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プロゴルファーになるには「プロ宣言」すればいい!?プロになるための3つの方法+1とは?

「プロゴルファー」をイメージする場合、たいていの人はテレビで中継されるような華やかなトーナメントに出場している、ツアープロと呼ばれる選手が思い浮かぶでしょう。また、自分が通っているゴルフ練習場や、ゴルフ場に所属するいわゆる「レッスンプロ」を思い出す方もいるかもしれませんね。

では、このように「プロ」と呼ばれる方たちは、どうやって「プロゴルファー」になったのでしょう?もちろん資格が必要なことは想像できると思いますが、実はプロの世界はそれだけではないのです。

あなたは有名アマチュア選手が「プロ宣言をした」というニュースを聞いたことはないでしょうか。宣言をしたらプロゴルファーになれるのでしょうか?

今回は「プロゴルファー」という職業に関する素朴な疑問を解決していきたいと思います。特に「ツアープロ」と呼ばれるプロゴルファーになるための様々なルートを中心にご紹介していきます。

プロ資格とは?

まずは、プロの資格について確認したいと思います。男子と女子では若干仕組みが異なるのですが、今回は男子の場合をみてみましょう。

プロの資格を取るにはJPGA(日本プロゴルフ協会)のプロゴルフ試験を受験して、合格する必要があります。日本で唯一のプロゴルファーの認定試験を実施している機関ですので、試験に合格すれば、文句なしの「プロゴルファー」です。

資格は2種類あり、「トーナメントプレーヤー」と「ティーチングプロ」になります。「トーナメントプレーヤー」は、トーナメントに出場するだけの知識や技術が伴っているかを審査し、「ティーチングプロ」は、ゴルフの技術指導や、知識を有しているかが問われます。

試験は年に一回実施され、受験資格は「トーナメントプレーヤー」が16歳以上、「ティーチングプロ」が20歳以上となっています。

大変わかりやすく明快な仕組みですよね。こうしたプロテストを経て、晴れて「プロ」になるのです。これが、プロになるためのひとつめの方法です。

しかし、ここで問題があります。それは、「トーナメントプレーヤー」の資格を取っても、トーナメントに出場できるわけではないという事です。

これは男子トーナメントを運営する団体がJPGAと異なる為で、トーナメントはJPGAとは別のJGTO(日本ゴルフツアー機構)の管轄になっています。つまり、トーナメントに出場するには、JGTOが開催するクォリファイングトーナメント(以下QT)と呼ばれるツアー予選会を勝ち抜かなくてはならないのです。

QTは1999年から実施されており、ある一定の資格を満たせばアマチュアでも参加が可能です。このQT予選会(ファースト~ファイナルまで4段階)を勝ち進み、好成績を収めた選手はツアーメンバーとして認められ、実績に応じてトーナメントに出場する機会を得ることができます。

トーナメントに出場できる権利を得た段階でアマチュア資格を放棄すれば、大会成績によっては賞金を貰うこともできます。つまり、実質的に「プロ」として活動することができるのです。

これがいわゆる「プロ宣言」です。そして、プロになるためのふたつめの方法と言えるでしょう。

例えば、薗田峻輔選手はこれにあたり、明治大学在学中(2年)にQTに挑戦し、ファイナル22位の好成績を収め、プロ宣言しています。他にも藤本佳則選手などもこのケースになります。トーナメントで活躍するプロを思い描くのであれば、このような手段が求められるのです。

ちなみに女子の場合も確認してみましょう。女子はLPGA(日本女子プロゴルフ協会)がツアー競技開催もプロテスト実施も行っています。

プロテストにはプロゴルファーとしての心構えやマナーなどの指導も含まれており、プロゴルファーを育成するための総合機関として機能しています。また、最終プロテスト優勝者には、同年のツアー出場資格も与えられるというご褒美も用意されています。

さらにそれ以外の合格者にもステップアップツアーの出場資格が与えられますので、プロテストを受験する価値は充分にあるでしょう。

ではそのような特典の無い男子の場合、JPGAが認定する「トーナメントプレーヤー」の資格は、ツアープロを目指す選手にとって必要があるのでしょうか。

資格は一生もの

トーナメントの出場機会を得るためには、JPGAの「トーナメントプレーヤー」の資格はあまり役に立ちません。しかし、プロとしての技量を持っているという保証をしてくれる資格としては、非常に有効になってきます。

QTに挑戦しても結果が出せなければ、ただのアマチュアとしてしか評価されません。しかし「トーナメントプレーヤー」の資格があれば、結果に関わらず「プロ」として扱われますので、仕事の面でも有利になります。

しかも、一度資格を取ってしまえば一生「プロ」として通用しますので、いわば“お墨付き”を貰うようなものなのです。ツアーに出場できるプロはほんの一握りでしかなく、また賞金で生活できる選手はさらに少なくなります。ほとんどの選手は、それ以外の方法で収入を得る手段を確保する必要があるのです。

そんな時に「トーナメントプレーヤー」の肩書は大変役立ちます。また、受験時にレッスンが行える「ティーチングプロ」の資格も同時に取得する選手が多いことからも、総合的なゴルフのプロフェッショナルとしての資格として取得していることがうかがい知れます。

一般社会においても資格は有利ですが、ゴルフ界においても資格を取っておいて損はないという事でしょう。

石川遼選手・松山英樹選手のケース

石川遼選手や松山英樹選手に代表される、輝かしい実績を誇る選手の中には、こうしたJPGAのプロ資格試験や、JGTOのQTを受験しないままプロになったケースもあります。

トーナメントに優勝した場合、次々年度までのツアー出場権が与えられます。アマチュアのままですと、その権利はいずれ失効してしまいますが、「プロ宣言」を行なえば、その時点でほとんどの試合に出場できるシード選手となるのです。

アマチュア選手でありながらプロの大会を制した両選手にはその権利があり、共に「プロ宣言」を行っています。つまり、QTを受験する必要がないのです。

JPGAの「トーナメントプレーヤー」の資格については、2人とも後日“顕著な実績を考慮した”特別制度によって資格認定プロテストを免除され、PGA会員として入会しています。
※入会に際してのセミナー受講は義務付けされているようです。

プロに相応しい活躍をすでにしており、「プロ」として活動を始めたことを、JPGAが「プロ」として後付けで認めたレアケースです。そしてこれがプロになるための3つめの方法です。

この方法は、いかに石川選手や松山選手が抜きんでた存在であるかがお分かりいただけると思います。プロテストもQTも必要なく、彼らはプロになったのです。しかし、これが非常に稀なことであることは言うまでもありません。「プロ」の世界は険しく、プロになるのは非常に難しいのです。

しかし、実はもうひとつ方法があります。これまでに比べて、あまりにも簡単なやり方で、「プロゴルファー」になれてしまいます。

自称プロゴルファーになる

簡単なことですが、自称「プロゴルファー」になることです。カッコよく言えば、「プロ宣言」を行うのです。

これは、実力や実績は全く関係ありませんので、誰にでもなることが可能です。誰に咎められることもありません。では、実際にはどうすれば良いのでしょうか。

実はアマチュアの大会に出場するためには「アマチュア資格規定」というものがあり、アマチュアでなければ出場できません。つまり、この「アマチュアの権利を放棄する」ことで、自らアマチュアの大会に出場することをできなくしてしまうのです。

特に申請は必要ありませんので、まさしく「自称」になります。「アマチュアの大会に出られない」→「プロ」という考え方です。これがプロになるためのもう一つの方法です。

しかしツアー競技に出るためには、前述したような狭き門をくぐり抜ける必要があります。もしくは、石川・松山選手のようにアマチュア資格のまま出場することもあり得ますが、「アマチュア資格を放棄」してしまっているので、それもできません。

つまり、自称「プロゴルファー」になると、「ゴルファー」としてプロの大会にもアマチュアの大会にも出場できない存在になってしまうのです。これでは宣言しても良いことがひとつもありませんので、ほとんどの方は通常行いません。

ただ、トーナメントの出場枠には「主催者推薦枠」というものがあり、コネなどがある場合にはこの枠を利用して出場できますので、全く可能性がないというわけではないのです。

実際、2014年にこの方法を使ってツアーデビューを果たした「プロ」がいらっしゃいます。その時のラウンドスコアが「53/48」の101という事でずいぶん話題にもなりましたので、覚えている方もいらっしゃるでしょう。

人生の中で、一度でもいいからトーナメントに出てみたいという夢がかなったのですから、この男性にとっては、悔いのない出来事だったのかもしれませんね。

まとめ

プロゴルファーになるには、昔でしたらまずはゴルフ場に就職し、練習を重ねてプロテストに臨むというのが一般的でした。プロテストに合格しなければ、試合にも出場できませんでしたので、道はひとつしかなかったのです。

現在はQT制度が確立され、広く門戸が開かれました。アマチュアでも実力があればツアー競技に出場できるようになったのです。

しかし、プロとアマチュアがしのぎを削るQTは非常にタフです。期間も長く、ラウンド日数もかかります。年齢が上がれば上がるほど、体力的にも厳しいものであることは確かでしょう。

さらには高いエントリーフィーをはじめ、滞在費用もバカになりません。お金の掛かる仕組みはプロゴルファーとして活動したいと思っている選手たちの大きな負担となっています。

多くのゴルファーにとって、プロゴルファーは憧れの存在です。テレビでトーナメントに出場している選手はこのような環境の中から生まれてくるという事をご理解いただけると、もっと選手が魅力的に見えてくるかもしれませんね。

たくさんの子供たちにとって、もっとプロゴルファーが憧れの職業になってくれることを期待したいと思います。

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