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ティーアップの「高さ」に気を使え!錯覚に惑わされるな!シンプルに行こう

  • 2016.12.03

打ち上げホールやフォローの風が吹いている状況では、当然高い弾道で打ちたいので、普段よりもティーアップを高めにしてハイボールを打つ。反対に打ち下ろしホールやアゲンストのホールではティーアップを低めにしてローボールを打ちなさい。

ゴルフ好きの方ならば、これくらいの知識は常識ですよね。毎ホール状況が変わるティーグラウンドで「ティーの高さ」を変えることで弾道や球筋打ち分け、最終的にはスコアも大きく変わるとしたら、あなたはどう思いますか?たかが、ティーアップされどティーアップとは少し言い過ぎかもしれませんが、今回はそんな奥深いティーアップの世界に皆さんをご案内したいと思います!

料理には、素晴らしいショット

そもそもティーアップって何?

ゴルフを始めたばかりの初心者の方など、何となく意味や目的も知らずにティーアップしているという方も多いのではないでしょうか。

ティーアップとは、ティーグラウンドやプレイング4ティーなどからボールを打つ際に、ティーペグと呼ばれる専用の道具を使って、ボールを持ち上げる動作のことをいいます。
ゴルフの聖地イギリスでは黎明期のティーアップは地面に土を盛り、水を少し含ませて高く盛っただけのものでした。

現在は国内のゴルフ専門の量販店に行くと、様々な種類のティーペグが売られています。基本的にはティーペグとして販売されているものであれば、全て国内のゴルフ場で使用することができます。

が、ものによっては公式競技等での使用が認められていないものもありますので競技会等に参加される方は確認の上、購入するようにした方が良いでしょう。なお、最近のティーペグは原料がプラスチック、もしくは木で製造されたものが増えてきているようです。高さ微妙に調整できるものや野球チームやおしゃれなレディスブランドとコラボしたものなど様々の種類のティペグが売られていますので好みに合わせて色々と試してみて下さい。

ゴルフゴルフコース

ゴルフでティーアップする目的とは?

ゴルフでティーアップする目的やメリットは大きく分けて2つあります。

1つ目の理由はティーアップすることで芝のコンディションやライを気にせずにボールが打てるからです。コースラウンドの経験が豊富でないと分からないことですが、ゴルフ場のティーグラウンドは、足場が常にフラットになっているとは言い難く、状況によっては少し表面が凸凹しているような場所からもショットしなければならない時があります。そういった場合にティーアップは非常に便利です。

ドライバーという特殊な形状のクラブはウェッジといった打ち込む系のクラブに比べて、ウッド系のクラブはボールを下からこすりあげるようにして打ついわゆるアッパー軌道でボールを捕まえた方がボールは良く飛びます。

クラブの能力を最大限に引き出すため、そして少しでも飛距離を稼ぎたいティーショットを打つためにはティーアップが必要である、これが2つ目の理由です。大きめのクラブを握った状態でティーアップすると、心理的にも大きな安心感が生まれます。トップやダフリといったイージーミスは気持ちが高揚して緊張状態にある時にこそ、起こりやすいものです。

ティーアップの基本が知りたい!

ゴルフを始めたばかりの初心者、またはこれからゴルフを始めようと思っている方など、ティーアップの高さが非常に気になっているという方も多いのでないでしょうか。また、上級者であれば、ティーの高さを変えることでゴルフのプレーにどんな影響が出るのか、そのあたりの話が気になっているという方も多いと思います。そこで、この章ではティーアップの基本的な知識をご紹介します。

The 50th LPGA Championship Konica Minolta Cup 2017 - Final Round

基本の高さ

ティーアップの適当な高さは実際に打つ人の身長や体重、スイングなどを見てみなければ、分からないことも多いですが、多くのゴルファーが取り入れている基本的な「高さ」というものが存在します。

例えば、ドライバーの場合はアドレスでクラブを構えた時にヘッドの最上部がボールのちょうど赤道あたりにかかっている状態、これが基本の高さです。もし、自分にあったティーペグの高さがまだ見つけられていないという方はまずはこの「高さ」に毎ショット合わせられるようにするとよいでしょう。

ティーアップの基本の位置

高さと一緒にどうしても気になってしまうのがティーペグの位置です。先ほどと同じく、基本的な話をさせていただきますと、ドライバーのティーペグの位置は左足のつま先、もしくは左足の内側の延長線上がひとつの目安となります。

この位置からもっと右足側にティーペグの位置をもってくると、クラブのロフトが立った状態でヒットしやすくなるため、低い球、スライスが出やすくなります。逆にもっと左足側にティーペグの位置を持っていくとフェースが開いた状態で当たりやすくなるので高い球、フックが出やすくなります。良く分からないという方はとりあえず、ドライバーは左足のつま先線上が良いと覚えておくと良いでしょう。

クラブを変えたら、ティーの「高さ」も変えた方が良い!

特に上級者にいえることですが、コースマネジメント等々を考えるとティーショットでドライバーばかり使うという事はありませんよね。例えば、フェアウェイウッドやUT(ユーティリティ)を使う場合などは少し長めのロングティーよりも中間ぐらいの長さのミドルティーを使った方がゴルフは優しくなります。地面からだいたいボールの底が1センチほど浮いている状態がおすすめです。低すぎる訳でもなく、逆に高すぎる訳でもない微妙な高さの時の方がこういったクラブは上手くいくものです。また、夏場など芝がフサフサしている状態の時はあえてティーアップしない方が良い時もあります。

アイアンと相性の良いティーアップの「高さ」

ショートホールなど距離の短いホールでアイアンやウェッジなどの短いクラブを使うというシーンが多々あると思います。こういう場合のティーアップは極限まで低くした方が良いでしょう。アイアンは元々地面から打つことを想定して作られていますのでウッド系クラブに比べても高い位置に重心位置があります。

いわゆるフェース面のスコアライン3本面くらいの位置でヒットした方がボールは良く飛ぶように作られていますので、ロングアインでも5ミリ以上のティーアップは必要ありません。また、ショートアイアンやウェッジに関しては地面から1ミリ程度浮いている状態であれば、ボールはそれなりに高く上がってくれます。

スイング軌道の違いとティーアップの高さの関係

スイング軌道とはテークバックやダウンスイングでクラブがどの位置を通過しているかを端的に表す言葉です。例えば、最も有名なのはアウトサイドイン軌道でしょう。この軌道はターゲットラインよりも外側からクラブが下りてくることが最大の特徴ですが、こういった軌道でクラブを振るタイプの方はティーアップをなるべく低く設定した方がゴルフはうまくいきます。

これは、いわゆる打ち込み気味の癖がある方への対処法でもありますが、どうしてもクラブの入射角が鋭角になりがちなのでティーアップをあまりにも高く設定してしまうとテンプラやふけ上がりといったボールが出やすくなるのです。

逆に体の内側からクラブが下りてくるインサイドアウト軌道でクラブを振るタイプの方はティーアップは高めに設定した方がゴルフはうまくいきます。いわゆるインサイドアウト気味の方はすくい上げるようなインパクト、高いフィニッシュになってしまいやすいという特徴があります。したがって、ティーアップが低過ぎるとヘッドがボールに当たる前に地面に当たるダフリが出てしまいやすいのです。

ゴルフ撮影の男性

もはや常識!?風とティーアップの関係

ショートの打ち下ろしホールなど向かい風が厳しく、極端なアゲインストという状況の時に皆さんなら、どんなショットでコースを攻めようと考えるでしょうか?

このような質問に対して、コックを鋭角に入れるとか、ダウンスイングでは体重が左にかけるといったようなテクニカルなことを真っ先に考えたというのであれば、その答えを完全に否定するつもりはありませんが、もっとティーアップの高さを変えることで実現する対処法にも目を向けてみてもよいかもしれません。

風向きに対しては、アゲインストの時などはティーアップを低く設定することでフェースの上部にヒットさせ、バックスピンを減らしつつ飛距離のロスを防ぐ方法やティーアップを極端に低くすることとで、地歩這うような低い球を打ち出して風の影響を減らすといった方法があります。

逆にフォローの時は低弾道のボールやスピンが不足しているボールだと、ボールが上昇する前に上空を漂う風に上部から押さえ込まれる、風に乗り切れずに不自然な動きをしながら急に落下するといった事があります。そういったことにならないようにするためにもフォローの風ではボールに一定の高さとスピン量を出すためにもティーアップは高めに設定した方がゴルフはうまくいきます。

Miyagi TV Cup Dunlop Ladies Open 2017 - Round Two

ちょっと得するティーアップに関する理論

ここまで、ティーアップについて色々なお話をさせていただきましたが、最後にプロや上級者もよく使っているお得なティーアップ理論をご紹介します。

例えば、ティを低くするときはティーグラウンドの右側、逆に高くするときはティーグラウンドの左側にティーアップするというのがセオリーです。

理由はティを低くすると、どうしても右曲がりのボールが出やすくなります。そのためティーグラウンドの右側にボールを置いた方がフェアウェイを広く使うことができるのです。逆にティーを高く設定した場合は左曲がりのボールが出やすくなりますのでティーグラウンドの左側にティーアップした方がフェアウェイキープの確率は良くなります。

アマチュアの方は以外と知らない人が多いのですが、ゴルフのルールでは左右に設置されたティーマーカーの間でかつ2クラブレングス以内であれば、ゴルファーはボールを自由な位置にセットすることができます。

こういったことはプロや上級者はほとんど知っていますが、情報共有の機会があまりないアマチュアの方は知らないという方も多いので予備知識として覚えておくと役に立つこと間違いなしです。

Japan,Tokyo,three tiered golf driving range

練習場と同じ感覚でティーアアップするにはどうしたらいい?

練習が大好きで大量にボールを打つ方など、練習場では最高のショットが打てるのにコースラウンドでは思い通りの成果が出せないという方も多いのではないでしょうか。いつもの感覚で打てたら・・・。そんな疑問に対する答えを幾つかご紹介します。

そもそも練習場のティーの高さってどれくらいなの?

ひと昔前までの練習場のティーアップといえば、手動式が一般的でした。これは手でボールをセットして高低を見極め、低すぎる場合や逆に高すぎる場合はマットをはがして、ゴムティーを交換するというものです。

全国には3000以上の練習場があるようですが、そのほとんどがこのスタイルで設けている施設は多く、おそらくほとんどの施設の打席はこのスタイルだと思われます。かなり見慣れた光景でもあるのでゴルフを全くやらないという人も何となく理解できるというくらいに日本ではかなり定着している感があります。

問題はゴムティーの高さですが、例えば国内でゴムティーの製造・販売しているシナマ株式会社の2017年の商品ラインナップを見ると、様々な長さのゴムティーがあることが分かります。ゴムティーサイズは55㎝、60㎝、65㎝、70㎝、75㎝、80㎝と全部で6種類あり、新基準のゴルフルールにも適合しているとのこと。通常はこのゴムティーを人工芝のマットの下に挟んで使用しますので人工芝の厚み1.5㎝~2.5㎝くらいをマイナスした長さが練習場での地面からのティーの高さとなります。

一方、都市部にある練習場や新設されたばかりの練習場では自動式のティーアップ機も採用している施設もかなり増えてきています。手動式はゴムティーの足場の部分、または裏面をチェックすることでティーの高さを知ることができましたが、自動式の場合は導入されている機械やシステムによってはティーの高さを確認できないことがあります。通常は打席前や休憩用のイスの近くに設置されている端末等で高さを知ることができますので気になった方は一度お近くの練習場で確認してみて下さい。

コースと同じ感覚で練習場と同じ高さにティーアップする方法

練習場と同じ高さをコースでも実現したいという方はまずは練習場で普段、どれくらいの
高さにティーアップして打っているのかを知る必要があります。先ほど紹介した方法で大体のティーアップの高さを知ることもできますし、文具のモノサシや工具用のメジャーを使えば、もっと正確なティーの高さを知ることができるでしょう。

2017年現在、専門量販店のポイントカードを利用すれば、高さに自由に調整できるティーは格安で購入することができます。正確な高さを知ることができれば、あとは調整可能ティーを自由に設定して使うだけです。そういう意味ではダイヤ社の「トマホークティー」などは特におすすめです。ねじ部分を上下に操作することで簡単に40~50mmの間で、自分好みの高さに合わせることができるので短時間での調整が可能です。一方、そういうことではなく高さは適当でも良いものの、毎ホール同じ高さに整えたいたい方はなるべく抵抗の少ない「段付きのティー」を使用すると良いでしょう。

Augusta National Archive

アマチュアゴルファーはティーアップが高すぎる傾向にある

アベレージクラスであれば、常にティーアップの高さは、ホールロケーション、風の向き、シーズンに関係なく、常に同じ高さに安定させたほうがいいのです。もちろん、同じ高さにしているつもりでも、今説明したように視覚的な影響でティーアップが高く見えたり、低く見えたりします。

目安としては、ドライバーをソールした時にボールの赤道をクラウン(クラブフェースの上部)に合わせるといいでしょう。これはパーシモンヘッドの時代からの基本ですが、460㏄の現代では当然パーシモン時代と比較すると、ヘッドが大きくなった分、高いティーアップになっています。

それでも、一般的な傾向として、アベレージゴルファーのティーアップの高さは高過ぎる人が圧倒的に多いようです。その理由はダフることの多いゴルファーは高くしたほうが、安心感を持ってアドレスできるからです。ここで誤解してほしくないのは、ティーを低くするのではなく、高過ぎないようにするということです。

余談ですが、今から30年ほど前、ドライバーのヘッド素材がパーシモンからステンレス製のメタルヘッドになった頃です。ジャンボ尾崎が長期間のスランプから見事に復活、第2次黄金期が始まりました。

そのとき、テーラーメイドのメタルに、超ロングティーを使い、誰よりも高いティーアップで驚異的なロングドライブを放っていたことを覚えているゴルフファンも多いのはないでしょうか?当時、多くのアマチュアゴルファーがジャンボに触発されて、メタルウッドをアッパーブローに打つというスイングが大流行したものです。

しかし、ジャンボは実際にはアッパーではなく、レベルブローに振って、インパクトゾーンを長くして、低い弾道のボールを打っていたのです。高いティーでレベルに振るというのは、非常に高度な技術であって、他のプロや上級者クラスでもなかなか真似のできないほど難易度の高いものだったのです。

PGA TOUR - 2007 Arnold Palmer Invitational - Third Round

いつも同じ高さでレベルブロー気味にヒットするのが理想的

基本的にティーアップはノーマルな高さが理想で、その高さをベースにしてレベルに触れるようにスイング作りをすることで、打点、軌道の安定につながっていきます。レベルにスイングするということは、インパクトゾーンでのクラブヘッドの動きを緩やかにすることで、長いゾーンでボールを捉えられるということです。

ドライバーショットを極端なアッパーで打っているアマチュアゴルファーは、フェアウェイウッドやユーティリティーが苦手という人が多いはずです。高いティーアップは、下から上がってくるクラブヘッドに十分な空間がありますが、地面にあるボールをヒットしなくてはいけないフェアウェイウッドやユーティリティクラブでは、その空間がないというのが理由です。

ドライバーショットをレベルに振れるようになれば、当然長いインパクトゾーンで捉えられるフェアウェイウッドやユーティリティークラブではダフリ、トップといったミスショットも激減することでしょう。

そういう意味でも、ティーアップの高さは、いつも同じにしておいたほうがいいのであって、スコアが安定するためのポイントになるのです。

 

この記事を書いたライター

元某ゴルフ雑誌編集長。ゴルフ取材歴30年。現在、フリーランスのゴルフライターとして、単行本、ゴルフコミックの原作など数多く執筆中。

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