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新ルールでプロもアマチュアも大幅にスコアアップ?

皆さん、ゴルフのルールが大幅に変わる年を知っていますか?それは4年に1度、夏季オリンピックの前年です。

ということは、次は東京オリンピックの前年2019年に大きく変わるのですが、今年3月R&A(ロイヤル&エンシェント・ゴルフクラブ・オブ・セント・アンドリューズ)とUSGA(全米ゴルフ協会)は「ゴルフ規則を近代化するための変更案」を発表しました。その内容が革新的なので、主要部分を紹介します。

最も大きな変更点は、以下の二点です。

1 グリーン上のプレー
2 救済の受け方

今回は、その内容について、要点のみに絞って、解説いたしましょう。

グリーン上のプレーについて

まず最初に、新たなルールではグリーン上のプレーで、パットをする際、ピンを抜いても抜かなくてもいいと変更されることが決まりました。

グリーンを少し外して、カラーに止まったボールをプレーするときなどに、ピンを刺したままプレーすることはよくありますよね。そんな感じで、新しいルールの下では、グリーン・オンしているボールをパットするときでも、ピンを残したまま打つことができるようになるのです。

つまり、ロングパットで、同伴競技者にピンへのアテンドをお願いするようなケースでは、ピンを残したまま打ってもいいということになります。

ということは、こんなケースだって考えられます。

速い下りのショートパットなどでも、ピンを残したまま、パットをする人が多くなることが想像されますよね。今までならば、ボールに触っただけで、カップを通り過ぎてしまうようなときでも、ピンに当たりさえすればという安心感が芽生えます。これは心理的に大きいですよね。

このルールの変更が、スピードプレーに寄与するのは言うまでもないですが、それに関連するルールが、シンプルになることも見逃せません。また、グリーン上で自分のパッティングラインに触れることができ、スパイクマークを含む、いかなる傷の修復も許されるようになるのは、ある意味プロ、アマを問わず、多くのゴルファーが望んでいたルール変更でしょう。

加えて、グリーン上またはグリーン上以外においても誤ってボールを動かしてしまったケースでは、理由の如何を問わず、無罰になることも、大きな変更点のひとつでしょう。ルールブックの規則16「パッティングリーン」と規則17「旗竿」の内容がかなり大幅に簡素化されるでしょうね。

救済の受け方の変更点

一方、救済については、ボール・ドロップが肩の高さと制限されているものが、今後はどの高さでも良いというルールに変わります。この変更は今回のルール改正のなかでも最大の変更点で合理的かつ画期的な判断だといえましょう。

ということは、ほとんどの人がドロップをするときは、当たり前のように、しゃがんで地面すれすれの数センチの高さからするようになることも予想されますよね。プレースすることは許されないので、完璧に近いライからのプレーにはならないものの、現行のドロップしたボールよりも、かなり自分にとって有利なライにボールをドロップすることはできるようになるでしょう。

また、ドロップしたボールがどこに止まるのかによって、ドロップのやり直しが要求される現行のルールは、このルール変更によって、かなりシンプルなものになります。。また、ドロップが許される範囲も「クラブ・レングス」と言う、人によってその長さが異なるようなルールから、明確な数値で表現されるようになるそうです。

簡単に説明いたしますと、現行のルールで救済の起点となるポイントから1クラブ・レングス内のホールに近づかないエリアにボールをドロップすると定められている無罰の救済のケースでは、20インチ内、1打罰の救済で2クラブ・レングス内のケースでは、それが80インチ内へと変更になります。

ちなみに1インチ=2.54センチです。ドライバーの長さが45~46インチですから、ドロップが許される範囲は、少し狭くなります。しかし、狭くはなるものの、肩の高さからドロップする必要がないのですから、プレーヤーにとっては、現行のルールよりも有利にゲームを進められるようになるのかもしれません。。

ドロップした後に、ボールが規定のエリアから出てしまう場合の対応も、現行のルールと新ルールでは違いがあります。

新ルールでは、規定のエリア外からのプレーは、原則許されません(現行のルールでは、2クラブ・レングスまではОKです)。ボールドロップの回数の上限はなくなり、エリア内にボールが止まるように最大限の努力が求められます。

ただし、どうしてもボールが止まらなければ、エリア外にドロップが許されるそうです。つまり、現行のルールに定められているドロップ後に起こりえるような様々な状況に対する決め事は、新ルールでは大幅に簡略化されるわけです。

なお、1打罰の罰則の最大の理由になるのは、ウォーター・ハザードですが、ルール上の名称が、ペナルティー・エリアと変更され、そのようなエリアは、赤線(現行のラテラル・ウォーター・ハザード)でマークされることが推奨されるので、黄色線のペナルティー・エリアはほとんど姿を消すことでしょう。

その他の変更点

他にも、バンカー内のルースインペディメント(石、木の葉、小枝など)が取り除けるようになったということ、ペナルティー・エリア(現行のウォーター・ハザード)内でも、ルースインペディメントが取り除けるようになって、ソールもできるようになるそうです。ただし、バンカー内の状態をテストするためや、練習スイング、ストロークのためのバックスイング中にソールすることはこれまで通り禁止とされています。

距離測定器の使用許可、1ホールの最大スコアの設定など、ほかにも重要な変更点はありますが、この変更でルールがとてもシンプルになり、プレーの進行が速くなることは間違いないでしょう。スコアもちょっとはアップしそうですけどね…。

なお、今回ご紹介したルールの変更については、あくまでも改定案であり、このまま施工されるわけではありません。また、新しい規則が適用されるのは2019年1月1日からなので、それまでは現行のルールが適用されますのでお気をつけください。

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