ちゃんと頭を使っていますか?ゴルフ上達の為に必要なデータ収集
ゴルフのレベルを上げるには、他人の意見や感想を聞く必要がありますし、練習の成果についてもチェックする必要があります。
スイングを変えようとするならば、一度にひとつだけ変えるようにしましょう。いくつも変えようとすると、何を変えてどこが良くなったのかチェックできません。
例えば、ナイスショットが出ないのは、アドレスのときボールから離れ過ぎていて、しかもボールの位置が左寄り過ぎると思った場合は、一度に両方を変えてはいけません。まず、ボールからの距離を変えてみて、その結果を見てからボールの位置を変えるようにします。
練習は一定のメニューを考え、練習場に出かける前にしっかり計画を立てておきましょう。なんのメニューも考えずにただ漫然と何百発ボールを打っていても、なんの足しにもなりません。
できれば、その日の練習の結果をノートなどに記録を残しておくと、何が問題か、どこが良くなったのか分析することができます。
コースではスコアカードに自分のショットの傾向を記録する
実際にラウンドするときは、スコアカードを有効利用するべきです。ほとんどのアベレージゴルファーはスコアカードには単にスコアしか記入しません。そのホールをいくつで上がったという数字だけではなく、それ以外の成果も記入することで、自分のゴルフの内容が見えてきます。
プレー中のある部分が改善されれば、スコアそのものが良くなるはずです。スコアカードの空欄を使って、あるいはもう一枚のスコアカードをデータ専用にして、いろいろな情報を記録するといいでしょう。
ひとつの欄にはドライバーショットの結果を記入します。フェアウェイに打ったら〇印を、右のラフに行ったら「R」、左のラフなら「Ⅼ」というように、自分が後で分かる印を記入します。
次の欄にはパーオンしたかどうかを記入します。できれば、ボールがショートしたか、オーバーしたかも、「S」または「-」、「О」とか「+」の印を書き添えるといいでしょう。
もっとレベルが上のプレーヤーならば、ピンへショートあるいはオーバーした距離も記入しておくといいでしょう。例えば、10ヤードオーバーしたら「+1」0、5ヤードショートしたら「-5」という具合です。これでクラブチョイスが正確かどうか判断できるようになります。
アベレージクラスだと、18ホールのうちで15~16ホールもショートしているというデータもあります。おそらく皆さんもこのデータに当てはまる人がほとんどかと思います。このような欠点はしっかり記録に残して、それからチェックしてみないと気付かないのです。
ショートゲームの結果も記入する
ほかにもアイアンショットがグリーンの手前、あるいは右や左に外したという記録も残しておくと、次のラウンド対策に大いに役立ちます。いつも同じ方向に外していても、それを自覚できていないプレーヤーがとても多いのです。
アプローチショット、バンカーショットの結果ももちろん記入します。ピンをオーバーしたのか、ショートしたのかも大切なデータとなります。
スコアメイクの上で一番問題になるのがアプローチショットでいつもショートしている場合です。もしかすると8割以上のショットがショートしているかもしれません。このような欠点は記録をとっていないと気がつかないものなのです。
もちろん、パッティングの結果も記入します。どのくらいの距離から何回パットをしたか、ロングパットはショートしたか、オーバーしたかなども記録します。技術的に改良を加えなくてもスコアを改善できるような、一定のパターンがないかどうかを見るのです。
距離の正確のジャッジと正しいクラブチョイスをするために
思った通りのスコアメイクができない最大の理由のひとつは、クラブチョイスのミスです。アマチュアゴルファーは全般的に小さな番手を選ぶ傾向があります。実際よりも遠くに飛ばせると思っているか、距離を正しく判断していないかのどちらかなのですが。
実際のゴルフコースでの距離の判断は必ずしも簡単ではありません。バンカーや木の大きさや位置によって、距離が短く見えたり、錯覚を起こしたりします。
スコアカードやその他のカードに、ヤーデージとか各ホールの略図とグリーンまでの等距離線とか記入したもの置いてあるゴルフ場もあります。各番手の飛距離(キャリーのみの飛距離)が自分の思っている通りかどうかを確認するために、コースでの実際のショットの飛距離を歩測してみると、クラブチョイスが正確にできるようになるはずです。
プロゴルファーの場合、距離に関する正確なデータなしにトーナメントでプレーすることはありません。彼らはヤーデジブックといわれるメモを持ち歩き、練習ラウンドで多くの情報を書き込んで本選に備えます。距離については例えば次のような書き込みをしています。
「7番杉Ⅼ fg115 cg124 bg141+25」
暗号のようなこのメモは、フェアウェイの左の杉からフロントエッジまで115ヤード、グリーンセンターまで124ヤード、グリーン奥まで141ヤードで、25ヤードのグリーンオーバーでも障害物はない、という意味なのです。
プロたちは自分だけに分かる暗号を使って、ドライバーの落下地点の20ヤードほど手前からピンの手前50ヤードくらいまで、いろいろな数字を書き込み、そこからグリーンまでの距離を測定しています。さらに弱いアゲンストの風の場合なら10ヤード、強いアゲンストなら20ヤード、打ち上げの場合は10ヤードというように加算しています。
ゴルフは仲間たちと談笑しながらプレーするという楽しみ方もありますが、レベルアップを望むなら、毎回同じミスを繰り返していては進歩はありません。自分のプレーの傾向を自覚するためにも、あなたなりのデータをメモして、練習の課題を見つけ、次のラウンドに生かせるようにすれば、確実にスコアアップするはずです。
傾向が分からなければ、対策は立てられませんからね。野村メモというデータがプロ野球を変えたように、上達の早道はゴルフもIDなのです。