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ゴルフ界の最強超奇人ゴルファー、モー・ノーマン①驚異の抱腹絶倒エピソード

リー・トレビノがノーマンを評しています。

「モーほど正確にボールを打つゴルファーは他にいない。彼はボールをいつでも芯で捉え、ボールが何処に行くか知っている。」

トム・ワトソンもリスペクトしています。

「他の誰よりもうまくボールを打つ男を教えよう。彼の名はカナダのモー・ノーマンだ。」

ノーマンを知るトッププロは、口々に彼を讃えています。1929年、カナダ・オンタリオ州生まれ。2004年、75歳で亡くなるまで、驚くべき成績とエピソードを残しています。

髪はボサボサ、よれよれのシャツ、派手なスラックスと、どこから見てもそこらのゴルファーにしか見えないノーマンは、奇人でありとんでもない才能を持っていました。

<エピソード①>

練習ラウンドでノーマンが、サム・スニードとラウンドした時のことです。クリークのあるロングホール、ティーグラウンドでの会話です。

スニード「おい君、あそこのクリークは超えられないだろう。私は手前に刻むよ。」スニードはクリーク手前にきっちり刻みました。

ノーマン「いや、僕はあの橋を渡って行きます。」ノーマンはクリークを渡る橋の手前にバウンドさせ、ボールはそのまま橋の上を転がり対岸のフェアウェイで止まりました。

<エピソード②>

試合前の練習場に、ベン・ホーガンがいました。ホーガンが常に「ストレートボールなんてまぐれでしか打てるものではない」と言っているのを知ってるノーマンは、知人に頼んでホーガンを呼んでもらいます。

ホーガンが近づいてくると、ノーマンが打ちます。球は綺麗にまっすぐな弾道を残しました。

「あっ!まぐれだ!」ノーマンは大声で叫びます。続いて2球目、これまたまっすぐ。「あっ!また、まぐれだ!」3球目、4球目、5球目と同じストレートボールが飛んでいきます。

ノーマンはいちいち「まぐれ!」「まぐれ!」と叫びます。ホーガンは「おい!そのまぐれをずっと続けたまえ」との言葉を残し去っていきました。

当時の巨匠、サム・スニードとベン・ホーガンを前にしてノーマンは圧倒的な実力を見せ、特にホーガンに対しては、悪戯、ブラックジョークに近い振る舞いをしています。

<エピソード③>

あるエキシビションで、ノーマンは7時間に渡って1540球のドライバーを打ち続けました。その中で一番飛ばなかったのは225ヤード、打ったボールはすべて30ヤードの範囲で止まっていました。

生涯でホールインワンを17回達成、そのうち直接カップインしたのが8回ありました。40コース以上でレコード記録を持ち、62歳の時に達成したエージシュート1回を含み、スコア59を記録したのが3回ありました。

驚異の記録を残したモー・ノーマン、しかし決して恵まれた境遇とは言えませんでした。5歳の時、友達とそり遊びをしていたノーマンは誤って車道に飛び出してしまいます。ちょうどそこに車が通り、ノーマンは頭をひかれてしまいます。

両親はノーマンを病院に見せることもできないほど貧しく、ひたすら回復を祈りました。奇跡的に助かったノーマンですが、言語障害が残り、同じ言葉を2回繰り返す癖が付きます。周囲にからかわれたせいで、自閉症になってしまったノーマンにとって、遊び相手は古い5番アイアンだけでした。

反面、算数だけは学校の誰にも負けませんでした。2桁以上の暗算をすらすらとやってのけ、周囲を驚かせました。どんな数字でも記憶してしまいます。ゴルフでもすべてのゴルフコース、ショットを覚えていました。

<エピソード④>

ノーマンは非常に早打ちでした。さっさとティーショットを打ち終えると、続く競技者が素振りを繰り返し全員が打ち終わるまでフェアウェイに寝そべって、眠るふりまでしました。

ところが、アメリカでプレーするようになってまもなく出場したロサンゼルス・オープンのロッカー・ルームでアメリカ人数人のプロに取り囲まれます。

「試合中にふざけた真似をするのはやめろ!だらしない服装も改めろ!できないなら2度とアメリカではプレーするな!」

ノーマンは、2度とアメリカではプレーしないと決心します。これが、ノーマンが一般的には無名の生涯を送った理由です。

以来、ノーマンはカナダを中心にプレーしました。生涯52勝とも55勝とも言われる成績ですが、何より彼の悪戯心が起こす逸話には驚かされます。

<エピソード⑤>

ある試合の最終ホール、パーで上がるとコースレコード達成でした。このコースが初めてのノーマンは同伴競技者に聞きました。何番のクラブを使うのがいいかと。

その競技者は「普通はドライバーの後に9番アイアン」と答えます。すると、ノーマンはティーショットを9番アイアンで打ち、2打目にドライバーを使ってなんとピンそば3.3mにオンさせます。これをワンパットで沈めバーディーとしました。

同僚のプロゴルファーにとって嫌な奴と思われるノーマンですが、ギャラリーは大喜びでした。

<エピソード⑥>

やはりある試合の最終ホール、ティーグラウンドで同伴競技者2人が話していました。

「バンカーショットが上手いのは○○、それと○○だろう。」その中にノーマンの名前はありませんでした。そのホール、2打目をピン横1mに付けたノーマンは、そのボールをわざとバンカーに入れます。

バンカーからまた同じ位置にボールを付けたノーマン。「どうだ!バンカーショットが一番うまいのは僕だろう?」と自慢すると、そのボールを1パットで沈め優勝しました。

まさに信じられないエピソードがたくさんのノーマンですが、それらのエピソードにはとんでもない技術の高さが秘められています。あるプロゴルファーが「フェアウェイにパイプラインを引いたら、ノーマンのボールはそれに沿って飛ぶだろう」と評し、「パイプライン・モー」とも呼ばれました。

驚異的なストレート・ボールを打ち続けたノーマン。その秘密は彼だけが成しえた「ハンマー打法」にありました。これは、近代ゴルフのスイング理論とはまったくかけ離れた打法でした。

「ゴルフ界の最強超奇人ゴルファー、モー・ノーマン②驚異のハンマー打法とは?」へ続く。