男子ゴルフの賞金ランク争いが残り2戦でヒートアップ
- 2017.11.22
- トピック
現在の賞金ランク1位は小平智
小平智が現在の国内ツアーランク1位です。三井住友VISA太平洋マスターズ(11月12日終了時点)で今季2勝目を挙げ賞金4000万円を獲得し、再びランク1位に返り咲きました。
最終日に3打差、3位からの逆転優勝。そこには、プロゴルファーの妻・古閑美保の内助の功がありました。軟らかいバンカーに苦しんでいた前日、東京から応援に駆けつけた妻に相談したところ、「もっと(フェースを)開いたら」(美保夫人)とアドバイスされました。
首位で逃げ切りを図ろうとした17番ショートで第1打をグリーン手前のバンカーに入れるピンチ。妻のアドバイスを思い出した小平は、バンカーショットをピンそば50cmにつけてパーをもぎとりました。「彼女も活躍した人だから聞く意味はある」(小平)。
古閑は2008年の賞金女王。まさに、史上初の夫婦揃っての賞金王タイトルに近づいた瞬間でした。
残り試合でタイトルを確実にしたい小平でしたが、翌週のダンロップフェニックストーナメント(11月19日終了)を、なんと2日目で棄権してしまいました。前半の9番ホールを終えると、体調不良を訴えたのです。熱があって喉に痛みと風邪の症状。小平は肩を落としてコースを去りました。
ランク2位以下に絶好のチャンスだったが・・・
ランクトップが突然の棄権、逆転を狙う選手たちには大チャンスが転がり込みました。2位だった宮里優作にとって初のタイトルが目の前に。ところが、宮里自身も風邪で体調不良を抱えていたのです。予選ラウンドでまったく身体が動かず、初日は76の大たたき。
2日目18番でドライバーを左に曲げてしまい、「終わった」と思った一打がギャラリーの太ももに直撃してOBを免れるラッキーも。「申し訳なかった。バーディーを獲ります」と謝った後で約束通り、バーディーを決めてギリギリで予選カットラインに滑り込みました。
決勝ラウンドの初日に63と8打縮める爆発も見せ最終日、10位以内を目指したものの、結局19位タイに終わり賞金は244万円。小平との差が少し縮まっただけでした。宮里は残り2戦のシーズンに向け、「1打1打、集中できるかが大事」と唇を噛み締めました。
チャンスを生かせなかった
松山英樹のホールインワン、ブルックス・ケプカの大会史上5人目の連覇などの話題があったダンロップフェニックストーナメントですが、宮里を始め賞金ランク争いのメンバーには苦しい大会でした。
三井住友VISA太平洋マスターズを腰痛のため途中棄権して、賞金ランク1位を小平に奪われ3位となったチャン・キム。2日目に17番、18番と連続チップインで、バーディー、イーグル締めを見せたものの、最終日に75と伸ばせず、27位に沈みました。「今は賞金ランキングよりも、毎試合優勝するつもりで臨む」(キム)。賞金王連覇を目指す池田勇太も11位タイと不満を残しながらコースを去っています。
ちなみに米国の賞金王争いはジャスティン・トーマスが2位パット・ペレスに10万ドル近い差をつけて、昨年に続く賞金王を確実にしています。昨年4位だった松山英樹は53位となっています。(11月19日現在)
残り2戦の可能性は
現在の獲得賞金ランキングは、1位小平と2位宮里の差が1700万円余、3位キムが2200万円差、4位池田が3100万円となっています。
<2017年11月19日現在の賞金ランク>
1位:小平智 154,554,813円
2位:宮里優作 137,376,982円
3位:C・キム 132,326,556円
4位:池田勇太 123,042,846円
5位:今平周吾 94,652,736円
6位:片山晋呉 79,628,383円
7位:H・W・リュー 75,565,076円
8位:S・ノリス 68,645,806円
9位:ハン・スンス 64,692,668円
10位:宋永漢 62,971,716円
残り2戦はカシオワールドオープン(11月23日~26日、Kochi黒潮カントリークラブ)とゴルフ日本シリーズJTカップ(11月30日~12月3日、東京よみうりカントリークラブ)です。いずれも、優勝賞金は4000万円。
最終の日本シリーズは出場30人に入るための資格があり、今季のツアートーナメント優勝者、カシオワールドオープン終了時までの賞金ランキング20位以内などがあります。今のところ、現在の賞金ランキング8位のショーン・ノリスまで出場資格を得ています。
残り2戦に優勝すれば賞金8000万円となり、7位のH・W・リューまで逆転の可能性(小平が2戦とも賞金0の場合)がありますが、現実的には4位の池田までの争いとなりそうです。
次のカシオワールドオープンを小平が制すれば、小平の賞金王が確定しますが、それ以外は最終戦にまでもつれ込みます。
この2試合、まさにそれぞれの一打一打に目が離せません。