フィル・ミケルソンの大脱出トップ10!みんなのチャンピオンが魅せるクレイジー・ショット特集! | ゴルフ動画マガジン GOLFES
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フィル・ミケルソンの大脱出トップ10!みんなのチャンピオンが魅せるクレイジー・ショット特集!

さて、ここで問題です。

「フィル・ミケルソン選手はプロ転向後、大リーグのデトロイト・タイガースの3A(二軍)で投手として入団テストを受けたことがある。」

「○」か「×」か?

正解は「○」!

ミケルソン選手はゴルフ以外では基本的に右利きなので、投げるのも右です。ちなみに、バッティングはゴルフと同じ左打ちです。

ミケルソン選手が当時のトレーナーのコネクションで、トレーニングの一貫としてデトロイト・タイガースの二軍、トレド・マッドヘンズでバッティング投手をさせてもらった時のお話です。バッティング投手をしている時に「できれば、本当の試合で投げてみたい」とミケルソン選手が言い始めたことから、このような大きなニュースになってしまったようです。

当時メジャー大会では無冠であったもののPGAツアーで21勝を挙げていたミケルソン選手のこの話題は、スポーツ新聞でも大きく取り上げられました。デトロイト・タイガースの関係者は「ミケルソン選手の申し出は“丁寧”にお断りさせていただき、ミケルソン選手もしぶしぶ納得してくれた」とのことでした。

しかしミケルソン選手は「僕がコンスタントに時速85マイル(135km)の球を投げられるようになったら、また挑戦しにここに戻ってくるからな!」と捨て台詞を残して球場を後にしたとか、しないとか…。

こんなユニークなエピソードを持っている“みんなのチャンピオン”フィル・ミケルソン!このコラムではミケルソン選手の大きな魅力の一つ“クレイジー・ショット”にスポットをあててみました。

The People’s Champion(みんなのチャンピオン)!

 

フィル・ミケルソン選手は別名“The People’s Champion(みんなのチャンピオン)”と呼ばれています。“クレイジー・ショット”のお話の前に、少しだけミケルソン選手の人気の秘密に触れておきましょう。

ミケルソン選手の魅力の一つは、なんといってもファンへのサービス精神です。ぽっちゃり体型で手を振りながら見せる、愛くるしい笑顔。ショットが曲がりファンやボランティアの人に迷惑をかけてしまった時なども、気の利いたフォローは決して忘れません。ミケルソン選手の神対応をご覧ください。

続いてこちらもどうぞ。

被害者(?)本人も含め、ギャラリー、放送席、そしてテレビの前のゴルフ・ファンもこれには大喜びです!

 

一方、その穏やかなルックスとは裏腹に、アグレッシブなゴルフ・スタイルもミケルソン選手の魅力です。

ゴルフのショットは一打ごとに“いくつかの選択”があります。“リスクは低いが、リターンが小さい”ショット。または“リスクは高いが、リターンが大きい”ショット。ミケルソン選手はと言えば、かなり積極的にハイリスクのショットにチャレンジする選手の一人なのです。

当然失敗することもあり、テレビ中継では「これは、いくらなんでも…」と絶句される始末。ところが、いざ成功するとギャラリーを巻き込んで“ミケルソン劇場”の開幕となるのです!

 

そんなミケルソン選手のプレー・スタイルは様々な言葉で形容されています。

“彼は安全なところに避難するということを知らない”

“失敗を恐れず、クレイジー・ショットを選ぶ。そのチャレンジに観客は興奮する。たとえ、そのショットが失敗したとしても”

“スコアが60だろうが80だろうが関係なく、彼のゴルフは人々を魅了する”

可愛いお顔のぽっちゃりさんが、クレイジー・ショットを次々と決めて行く!なんとも痛快ではありませんか!

そして、時には大失敗をやらかして優勝を逃すことも。

負けても勝っても絵になる男、それが“みんなのチャンピオン”フィル・ミケルソン選手なのです!

ミケルソン選手に魅了されてしまうのは老若男女のゴルフ・ファンだけではありません。ライバルのプロ・ゴルファー、ゴルフ中継に携わるテレビ・スタッフやゴルフ記者、そしてゴルフ以外のスポーツ・ファンや、はたまた異種スポーツの選手達までも虜にしてしまいます。それが“The People’s Champion(みんなのチャンピオン)”と呼ばれる所以なのです。

そんなミケルソン選手がゴルフ以外のスポーツの会場で活躍している姿をご覧下さい。

これは、NFLというアメリカのプロ・フットボールの試合のハーフ・タイムで行われたチャリティ・イベントです。地区のライバル同士のサンディエゴ・チャージャーズ対デンバー・ブロンコスの大一番!サンディエゴのクアルコム・スタジアムのボルテージは最高潮に達しています!ミケルソン選手はサンディエゴ出身ということもあり、大歓声で迎えられます。

100ヤード先の的を狙ってミケルソン選手がショットを放ち、ボールが当たったところの金額がスポンサーのKPMGより寄付されるというもの。

最高額はなんと100万ドル(約1億円)!結果は5万ドル(約500万円)となり観衆からはブーイングを浴びてしまいましたが、ミケルソン選手はおおいに会場を盛り上げてくれました。異種スポーツの会場でこのようなイベントが成立するのもミケルソン選手の人柄があってこそなのですね!

フィル・ミケルソンの大脱出ベスト10!

それでは、いよいよ今回のテーマでもある“クレイジー・ショット”の特集ともいえる“フィル・ミケルソンの大脱出ベスト10”をご覧いただきます。

ミケルソン選手のリスキーなショットは成功もあれば失敗もありますが、安心してください。ここでは成功した(というよりは大失敗から見事脱出した)時のショットのみがランキングされています!

中でも第6位と3位と1位にランクインしている次の3つのショットは、絶対にお見逃しなく!

第6位:2014年フェデックス・セントジュード・クラッシック第1ラウンド4ホール

ショート・ホールのティー・ショットがスプリンクラーに当たり不運なバウンドでグリーン奥のラフに捕まります。グリーンは下っており、寄せるのは“ほぼ”不可能な情況。ここで出るのがミケルソン選手の伝家の宝刀“フロップ・ショット”です。

フェイスを極限まで開き、フル・スイングでボールを“ふわっ”と浮かせる難しいショット。万が一トップでもしようものなら、またはボールの下をヘッドがすり抜けてしまったら傷口は大きく広がるという絶対絶命の大ピンチ!解説者が“ridiculous(バカげている)!”とジョーク交じりに大絶賛した伝説のショットです。

第3位:2007年プレイヤーズ・チャンピオンシップ第3ラウンド10番ホール

ミドル・ホールの第2打目。左の大きなバンカーに入れてしまったミケルソン選手がまたまた魅せてくれます!

グリーンとボールの間には何本もの大きな木が立ちふさがり、直接グリーンを狙うことは不可能に見えます。通常であれば、一度フェアウェイに戻し3オンを狙うところ。ところが困ったことに“みんなのチャンピオン”は、こういうクレイジー・ショットが大好物!林の中にあったほんの少しだけ小窓のように開いているスペースを通してグリーンを狙うと言い出します。

当然、この無謀とも思えるチャレンジには解説者も唸ります「これはベター・アイデアなのか、それともバッド・アイデアになるのか…」。結果は、その目でお確かめください。

第1位:2008年クラウンプラザ・インビテーショナル最終日18番ホール

そして極めつけは、このショットで決まりです!

大会最終日、18番ホールでミケルソン選手はティー・ショットを大きく左に曲げて、林の中に打ち込んでしまいます。ちなみに、この時点でのミケルソン選手のスコアはティム・クラーク選手とロッド・パンプリング選手とならんで13アンダーのトップ・タイ。

ミケルソン選手はこの最終ホールでパーをセーブできれば3人でのプレー・オフという情況。ここでもミケルソン選手は安全策は取りません!葉っぱを蹴散らして、直接グリーンを狙います!

この優勝がかかった無謀なチャレンジは“吉”とでるのか“凶”とでるのか?果たして、ミケルソン選手はパーをセーブしてプレー・オフに持ち込むことができるのでしょうか?!それとも?!

結果が分かっているのに、何度見ても興奮してしまいます。優勝の掛かった大事なホールで、あえて“ギャンブル”ができるというのはミケルソン選手が“自分がどのようなプレーをすればギャラリーが喜んでくれるか”ということを常に考えているからなのですね。

冒頭でもお話しましたが、ミケルソン選手は野球のピッチャーでもあります。例えば野球で“9回裏2アウト。1対0で勝ってはいるものの、ランナーは2塁3塁。一打逆転サヨナラ負けの大ピンチ!対するバッターは三冠王の4番打者!”。こんな場面では“敬遠のフォア・ボール”で満塁策を取るのがセオリーです。

もちろん勝つ確率はこの作戦が一番高いでしょう。強打者との勝負も堂々と避けることができます。しかしミケルソン選手は知っているのです“ここで真っ向勝負をして、強打者を打ちとって勝つことができれば観客が一番盛り上がる”ということを。

打たれて負ければブーイングを浴びることになるでしょう。しかし、そんなリスクよりも観客を喜ばせたいという気持ちの方が強いのです。敬遠のフォア・ボールのサインに首を振り、真っ向勝負を挑むのがフィル・ミケルソン選手なのです!しかし、ファン・サービスもここまでくると“中毒”に近いものを感じます。

“クレイジー・ショット中毒”

ミケルソン選手にふさわしい“病名”ですね。しかし、そんなミケルソン選手だからこそ、そのプレーに魅せられた人達は“ミケルソン中毒”になっていくのでしょう!

バックワード・ショット講座

今回、トップ10には惜しくも入れませんでしたが、もう一つミケルソン選手は“超スーパー・ショット”を持っています。そして、ミケルソン選手は我々アマチュアにも分かるように、そのショットの打ち方を丁寧に解説してくれています。

“バックワード・ショット”

このショットは“遊び”で見せるトリック・ショットの一種ではなく、AT&Tプロ・アマ他で、実際にミケルソン選手が試合で使っているショットという所に驚かされます。実際の場面では失敗することもありますが、この解説動画では見事に決めてくれます!

しかし、こんな“クレイジー・ショット”を、まるで“グリーンまわりからのアプローチ・ショット”を教えるように笑顔でやさしく解説しているミケルソン選手を見ていると“クレイジー・ショット中毒”はかなり深刻と言わざるを得ません。

ハッピー・バースデイ・フィル!

さて、今回はミケルソン選手の“クレイジー・ショット”の特集でしたが、いかがでしたでしょうか。

これらのミラクル・ショットは訓練されたプロ・ゴルファーだからできることなので、アマチュアの方はマネをしないように。でも“みんなのチャンピオン”フィル・ミケルソン選手の“チャレンジ”にはこれからも一緒に注目していきましょう!

さて、そろそろコラム終了のお時間となりました。

ミケルソン選手の誕生日は6月16日。最後はミケルソン選手への“ハッピー・バースデイ”を聞きながらお別れしたいと思います。

♪Happy Birthday Dear Mr. Phil “The People’s Champion” Mickelson♪

(完)

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