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ヨーロピアン・ツアーの上品な遊び心に触れる⑬~ティータイムに遅れるな!~

筆者がゴルフを始める少し前のこと。旅行関係の仕事をしていた私はあるお客様から、こんな依頼を頂戴した。

「べスページのブラックで、朝の7時に“ティー・タイム”を取れるかな?」

“べスページのブラック”とは、ニューヨークの べスページ州立公園内にあるパブリック・ゴルフ・コースのひとつ“ブラック・コース”のこと。べスページ州立公園内にはゴルフ・コースは5つありますが“ブラック・コース”はもっとも難しいコースと言われ、2002年にはパブリック・コースとして始めて全米オープンが開催されたコースとしても有名になりました。

この“ブラック・コース”の1番ティーでは、あまりにもひどいフォームでおそまつなティー・ショットを打ってしまうと『ブラック・コースでのプレーはまだ早いようですね』と、丁寧にレンジャーからスタートを止められることもあるほどの由緒正しい難コースなのです。

さて、話を“ティー・タイム”に戻します。

ゴルフをまったく知らない私は“ゴルフをしている最中に、いつ?なんの為に?どこで?お茶を飲むのだろうか?”などと訳の分からないことを考えながら“ゴルフ場に確認してみます”と無責任に電話を切ったことを思い出す。

“ティー・タイム”とは“ティー・オフ・タイム”、つまりスタート時間ということですね。知らず知らずに覚えていったゴルフ用語も、ゴルフを知らない人にとっては難解なものが意外と多く存在しているものです。

ティー・タイムに遅れそうになったこと、ありますか?

皆さんはティー・タイムのどれくらい前にゴルフ場に到着するようにしていますか?30分前?それとも1時間前?なかには、2時間前に到着して入念に練習をして本番に臨む方もいるかもしれませんね。

ところが、本人の思惑とはウラハラに道路の情況などによっては到着が大幅に遅れてしまい、練習はもとより“ティー・タイムに間に合わないかも!”なんていう経験は誰にでもあるものです。今回の“ヨーロピアン・ツアーの上品な遊び心に触れる”が、そんなピンチでも、なんとか“ティー・タイム”に間に合わせる為の方法を紹介してくれました!

パルクールとは?

“パルクール”という言葉、聞いたことありますか?

フランス発祥のスポーツなのですが“特別な道具を使わず、人工物または自然の障害によって動きを途切れさすことなく、効率的に目的地へ移動することが目的のスポーツ”と定義されています。“効率的に目的地に移動する”というところが、今回のテーマに引っ掛かってきますね。

まずは、パルクールをご覧下さい。

テレビなどでも取り上げられることが増えてきているので、ご覧になったことがある方も大勢いることと思います。

今回ヨーロピアン・ツアーと夢のコラボを実現させたのは、パルクールの第一人者と言われているチェイス・アーミテージ氏です。特別な道具を使わずに、鍛え上げられた身体ひとつでビルからビルへ飛び移り、壁を駆け抜ける姿は圧巻です!

ティー・タイムに遅れるな!

アーミテージ氏がゴルフの約束をしている選手は、以前“ヨーロピアン・ツアーの上品な遊び心に触れる~⑦オール・スポーツ・チャレンジ?!”でも登場したトーマス・ピータース選手。ヨーロッパ代表としてライダー・カップにも出場している若手の実力派。196cmの長身に、甘いマスクで人気急上昇の選手です。

2016年の“WGCデルマッチプレー”の大会前日にピータース選手の母国ベルギーでテロ事件が起きたときに、彼は大会を欠場せず“喪服”でプレーし“テロによって日常を変えてはいけない”という不屈のメッセージを世界に向けて発信しました。

さて、そんなピータース選手と待ち合わせをしたゴルフ・コースはBMW PGAチャンピオンシップの会場、ウェントワース・クラブのウェスト・コース!

そろそろティー・タイムということで、ピータース選手はすでに1番ティーに到着しています。ところがアーミテージ氏の姿はありません。ピータース選手は腕時計に目をやり“遅いなアイツ”という表情を浮かべています。

その時、アーミテージ氏はやっと会場の入り口に“BMW”に乗って到着したところ。1番ティーではピータース選手が素振りを始めています。もうティー・ショットまで時間がありません!

しかし、アーミテージ氏の辞書に“あきらめる”という文字ありません。果してパルクールのプロ、アーミテージ氏は“効率よく目的地に移動”して、ティー・タイムに間に合わせることができるのか?!

くれぐれも、良い子のみんなはマネしないように!

(完)

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