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ギブアップはお助けゴルフルール?それともマナー?

あなたの1ホールの最多打数記録はいくつでしょうか?

「そんな悪い記憶覚えていないよ!」という方もいらっしゃるかも知れませんし、「1ホールの最多打数は、ギブアップした場合なら1ホール×3って決まっているからパー5の“15”が最高なんじゃない?」という方もいらっしゃると思います。

このように『ギブアップした場合、そのホールのパー数×3をすればいい』というルール?をどこかで聞いたことがないでしょうか?

例えば、
パー3のホールでギブアップした場合は3×3=9打、
パー4の場合は4×3=12打
パー5の場合は5×3=15打
といった具合です。

ですからあるミドルホールで、バンカーで何打打ったか分からなくなり、「ギブアップする!」と宣言した場合、スコアカードに12打と記載するわけです。

しかしこれには疑問があります。もし、ギブアップをした段階で12打以上打っていた場合はどうなるのでしょう?それでもやっぱり“12”で良いのでしょうか?

今回はこのように知っているようで知らない、ゴルフのギブアップについて調べてみたいと思います。

実はギブアップは、困り果てたゴルファーが「あって欲しい」と考えた架空のゴルフルールなのかもしれませんよ。

ギブアップはルール上存在しない!?

まず、ギブアップとは正式なルール上存在するのでしょうか。これはあるといえばありますし、ないといえばありません。

どういうことかといいますと、ホールの途中で(ギブアップして)ホールアウトしない状態で次のホールへ向かい、ティーショットを打つ前までにそれを訂正しないと、ゴルフ規則3-2(ホールアウトの不履行)の違反により競技失格となります。

つまり、ギブアップとはそのホールだけでなく、競技そのものをギブアップするという事なのです。

ですから競技を諦めて(ギブアップして)プレーを終了することは可能ですが、1ホールだけをピンポイントでギブアップすることは出来ません。このような意味で、あるといえばありますし、ないといえばないのです。

※ただし、マッチプレーで相手のスコアに及ばないと判断した際には、そのホールをギブアップすることは出来ます。

では、1ホールだけのギブアップは、実際にどういった場面で使われるのでしょうか。

ギブアップはプレーペースを考えて

1ホールのみのギブアップというゴルフルールは(スクラッチプレーにおいて)ないことが分かりました。しかし、そうはいってもどうにもならなくて困ってしまうことはあります。

OBを連発し、「もう焦ってしまって何打めなのかも分からない…」という場合や、バンカーでどうしても脱出できず、心身ともに疲れ果ててしまうような場合もありますよね。そんな時「もう無理…」と考えることは至極当然のことでしょう。

この場合、プライベートラウンドであれば、同伴者のプレーペースや、後続組のことを考えてこのホールだけギブアップするのも選択肢のひとつとしてあっても良いと思います。気持ちをリセットして次のホールへ向かえば、また楽しくゴルフを続けることができるからです。

しかし、あくまでも“ギブアップはプレーヤーが、そのホールのプレーを放棄すること”ですから、他のプレーヤーに促されるものでは決してありません。それだけにプレーヤー本人が自分の気持ちと、周囲への配慮を考えて下すマナーも含めた最終判断だという事をよく理解しておく必要があります。

ミスが重なっている状態で、冷静な判断を下すことは難しいかもしれませんが、ゴルフはひとりでするものではありませんので、自分で決断して必要な時はギブアップを宣言しましょう。

そしてギブアップした場合に、スコアカードが空欄になるのは避けたいと感じる場合、一般的に取り入れられている『そのホールのパー数×3』を入れてみてください。ただし、これもあくまでもゴルファーのニーズによって生まれた架空のルールであり、そうしなければならないわけではありません。

※なぜこのような通説が出回っているのかは、調べてもはっきりとしたことは分かりませんでした。しかし、実際にはよく使われることが多く、認知度も高いです。

ただ、周囲の理解も得られやすいですし、自分としても納得がいくようでしたら使うこともアリという事ですね。

しかし、それ以上の打数をすでに打っている状態から(つまり相当な時間と打数を要して、自分のプレーでそのホールを占領してしまってから)とぬけぬけとギブアップし、『パー数×3』を書き入れる行為は、非常に見苦しい行為ですので、マナーとしてするべきではありません。

『パー数×3』を超えることになりそうだなと思った時点でギブアップするか、プレーファーストを心がけた上で、頑張ってホールアウトし、ありのままの打数を書き込むかのどちらかになるようにしたいものですね。

おわりに

プロゴルファーの1ホールでの最多打数記録は、2006年石岡ゴルフ倶楽部開催の「アコムインターナショナル」に出場した立山光広選手の“19”です。※スコア誤記の記録を除く

これはパー3のホールでOBなしの17オン2パットとのことですから、いったいどんな状況だったのだろうと考えてしまいますよね。しかもプロトーナメントに“1ホールギブアップ”はありませんから、プレーは続行しなければならないのです。

このようにプロでもひとつ間違えると大変な状況に陥ってしまうのですから、我々アマチュアゴルファーがゴルフ場の罠にはまってしまうことは、当然といえば当然ですよね。

そんな時は正式なルールではありませんが、“ギブアップを宣言する勇気”も必要になるかもしれません。

自分の判断でギブアップするにしても、しないにしても、周囲に冷たい視線を送られることのないように臨機応変に選択できる冷静さだけは残しておくことをおすすめします。

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