初心者が知って得するゴルフのマナー実践編(4)~グリーン上~
3回に渡りお届けしてきましたゴルフのマナー実践編。
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今回は、そのホールの仕上げとなるグリーン上でのマナーについてお話します。
前回までのお話で、ゴルフのエチケット&マナーとは、社会においての一般的な常識と同様に、周りの人への気遣いや心配りを実践することであるとお伝えしてきました。
お互いが気持ちよく時間を過ごすために、自分がされたら嬉しいことを相手にも行い、反対にイヤだと思うことは相手にもしないこと、ただそれだけといえます。
同伴者に「次も一緒に回りたい」と思われるマナーのよいゴルファーになったら、今度はそれを他の人に伝えられるゴルファーになることを目指しましょう!
グリーン面をいたわる
グリーンの芝生は、パットをしやすくするため丁寧に整備・管理された、非常にデリケートなものといえます。
余計な負荷をかけると簡単に傷んでしまいますし、少しの傷でも微妙にパッティングラインが変わってしまいます。
グリーンに上がったら、走ったり飛び跳ねたりしないこと、むやみに歩き回らないこと、そして絶対に足を引きずって歩かないように注意しましょう。
入ると思わなかったまさかのロングパットが決まったり、人生初のバーディーを取った時など、ついはしゃいで飛び跳ねてしまいがちなので、要注意です!
グリーンの中でも特に、カップ(グリーン上にあるボールを入れる穴。ホールともいう)周辺はもっともデリケートな箇所といえます。
カップまであと1~2回転というところで、体重が乗ったスパイク跡やほんの少しの凸凹が、ラインの状況を変えてしまうこともあるのです。
ボールをカップから拾い上げる時は、絶対に縁を踏まないように穴から靴ひとつ分を目安に離れて、腕を伸ばして拾いましょう。
この時、パターを杖のようにして寄りかかるのも厳禁です。やむを得ずパターを支えにする場合は、できるだけカップから離してソール面を平らに置き、あくまで添え物として扱うことを心がけましょう。
やってみると決して楽な姿勢ではありませんが、自分のためにも、後続組のためにも、丁寧に扱うべきエリアということを理解して振る舞いたいものです。
そしてカップはまたがず、1歩分うしろに下がってから離れると、カッコいいホールアウトといえます。
グリーンを積極的に保護するという観点では、ピッチマーク(アプローチショットなどでできたボールの落下跡。ボールマークともいう)がついたら、他のプレーヤーの邪魔にならないタイミングで、グリーンフォークで直すように心がけます。
特に雨の日は地面が柔らかくなり跡がつきやすいので、気に留めておきましょう。
グリーンはその日1日、すべてのゴルファーが目指して、絶えず足を踏み入れる場所です。そのため、故意でなくともスパイク跡がついてしまう場合があります。
もしスパイクの傷跡をつけてしまったら、同伴者がすべてホールアウトしたあと、グリーンフォークで直しておきましょう。
他のプレーヤーの邪魔をしない
グリーン上のボールは、自由に拾い上げることができ、ついでに拭くこともできます。
グリーンに上がったら、最初に全員のボールの位置確認をして、自分のボールが他のプレーヤーのパットの邪魔になると思ったら、マークして拾い上げることがマナーといえます。
ただしこの時気を付けなければならないのが、人のパッティングラインを踏まないということです。
前項のとおり、グリーンは非常にデリケートで、スパイクで踏圧がつくとしばらくは消えず、滑らかにボールが転がるのを妨げてしまいます。
ボールをマークする際は全員のボールの位置を把握して、遠回りになっても、パッティングラインを横切らないルートでグリーンに立ち入る気配りが不可欠といえます。
カップを中心に、ボールや同伴者の外側を歩くようにするのが無難ですね。
パッティングは、ティーショットと同じくらい緊張感があるもの、といえます。
同伴者がパッティングする時は集中の妨げをしないように、むやみに動かず、音を立てないで静かに見守るようにしましょう。
ショットのように跳んでこないからと油断して、打つ人の前方(パッティングラインの延長線上)や後方線上など、視界に入る位置には立たないようにします。
また、ライン上やカップ周辺に影を落とさないことにも、注意が必要です。
OKパット
OKパットとは、「次のパットで間違いなくカップインする距離だから、そのパットは省きましょう。拾っていいですよ」というものです。プレーファーストを心がける、マナーのひとつです。
グリーン上で「OKです」と声がかかったら、「ありがとうございます」と返し、速やかにボールを拾い上げましょう。チャレンジしたいから、などとパットを続けることは、時間のロスとなりマナー違反といえます。
最後に打った打数に、拾い上げた1打を足して、スコアカードに記入しましょう。
旗竿の取扱い
同伴者全員がグリーンに上がったら、キャディーさんか、ボールがカップに一番近い人が旗竿(カップの位置を示す標識の棒。ピンともいう)を抜きます。その際、カップまでの距離が遠い人には位置が見えない場合があるので、「ピンを抜いても大丈夫ですか?」と確認してから抜きます。
抜かないで持ってほしいという場合は、旗竿を少し持ち上げ、カップの壁面にまっすぐ立てて位置を示し、ボールを打ったと同時に静かに旗を抜いてカップから離れます。
抜いた旗竿はグリーンの外に置くことが望ましいですが、やむを得ずグリーン上に置くときは、地面にそっと置きます。グリーンに傷をつけないため、旗竿にも損傷を与えないように優しく扱いましょう。
同伴者の中で、最初にホールアウトした人が旗竿を持ち、全員のプレーが終了したらカップに戻す役目となります。この時、旗は下向きにして、バタつかないようにできるだけ竿ごと一緒に持つようにしましょう。
一般的に、旗竿をカップに戻す(旗を上にする)ことは、そのホールのプレーが終了したことを後続の組に合図することになるので、もしティーショットを打つ準備が済んでいた場合、すぐに打ち込んでくる可能性もあるのです。
打球事故を防ぐ意味でも、旗竿をカップにまっすぐに差し込んで戻したら、速やかにグリーンから出るようにしましょう。
スコア記入はグリーンを下りてから
そのホールのプレーが終わったら、すぐにグリーンを離れて後続組のために空けましょう。
スコアは、足早に次のホールに移動しながら、または次ホールのティーインググラウンドで自分の打順でないときに、手早く記入しましょう。
この時グリーン外にウェッジなどのクラブを置いていたら、ピックアップをお忘れなく。
私の人生初ラウンドは、打てども打てども一向に前進せず…、ショットが○打、手の5番、バンカー○打、パットが○打…、などと分割して数えながらラウンドしていたことを思い出します。