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黒くて渋いTOUR Bは美しく飛ばして止める武器となる

ドライバーは“XD-3”、“XD-5”の2本。フェアウェイウッドは“XD-F”の3番、5番、7番。ハイブリッドは“XD-H”の2番、3番、4番をゴルフコースに持ち込んで打ってきました。

黒光りするヘッドにフェースも黒っぽい加工になっています。黒一色のヘッドは締まって見えるシャープさはありますけど、実は硬いとか、重いとかいうイメージをゴルファーに与えて、必要以上に難しいクラブになってしまうことがあります。

見た目のインパクトは、まさに一筋縄ではいかない玄人ゴルファーのクラブという感じです。

自慢したい気持ちを満足させるのもクラブの機能である

まずは、最上位ドライバーの位置付けになる“XD-3”を打ちました。

ヘッドはブリヂストンらしい丸型のフォルムで構えやすい印象です。フェースが自然に狙い所にピタリと合います。ゴルフ歴が長いゴルファーにとっては、このフォルムだけでも十分な機能です。

ヘッドのスペックは、体積455cm3、ロフトは9.5度で、シャフトはオリジナルの『TOUR AD TX1-6』の硬さはSでした。

他に3種類のシャフトが用意されていますが、硬さが選べるのはこのシャフトだけで、価格も少し安いのです。このシャフトだけ長さが45.25インチであるところも(他のシャフトの場合は45インチ)特徴です。

素振りをしたときは、しっかりとしているのに、少し軽いかなぁ、と感じました。シャフト全体がしなる感じは好感が持てました。僕のヘッドスピードは43m/秒、ドロー打ちでスピン量は多めです。

スタートホールは、フェースのトウ側に当たってしまいましたが、弾道はきれいなドローでした。飛距離はやや抑えめの210ヤードぐらいでした。普段の飛距離は230ヤードぐらいなので、当たりを考えれば悪くはありません。何より、フェースのどこに当たったのかが伝わることは個人的には大きな加点ポイントでした。

その次のホールでは真芯でボールをヒットしました。やや低めの弾道で、落ちたところも良かったのでランで稼いだこともありましたが、楽に240ヤードを越えました。

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次に打ったのは“XD-5”です。ヘッドは大きく見えるようになっていて、ほんの少し薄めです。安心感があるヘッドです。誰でも打てるように癖もないフォルムは期待感も高めます。

ヘッドのスペックは、体積460cm3、ロフトは9.5度。シャフトは“XD-3”と同じオリジナルシャフトで、長さも同じです。ブリヂストンは“XD-3”は中弾道で操作性が高いドライバー、“XD-5”は直進性が高く、ミスヒットに強いということと宣伝するようです。

“XD-5”はいきなり真芯でヒットしました。やや高い弾道でほぼストレートのボールが飛んでいきました。飛距離は230ヤードで、落ちた所にそのまま止まるような感じでした。その後、何度か使いましたが、確かに直進性の高さを実感はできました。距離も自分のドライバーよりキャリーは10ヤードぐらい出ました。

ただ、ヘッドがボールを捉えにいく動きが少し気になりました。シャフトなどで緩和できるかもしれませんが、チーピンが出そうだという一抹の不安もありました。

しかし、その機能はスライスに悩む多くのゴルファーには強烈な味方になります。

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フェースを見れば、“XD-3”と“XD-5”の差は明確です。“XD-3”はギュッと詰まった感じで、“XD-5”はワイドな安心感があります。印象はそのまま結果にも表れます。

両方のドライバーで最も印象的だったのは打音です。同伴競技者にも打ってもらいましたが、音で真芯を捉えたのがわかります。キーンと延びる音ではなくて、キンという感じの短い打音ですが、やや大きめに響くので誤魔化せません。芯を捉えたことを音でも周囲にわからせるなんて、さり気なく玄人が好むクラブだといえます。

手から伝わる感触も敏感で、使って楽しいドライバーです。やや重めの打感は好き嫌いがあると思われますが、極端ではないので、手応えと弾道がリンクする上質な喜びを味わえます。

そして、どちらのドライバーも飛びます。

面白いと思ったのは、いわゆる低スピン+高弾道で飛ばすという感じではないのです。計測はしていませんが、それなりのスピン量がありそうなのに、いわゆる初速や見合った弾道という別の要素で飛びを作っているような気がしました。

クラブだけではなく、使い手の技術も融合させた結果として飛距離を出すドライバーです。転がるボールも打てれば、あまり転がらない止まるボールも打てると感じました。

“XD-3”はとにかく弾道がきれいで惚れ惚れします。実は、3回しか使いませんでした。理由は、それだけで十分にわかったからです。自分に合っているとも思いました。狙い通りの球が出て、その弾道が美しいというのは凄いことです。惚れるのが怖くて、3回しか使いませんでした。

“XD-5”は見た目ほど難しくなく、多くの人に受け入れられるドライバーです。弾道は9.5度のロフトを感じないほど高いものになり、キャリーに関しては、僕の場合は“XD-3”よりも“XD-5”のほうが出ていました。左に行く恐怖感がない人であれば、ブンブン振れるドライバーです。

極端なことを排除して安心して使えることの重要性

フェアウェイウッドの“XD-F”は、以前のレポートで不思議な感覚だと書きました。3番のスプーンは浮力がなく、飛んでいるのに上がらない印象で、逆に5番はアイアンみたいに打てるという印象だったのです。

今回、コースで打ってみてかなり印象が変わった部分がありました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA※左はSpeeder661 EVOLUTION III シャフト。右はオリジナルのTOUR AD TX1-6。

印象が変わった一つの要因はシャフトの可能性があります。フェアウェイウッドは、Speeder661 EVOLUTION III シャフトだったからです。

このシャフトはボールを拾いやすく、弾道を高めるのに、ひっかけは出にくい特徴があります。しかし、それだけではないと思いました。練習場での試打のときとヘッドが違ったからです。

練習場で打ったときは、試打用に作られたシャフト交換の調整機能が付いているものでしたが、今回打ったのは市場で売られるものと同じだったのです。科学的に見て、スペックなどから大きな差はないといわれますが、かなり違うものになってしまうことは過去にもたくさん経験しています。

ということで、以前のレポートとは違う部分があることを予めお断りしておきます。

“XD-F”の3番は15度のロフトで、程良い厚さのヘッドです。3番のヘッドはボールを上げるために薄いものもありますが、個人的にはヘッドのクラウンが高めのものが好きです。

構えた感じはかなり良い印象でした。フェースの向きとヘッドのフォルムに違和感が全くありません。つまり、フックフェースでも、オープンフェースでもなく、ストレートにアドレスしやすいのです。

打ってみて、ビックリしました。浮力も十分ですし、ドライバー同様に弾道がきれいでした。真芯とそれよりやや上に当たったときには低スピンでドライバーのようなボールで飛んでいきます。

持ち球のドローもかかりすぎることはなく、手に伝わる感覚と弾道がリンクしました。合計で7回ほど打ちましたが、完璧でした。

理由はわかりませんが、“XD-F”の3番だけ打感が特殊なときがありました。悪い意味ではないのです。ティーアップして打ったときにフェースの真芯の少し上に当たったときに、なんともいえない手応えがあります。

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5番も構えたときに一切の違和感がありません。弾道はロースピン系のものではなく、スピン量がそこそこあるアイアンのような感じになります。

ボールが上がるフェアウェイウッドの中には、飛距離性能を犠牲にしているものがありますが、“XD-F”の5番は飛距離も十分です。ロフト18度という数字通りの飛距離が出ます。同伴競技者にも打ってもらいましたが、いきなりでも狙い通りに飛ぶので気に入っていました。

フェアウェイウッドとして、過去のクラブを作ってきた蓄積を十分に搭載して、最新の機能と融合させたクラブに仕上がっています。目から入る情報はゴルファーのメンタルに強く影響します。難しすぎず、簡単すぎないちょうど良い感じにグッときました。

僕は過去に5番ウッドを入れたセッティングを考えたことがありませんでしたが、この5番は検討に値すると感じました。

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“XD-F”の7番ウッドは、打ったことがありませんでした。21度のロフトでフォルムも大きめで安心感はあります。

いきなり打ってみましたが、高い弾道の3番アイアンのような感じで飛んでいきました。かなり狭い所に打つシーンで強いて使いましたが、見事に狙い通りにいきました。飛距離も思ったより飛んだのでビックリしました。高い弾道で落ちてからスピンがかかって、ボールが止まりました。

7番ウッドを使うアスリートゴルファーは多くはないと思いますけれど、この7番は面白いと思います。女子プロゴルファーの使用を想定して設計されたものだと推測しますが、なかなか大したものです。

“XD-F”はフェアウェイウッドとして共通しているのは、まずは、構えやすさです。そして、それぞれのしっかりとした飛距離性能です。3番は、フェースのどこに当てるかで弾道の打ち分けが若干ですが可能です。5番と7番は、ボールを止める目的を満たしています。

そして、ドライバーと共通した打感があります。打音もあります。この辺りは『TOUR B』シリーズの特徴なのだと思います。この部分は打ってみないとわからないのですけど、多くのゴルファーに体感してもらいたいです。

ユーティリティーではなくハイブリッドなんだと言いたくなる

ウッドのクラブとアイアンのクラブの中間であるユーティリティーは、日本市場で始めに認知されて、輸出されてアメリカ市場に広まっていったものです。

日本では、ユーティリティーと呼んでいますが、欧米ではハイブリッドと呼びます。“XD-H”という名称からわかるように、グローバルモデルになるためにハイブリッドの頭文字の『H』なのです。

今回のレポートでは、意図を持ってハイブリッドと書いています。それは“XD-H”がユーティリティーではないと強く思うからです。

過去のブリヂストンのユーティリティーは、ロングアイアンが使えないゴルファーを助けるというテーマを守ってきたような印象があります。一言で書くと、浮力を最優先して止まるけど飛ばない、と思ってきました。

“XD-H”は違います。ロングアイアンの代わりではなく、全く別にアイアンとウッドの間にあるクラブだと感じました。

“XD-H”の2番です。ロフトは18度です。構えやすいです。少し丸すぎる印象もありましたが、打ってみると納得できます。

まず、飛距離性能はレベルが高いです。8回使いましたが、ほぼ完璧でした。

自分が使用している2番ハイブリッドとほぼ同じ飛距離で、弾道のコントロールは“XD-H”のほうが勝ると感じました。普通に打てば高めのきれいな弾道で、ストレートに飛んでいきます。ドローも打てます。

打感は、ドライバー、フェアウェイウッドと共通で、より抜け感が強くなります。真芯に当たったときは、手応えがない打感を味わえます。打音に関しても、シリーズで共通しています。目立ちます。

“XD-H”の3番です。ロフトは21度です。個人的には2番アイアンを長らく使ってきたので、2番ハイブリッドに違和感がないのですが、多くのゴルファーにとってはフェアウェイウッドの番手の距離差などを考慮すると、この3番が最も注目されるハイブリッドになるのだと思います。

1度だけしか使いませんでしたが、打ち易いクラブです。浮力もありますし、ロフトなりの距離も出ます。

“XD-H”の4番です。24度のロフトです。番手は4番までで、5番以下は設定されていません。これがハイブリッドっぽいと感じました。

この4番も一度使いました。アイアンの4番アイアンだと少し届かないと考えたセカンドショットで、フェアウェイから使いました。グリーンの奥にキャリーして、少しオーバーしました。

この4番も使い勝手が良さそうです。飛ばそうとしたら飛ぶ感じがしましたし、抑えて打てば調整もできそうですし、ボールも曲げられる感じがしました。

1回しか使用しなかったのですけど、貧打故の尋常ではないハイブリッド使いの僕は、1回の使用で色々な予測ができます。色々なことができそうなハイブリッドを個人的に攻撃的と評していますが、このハイブリッドにもその可能性を感じました。

まとめますと……

『TOUR B』シリーズのウッドは、ユーザーの目線で作られています。新しい機能を搭載するのは新製品の宿命かもしれませんが、ときに、押し付けがましい余計なものだったりもします。

今回試打して、ソールの形状などの最新の方法で飛距離性能を安定させようとする部分は機能していると体感しました。また、打感に関しての機能も見事な仕上げになっていると感心しました。

なんといっても、日本独特のウッドに求める安心感や方向性へのマッチングに関しては「流石!」の一言に尽きます。反面、使い手の下限は引き上げた感じがしました。使える人、わかる人、そういうゴルファーだけが使ってくれれば良いという開き直りは、カラーなどのデザインの細部から滲んできます。

クラブを使う本人の満足は放たれたボールでしか生まれない、と個人的には考えていますが、視覚と聴覚から周囲のゴルファーにも、それを伝えることができるのは『TOUR B』シリーズの面白いところかもしれません。

普通は1ラウンドしかしない試打ラウンドですが、もっと打ちたくなって1.5ラウンドの試打ラウンドになりました。上手くなりたい人、もっと上手くなりたい人が、このクラブがあって良かった、と思えるような存在に『TOUR B』がなることを祈りながら、報告を終えます。

スペック

BRIDGESTONE GOLF TOUR B XD-3

★ロフト   8.5/9.5/10.5 ※8.5は特注
★ヘッド体積 455cm3

BRIDGESTONE GOLF TOUR B XD-5

★ロフト   8.5/9.5/10.5 ※8.5、10.5は特注
★ヘッド体積 460cm3

XD-3/XD-5 共通

★発売日   2016年10月21日
★シャフト  TOUR AD TX1-6 (TOUR B 専用モデル)1本 72,000円+税
 価格    TOUR AD TP-6 1本 87,000円+税
       Speeder661 EVOLUTION III 1本 87,000円+税←注意シャフトの最後の3はローマ数字が正しい(他も同じ)
       Diamana BF60 1本 87,000円+税

BRIDGESTONE GOLF TOUR B XD-F

★ロフト   #3+/13.5、#3/15、#5/18、#7/21
★発売日   2016年10月21日
★シャフト  TOUR AD TX1-6F (TOUR B 専用モデル)1本 39,000円+税
 価格    TOUR AD TP-6 1本 54,000円+税
       Speeder661 EVOLUTION III 1本 54,000円+税
       Diamana BF60 1本 54,000円+税

BRIDGESTONE GOLF TOUR B XD-H

★ロフト   #2/18、#3/21、#4/24
★発売日   2016年10月21日
★シャフト  TOUR AD TX1-6H (TOUR B 専用モデル)1本 33,000円+税
 価格    N.S.PRO 950GH 1本 31,000円+税

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