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大統領選の問題児トランプは、ゴルフ界でもトラブルメーカー!

昨年から、米国では大統領予備選の“台風の目”として、メディアを席巻しているドナルド・トランプ。

政治の世界でも「イスラム教徒の米国への入国を拒否すべき」「メキシコ人は麻薬や犯罪を持ち込んでいる」などど人種差別的な発言で批判を浴びているが、実はトランプ氏はゴルフ界とも縁が深く、その発言以降、ゴルフ界への影響も懸念されているのだ。

欧米に約20のゴルフコースを所有

 

米国では不動産王として知られるドナルド・トランプは、ゴルフ界でも有名人。

米国ツアーで「WGCキャデラック選手権」の舞台になっているドラールゴルフリゾート。このコースは、長年「ブルーモンスター」の愛称で知られている米ツアーでもおなじみのコースだった。それをトランプは2012年に約154億円で買収し、その後に約250億をかけて大幅改修を行ったのだ。

そして、現在は名称を「トランプナショナルドラール」として米ツアーを開催している。昨年も大会の最終日にはトランプ本人がコースに現れ、優勝者へのスピーチを行ったことが話題になった。

トランプが所有するコースの中ではそのドラールが有名だが、それ以外にも、欧米に約20のゴルフコースやリゾートを買収している。そして、昨年からの問題発言で大きな影響を与えたのが、スコットランドの「ターンベリー・リゾート」だ。

トランプの問題発言で、全英オープンのコースが変更!

 

2014年にトランプが買収したスコットランドのターンベリー・リゾートは、全英オープンや全英女子オープンの舞台としておなじみの英国を代表するゴルフリゾート。買収するとともに名称を「トランプ・ターンベリーリゾート」としたが、その後も全英オープンを開催する予定になっていた。

しかし昨年の人種差別発言がきっかけとなり、2019年にターンベリーで開催すると思われていた全英オープンが、同じスコットランドのロイヤル・ポートラッシュGCになると発表された。トランプの所有するターンベリーでは、全英オープン開催の予定が当分なくなってしまった。

さらに、その影響は米国ツアーにもおよんだ。昨年10月に開催される予定だった「PGAグランドスラム」。元々はトランプが所有する「トランプ・インターナショナル(カリフォルニア州)」で開催される予定だった。

しかし、昨年6月の「メキシコ移民に対する差別的発言」を問題視して急遽開催コースの変更を発表。そして、ハワイなどいくつかのコースが候補地に挙げられたが、結局予定していた時期までにコースが見つからず、大会自体が中止されたのだ。

著書の中では「ゴルフが成功の秘訣」と語った!

 

大型の商業ビルやタワーマンションをメインビジネスとしているトランプが、なぜゴルフコースを買収してきたのか?それはもちろんビジネス目的もあるだろうが、そこにはトランプの経営哲学もある。

実は1997年に発売されたトランプの著書「ザ・アート・オブ・カムバック(逆転の秘訣)」の中で、ビジネスで不況から脱出するための重要項目に「ゴルフをすること」と書いているのだ。

トランプ自身も1980年代の成功から一転し、1990年代前半には数多くのグループ会社を破綻させて借金王となった経験を持つ。

そこから、わずか数年でアメリカの不動産王の座に返り咲いたトランプは「90年代前半は、私も私の友人たちもどん底にいた。でも、私はどん底にいたときも、ただ家で悩んでいるだけでなくゴルフに行った。そして、必死にプレーしていたんだ。そして、ゴルフを通じていろんな人と会った。たとえ、その日は一緒にプレーしていた人から賭けで10ドルしかもらえなくても、それが何億にもなる仕事につながることも珍しくないんだよ」と語っているのだ。

ゴルフ界を救う起爆剤になるか!?

今のところトランプには、ゴルフ界でも逆風が吹いている。しかし、かつて不動産ビジネスでも「どん底から復活した」経験を持つトランプ。もし大統領選に勝てば、ゴルフ界での影響力も大幅に上がることだろう。

そうなれば「不況と言われるゴルフ界」を救うのは、こういう人物かもしれない。この大統領予備選は、ゴルファーにとっても注目の選挙と言えるだろう。

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