申ジエ 痩せた?綺麗になった?「強さ」と「人間性」彼女の価値ある魅力とは?
- 2016.06.04
- 女子ゴルフ
米女子ツアーで賞金女王にも輝いたことがある申智愛選手。日本女子プロゴルフ協会では「申ジエ」で登録されています。
今回は、申ジエ選手の強さの秘訣。そして最近痩せた?綺麗になった?と話題になっている彼女の魅力を調べてみました。
“Final Round Queen”
申ジエさんは、米ツアーを主戦場にしていた頃、最終日に無類の強さを発揮することから、そう呼ばれていました。
“寄付天使”
これは韓国での彼女の愛称で、トーナメントで獲得した賞金やゴルフクラブのチャリティーオークションで得たチャリティー金を障がい者施設や両親のいない子どもたちの施設に寄付を繰り返してきたことから、そう呼ばれています。
2010年の韓国女子ツアー「メットライフ韓国経済第32回KLPGAチャンピオンシップ」で優勝した時の賞金1億4000万ウォン(約1400万円)を全額寄付しました。2011年の東日本大震災の時には、「サイバーエージェントレディス」で2位になった時の賞金616万円も被災地に全額寄付しました。
申ジエさんは、ただ強いゴルファーになりたいわけではない。「多くの人から尊敬されて、愛されるゴルファーになりたい」と願っています。
目次
申ジエ ゴルフの経歴
申ジエさんは、小学校5年生の時にゴルフを始めました。ゴルフを始めて5ヵ月後に開催された大会に出場して優勝。小学生で、早くもゴルフの才能を開花させました。
ですが、悲しい出来事が起きてしまいます。中学3年生の時に、ゴルフの練習場に彼女を送迎した母親が交通事故で死去してしまい、同乗していた弟と妹も重症を負ってしまったのです。
だけど、申ジエさんはゴルフを続けました。2004年、2005年の日韓対抗中学、高校生ゴルフ選手権 高校女子の部で2連覇します。2005年、アマチュアとして出場したSKエンクリーン招待で、プロを圧倒する強さで初優勝します。
「母のお墓に優勝カップを持っていきたい」とインタビューで答えました。
悲しい出来事を乗り越えて、実力を発揮した申ジエさん。ゴルフへの思い、母親への思いが伺えます。きちんと優勝という結果を出し、墓前で報告することができて、天国で見守る母親もその成長を喜んだことでしょう。
そして、プロテストは免除され、18歳でプロに転向します。2006年からKLPGAに本格的に参戦しています。翌2007年には、韓国ツアー19試合に出場して10勝という、素晴らしい勝率で注目を集めました。
2008年「ヨコハマタイヤゴルフトーナメントPRGRレディスカップ」で日本ツアーで初優勝。同年に「全英リコー女子オープン」を含む米ツアーで3勝を挙げました。そして2009年には、米ツアーの賞金女王にも輝いたのです。
翌2010年5月に世界ランクトップに立ちました。申ジエさん、強いですね。毎年確実に成長しています。
2014年から身体的な理由で米ツアーの資格は放棄して、主戦場を日本に移し、活躍しています。
申ジエ 日本ツアー 戦歴・優勝
2008年
ヨコハマタイヤゴルフトーナメントPRGRレディスカップ
ミズノクラッシック
2009年
マスターズGCレディース
2010年
サイバーエージェントレディスゴルフトーナメント
ミズノクラッシック
2014年
ニチレイレディス
meijiカップ
ニトリレディスゴルフトーナメント
マンシングウェアレディース東海クラッシック
2015年
サイバーエージェントレディスゴルフトーナメント
ニチレイレディス
LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ
2016年
ほけんの窓口レディース
優勝回数
日本ツアー 13回(日米女子ツアー共催「ミズノクラシック」2勝含)
米国ツアー 9回
生涯獲得賞金
¥460,463,158(32位)
※戦歴は2016年6月4日現在の情報です。
今年、2016年5月13日~15日に福岡カンツリー倶楽部 和白コース(福岡県)で行われた「ほけんの窓口レディース」で優勝したことは、記憶に新しいですよね。
最終日、2打差の3位タイから出た申ジエさんは、6バーディ、2ボギーの「68」でプレーして、通算10アンダーで逆転優勝を飾りました。賞金2160万円を加算して、賞金ランク首位に浮上。
「ショットはすごく良かったのでバーディチャンスが多かった。2打目以降は、調子の良さが後押ししてくれて、自信を持ってピンを狙えた。後半は難しいホールが続くので、最後まで優勝のことは考えなかった。キムハヌル選手、イボミ選手が良いショットを見せてくれるので、自分のショットに集中できた」と最終日にコメントしました。
イボミさんはこの大会で史上3人目となる同一大会3連覇を狙っていましたが、最終日2バーディ、2ボギーの「72」とスコアを伸ばせず、通算8アンダーで、キムハヌルさんと並んで2位タイに終わりました。
実は申ジエさん、イボミさん、キムハヌルさんの3人は、1988年生まれの同級生になります。この大会の最終日は、同級生対決だったのです。
申ジエ クラブセッティング(2016年ほけんの窓口レディース)
ドライバー
本間ゴルフ TW727 455 ドライバー(ロフト:8度)
本間ゴルフ VIZARD YC55(硬さS 44.75インチ)
FW
キャロウェイゴルフ ビッグバーサ アルファ816 フェアウェイウッド(14度)
UT
キャロウェイゴルフ ビッグバーサ アルファ815 ユーティリティ(18度 20度)
アイアン
ミズノ MP-55アイアン(5番~PW)
ウェッジ
ミズノ MP T4 ウェッジ(50度 54度 60度)
パター
オデッセイ VERSA 90パター2・Ball WHITE ホリゾンタルデザイン(横型)
ボール
タイトリスト PRO V1ボール(2015年)
※プロは頻繁にクラブ調整を行うため、実際の使用ギアとは異なる場合があります。
申ジエの強さとは?
申ジエ選手は“Final Round Queen”と呼ばれるように、最終日には絶対に伸ばしてくる選手です。絶対に崩れないと評判です。メンタルもとても強いゴルファーなのです。
他の選手と比べて、飛び抜けた飛距離があるわけではありません。だけど、正確なショットに定評があります。スイングプレーンでは、日本ツアーで一番の選手。ボールを運ぶ技術はNo.1だとプロコーチの辻村明志さんは語っています。
申ジエさんの良さは、リズム感。リズム感の良さは、下半身のウエイトシフトを上手く使っているから。トップからダウンスイングにかけて、しっかりと下半身から切り返せている。クラブが体の近くを通る安定したスイングで、ボールを打つというより、運んでくるタイプだと辻村さんは分析しています。
辻村明志さんは、プロゴルファーとして活躍して、コーチに転身。上田桃子さんなどを指導しているプロコーチで、様々な女子プロのスイングの特徴を分析して、コーチングに生かしています。
この同じリズム、同じテンポ、同じ力感、同じプレーン。これらを自然体で出来ることが申ジエさんの強さの秘訣とも言えそうですね。
「強さ」と「人間性」申ジエの価値ある魅力。日本女子ツアーの魅力。
申ジエさんは「全英リコー女子オープン」を2度制覇するなど、華麗な戦歴を残してきました。世界ランクトップにも立った選手です。
「位置(ランキング)や経歴にとらわれ、本来の自分を見失っているような気がした。暖かい人間味を感じる日本でやってみたいと思った」
申ジエさんが米女子ツアーに参戦中から感じていたこと、それは、日本では女子プロが愛されていて、ファンの方々が暖かく応援してくれるということです。そして、中でも特に関心したということは、LPGAの選手を育てようという努力です。
礼儀についてなどのセミナーが充実しています。社会人としての常識やマナー、必要な知識を得ることができる日本LPGAのシステムはとても魅力的だそうです。その様な理由もあり、彼女は、米ツアーの資格を捨てて、日本のツアーに専念しています。
そして外国人の選手ながら、スポンサーとなる日本の企業が増えているそうです。実力もあることは間違いないのですが、その裏には申ジエさんの「人間性」も関係してるようですね。とても義理を重んじる選手です。
スポンサーとなる企業は、会社の価値が高まるから選手と契約します。信頼性や先進性、国際性などその企業イメージを、プレースタイルや生き方・存在感で伝えられるか、経営上の費用対効果を感じられるほど、見返りがあるか。申ジエさんは、そんな企業とゴルファーの根源的な関わりを強く感じることができる選手なのです。
「いろいろな企業にスポンサーになっていただき、応援していただいているので、なるべく早く優勝したかった」優勝することが恩返しとなります。
そして“寄付天使”と呼ばれるように、被災地や障がい者施設に寄付を続けています。とても温かい人間性を感じる選手だと思います。
そんな申ジエさん。最近痩せた?綺麗になった?と言われていますよね。
これはよく知られていることですが、韓国では整形は一般的に行われています。みんな年齢や性別に関係なく、コンプレックスに思うところはもちろん、より美しくなりたいと気軽に施術を受けます。
以前、韓国のアンソンジュ選手も、見た目を重視する韓国ではあまり注目される選手ではなかったことがわかりましたが、日本では雰囲気を変えたこと、それを個性として認めてくれると言っていました。
整形をする、しないは個人の自由です。雰囲気を変えたり、二重にしたり、ダイエットしたり。美しくありたいのは女性の願いです。でもその輝きは、内面からくるものですよね。頑張っている人は、やはり輝いていて美しいです。
申ジエさんは視力の回復手術を受けて眼鏡を外してから、女性rを意識して「より綺麗に目を見せたくなった」ということで二重のパッチリな目に変わりました。またここ2~3年で体を絞り、ダイエットにも成功!二重にして、ダイエットに成功した。それだけです。
優勝インタビューでの顔は素顔で堂々として、晴々とした美しい笑顔で溢れていました。
「イメチェン成功!!」
日本人ファンもそう思った人は多いと思います。
またファッションも少し変わってきました。パンツばかり履いていましたが、昨年は始めてショートパンツでプレーもしました。見た目の自信は、ゴルフへの強い自信にも繋がります。そして結果がついてくる。
韓国の同級生、イボミさんやキムハヌルさんと並んで、ミニスカートでプレーする日もくるかもしれませんね!
申ジエ選手の今後・まとめ
申ジエさん、日本語も学んでいますが、まだまだ難しい状況です。尊敬語と謙譲語の使い分けが難しいのだそうです。ただ普通の会話なら通訳なしでも、十分可能な日本語力はあります。
でもインタビューなどで、多少たどたどしくても日本語で答えたりしない理由は、「ありがとうございまーす」「がんばりまーす」と可愛らしく答えれば喜んでもらえるキャラではない。誤解なく、きちんと思っていることを伝えるには、まだ不十分なので通訳をお願いしているそうです。いつか日本語でのインタビューも聞ける日がくるのでしょうね。
海外で活躍することは、言葉の違いも文化の違いもたくさんの苦労はあると思います。そんな中でも、自分を磨き、女性としての美しさも求め、素晴らしいプレーを見せてくれる申ジエ選手。目標は賞金女王。
幼い頃の悲しい出来事を乗り越えて、現在、大活躍している新しい申ジエ選手のこれからに注目していきましょう!日本のファンも増えています!
日本人の選手の活躍も期待していますが、女子ゴルフを盛り上げてくれる選手の一人であることは、間違いありません。これからのトップ争いが気になります。誰がトップに立ってもおかしくない。
申ジエ選手、これからの日本女子プロゴルフ協会を、そして世界の女子ゴルフ界を盛り上げてください!!
申ジエ(Ji-Yai Shin)28歳
【プロフィール】
生年月日:1988年4月28日
身長:155cm
体重:63kg
血液型:A型
ゴルフ歴:11歳から
国籍:韓国
出身地:韓国・全羅道
出身校:延世大学校(韓国)
プロ転向:2005年
趣味:旅行、音楽鑑賞、映画鑑賞、読書
契約:ボール・タイトリスト/ウェア・MIEKO UESAKO SPORTS/シューズ・ecco
所属:スリーボンド