者に依頼することもありますが、基本的には何でもコース管理が行います。
コース内の木々は、ホールを区切る役割を果たしているものや、ハザードの役割を果たしているものもありますので、剪定には気を使います。ただ単にバッサリ切ればいいという訳ではなく、ゴルフコースとしての調和を考えなければならないのです。
プレーヤーの邪魔にならないように気をつけながら手入れをし、防虫・殺虫処理を施すなど、気の遠くなるような量の作業をこなします。
池やバンカーの手入れ
池やバンカーの手入れも、コース管理の担当です。主にバンカーは機械で均しますが、法面(斜面)がきついものや、小さなバンカーはひとつひとつ手作業で均します。さらに毎日プレーヤーが砂をかき出す量もバカになりませんので、砂の補充も欠かせません。
また、心無いプレーヤーがバンカーの急斜面から出入りをして、バンカーの縁が崩れてしまう事があります。こうした部分を補修して元通りにすることも大切な仕事のひとつです。
加えて池の掃除も定期的に行います。とにかくプレーヤーがコース内で目に留まる個所のほとんどにコース管理の手が入っていると思っていいでしょう。また、そうした際に使われる作業機械や車両の操作や整備も自分たちで行っています。
工作もお手の物
コース内に設置されたゴルフ用品を手作りすることもあります。例えば、目砂ボックスやティーグランドのティーマーカー、休憩用のベンチなどなど。もちろん商品として販売されているものもあるのですが、この不景気の中、予算が厳しいので、なかなか購入できないことが多いのです。
そこで、コース管理の方が手作りしてそうした小道具を用意することは、どこのゴルフ場でもよくあります。手作り感あふれる作品に、思わずほっこりしてしまうこともありますよ。
他にもコース内用品の塗装作業や、簡単な修理も不定期で行います。
コース管理に向いている人は?
これ以外にもたくさんの仕事があるのですが、一部をご紹介するだけでもコース管理の方の作業が多岐に渡ることはお分かりいただけたでしょうか?
目に留まりやすい芝の管理以外にもたくさんの仕事をこなさなければならず、なかなか大変な職業です。そこで、このような仕事に向いている人はどんなタイプかを考えてみました。
コース管理に向いているタイプ
①外作業が苦ではない
ほとんどの時間を外で過ごしますので、外作業が苦にならないことは大前提ですね。
②あまり初対面の人と話すのは好きではない
同僚とのコミュニケーションは欠かせませんが、接客業ではないのでシャイな方でもOKです。
③草木の手入れが好き
コース内の様々な花や木を手入れし、芝を管理しますので、日常生活でも庭木の手入れが好きという方が向いています。やはり愛着を持って育てる気持ちが求められます。
④早起きが苦にならない
プレーヤーが来場する前までにたくさんの作業をこなさなければなりませんので、早起きは必須です。しかし、早く(だいたい16:00ぐらい)には仕事が終わりますので、日が暮れないうちに家に帰ることができるメリットもあります。
⑤工作(ペンキ塗り・木工作業)が好き
コース内の施設や道具の修繕も仕事の一部ですので、ペンキ塗りや木工作業も多くなります。日曜大工が趣味ならば理想的です。
⑥機械いじりが好き
ゴルフカートや芝刈り機、チェーンソー、ブロアー(送風機)など、たくさんの機械を操作するコース管理は、整備も自ら行います。機械いじりが得意な人にはうってつけと言えるでしょう。
⑦ゴルフが好き
やっぱりゴルフを好きなことが一番です。ゴルフを知っているとゴルファーの気持ちが分かりますので作業にやりがいを多く感じるでしょう。また、仕事の後にゴルフができることもあるので、そちらも大きな魅力です。
おわりに
あまり日の目を見ることの少ない職業ですが、ゴルフ場になくてはならない人材であり、コース管理の良し悪しでコースの質が決まると言っても過言ではありません。また、その仕事の結果が多くの人の目に触れるという点も、やりがいを感じられる職業です。
次回コースを訪れる際には、是非コースメンテナンスにも目を向けてみてください。また、ゴルフ好きが高じてコース管理に魅力を感じている方は、この機会にいかがでしょうか?