なぜ?遅延プレーがいけない訳と遅延撲滅の5つのポイント
- 2018.06.04
- トピック
国内女子ツアーでも最近問題になっている「遅延プレー(スロープレー)」。一般ゴルファーの間でも度々問題視されています。
では、なぜスロープレーがいけないのでしょうか?今一度考えてみたいと思います。
国内女子ツアーのスロープレー問題とは
2018年度の国内女子ツアー開幕より、「【プレーのペース(規則6-7注2)】として、各ストロークに許容される時間は40秒以内とするが、最初にストロークする選手に対しては50秒以内とする。この時間を超えたときにバッドタイムとなる。初回の違反は警告、2回目は1罰打、3回目は2罰打、4回目で競技失格となる。(一部抜粋)」という規定が設けられました。
度重なるスロープレーにより規定を設けるにいたっていますが、それでも先日のツアーで、最終組が前組と30分近く空いてしまい警告を受ける場面がありました。
では、なぜ問題となっているのでしょうか。
プロゴルファーの競技の場合、入場料を払って来ている観客がいます。30分も空白の時間が生じてしまっては、その観客の方々が途中退席してしまったり、今後の観戦意欲の低下にも繋がってしまう可能性があります。
また、テレビ中継も入っています。録画放送であれば編集も可能かもしれませんが、生放送の場合、編集することはできません。生放送での中継が減っている要因の一つとも考えられます。そして、競技を行っている選手の方々のプレーにも影響します。スロープレーの選手が一人いれば、同伴の選手はもちろん、他の組にも悪影響が出ます。
プロである以上、ファンのことを考えてプレーしなければなりません。また、一般ゴルファーや子供たちの手本となるべき存在です。
なぜスロープレーがいけないのか
スロープレーはいけないとよく言われます。プレーファーストという言葉もあります。ゴルフ場に行くと「2時間」「2時間15分」といった時間設定もよく見かけます。そして、スロープレーはマナー違反とされています。
それにもかかわらず、なかなか無くならない問題です。自分や自分たちの組がスロープレーになっていることに気付いていない可能性があります。「前の組が遅いから」「前の組は2人だから速い」「ゴルフ場がお客さんを入れすぎている」など、まるで自分は関係ないという会話もよく聞きます。
そもそも、なぜスロープレーがいけないのでしょうか?ゴルフというスポーツはルートが決まっています。ゴルフ場は9Hで分かれてはいますが、一方通行のルートしかありません。
途中で抜けたり、途中から入るということはできません。ということは、どこかが遅くなれば渋滞が発生します。
これは重大なマナー違反です。高速道路での渋滞を想像してもらうとわかりやすいと思います。事故や工事での渋滞は別として、理由もなく、あきらかに周りの車より速度が遅い車がいたらどうでしょうか?「迷惑だな」「マナー違反だな」と感じると思います。
ただし、高速道路には追い越し車線があります。しかし、ゴルフにはありません。スロープレーヤーに限って、後ろの組を先に行かせることはしません。「料金を払っているのだから自分たちのペースでラウンドする」という間違った主張をするケースすら見受けられます。後続組にも同じようにゴルフを楽しみたい方がいます。
基準は「2時間」や「2時間15分」です。もともとゴルフは9Hを2時間程度でプレーできると考えられています。例え4人でも、高齢でも、初心者であっても9Hを2時間程度でプレーすることは可能です。でも、実際は2時間30分を超えている方が多数存在します。
スロープレーの問題はプレーヤーの意識の低さです。ルールブックの規則6-7 にはスロープレーに対する規定があります。不当の遅延、スロープレーというタイトルで 「プレーヤーは不当に遅れることなく、委員会がプレーのペースについてのガイドラインを決めている時は それに従って プレーをしなければならない。なお、1ホールのプレーを終えた後、次のティーイング・グラウンドからプレーするまでの間もプレーを不当に遅らせてはならない。」 と定められています。
委員会というのはプレーするゴルフ場に置き換えられます。ゴルファーはゴルフ場が定めているプレー時間を守る必要があります。その時間を超過すればスロープレーであり、スロープレーはマナー違反となるわけです。
スロープレーにならないための5つのポイント
自分たちがスロープレーか否かは前の組との間隔で判断します。1H空いたら完全にスロープレーだと思って間違いありません。スロープレーにならないためのポイントはたくさんあります。その中で、次のラウンドから即実行できるポイントを紹介します。
1.ボールの行方は全員で見る
特にティーショットの際、同伴者のボールの行方を全員で見ておくとボールを捜す時間が短縮できます。ボールを捜すときもできるだけ全員で行い、必ず5分以内を守りましょう。
2.クラブは複数持つ
セカンドショット以降、クラブ1本だけ持ってボールの位置に向かう方がいます。もしミスショットをすれば、またカートに戻ってクラブを選び直す時間が必要です。最初から複数のクラブを持って準備します。ボールも常に複数持っておきます。
3.必ずしも遠方先打ではない
ゴルフはカップから遠いプレーヤーから先に打つ「遠方先打」が原則です。しかし、打順を変えても罰則はありませんので、準備ができた人から打つようにすると時間短縮に繋がります。その場合は、危険を避けるために必ず声を掛け合うようにして下さい。
4.グリーン上での準備
自分の順番が来てからラインを読むのではなく、人が打っている間に邪魔にならないようにラインを確認するなど準備をしておきます。パター以外のクラブはグリーン外に置きますが、カートに向かうルート上に置くことで時間短縮に繋がるだけでなく、クラブ忘れ防止にも繋がります。
5.ホールアウト後は時間短縮のチャンス
スコア記入はカートに乗ってからです。グリーン上で記入していると即遅延に繋がります。クラブをキャディバッグに収納してからカートに乗ることも遅延に繋がります。運転でない限り、クラブを持ったままカートに乗り、次のホールのティーイング・グラウンドについてからクラブの収納や掃除をします。
上記はあくまで基本的なポイントです。時間短縮のポイントはまだまだたくさんあります。自分たちの組が遅れていると感じたら率先して同伴者に急ぐ旨の声掛けをしましょう。遅れていると思ったら走ることも大切です。
ミスショットなどでのトラブルで時間がかかってしまうホールも当然あります。それは仕方のないことです。ですが、別のホールで穴埋めする必要があることを忘れてはいけません。一人一人が迅速に行動することでスロープレーを解消します。急いでいる気持ちは後続組に伝わります。余裕のある方は後ろを振り返り後続組を気遣って下さい。時間がかかってしまった場合は休憩時やホールで追いつかれた際に後続組に一声かけることも大切です。
まとめ
同伴者に対しての気遣いやマナーを考える方は多いと思います。同伴者だけでなく、同じゴルフ場で過ごしている他のゴルファーへの気遣いも大切です。スロープレーにより、最終組が最後までプレーできない可能性もあります。ゴルフをする以上、スコアを考えることは大切です。ですが、マナーを守るということはゴルファーとしてスコア以上に大切なことです。
プレーファーストとは全てを急ぐことではありません。ショットを打つときは自分のリズムで問題ありません。慌てて打てばミスショットに繋がります。逆に遅延の原因になってしまうこともあります。そのためにも、ショット以外の行動を迅速にする必要があります。プレーファーストの意識はプレーにメリハリが出ます。その結果、ナイスショットや好スコアに繋がる可能性も高くなります。
是非、次のラウンドからプレーファーストを意識してみて下さい。