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マスターズから届かない招待状が知らせる日本ゴルフ界の危機

世界市場にとって日本のゴルフ界は特別な存在でした。
いくつかの理由はあると思いますが、世界からリスペクトされているゴルファーがいることと、経済つまりお金の力によって貢献してきたことがその要因だと思います。

それは今も変わらないでしょうか?近年は少々そのあたりに変化が出てきているように思われます。
今回は世界のなかの日本のゴルフについて考えてみたいと思います。

マスターズの招待がきていない

世界は「平等」が当たり前だと思っている日本人が多いなか、彼らは神のもとの平等でチャンスは誰にでもあると言いますが、結果となる地位や財産が平等であるとは思っていません。
ゴルフも同様で、たとえばゴルファーとキャディは主従関係で、使用人であるキャディはクラブハウスに入ることを許さないことが不平等とは考えていません。

有名なオーガスタで行われるマスターズでは、キャディはツナギの着用が義務付けられています。
あえて格差を知らしめるほどの不平等を世界に発信することで、コースや大会のステイタスを保っていると言ってもいいと思います。

そんなマスターズから新しい話題が舞い込んできました。
毎年4月におこなわれる試合の出場選手はすべてマスターズ委員会による招待選手です。
従来は日本ツアーの賞金王は招待選手としてマスターズに出場していたのですが、2014年度賞金王の小田孔明プロには招待状を出さなかったようです。

アジア市場は日本だけじゃなくなっている

いまのところ日本から出場できるのは松山英樹プロのみですが、彼は前年の世界ランキングが50位以内の要件を満たしているから招待状が届いたわけです。
ちなみに前年度の成績が16位ですから堂々たる招待選手と言えます。

最近、米国のある雑誌が彼のことを「ネクスト・タイガー」とポストタイガーウッズとして名前をあげています。
それほどまでに注目される松山プロですが、一方で厳しい日本ツアーを勝ち抜き賞金王になった小田プロには招待状は届いていません。

小田プロは圧倒的な飛距離を武器に勝利を収めてきましたが、世界ランキングをみると昨年が58位にとどまり、わずか5人分の違いでオフシャル招待枠に入らなかったわけです。
日本の賞金王はマスターズの特別招待枠というカテゴリーなので、正規の招待資格ではありません。

でも昭和59年の前田プロ1人をのぞいてすべての賞金王が招待されてきたのですから、30年以上続いてきた歴史をなぜ急にストップしたのかが問題なわけです。
出場枠だけを考えればまだ可能性は残されていて、これからランキングに絡む試合で好成績を収め、2015年3月末で世界ランキング50位以内に入れば小田選手にも正規の招待状は届きます。

マスターズから招待状が届かない理由

なぜ招待状が届かないのか。
歴代の賞金王がマスターズで目覚ましい活躍をしてこなかったからという意見があります。
でも過去2人が4位の実績を残している以上、そこが問題ではないはずです。
この目覚ましい活躍がグリーンジャケットを着ることを意味するなら、この30年間で地元アメリカ人が16回優勝しているだけで、発祥の英国人系でも5回、あとの国は1~2回程度で、日本選手だけがグリーンジャケットを着られなかったということにはなりません。

真相は定かではありませんが、それ以外に考えられるものとしては、日本以外にも放映権等で貢献し始めたアジアの国が出てきているからという説があります。
つまり「アジア唯一の金持ち日本」だったのに、他にもゴルフにお金を出せる国ができたと言うことです。

つい最近まで放映権に絡むテレビ局からの推薦は強力なものでしたが、いまでは影をひそめてしまい他国に枠をとられることになっています。
実感のない景気回復によって再び世界経済への影響力は戻ってきましたが、ゴルフ界への影響力はいまだ衰退の一途をたどっています。

グローバルスタンダードに背く日本ゴルフ界

その原因の一端は海外ツアーに参加するプロへの冷遇にあるようです。レベルの高い世界で活躍しようとしている選手に足かせをはめて、海外でプレイをさせない国のプレイヤーに特別扱いはしないと言う話が聞こえてきます。
たしかに日本で賞金王になった選手が招待されないのは、今までの慣例からすると違和感があります。

しかもこのタイミングでの招待無しは、まさに松山プロに対して海外ツアーでのプレイに規制する日本ツアー機構の裁定に不満があるという見方があります。
平等なチャンスを与えない日本ゴルフツアー機構の賞金王は認めないと考えたのかもしれません。

日本人の感覚では決して平等とは思えないマスターズが、あえて招待状を送らないことで教えてくれた日本ツアーの危機が現実のものとなってきています。