【もっと右手を自由に!】ゴルフグリップでショット改善ランクアップ術
初めてゴルフクラブを握ったとき、教えられた通りにグリップしてみるも「変な握り方だなぁ」と、違和感を憶えた方も多いのではないでしょうか?
しかし、自分より少し(ずいぶん?)経験のあるゴルフの先輩から、親切に教えられて「いいえ、私は握りたいように握る!」と自己流を貫く人は、ほとんでいないでしょう。当たり前のように、ゴルフのグリップは「こういうものだ!」という理論を初心者の時に押し付けられてしまうからです。
そして、一度自分のグリップが決まると、そこからゴルフの試練が始まります。
「フック」「スライス」「ダフり」「飛ばない」などなど、あらゆる悩みの原点がこの「グリップ」にあることにも気づかず、長い年月を過ごしてしまいます。
実は、グリップはスイングを決めるもっとも重要な要素の一つで、良きグリップが良きスイングを導き出すといえます。
また、ゴルフは「左手一本で打つ」(つもり)が基本。
「そしたら、右手は?」そう、右手の存在こそがゴルフショットの良し悪しを左右する重要なポイントだったのです。
基本のグリップと「右手を自由に!」するちょっとしたコツで、ゴルフショットが大きく変わる。眼からうろこのレッスン開始です!
目次
グリップ(握り方)とプレッシャー(握る強さ)を再認識しましょう
グリップに、「正しい」「正しくない」はありません。人それぞれ、いつも同じ握り方をしていれば、自分にあった握り方で良いのです。
そして、プレッシャー(握る強さ)。よく、「小鳥を包むような感覚で」と例えられます。
小鳥を包むという表現は少々極端といえますが、実際、初心者ゴルファーはついつい力を込めて握りすぎる傾向にあることは確かです。
手のひらを確認してみて、マメなどできていないでしょうか?特に、右手が要注意です。
具体的には左手を100%とすると、右手はほんの20%くらいの力で握るよう心がけてください。全体的には、クラブを地面から浮かしてみてヘッドを上下に振っても落ちない強さが基本です。
「こんなにゆるくていいの?」というくらいで、試してみてください。ぶらぶらと上下するヘッドの重みが感じられるのが適度なグリッププレッシャー(握る強さ)です。
逆に、強すぎるとクラブ全体が重く感じて、ヘッドのぶらぶら感がありません。こんな時は、グリップ(特に右手)を思い切り緩めてみてください。「フック」や「スライス」「ダフり」などのミスショットが連続する時は、ついつい右手のグリップに力が入ってしまっていることが多くあります。
スイングに悩んだときやボールにあたらなくなった時は、まず、グリップ(握り方)とプレッシャー(握る強さ)をチェックしてみてください。案外、あっさりとスイング調整できることに驚き!?ですよ。
基本的なグリップの握り方
ここで、基本的なグリップを抑えていきましょう。
1.左手の握り方
左手の指の付け根(中指・薬指・小指)上にクラブを置く。
小指~薬指~中指の順にグリップを包むようにフィンガーで握る(手のひらではなく、指で握ること)。
親指と人差し指で締め、真上から見てナックルが2~3個見えるのが基本です。
2.右手の握り方
左手に沿うように、右手をクラブの下からあてがうよう握る。
こちらも小指~薬指~中指の順に、左手の人差し指に引っかけるように握る。
左手の人差し指を右手の上に載せる「インターロッキング」右手の中に収める「オーバーラッピング」、そして、まったく指を絡ませない「ベースボールグリップ」があります。自分のフィーリングに合ったグリップで試してみましょう。
3.アドレス時のグリップ
実際のアドレス位置でグリップをチェックしてみましょう。グリップには、「ストロンググリップ」「スクエアグリップ」「ウィークグリップ」の3種類があります。
「ストロンググリップ」は別名フックグリップと呼ばれ、フェード系で飛距離が出やすいというメリットがありますが、「引っかけ」や「チーピン」(いずれも左へそれていく球筋)のリスクがあります。
一方、「ウィークグリップ」は別名スライスグリップと呼ばれ、ドロー系を打つのに適したグリップですが、スライスショットが出やすいのでこちらもリスキーといえます。
ここでは基本的な「スクエアグリップ」をおすすめします。「スクエアグリップ」は、まっすぐに飛ばすための美しいスイングフォームに適しています。
スクエアグリップでは、左手の甲が半分正面を向くぐらい(グローブのネームが見えるくらい)深く握り、そこに右手を添える。
<チェック>
右手の人差し指と親指でつくるV時が右肩を指せばOK。
浅く握りすぎていると、V字が右肩よりも右寄りを指しています。逆に、左肩寄りに指していると、ウィークグリップでスライスになりやすいので要注意。アドレスでグリップが決まるかどうかで、ショットの方向性を大きく左右します。
自分に合ったスイングを見つけるときには、基本を抑えることに加え、自分が動かしやすいグリップを定着させることが大切です。無理なく自分が振りたいスイング軌道に振りやすいグリップが正しいグリップといえます。
【右手を自由に!】結果につながる実践法!
飛距離を狙うなら
ドライバーで飛距離を狙うなら、「フィンガーグリップ」がおすすめです。「フィンガーグリップ」とは、手のひらではなく指の付け根にクラブを置いて中指・薬指・小指の3本の指で引っかけるような握り方です。
ここで、「右手を自由に!」することがポイント。右手の力をなくすことで、手首をやわらかく使えるようになります。
飛ばすためには身体の回転だけでなく、ヘッドを走らせてヘッドスピードを上げることが大切です。ヘッドを効率よく走らせるために、グリップの適度な力加減と手首をやわらかく使う方法をマスターしましょう。
先の「クラブ上下ぶらぶら運動」で、手首をやわらかく使うコツをつかんでください。スイングのテークバック時に手首の反動を上手く使うこと(遠心力でトップでコックが出来るイメージ)が出来たら、驚くほどドライバーの飛距離がグンとアップしますよ。
方向性の安定をもとめるなら
アイアンショットで正確にボールコントロールするためには、リストターン(手首の返し)がポイントです。正しいリストターンは、方向性だけでなくボールのつかまりが良く距離感も安定します。
ここでもやはり、右手がポイントとなります。右手に力が入りすぎると、手首で無理に返してしまい、「ひっかけ」「フック」「スライス」「ダフリ」などのミスショットにつながります。
ここでは「トリガーグリップ」は封印します。トリガーグリップとは、右手の人差し指を中指の間を離して、親指とグリップをつまむような(引き金を引くような形)握り方です。
一見、手首をコックさせて方向性を操作しやすいと感じますが、これは逆でリストターン時に間違ったタイミングでコックをほどき、結果的にこねてしまうというミスの原因となりかねません。
「右手を自由に!」することで体の回転を主体としたスイング軌道が生まれ、自然体で手首が返る理想のリストターンがつかめます。
まだある、「右手を自由に!」応用編
ロブショット
アマチュアゴルファーがあこがれる、プロのような「ロブショット」。テーマは、「手首をやわらかくバンスをすべらせる」。
ロブショットでは、まず下半身の重心を下げてどっしりと安定させた<飛ばない構え>を固定。あとは怖がらず大きくゆっくりと振りぬくことが鉄則、左右対称のスイングアークで振り子的リズムを意識してください。
このとき、「手首をやわらかく使ってバンスをすべらせる」のがコツ。右手の役割は、「力を抜いてやわらかくタメをつくらずリリース」。右手に力が入ると手首が固定され、トップの原因となるので、「上げて下ろす」のリズムを大切にしましょう。
そして、ロブショットの場合、ショットの距離感は振り幅ではなくスイングスピードで調整します。スピードが遅いほどハーフロブに、スピードを速くするほどボールが高く上がり飛ばないロブショットになります。ぜひ、練習場で試してみてくださいね。
パッティング
パッティングのグリップにもさまざまなスタイルがあります。
■オーバーラッピンググリップ
通常のクラブのグリップと同じで、右手小指を左手人差し指にのせる握り方。
■逆オーバーラッピンググリップ
名前の通り、オーバーラッピンググリップとは逆、つまり左手人差し指を右手人差し指の上にのせる握り方。
■クロスハンドグリップ
通常のグリップの右手と左手の位置を逆に、つまり右手をグリップエンド側に左手をヘッド側に握るグリップ。
右手を使いにくくすることで、無駄な力をなくすことに効果的です。
■クロウグリップ
左手はオーバーラッピンググリップと同じで、右手は親指をグリップの下へ、人差し指をグリップの上へ、この2本の指でグリップをつまむように支え他の3本の指(中指・薬指・小指)は揃える握り方です。
かなり個性的なグリップですが、右手の不用意な動きを防ぐのに効果的で、片山晋呉プロがこのグリップですね。
これらのように、パッティンググリップの握り方はさまざま。
特にパターの調子が悪い時など、色々試してみてください。自分に合ったフィーリングが見つかって「苦手なパターが驚くほど上手になった」ということも良くあります。
いずれのグリップでも共通するポイントは、「フワッと握るゆるめのグリップ」。そして、「手首の力でなく、肩の回転で打つこと」。肩と腕の三角形を崩さずに肘からヘッドまでを一直線にするとストロークが安定します。
手首の動きなくすことでスムーズなストロークにつながり、「右手の感覚」でタッチが出せるようになります。
ミスショット別「NGグリップ集」
■ダックフック
つまり、ボールが飛び出してからすぐ極端にフックする球筋のこと。
左に曲がる(右打ちの場合)ということは、インパクトでフェースが閉じていることが主な原因です。
右手が悪さをする可能性として、「グリップで右手がかぶりすぎている」。「右手に力が入りすぎている」が考えられます。
<チェック>
アドレスでグリップ右手のV字が右肩を向いていることを確認してください。
<チェック>
リストターン(手の返し)をしていないか確認。右手に力が入るとついついこねてしまい無理なリストターンを使ってしまいがちです。
■ダフる
ダフる原因も、やはり右手の使い方が原因です。
右手を不用意に使うことでスイングブレーンが右手主導になり、右手でボールを打ちにいく(しゃくるような)カタチになってしまいます。
<チェック>
右手の力を抜いて、左手主導のスイングをつくります。
<チェック>
グリップをゆるゆるにすることで、身体と腕の動きが一体化した、スムーズな軌道のスイングブレーンのイメージがつかめます。
■パターの方向性が悪い
パッティングで方向性を出せないときの改善法。
<チェック>
グリップを強く握らない。
<チェック>
ストローク中に手首を動かさない。左手人差し指を伸ばすグリップは手首の動きを抑えられます。
さらに、左手の甲が目的方向に向いていることを確認。右手の人差し指を伸ばし、クラブに添えると右手でタッチを出しやすくなります。
グリップを見直すことで、さまざまなショット改善のヒントを説明してきました。
まとめると、グリップに力が入ると「無理にインサイドにひく」「手をこねる」「コックのタイミングがずれる」など、ほとんどのミスの原因になります。
「右手の力を抑える=右手を自由にする」ことは、自分の振りやすいように楽にクラブが触れるようになり、遠心力を利用したリズムの良いスイングができます。
また、「右手を自由に!」することは、右腕から肩にかけてひいては身体全体の無駄な力をなくすことにつながります。
バランスの良い自然なスイングブレーンの軌道は、このような無駄な力を排除した状態から生まれます。
「ミスショットで悩んでは、その都度スイング改造を試みるアナタ」今一度、グリップを見直してみてはいかがでしょうか?
次のラウンドで成果を実感!明日のゴルフがもっと愉しくなりますように。
正しいグリップを動画でも確認してみましょう。
さいごに
グリップは自分ではスクエアに握れているつもりでも、知らず知らずのうちに少しフック気味に握ってしまったり、
逆に握りがあまくてウィーク過ぎるグリップになってしまったりと感覚だけに頼っているだけではいつまで経っても良くはなりません。
また、一度直してもすぐに元の状態に戻ってしまうような方は一度、練習器具で徹底的に直すことを検討してみても良いのかもしれません。
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