コース内の障害物の取扱いを知ろう!~動かしてOK?それとも救済?~
ゴルフのプレーは、自然の中で自然を相手に行われるもの。だから、球はあるがまま、コースもあるがままにプレーしなければならない、というのがゴルフルールの大原則です。
とはいえ、ゴルフは決められた(造られた)コース内で行います。
コース内には、利用者がプレー中に使う道具や目印になるものが置いてあったり、コースのメンテナンスで使用する、さまざまな設備が整っていたりと、手つかずの自然のまま、というわけではありません。
今回は、そんな“コース内にある人工物”について、ルールに関わるお話をしたいと思います。
コース内の人工物=障害物
ゴルフのルールでは、プレーに影響をおよぼすコース内にある人工物のことを、障害物と定義しています。
障害物の上や中にボールがあって、スイングの邪魔になったり、スタンスを妨げる場合は、罰なしで救済を受けることができます。
障害物は、「動かせるもの」と「動かせないもの」に区分されます。
動かせる障害物
「動かせる」障害物とは、特別な労力をかけず、不当にプレーを遅らせず、壊さずに動かせるものをいいます。
対象となるのは、バンカーレーキ、吹き流し、空き缶、鉛筆、紙屑、たばこの吸い殻、ウォーターハザード・ラテラルウォーターハザードや修理地を定める杭など。
動かせない障害物
「動かせない」障害物とは、人工物で固定されているもの、簡単には動かせないもの。
対象となるのは、カート道路、舗装道路、ベンチ、排水溝のふた、側溝、スプリンクラー、立木の支柱、橋、看板、小屋、コースを仕切る金網や柵(OB区域以外)など。
障害物からの救済と処置方法
動かせる障害物
スタンスやスイングを妨げる場合やプレー線上にある場合、プレー前であれば、その障害物を邪魔にならないところに動かせます。
もし、障害物を取り除いたときにボールが動いてしまったら、元の場所にできる限り近いところにリプレースします。
障害物の上や中にボールがある場合は、障害物を取り除いてからボールがあった位置の近い場所にドロップします。
動かせない障害物
カート道路などがスタンスやスイングの妨げになる場合は、ニアレストポイントを決めて、ホールに近づかない1クラブレングス(クラブ1本分の長さ)内にドロップして、無罰でプレーを続行します。
処置方法は、以前の記事「救済のニアレストポイントの条件や手順を理解して、ルールを有効活用しよう!」で確認していただければと思います。
注意が必要なのは、動かせない障害物からの救済は、スタンスやスイングに直接影響を及ぼす場合に限るということ。
動かせない障害物がプレー線上にあっても、救済は受けられません。
例外は、グリーン上にボールがある時。グリーン上にある動かせない障害物がパットの線上にかかるときのみ、救済が受けられます。
たとえば、間近にある看板に打ったボールがぶつかりそうだったり、ボールがグリーンのカラーにある場合、固定のスプリンクラーヘッドがパッティングライン上にある場合でも、スタンスやスイングを直接妨げないのであれば、救済は受けられません。
ただし、コースで制定されているローカルルールで、救済が認められる場合はこれに限りません。プロの試合でもローカルルールが設けられて、救済が受けられることがあります。
障害物ではないもの
距離を表示する杭や、黄・赤・青杭は動かせる障害物ですが、同じ杭でもOB杭、OBラインを示す塀や柵、OB区域にある動かせないすべての人工物は固定物とみなされ、救済措置を受けることはできません。
邪魔だからと杭を抜いてしまうと2打罰となり、プレー前に元通りに戻したとしても、杭を抜いた時点でこの罰は免れません。
もしOBの白杭にボールが接触していた場合は、あるがままの状態で打つか、アンプレヤブルの措置をとります。
ウォーターハザード(ラテラルウォーターハザード含む)では、動かせない障害物からの無罰の救済は受けられない
ウォーターハザード(ラテラルウォーターハザード含む)内にボールがある場合は、あるがままにプレーすることができます。
そんな時、池のふちに敷かれている枕木がスタンスの邪魔になるケースも。
この場合、動かせない障害物がスタンスに支障をきたすのだから、救済のニアレストポイントから1クラブレングス以内にボールをドロップしてプレー…と処置するのは、間違い。
ボールがウォーターハザード(ラテラルウォーターハザードを含む)内にある場合は、動かせない障害物がスタンスやスイングの直接妨げになっていても、無罰の救済は受けられません。
この場合の正しい処置は、
・無罰でそのまま打つ
・または、1打罰の上、ウォーターハザードに入った球の救済を受けます。
ちなみに、動かせる障害物は、ハザード内でも取り除けます。
まとめ
ゴルフのルールは解釈が難しく感じる時もありますが、コース上で実際に体験していくうえで理解が深まると思います。
実体験で腕を磨き、ついでにルールを覚えていきましょう。