ボールがハザード内にあるときの禁止行為 ~注意すべき3要素~
バンカー(砂のある窪地)やウォーターハザード(池や小川とその周辺)などの障害地、いわゆるハザードにボールが入ってしまうと、思わず落胆のため息が出てしまいますよね。
そんな時、フェアウェイに戻すために、どうにかしてハザードから脱出しようと試みると思います。
そして、上手く脱出できたときは、今日はイケる!などと気持ちも上がり、終わってみればいつもよりスコアが良かったり、イメージ通りにラウンドできたということも、少なくないのでは。
でも脱出したいがために、ペナルティを犯してしまっては元も子もありません。
意識せず禁止行為をしてしまわないように、ハザード内で気に留めておきたいことを挙げてみました。
ハザード内での禁止行為
ハザード内は、コース内の他の場所で当たり前にできる行為が禁止されています。
ボールがハザード内にある場合の禁止行為は、規則13-4で定められています。
そしてこれらの行為をすると、2打罰が科せられます。
規則13-4 球がハザード内にある場合;禁止行為
a.そのハザードや他の同じようなハザードの状態をテストすること。
b.そのハザード内の地面やそのウォーターハザード内の水に自分の手やクラブで触れること。
c.そのハザード内にあるか、またはそのハザードに触れているルースインペディメントに触れたり、それを動かすこと。
具体的にどのような行為がNGか
文言だけでは分かりにくいので、NG行為の具体例を挙げてみたいと思います。
a.そのハザードや他の同じようなハザードの状態をテストすること。
たとえば、バンカーとひとことで言っても、砂の硬さや重さ、粒子の形状、環境などによって質はさまざまです。
この行為を行ったことによる砂の変形度合で、地面の硬さなどの状況が推測できてしまうことを防ぐため、またストロークのためにスタンスをとって得られるより、多くの情報を得ることを防止するためにNGなのだと考えられます。
【NG例1】
バンカーで、持っていた傘を砂に突き刺して置いてから、バンカーショットをした。
【NG例2】
グリーンに乗ったと確信していたボールがバンカー(池)に落ちて、悔し紛れにショットする前に砂(池の水)を蹴とばした。
【NG例3】
バンカーに入ってしまったので、ふてくされてレーキや足を引きずって、バンカー内を歩いた。
b.そのハザード内の地面やそのウォーターハザード内の水に自分の手やクラブで触れること。
この行為を行うことによって、球のライや意図するスタンス・スイングの区域、プレー線の改善につながる可能性があり、規則13-2に抵触するためと考えられます。
【NG例4】
バンカーショットを打つため、アドレスしてクラブヘッドを砂の上に置いた。
【NG例5】
バンカーの砂にボールが埋まってしまったので、打ちやすいようによく砂を取り除いてからショットした。
【NG例6】
イメージを出すため、バンカーで素振りをしたら、ヘッドが砂に触れた。
【NG例7】
浅い池に入ったボールを無罰でそのまま打とうとして、ストローク前にクラブヘッドが水面に触れた。
c.そのハザード内にあるか、またはそのハザードに触れているルースインペディメントに触れたり、それを動かすこと。
ルースインペディメントに触れたり、取り除くことによって、上記b同様に、球のライや意図するスタンス・スイングの区域、プレー線の改善につながる可能性があるためと考えられます。
【NG例8】
バンカーショットの邪魔になりそうな、ボールの後ろにある枯れ葉や枝を取り除いた。
【NG例9】
バンカーショットで、ボールの近くにあった虫の死骸にクラブが触れた。
【NG例10】
ウォーターハザードにある草の茂みに落ちている葉っぱが、バックスイングの際クラブに触れた。
例外:罰がつかないケース
ハザード内の地面に、手やクラブが触れても罰がつかないケース
ハザード内の状態のテストや、ライの改善にならなければ、罰にならないケースもあります。
【OKな例1】
バンカーに入ろうとして傾斜で滑って転びそうになり、砂に手をついてしまった場合。砂のテストを使用とする意図がなかったり、ボールのライが変わらない限り無罰です。
【OKな例2】
バンカーショットをする際、パターと傘も一緒に持って入ったので、邪魔にならない砂の上に静かに置いた。
【OKな例3】
バンカーの砂に埋まったボールの位置を確認するため、ボールの一部が見える範囲内で砂を取り除いた。
【OKな例4】
バンカーにボールが2つあったので、確認のために同伴競技者立ち合いで、マークしてボールを拾い上げた。
バンカーを均す行為
コース保護の目的、またハザードからプレーしたボールが、そのハザードから外に出た場合は、同一のハザード内の砂は制限なしにならすことができます。
【OKな例5】
バンカーショットで脱出して砂を均したあとに、ボールが転がり戻ってきた。
ただし、転がり戻ったあとにも砂を均し続けると、2打罰となります。
【OKな例6】
バンカーショットがOBになってしまったので、そのショット跡をならしてから別のボールをドロップして打った。
ハザード内でストローク後にクラブを地面につけた場合
ハザード内にボールがある場合、ストローク後であれば、ハザード内にクラブが触れても罰はつきません。
しかし、いったん出たボールが、転がり戻ってきた場合は注意が必要です。
【OKな例7】
ボールがグリーンに乗った後、同じバンカーで2、3度練習スイング(素振り)をした。
【OKな例8】
バンカーから打ったボールは、かろうじて外に出たが、ミスショットだったためクラブを砂に叩きつけた。
※ただし、バンカーから出なかった場合や、いったん出ても傾斜などでバンカー内に転がり戻った時にまだクラブが砂に触れていれば、2打罰となります。
まとめ
ハザードでは、コース内で普通にしていることでもNG行為となることがあります。
いざハザードにつかまった時にしっかりと意識して、スマートにラウンドできると格好いいですね。