《しぶこ特集!渋野日向子が大活躍 しぶこのパワーの源は笑顔》
- 2019.12.30
- 女子ゴルフ
2019年8月1日〜4日全英女子オープンが開催されました。プロ1年目となる20歳の渋野日向子さんが、激戦を制して優勝。ゴルフファンではない人も、日向子さんのこの活躍と笑顔を目にした人も多いのではないでしょうか。1977年、樋口久子さん(現在LPGA顧問)以来、2人目のメジャー優勝。日本勢では男女を通じて42年ぶりの快挙となりました。
目次
1.渋野日向子が笑顔で制した 2019年AIG全英女子オープン
2019年の全英女子オープンには、畑岡奈紗さん、鈴木愛さん、比嘉真美子さん、勝みなみさん、上田桃子さん、安田祐香さん、横峯さくらさん、上原彩子さん、そして渋野日向子さんの9名の日本人選手が出場しました。日向子さんの大会目標は、予選を突破すること。
日向子さんは、初日と2日目を2位でフィニッシュします。そして、3日目には2位と2打差の14アンダーで単独首位に立ちます。最終日、3番ホールで4パットを叩いてダブルボギーとして、11番ホールが終了した時点で、前日と同じ14アンダーをマーク。2組先でプレーしていたリゼット・サラスさんらに2打差の3位に後退してしまいます。
ところが、ここから日向子さんの本当の実力を発揮。15番ホールで、再び首位に並びます。プレッシャーがかかる最終日でも、ギャラリーとのハイタッチやサインにも気軽に応じて、これまでの全英女子オープンのイメージを変えたとも言っていいかもしれません。
最終18番ホール。日向子さんがグリーンに上がると、大歓声が沸き起こります。
日向子さん本人は、
「誰に言ってるのかなー。とりあえず手を振りました。初出場なので、誰?みたいな感じですよね。なのに、あんなにいっぱいいたので、やったー!みたいな。笑 外国人の方が頑張れみたいな感じで言ってくれた」
日向子さんらしいコメントですよね。こういうところが日向子さんの好感度を上げています。日向子さんが歩みだすと、大勢のギャラリーも一緒に動き出し、モニターに映し出されるとたくさんの拍手が送られ、ここ数年の同大会での最高視聴率だったのだそうです。移動の際にはギャラリーとハイタッチしたり、小さな子供を見かけると、必ず足を止めて頭をなでたり、手を合わせるなどの姿がありました。また、プレー中に駄菓子を頬張ったり、これまでのゴルフのイメージを一転させたのではないでしょうか。
その大歓声の中、最後に残されたのは約5mのパッティング。1パットで決めれば優勝。
「どんなガッツポーズをしようかな」と考えていたそうです。
強気な1打は、スライスラインに乗ってカップに落ちます。7バーディ、1ボギー、1ダブルボギー68で回り、通算18アンダーで見事にメジャー初優勝です。
決まった瞬間、パターを持った左手を上げ、右手で目を覆ったのですが、
「泣くのかなって。笑 でも、全然涙が出てこないー 」
隣ではキャディを務めた青木コーチが号泣。青木コーチを尻目に、満面の笑みを浮かべました。
日向子さんがインスタグラムで優勝の報告すると、たくさんのいいね!が集まり、たくさんのコメントが寄せられました。その1人1人のコメントに日向子さん自身が返信をしています。地元の岡山県岡山市では号外も配られ、この快挙を祝いました。
女子ゴルフ界のニューヒロイン、スマイルシンデレラ渋野日向子の誕生です。
2.渋野日向子がイギリスから凱旋帰国
渋野日向子さんが、凱旋帰国した際には、羽田空港に報道関係者とファンをあわせて200人以上が集まり、出迎えました。小林浩美さんも空港に出向いて、花束を贈りました。
「おめでとう」「しぶこ〜」と声が上がり、少し驚いた様子で「想像以上だったので、びっくりしました」とコメントしました。
会見場では54社、141人の取材人、26台のテレビカメラに囲まれて、緊張した様子で会場に入りました。令和初の偉業を達成した渋野日向子さんですと紹介され、
「42年ぶりの日本人優勝をすることができて、本当に嬉しく思います」
緊張した面持ちで喋り始めたのですが、
取材陣から、
「お帰りなさい」と声がかかると、
「帰りました!」
と元気に答え、すぐにいつもの日向子スマイルが戻ります。
「今何をしたいですか?」
「寝たいです」
「1番リラックスできる時はいつですか?」
「ご飯を食べている時です。笑 食べるのは大好きです。バクバク食べています」
「帰ってきてからの会見では”焼肉を食べたい”と言っていましたが、1番好きな食べ物はお肉ということですか?」
「イチゴです」
会場から笑いがおきます。
「イギリスで得たことは?」
「笑顔は万国共通なんだなってこと。笑顔で努力していれば、結果に繋がるんだと思いました」
「たくさんのジュニアたちが応援にきてくれて、私みたいになりたいと言ってくれたので、その子たちのためにも頑張りたいです。宮里藍さんのようにゴルフ界を引っ張っていけるような存在になりたいと思います」
取材陣からの質問にも迷うことなく答えて、気持ちが良いほどの会見でした。
3.渋野日向子 ゴルフの経歴
渋野日向子さんの両親は、陸上競技の投擲選手(父・悟さん=砲丸投、円盤投、 母・伸子さん=やり投)でした。
3人姉妹の次女として生まれた日向子さんは、両親の遺伝子を受け継ぎ、幼い頃からスポーツ万能な少女でした。
友人の父親がゴルフ場のコーチをしていたことがきっかけで、小学2年生の8歳でゴルフを始めました。ゴルフと同時にスポーツ少年団でソフトボールも始めます。ソフトボールでは投手を務め、男女含めて打率が1番高かったそうです。
一方、ゴルフでは2010年岡山県ジュニアゴルフ選手権競技(小学生・女子の部)で3位に入るなどの成績を残しています。
2011年に中学に進学すると、次は野球部に入部。当時、野球部に入部した女子は、日向子さんただ1人だったそうです。
ゴルフの方では、岡山県ジュニアゴルフ選手権競技(中学生・女子の部)で優勝。この時、野球部の監督に「ゴルフ1本に絞った方がいい」とアドバイスされ、ゴルフ1本に専念するようになりました。このアドバイスが、日向子さんを全英女子オープン優勝へと導いたきっかけと言っても過言ではありません。
2012年、2013年の岡山県ジュニアゴルフ選手権競技(中学生・女子の部)でも優勝して、同大会の3連覇を達成しました。
2014年に岡山県作陽高等学校に進学。この年の中国女子アマチュア選手権で優勝。2015年全国高等学校ゴルフ選手権大会女子団体戦のメンバーに選出され、優勝へと導きました。3年生の時にはゴルフ部の主将を務めながらも、成績は優秀で、居眠りなどしたことはないと担任の先生も驚くほどでした。
当時は、英語の成績も良かったのたそうです。全英女子オープン優勝の際、英語でのスピーチで拍手喝采を受けたのですが、実はカタカナで書いてもらった紙を読んでいました。
本人もこれで伝わっているのかなと思いながら、読んでいたのです。最後の「サンキュー」でみんなが笑ってくれてよかったと言っています。
高校在学中、2014年のプロテストに挑戦。最終プロテストまで進出したのですが、3日目までで14オーバーとなってしまったため、最終日はプレーできずに惜しくも不合格となってしまいます。同年のサードクォリファイングトーナメント(QT)B地区でファイナルに進出することができませんでした。
その時出会ったのが、現在の青木翔コーチです。青木コーチの最初の日向子さんの印象は意外にも「ド下手」だったそうです。
「ソフトボールを経験しているので、肩の強さや肩甲骨の柔らかさは、明らかに他の選手とは違っていました」
日向子さんは、サードQT進出の資格でTP単年登録者として、2018年は主にステップアップツアーに出場します。主催者推薦競技会(マンデー)を経て、唯一JLPAGツアーに出場したアースモンダミンカップでは、初日9番ホールでホールインワンを達成して600万円を得ました。
そして2018年2度目のプロテストを迎えます。初日、73と出遅れてしまいます。2日目は68、3日目は69で回ります。初日のスコアが響き、3日目を終えた時点で21位タイ。
ところが、日向子さんと青木コーチに焦りはなかったと言います。確実にゴルフの技術は上がっているし、受験前から合格しか想像できなかったのだそう。
迎えた最終日、日向子さんは前半で31を記録して68で回り、14位タイまで順位を上げて無事に合格を果たしました。
プロテスト合格後に、RSK山陽放送のゴルフ番組に出演したことが縁となって、2019年2月から同社と所属契約を結んでいます。
プロテスト合格で得た自信は、2019年も好成績へ繋がっていきます。
ワールドレディスサロンパスカップにおいて、通算12アンダーでツアー初優勝。一気に注目の選手となりました。当時20歳178日での優勝は、2015年チョン・インジさん(韓国)の20歳273日を更新する大会史上最年少記録を樹立します。公式戦優勝により、3年間のシード権も得ることができました。同年6月のアースモンダミンカップが終了した時点で、年間賞金ランキング3位に浮上して、8月の全英女子オープンの出場権を獲得しました。
そして、新設大会である7月に開催された資生堂アネッサレディスにおいて、通算12アンダーで並んだイン・ミニョンさんとのプレーオフを制して初代女王となりました。
海外初試合となったAIG全英女子オープンで優勝。株式会社Tポイント・ジャパンと新規スポンサー契約を締結。さらに有村智恵さんや、古閑美保さん、笠りつ子さんが所属するスポーツマネジメントエージェンシーのZONEと契約。所属はRSK山陽放送のまま、ZONEに委託することが決定しました。
全英女子オープン優勝後の、NEC軽井沢72ゴルフトーナメントでは3位タイ。この時点で、世界ランクは自身最高位となる12位となりました。
プロテスト合格から、一気に注目される選手へと成長しました。
4.渋野日向子 新記録更新となるか?!
ニトリレディスゴルフトーナメントでは、最終日3バーディー、2ボギーの71で回り、6月の通算7アンダーの7位タイでフィニッシュしました。優勝は逃したものの、6月から続く国内ツアーの連続オーバーパーなし(連続イーブン以上)の記録に並びました。2013年のアン・ソンジュさん(韓国)と並ぶ最多28ラウンドに到達。次のラウンドで新記録達成と賞金1億円突破の期待がかかっています。
「そこは本当に良かったです。誰も成し遂げていない歴代1位の記録を出すことに価値があると思っています」
ゴルフ5レディスは欠場。日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯で記録更新と1億円突破を狙います。
「この大会で年間獲得賞金1億円突破とは考えていないけど、世界ランクに繋がるので大事だと思っています」
優勝賞金はツアー最高額の3,600万円と聞くと、
「わお!頑張らないと!」
日向子さんらしいコメントだと思いませんか。こういったところが、彼女の好感度をアップさせている一つの要因でもあります。
5.渋野日向子 性格は?!
日向子さんは、とても負けず嫌いな性格で、高校時代まで喜怒哀楽が激しかったそうです。パットを外した時など、所構わずにふてくされた態度を見せていました。
ある日、父親の悟さんに「あまり気持ちのいいものではない」と指摘され、心機一転。
「いつも笑顔でいよう」
と決心しました。
「高校時代まで喜怒哀楽をすぐに出してしまった。ステップアップツアーへ出場した時など、感情をあらわにするとスコアを落としてしまう傾向があって…。以前から考えていたんです。気をつけていたら、だんだん笑顔でプレーできるようになりました。トラブルがあっても、笑っていれば何とかなるかな~と思っています」
日向子という名前は、彼女の祖父が太陽に向かう向日葵のように明るく育ってほしいという願いをこめてつけたそうです。
まさに太陽に向かって、向日葵のような明るい笑顔で世界のゴルフファンを魅了しています。
ゴルファーは個人の競技なので、この負けず嫌いな性格は、プロゴルファー向きと言ってもいいかもしれません。ミスをしてしまった時に、クラブやグリーンなどに感情をぶつける選手もいます。悔しさが全面に出てしまう。私たちのような一般人でも、何かに当たってしまったり、感情が表情に出てしまったりすることは、よくあります。
私たちも「いつでも笑顔」を意識することで、行動や発言も変わってくるのかもしれませんね。笑顔の力です。
6.渋野日向子 ソフトボールとゴルフ
昨年の9月に、日向子さんのインスタグラムに投稿された動画です。投球しているのは日向子さん本人です。
力強い投球を披露しています。
実は、ソフトボールを経験している女子プロゴルファーは、登録されている選手の中で約2割。一例ですが、岡本綾子さん、小林浩美さん、成田美々寿さん、飯島茜さんはソフトボールの経験者です。古閑美保さん、鬼澤信子さんは野球の経験者。
岡本綾子さんは、サウスポーの剛球エース兼4番。小林浩美さんは、ピッチャーでした。古閑美保さんは、少年野球で男子の中で4番のエースでした。
岡本綾子さんは「外角高めのボールをピッチャー返しする」このイメージでスイングをしていたそうです。
ゴルフとソフトボールはまったく異なる競技ですが、共通する部分が多いことがわかります。ゴルフ選手が、野球選手の強化合宿に参加することがありますよね。
ソフトボールや野球では、走る・投げる・振るという動作があり、最高の鍛え方ができます。投げる時の下半身の動きが、ゴルフのスイングに通じるところがあると言います。股関節の入れ方、体重移動、上半身との連動など。
渋野日向子さんは、両方の競技を行うことで、自然と体の動きが身についていったのかもしれません。
7.渋野日向子の強さの秘密 なぜここまで強いのか?
なぜここまで渋野日向子さんは強いのか?
7-1.ギャラリーを惹きつける笑顔
全英女子オープン優勝から、彼女を取り巻く環境が一変しました。国内ツアーでも彼女をひと目見ようとギャラリーが集まり、大賑わい。凱旋帰国後の疲労の中で、NEC軽井沢72トーナメントでは優勝争いまで演じて3位タイの好成績を残しています。続くニトリレディースでは体調不良を訴えながらも、少しの安静で試合に復帰して7位タイ。体調不良も心配されましたが、しっかりと成績を残しています。
全英女子オープンから凱旋帰国した際の記者会見で、自身の強さの秘訣を問われると、
「最終日最終組でも笑っていられるのは、強さの秘訣かもしれないです」
と自分を分析しています。
彼女の笑顔は、緊張した雰囲気を一気に変えて、自分を良い方向へ向かわせることができるのです。
「プロゴルファーはギャラリーがいて、見せる競技。楽しんでもらうためには自分が心の底から楽しんでやらないと、周りも楽しくない。そこは心がけています」
彼女は、気持ちの切り替えがとても上手な選手です。どんな選手でも18ホールラウンドする間、集中力を維持することは不可能です。
各選手、気持ちの切り替え方はそれぞれですが、日向子さんはパッと笑顔を見せることで会場の雰囲気と自分のプレーを切り替えることができる選手なのです。
彼女の笑顔はスイッチのオンとオフ。
プレー中に駄菓子を頬張ることも、ただ食べることが好きな女の子ではないのです。
「お菓子を食べて緊張を和らげていました」とコメントしているように、お菓子を食べることで上手く気分転換をして、勝負に挑んでいるのです。
それは、海外でも国内でも一緒。彼女が全英で得た、笑顔は万国共通。笑顔の裏には、母親が言ったようにいろいろな葛藤や不安もあるかもしれません。
全英を制しても、決して気取ることがない。ギャラリーを惹きつける魅力がある選手です。
会場の一体感こそ、彼女の強さの秘密なのかもしれません。
7-2.強気のパッティング
日向子さんは、苦手だったパッティングを得意なクラブに変えることで、自信を持ってプレーしています。全英女子オープン18番の強気のパッティングは印象的ですよね。
2年ほど前から、青木コーチと始めたパッティングのドリルがあります。
そのドリルとは、カップに対して1m、1.5m、3mと徐々に距離を長くして、円を描くように9本のティーを刺します。7本決まればドリルは終わり。仮に3本外した場合は、また1本目からやり直す。このドリルだけで3時間もかかったことがあるのだそうです。
日向子さんのパッティングのポイントは、左目の下からボールを落として、いつもと同じ位置にボールがセットされているかを確認します。正しくボールをセットすることで、いつも安定したストロークができます。
青木コーチによると、
「プロですから、普通に練習しているだけではダメですよね。緊張のなかで狙ったところに打てるかどうか。大きな筋肉を使って安定したストロークをするという技術面は当然のこと。ですが、それ以上に、気持ちが高ぶった状態で集中して練習できるかどうかが重要なんです」
日向子さんは、笑顔の裏ではプロとして、努力は欠かさない選手です。
7-3.力強いスイング
日向子さんのスイングを中村修さんが分析します。
まず、アドレスでは、左手の甲が見えるストロンググリップで握っています。両肘の間隔が狭いことから「猿腕」という肘の可動域が広い腕の特徴を持っていることがわかります。
テイクバックは、両肘が付くように上がっています。これは両脇がしっかりと閉まっている証拠です。両脇が閉まり、腕が体の正面から外れなければ、振り遅れることなく、インパクトでボールにしっかりとエネルギーを伝えることができるのです。
ダウンスイングでも両脇が締まった状態で、腕が体の正面にあることがわかります。猿腕という特徴を自分のスイングのメリットにしています。
スイングは「振れ」と指導されているそうです。青木コーチによると、人間はロボットではないので、細かい体の動きをどうこうするのは難しい。難しく考えることなく、感覚的にわかるように指導しているそうです。
日向子さんの全英女子オープンでの、大会通算のフェアウェイキープ率は76.8%で3位。ドライビングディスタンスでは、プレッシャーのかかった最終日に平均264ヤードをマークして、4日間通算でも254.9ヤードと高い数字を残しています。
青木コーチも、実際にプレーヤーだったので、選手たちの気持ちがわかるそうです。
「頭ではわかっていてもできないことがある」
青木コーチのモットーは、1つ言って10できる選手を育てること。
日向子さんは、青木コーチに指導を受けた時から、頭に手を置かれてスイングをしています。インパクトに大きな変化が現れたのです。
1年前は、上体が伸び上がっていたので、クラブがインサイトあら入りすぎてフックと度合いが大きかったのですが、球質が強く、距離も出るようになりました。
この練習を始めた時は、ダフってばかりだったそうです。以前は、上体を起こしてヘッドの通り道を作っていたのですが、頭に手を置くことで、前傾の意識を持つようになったので、ダウンヘッドをリリースするタイミングを覚えました。腕力や筋肉に頼って打っていましたが、効率よくパワーな出せる体の使い方を覚えることができたのです。方向性も良くなって飛距離も出るようになりました。
「感覚的にダフらないように体が伸び上がって調整していたのですが、右脇で押し込む意識を持つようになってから前傾角が変わらず飛距離も伸びました」
日向子さんは、10以上のことをマスターしたのでしょう。
8.渋野日向子 まとめ
いつも笑顔のスマイルシンデレラこと、渋野日向子さん。今季、突然フィーバーを起こした彼女の目標は、国内ツアーで1億円プレーヤーになること。そして賞金女王になりたい。ジュニアの見本になりたい。今は、東京オリンピックまでしか考えていないのだそうですが、全英女子オープン優勝は、これからの日向子さんのゴルフ人生を大きく変えていくことでしょう。
実は、日向子さんは、ニトリレディースの練習ラウンドを体調のためキャンセルしました。前日から歯の痛みを訴え、38℃以上の熱もあったのだそう。専門医の診断の結果は、急性副鼻腔炎(蓄のう症)。重症ではなく、点滴と抗生剤の投与で治療できる段階であることがわかりました。全英女子オープンが終わってから、試合や取材が続き、連日のハードスケジュールが、原因の1つだと考えられますが、これも世界の頂点に立った証だと思います。重症ではなかったことが幸いして、再び幸運の女神が彼女に笑みを与えてくれました。
どんな時も、自分に有利な方向へギャラリーをも惹きつけてしまう魅力があります。そして気持ちを切り替えることが上手い選手だと言うことがわかりました。大舞台でも、自分の方向へと流れを変えることができるメンタルの強さがあります。
余裕さえ感じる笑顔の裏には、不安や葛藤もあったことでしょう。
全英優勝後の日向子さんのインスタグラムの投稿に、こんな一文がありました。
「青木さんに習ってよかったって、ちょこっと思いました!笑」
素敵な師弟関係ですね。
全英を制した実力は本物です。余裕さえ感じる笑顔の裏には、不安や葛藤もあることでしょう。まだまだしぶこフィーバーは続きそうです。
これからも、しぶこスマイル全開で頑張ってください。
10.渋野日向子プロフィール
渋野日向子(Hinako Shibuno)
生年月日 1998年11月15日 (20歳)
身長 165cm
体重 62kg
血液型 AB型
ニックネーム しぶこ
出身地 岡山県岡山市
出身校 岡山県作陽高等学校(岡山県)
スポーツ歴 ソフトボール、野球
趣味 習字、ソフトボール
好きな色 青、ピンク
ゴルフ歴 8歳~
得意クラブ 5W
師弟関係 青木翔、岩道博志
9.渋野日向子 ゴルフの主な成績
2019年
ニトリレディスゴルフトーナメント 5位
NEC軽井沢72ゴルフトーナメント 3位タイ
AIG全英女子オープン 優勝
ニッポンハムレディスクラシック 7位
資生堂アネッサレディスオープン 優勝
アース・モンダミンカップ 4位
ニチレイレディス 7位タイ
リゾートトラストレディス 10位タイ
ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ 優勝
38thフジサンケイクラシック 2位タイ
ヨコハマタイヤゴルフトーナメントPRGRレディスカップ 6位タイ
2018年
ステップアップツアー
フンドーキンレディース 10位タイ
山陽合同銀行Duoカードレディース 7位タイ
ANA PRINCESS CUP 5位タイ
SkyレディースABC杯 3位
日医工女子オープン 3位タイ
ツインフィールズレディーストーナメント 7位タイ
パナソニックオープンレディース 5位タイ
LPGA新人戦加賀電子カップ 3位タイ
11.渋野日向子 クラブセッティング
ドライバー
ピン G410 プラス ドライバー(10.5度)
シャフト:藤倉コンポジット 569 スピーダーエボリューション6(44.75インチ、硬さSR)
FW
ピン G410 フェアウェイウッド LST(3番14.5度)
ピン G410 フェアウェイウッド(5番17.5度)
UT
ピン G410 ハイブリッド(3番19度、4番22度)
アイアン
ピン i210 アイアン(5番~PW)
ウェッジ
ピン グライド フォージド(52度、58度)
パター
ピン シグマ2 アンサー パター
ボール
タイトリスト プロ V1 ボール
※プロは頻繁にクラブ調整を行うため、実際の使用ギアとは異なる場合があります。