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ゴルフルール活用術~アンプレアブルをもっと使いこなそう

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ティーショットがスライスしてボールは林の中へ。その場所へ行ってみると、木の根っこにボールがピッタリとくっついてしまっていました。

こんな時、あなたはどうしていますか?

パターを使ってパチっと打ってみる?

「クラブが折れるから、動かすね~」と、周りに声を掛けてからスイングが出来そうな場所まで動かす?

「今日、6インチOKだよね?」と、確認してからボールを動かして、どうにか脱出を試みる?

それとも、何も言わずにポイッとボールをラフに出すでしょうか?このように色々なパターンが考えられますね。

ゴルフは自分で判断をするスポーツですから、競技などではないプライベートラウンドの場合、周囲の理解が得られれば自分のゴルフのレベルに合わせて、ルールに則してあるがままに打つことも、その日のルールを緩やかにして楽しむことも、どちらも可能です。

ルールを厳守することだけがゴルフの楽しみ方ではありませんので、こうしたさまざまなパターンの処置が、それぞれに行われているのは悪い事ではありません。しかし、やはりこれは“正しいルール”を理解した上で行われるのが望ましいものです。

ゴルフ初心者の中には、最初に先輩方に、「ボールはあるがままに打つんだよ」と教えられたのにもかかわらず、実際にコースへ出てみると

「こっちにボール持ってきていいよ」
「木の根っこにあるから、出しちゃいなよ」
「もっとスイングが出来るところまで動かさなきゃ」

と言われ続けるので、木の根っこにボールがくっついている場合には、動かすのが当たり前と思ってしまう方もいらっしゃいます。

こうしたゴルフを続けていると、“なんちゃってゴルフ”しか出来ないゴルファーになってしまいます。

あくまでもルール上の救済はなく、本来はそのまま打つしかないということを理解した上で、「今のゴルフの実力では難しいから」「今日はプライベートラウンドだから打ちやすい位置に移動させて打つんだ」ということを知ってほしいと思います。

今後、ゴルフが上達したら、「頑張ってこのまま打ってみるね。」と挑戦できるようになると良いですね。

ここで、あるがままに打つという手段の他に、もうひとつ知っておいてほしいルールがあります。それはアンプレアブルです。

これはプレーヤーが「これは打てない。まいった!」と判断した時に、いつでもどこでも使えるお助けルールです。

アンプレアブルを使うことによって、ゴルフ初心者でも正式なルールに則ったプレーを楽しむことが出来ます。また、経験者にとっても実はもっとアンプレアブルを活用してほしい場面があります。

そこで今回はアンプレアブルのルールの確認と、その有効活用法をご紹介したいと思います。ルールを理解した上で、ここぞという場面で是非使ってみてください。

アンプレアブルとは?

BMW Championship - Final Round

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まずはアンプレアブルのルールを押さえておきましょう。

アンプレアブルとは、ウォーターハザード以外の場所ではコース上のどこでも宣言することが出来、1打罰を加えて3つの処置の中から1つを選ぶことが出来ます。また、アンプレアブルは誰かに指摘されたり指示されたりするものではなく、自分だけが自分のボールのアンプレアブル宣言をすることが出来ます。

つまり極端な話、フェアウェイの真ん中にボールがある状態でもアンプレアブル宣言が出来るということですね。(そんな人はいないと思いますが)

ですから木の根っこにボールがくっついた状態で止まってしまっている場合などに、アンプレアブル宣言をすることで、“あるがままに打つ”以外の正式なルール上の選択肢を得られることになります。

では、その3つの選択肢を見てみましょう。

①初めの球を最後にプレーした所のできるだけ近くで球をプレーする。
※つまり打ち直しのことです。

②ピンと、アンプレアブル宣言した球があった箇所を結んだ線上で、その地点よりも後方に、球をドロップ。
※後方であればいくら後ろに下がってもOKなので、自分の打ちやすい場所や距離に合わせることが出来ます。

③アンプレアブル宣言した球の2クラブレングス以内で、しかもホールに近づかない所に、球をドロップ。
※近づかなければ真横でも斜めでもOKです。

※ちなみにバンカー内でもアンプレアブル宣言をすることは出来ますが、②か③の選択をした場合は、その処置の中で、且つバンカー内に球をドロップしなければなりません。

いかかでしょうか。たくさんの選択肢がありますね。しかもアンプレアブル宣言をしてボールを拾い上げた際には、ボールを拭くことや交換もできるので、とてもプレーヤーに優しいルールです。

もし、ボールが木の根っこに張り付いているのなら、スイングはおろかクラブフェースにボールを当てる事すら難しいかもしれません。チャレンジして打ってみても、アンプレアブルの処置以上の結果が出せる確率はとても低いのではないでしょうか。

こんな時に冷静にアンプレアブルを検討してみましょう。「1打罰がもったいない」と思うのか、「たった1打を足すだけで、劇的にボールの状況を変えることが出来る」と思うのかは、あなた次第です。

では、次はアンプレアブルのおすすめの使い方をご紹介します。

アンプレアブルのススメ(初心者向け)

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初心者の時は「困った時はアンプレアブル」と覚えておきましょう。呪文のように唱えておくのも良いですね。

ボールが木の根元近くにありスタンスが取れない時や、苦手なバンカー、深いラフの中など、あらゆる場面で使うことが出来ます。最初のうちは、「こんなの無理だ」と思ったら、アンプレアブルを使ってみましょう。

※動かせない障害物の場合は無罰で救済処置が受けられますが、それはまた別の機会にご説明致します。

アンプレアブルという選択肢を持つことで、“ひとりで”ゴルフができるようになります。「どうしよう~」と思った時に先輩の姿を探す必要がないのです。

また、アンプレアブルの処置はOBやウォーターハザードの処置とも共通部分がたくさんありますので、他のルールを覚えるきっかけにもなります。とにかくルールを実際に自分で実行することで、ゴルフの知識が増え、初心者でも初心者なりのコースマネジメントが出来るようになるのです。

最初のうちはアンプレアブル宣言を連発して、スコアがとんでもないことになってしまうかも知れません。しかしそれで良いのです。初心者なのですから、たくさん叩いておきましょう。

そのうちにゴルフが上達し、アンプレアブル宣言の回数が減ると劇的にスコアが上昇していきます。しかも、ルールに則ったゴルフを、初心者のうちから行うことで、タフな精神力と柔軟なコース戦略が出来るようになっています。

その頃には先輩方を脅かす存在のゴルファーになっているかもしれませんよ。

アンプレアブルのススメ(中級者向け)

2007 - PGA TOUR - WGC - Accenture Match Play Championship - Championship Match

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アンプレアブルは何も初心者だけが使えるルールではありません。さまざまな場面でゴルフに慣れてきた中級者にも選択肢に入れてほしいと思います。特におすすめのケースは、ティーショットをチョロした場合です。

ゴロゴロとでも真っ直ぐに転がっていけば、まだ良いですが、ティーグラウンド付近の垣根の近くや斜めのライなど、厳しい条件が重なっている場合があります。アイアンで上手く打てたとしてもそれほど距離が稼げるわけでもありませんし、上手く打てる確率も低いでしょう。

そんな時、アンプレアブルを使ってみるのはいかがでしょうか。ティーグラウンド付近ということは打ち直しの選択肢が選べますので、もう一度ティーアップしてドライバーで打つことが出来ます。

「OBでもないのに打ち直して、次が第3打目なんて嫌だよ…」と思わずに、冷静に判断してみましょう。パー4のホールで、ティーショットでチョロして、アイアンで横に出すだけで、その次はフェアウェイウッド…。状況によってはアイアンで横に出すことさえも難しいかもしれません。

もうひとつはアンプレアブル宣言をし、打ち直して第4打でオンさせる作戦。どちらの成功率が高いのか?を自分で考えてみてください。

考えた結果、そのまま打つ方を選ぶのも良いですし、アンプレアブル宣言を選ぶのも良いでしょう。つまり自分の戦略の引き出しが増えれば良いのです。

ある程度上達してきてもティーショットでチョロするということは、ままあります。しかしそこで恥ずかしさのあまり焦りまくって、早く状況を脱しようとアイアンを手にして、そそくさと打ってしまうのはもったいないのです。

是非、深呼吸して冷静に状況を判断しましょう。もしかするとアンプレアブルの方がホールアウトした時のスコアが良い可能性もあります。経験上、アベレージゴルファーの中で、こうした場面でアンプレアブルを選択する方はほとんどいらっしゃいませんが、その結果8や10と叩いてしまうのを何度も見ています。

アンプレアブルは「1打スコアを損する」ルールではありません。大切な1打を有効に使うためにもアンプレアブルもあなたの一打として考えてみてください。

上級者はアンプレアブルを使いこなしている

Alfred Dunhill Links Championship - Day Two

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最後に上級者ですが、上級者の方は戦略の引き出しが多いですから、その中にもちろんアンプレアブルも入っています。こちらが勝手に「上手い人だから、これぐらいのライはどうにかなるかも」などと思っているような場面でも、早々に「アンプレアブルします」と淡々と処置をして、そのトラブルを脱してしまいます。

上手い人でもミスはします。しかしミスを重ねないのが上手い人なのです。ですから、どうしたら最小限のミスで抑えられるかの判断に長けています。こうした差が、トータルスコアの差に表れると言っていいでしょう。

おわりに

LPGA Samsung World Championship

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1打罰を課せられるアンプレアブルを「もったいない」と思っていたり、コースの困った場面でアンプレアブルが思いつかないという方もいらっしゃったりすると思います。

しかし、アンプレアブルはスコアが大きく崩れるかもしれないピンチを“1打”で解消してくれるプレーヤーのためのお助けルールです。上手に活用して、スコアメイクに活かしてください。

 

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