トホホな海外ゴルフ体験記 東南アジア編「キャディ家族の連携プレー」
英語が得意じゃない自分と英語が得意じゃないキャディがコンビを組むと、妙なラウンドを楽しむことになります。
英語が得意じゃないゴルファーの東南アジアのゴルフツアーについてご紹介します。
昔は一人にキャディが3人もついたものだけど
東南アジアでのゴルフの楽しみの一つは、日本では味わえないキャディの対応です。
もっとも今では「特別待遇」はなくなりましたが、以前はコースを案内するAキャディとバッグを担ぐBキャディ、それに傘や椅子を運ぶCキャディが1人のプレイヤーについていたものです。
いまでは日本人の成金趣味に対する価値観が変わったことと、乗用カートでのプレイが一般的になったことで、奇怪なラウンドをすることはなくなっています。
昔は日本語を理解できるキャディが1組に1人くらいはいましたが、いまはそんなことはほとんどありません。
だから簡単な英会話ができると便利なのですが、私は英会話を勉強する気がないので、ラウンドでは奇妙なことが起こることがあります。
プレイよりも楽しい意思表示法
キャディがプレイヤーにアドバイスをするのは、OBやハザードの位置、ドライバーの方向性、残り距離、グリーンのラインくらいのもの。あとは茶店までのホール数でしょうか。
特別な英会話は必要なく、少し英語について勉強しておけば困ることはありません。
でも私はそんな少しの英語も勉強する気がないので、キャディとはコースのなか漫才のようなコミュニケーションをとります。
言葉が通じないキャディとのコミュニケーションになりますが、身振り手振りで伝えれば何とかなります。
こちらが手と身体を使って質問を行うと、キャディも同じようにパントマイムで答えを返してきます。暑いコースのなか無言で身体を動かすのは我々1組だけです。
きっと遠くから見ると漫才に見えて、キャディがアドバイスをしているとは思えないでしょう。
キャディがストレートの方向を示すときは、手のひらを真っ直ぐにして電車の駅員さんのように真上から進行方向に向かって下ろします。
射撃の選手が銃を下ろすような感じですが、このポーズが面白くて、途中からプレイヤー全員で一緒にやり始めて遊んでしまいました。
途中から、もはやアドバイスよりも皆で同じポーズを作ることが目的になったりして・・・。
キャディにドリンクを奢るとパントマイムをしたら
暑いなか頑張ったパントマイムのお蔭で後半戦はすっかりお疲れモードです。
久しぶりに子供にもどって楽しめましたが、さすがに疲れてきて茶店で一息入れることになりました。
茶店というよりは、現地の人のための日用品と食堂の店のようです。
暑さがきつく、炭酸の強い缶ビールをやめて缶ジュースを飲みながら外を眺めると……。
カートで待機しているキャディが冷たいドリンクを飲んでる我々を恨めしそうに見ています。
我々が疲れている以上にパフォーマンスで楽しませてくれたキャディですから、一緒に休憩しようとボトルを飲むポーズをして親指立てて店内に向けました。
キャディは大喜びで投げキッスまで送ってきたのですが、店の中には入らず、店の裏で小さな折り畳みいすに腰掛けます。そうすると、すでに呼ばれることが分かっていたかのように、なぜかウドンが出来上がり、ドリンクと一緒に手に持っています。
「あれ?喰い物も頼んでらぁ」と仲間が言ったので、「ウドンくらいいいよ」って言いながら食べているところに行っていました。
そうしたら、奥の茂みからゾロゾロと小さな子供たちが湧きだしてきます。
どうもキャディの家族のようで、なんとその家族もウドンを食べ始めるのです。
しかも、とても愛想よく感謝の意を表わしてきます。これって我々のおごりってことでしょうか。今さら支払わないなんて言えそうもありません。
あとから考えると、お店の対応が素早すぎです。
あの子供たちだけでなく、あの茶店のスタッフもキャデイの家族だったのではないか・・・なんて推測してみたりしますが、今となってはわかりません。