ゴルフのルースインペディメントとは?~この異物は無罰で取り除けるの?~
ラウンド中、クラブにぶつかりそうだったり、転がるボールの向きを変えてしまいそうな物が落ちていたら。
当然、邪魔にならないところへ移動するものと思います。
今回は、プレーする際に邪魔になりそうなもの、つまりルースインペディメントについてお話ししたいと思います。
目次
ルースインペディメントとは
ゴルフをしていると、日常では耳慣れない用語が結構たくさんあります。
ルースインペディメントもそのひとつで、英語ではLoose Impedimentsと表記されます。
Looseは「固定されていない」、Impedimentは「妨害、障害(物)」という意味です。
ルースインペディメントとは、ゴルフのコース内に散在する、(成長していない)自然物のことをいいます。
落葉、木の枝、石、動物のフン、ミミズ、虫類、その他類似のもの、その放出物や堆積物(蟻塚や蜘蛛の巣などを含む)など、簡単に動かせて地面に固定されてないもの、生長していない自然物と定義されています。
たとえば、地面に埋まっておらず動かせるものであれば、大きな石であってもルースインペディメントとされます。
上記に挙げているものでも、以下の場合はルースインペディメントではありません。
・固定されているもの
・生長しているもの
・地面に固くくい込んでいるもの
・ボールに付着しているもの
つまり、「ほとんど折れそうだけれど一部だけでも木に繋がっている小枝」「土の中に固く食い込んでいるどんぐりの実」は、ルースインペディメントではありません。
ちなみに、初めて「ルースインペディメント」と言った時、みなさんはすんなり発音できたでしょうか。私はカミカミでした。
ルースインペディメントの処理と、取り除く際の注意点
ルースインペディメントは、プレーに影響があると判断した場合、無罰で取り除くことができます。
ラウンド中に遭遇することは頻繁にあるので、しっかり把握して間違えずに処置しましょう。
ハザード以外の場所では取り除ける
ハザード以外の場所では、ボールを打つ時に、ルースインペディメントがプレーの邪魔になると判断したら、無罰で取り除くことができます。
ハザード内にある場合、触れたり動かしたりできない
ボールがあるハザード内のルースインペディメントに触れると、2打罰となります。
たとえば、バンカー内、ウォーターハザードとの境界を示す黄杭や線の中にある、落ち葉や小枝なども取り除けません。
特に、池との限界を示す杭や線の内側は、ラフと同じつもりで、つい落ち葉や小枝を取り除いてしまったりします。
しかし、境界線より池側であればそこはウォーターハザードとなるので、取り除いたり触れたりすることは一切できません。
また、ハザードでソールすると2打罰が科せられると同様に、ボールを打つ前に、テークバックでクラブヘッドが落ち葉などに触れてしまった場合も、2打罰が科せられるので注意が必要です。
グリーン上だとルースインペディメントになる物
グリーン上では、動かせる自然物と定義される落ち葉や小石などに加えて、砂やバラバラの土(アイアンショットなどでダフって、飛び散った土)もルースインペディメントに含まれます。
たとえば、ガードバンカーからバンカーショットを放った際に、グリーン上に飛び散った砂は、取り除くことができます。
ただしゴルフのルールでは、カラー(グリーンを取り囲む外枠。芝はグリーンより長く、フェアウェイより短い)はグリーンではありません。
バンカーから飛び散った砂が、グリーンからカラーまで、いたるところに散らかってしまったとしても、取り除けるのはグリーン上の砂だけ。
もし、カラーに砂と小石が混在して散らばっていたら、小石だけを選り分けて取り除くことになります。
ルースインペディメントを取り除く際にボールが動いてしまった
ルースインペディメントはいずれも無罰で取り除けますが、取り除く際にボールが動いてしまった場合、状況によってはペナルティがついてしまうので注意が必要です。
グリーン以外の場所
グリーン以外の場所では、ルースインペディメントを取り除いたことによってボールが動いてしまうと、1打罰が科せられます。
罰を加えた上でボールをリプレース(元の場所に戻す)して、プレーを続行します。
グリーン上では無罰
グリーン上で、ルースインペディメントを取り除く際にボールが動いてしまったら、元あった場所にリプレースしなければならないのは上記と同様ですが、無罰です。
ただし、ルースインペディメントを取り除いたことが直接的な原因である場合に限ります。ルースインペディメントを取り去るときに、足でボールを動かしてしまった場合は、1打罰がついてしまうので、いずれにしても慎重に行いましょう。
雪と天然の氷も
雪と天然の氷がプレーに影響する場合、ルースインペディメントとして処理することができます。
(プレーヤーの判断で、カジュアルウォーターの処置を選択することもできます。)
たとえば、雪の上にボールが乗っかってしまった場合。
ルースインペディメントとして処理をすると、無罰でボールの周りの雪を取り除くことができます。ただし、ボールに付着している(この場合はボールの下にある)雪はルースインペディメントではないので、取り除けません。
ルースインペディメントにあたるものを覚えておく
ルースインペディメントを取り除くことは無罰ですが、そうでないものを取り除くことはライの改善にあたり、2打罰となってしまいます。
たとえば、土の塊はルースインペディメントですが、モグラなどが掘った盛り土がストロークの妨げになる場合は、「異常なグラウンド状態」にあたります。ですから、救済のニアレストポイントを決めて、ホールに近づかず1クラブレングス以内で障害を避けられる地点にドロップする、というルールが当てはまります。
ルースインペディメントの意味合いをしっかり理解しておくと、勘違いが軽減されますね。