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新しいボール『PHYZ』のBIG DRIVEを検証してみた!

  • 2017.02.22

新しいボールの“PHYZ”は、2017年3月3日にブリヂストンスポーツから発売されます。

かつての“PHYZ”は、昔、上級者だったバリバリのオールドゴルファーが、まだ現役だと胸を張れるように手助けしてくれる、というイメージでしたが、新しい“PHYZ”は全く違うものになると発表されました。

「つかまるボールで、BIG DRIVEを実感」というコピーを見て、つかまるボールというワードに注目しました。たくさんの疑問を持ちつつ、少し期待もして、“PHYZ”をコースに持ち込みました。

新しい『PHYZ』は本当に新しいボール

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“PHYZ”は「つかまるボールで、BIG DRIVEを実感」というコピーです。クラブが開いてインパクトしてしまうことを「つかまらない」と表現することから、「つかまる」というのはクラブが閉じようと挙動することを意味しています。

「つかまる」という主役はゴルフクラブだったです。ボールを主役にして成り立つのでしょうか?単なる言葉遊びなのだろうと考えながら、スタートホールに立ちました。

最初の印象は“PHYZ”のロゴが大きいということです。ボールが確認しやすく、誤球をしづらいという利点以上に、「このボールを使っていますよ」という主張が大きなロゴには隠されています。ブリヂストンスポーツの“PHYZ”にかける意気込みを強烈に感じます。

ブリヂストンゴルフというブランド統一をした後、全てのボールは、ブリヂストンゴルフ○○という名称でした。“PHYZ”はブリヂストンゴルフという名称を使わない初めてのボールなのです。そこに注目している人は少ないですけど、ボールを観察しながら、それだけ凄いものなのかもしれない、と改めて考えました。

ディンプルも大きく見えます。「デルタウィング・ディンプル326」という多角形に見えるディンプルは、“TOUR B V10”でも採用されていますが、新しい“PHYZ”では、専用に設計されたものになっています。

ドライバーで打ってみました。気温はマイナス2℃、コースは乾燥して転がりは良い状態で、僕は防寒ウェアの影響もあって、ヘッドスピード40m/秒という感じだったと思います。「つかまる」ボールであれば、大きくドローするのかもしれない、と考えて15ヤードぐらい曲がる計算で右サイドを狙って打ちました。

ボールは思ったより低めの中弾道で飛び出し、伸び上がることなく、絵に描いたような棒球で、5ヤードほどドローしながら飛んで行きました。打音は高音で小気味よい短音です。当たっていると感じさせます。しかし、つぶれている感触もしっかりとあるのです。

インパクト感は異質です。打音と手応えが一致しないからです。『えっ?』と思いました。芯の少し外側に当たった感触はありました。でも、飛び出したボールが、自分の脳内の辞書の中にないのです。

ボールのところに行って、更に混乱しました。通常より20ヤードは飛んでいたのです。

『手応えはないのに、この現実は何だ……』

セカンドはハイブリッド(ユーティリティー)で打ちました。やはり、つぶれる感触は独特で、フェースのどこに当たったかはハッキリわかるのに、インパクトで時間差がありました。それでいて、ボールはやはり低めの中弾道で飛んでいきました。

2球打っただけでわかったことがあります。つかまる=ドローではない、ということです。新しい“PHYZ”は曲がりづらいボールです。そして、弾道が思いの外、低くなります。

アプローチでは、急にボールの打ち出しが大きくなり、つぶれるよりも弾く感じが強くなります。ディスタンス系のボールのように、スピンがかかりづらいことはなく、それなりのスピンはかかります。

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パットの感触も特別なやわらかさは感じずに、程良い弾き感があり、カチンというよりも、パリンに近い気持ち良い打音です。やや重い打ち応えを気にする人がいるかもしれませんが、しっかりと打ちたいゴルファーには最高のチューニングだといえます。

その後、ドライバーで打った球は未経験の棒球の連続でした。行ってみれば、ちゃんと飛んでいます。そのたびに、ハイスピンで飛距離ロスがあることが悩みだった自分が、適切なスピン量で生まれる望んでいた棒球は、こんなものなのかと戸惑いました。

適度な打ち応えはあるのです。打音もします。でも、ミスショットをしているような奇妙な感じなのです。結果としては、20ヤードぐらいは普段より飛んでいるのです。

フルショットに関して、つぶれることでやや低くボールが打ち出される印象があります。これにも戸惑いました。やはり、長年の感覚とは違うのでミスショットのように感じてしまうのです。

ショートゲームは、ブリヂストンのボールらしい味付けで安心できます。打ち出しは少し高いものの、最低限のスピンはかかります。パットの心地良い打音とフェースにヒットしたやや重めの感触は、新しいものではありません。オーソドックスなのです。

スコアメイクに不可欠な機能を損なわずに、ドライバーなどの長いクラブの飛距離に関しては最先端の科学力で挑戦しているのが新しい“PHYZ”なのだと、プレーしながら実感しました。

飛距離性能

新しい“PHYZ”は、ドライバーについては、徹底してロースピンのボールが出ます。打ち出しも低めになります。それを上手く使えば、棒球になって飛びます。僕の場合、通常より20ヤードぐらい飛びましたが、もっと打ち出しを高く打てるドライバーであれば、もっと飛ぶと感じました。

過去にも同様な性能を売りにしたボールがありましたが、それとは異なるものだと考えないと使えません。高く打ち出せるドライバーを使うか、パワーで高く打ち出すか、ということだと思います。キャリーではなく、ランも入れて飛ばすイメージです。

注意したいのは、アゲインストの風にはめっぽう強く、飛距離のロスは最低限ですが、フォローの場合にはボールの浮力が不足して、ドロップして飛ばなくなってしまうことがあることです。

ウッドとハイブリッドやロングアイアンに関しても、この傾向は続きます。人によっては3番ウッドより5番ウッドのほうが飛ぶという逆転現象も起きると思われます。“PHYZ”は無理をせず、道具の機能を引き出すことを優先する使用法がオススメです。

ミドルアイアンもショートアイアンも、ボールが低めに飛びます。スピンによる浮力には鈍感なので、今までのアイアンの良いショットの弾道とは違います。僕の場合は、マッスルバックのアイアンを使っている影響もあると想像しましたが、キャリーは数ヤード落ちました。

ドライバーを飛ばしてこそ、ゴルフは面白いのだというゴルファーは、いつの時代も一定の割合で存在します。そういうゴルファーには試してもらいたいボールです。また、ボールが高く上がる悩みがある中上級者にも、新しい感覚を体験して欲しいと思います。“PHYZ”以外は使えない、というゴルファーが出現することを予感させます。

コントロール性能

新しい“PHYZ”は、低スピンになる長いクラブでは、本当に曲がりません。直進性能が高いのです。どうしてもランが出るので、ボールの落下地点が斜面の場合には注意が必要です。

例えば、池に向かってフェアウェイが下り傾斜になっているようなエリアに落ちたときには、想定外に転がって池に入ってしまうようなことも起きます。残念ながら、ボールをつぶして打つシーンでは、今までのボールのようにスピン性能を使ってコントロールするという機能には期待できません。ボールの高さが上がらないことにも慣れが必要です。

全く新しい感覚でコントールするのはフルショットの領域までで、アプローチとパットでは今までのテクニックを活かすことができます。過去の“PHYZ”はオールドゴルファーの為のゴルフ用具というイメージがあったかもしれませんが、より広い層のゴルファーが使えるように作られていると思います。

オールドゴルファーはもちろんのこと、スコアにこだわるゴルファーでも上手く使えば、自分のゴルフが新しい次元に突入することもあると思います。つまり、飛ばすだけではなく、ちゃんとスコアをまとめるための機能を蔑ろにしていないのです。

高級な価格帯のボールになります。それだけで尻込みしてしまうゴルファーまで含めて、この新しい感覚と現実を体験して欲しいと思います。

スペック

PHYZ

★構造     4ピース
★カバー    ロングチャージカバー
★ディンプル  デルタウィング・ディンプル 326
★カラー    ホワイト、パールホワイト、イエロー、オレンジ、パールグリーン、パールピンク 6色
★価格     1ダース 8,400円+税

この記事を書いたライター

1965年生まれ。東京都文京区出身。板橋区在住。中1でコースデビュー。
競技ゴルフと恋愛に命をかけた青春を経て、ゴルフショップ、ゴルフ部コーチ、ジュニアゴルファー育成団体などで勤務しながらゴルフエッセイストになる。
ゴルフ小説、恋愛小説なども執筆している。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。
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