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川岸史果 “初優勝と父娘V”は今回もお預け!怪物の娘の初優勝は?!

3月24日~26日にアクサレディスゴルフトーナメントin MIYAZAKIが宮崎県のUMKカントリークラブで行われました。

昨年のプロテストで合格した期待のルーキー川岸史果(かわぎしふみか)さんは、最終日に首位タイでスタートしましたが、2バーディ、2ボギーの「72」でフィニッシュ。通算7アンダー3位タイという結果で初優勝を逃してしまいました。

史果さんは3月2日~5日に行われた今季開幕戦のダイキンオーキッドレディスでも優勝争いに食い込み、単独2位でフィニッシュ。今季の6戦中2度のV争いを見せました。あと一歩及ばず、悔しさは残ったでしょうが、怪物と呼ばれた父の遺伝子が確実に彼女を優勝に近づけています。

今季は予選落ちがまだなく、賞金ランキングも堂々の4位です。父母2人の最強のDNAを受け継いだ史果さんは、何か大きなことを成し遂げてくれるかもしれない、そう感じさせる大物ルーキーです。

川岸史果 ゴルフの経歴

川岸史果さんは “怪物”と呼ばれたプロゴルファー川岸良兼(かわぎしりょうけん)さんの次女です。母の喜多麻子さんもプロゴルファーで、日本女子アマを制したこともある実力のある選手です。

父親の良兼さんは、どんな選手だったのでしょうか

こちらが良兼さん。史果さんとどこか似ています。

良兼さんはジュニア時代からゴルフの才能を発揮して、1989年にプロゴルファーとしてデビューしました。翌年には静岡オープンで初優勝。そして関東オープン、ABCラークカップでも優勝。年間3勝を上げ、賞金ランキング3位と躍進を見せて周囲を驚かせました。

その翌年にもポカリスエットオープンで優勝。その活躍と大きな体から放たれる豪快なドライバーショットから“怪物”と呼ばれた選手なのです。大学の後輩にあたる丸山茂樹さんも彼のゴルフを間近で見た時には「敵わない」と思ったのだそうです。一度はスランプに陥ったこともありましたが、怪物も50歳を迎え、シニアツアーでの活躍が期待されています。

そんな偉大な父親を持つ史果さんは、姉の鉱子さんと一緒に10歳でゴルフを始めました。小学5、6年生の頃には240~250ヤード飛ばしていたそうです。小学生でこの飛距離は驚きですね。この飛距離も父親から受け継いだ怪物の遺伝子が影響しているのかもしれません。

中学時代には各大会で優勝するなどの活躍を見せ、中学3年生の14歳で出場した2009年「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」でプロツアーデビューを果し、大会史上最年少記録となる14歳306日で予選を突破し、周囲を驚かせました。

その後、日本大学高等学校に進学して、2011年の「全国高等学校ゴルフ選手権」で優勝します。日大高等学校を卒業後にプロテストに挑戦しますが、2013年のプロテスト挑戦では不合格となってしまいます。

その後、「アマチュアでいる意味もない」と、アマチュア資格を放棄して、プロ宣言しました。アマチュアは、主催者推薦もしくはマンデートーナメントの通過でプロツアーに出場することが出来ます。

でもアマチュア資格を放棄した場合は、「TPD単年登録」を行わなければ、プロツアーに出場することができません。そしてこれはクオリファイングトーナメント(QT)でサード以上に進出しなければなりません。

史果さんはアマチュア資格を放棄してしまい、クオリファイングトーナメント(QT)でもサードまで進めず、いずれの条件も満たしていなかったので、アマチュア競技にもプロツアーにも出られないという厳しい立場になってしまったのです。

そこで彼女が選んだのは、日本国内で2003年からスタートしたアマチュア・プロ混同のミニツアー「ATPツアー」の参戦です。このツアーはプロテストやQTで使用されるコースが多く使用されるので、アマチュアでもプロでも参戦できる、腕試しのようなツアーなのです。

この腕試しのようなツアーを選んだ理由は、

「もっと試合の経験を積みたかった。アマチュアは優勝しても賞金がもらえないから意味がないと思った」

それはプロとしての意地の表れだったのかもしれません。そして、2014年QTでサードまで進み、日本女子プロゴルフ協会(LPGA)に単年登録しました。2016年7月LPGA最終プロテストが山口県の周南カントリー倶楽部で行われました。史果さんの4度目のプロテスト挑戦です。

良兼さんの娘としても期待され、大きなプレッシャーもあったでしょう。今度こそ合格したい!そんな気持ちも大きくなっていたかもしれません。37位タイから出た最終日、学生時代に傷めた足の痛みを感じながらも「65」をマークして通算3アンダーの7位タイに順位を上げて、4度目の挑戦でようやく合格。念願のLPGA会員となったのです。

この年の11月LPGAツアー伊藤園レディスゴルフトーナメントで16位。12月に行われたLPGA新人戦加賀電子カップでは4位となり、“怪物2世”としても期待が集まっています。この合格が史果さんの自信にもなり、ゴルフに対しても積極的に、そして前向きになりました。

川岸史果 足の怪我と戦う

史果さんは、日大高時代のオーストラリア修学旅行中にシドニーで足を滑らせて転倒してしまい、右の足首を骨折し、松葉杖で帰国したことがあります。骨や軟骨の一部が剥がれ、その欠片が関節内を動き回ってしまい激痛を伴う「関節ねずみ」という診断を受けました。

時間の経過と共に、痛みは軽減したものの、2016年12月には遊離軟骨除去のために入院して、遊離軟骨除去の内視鏡手術を受けたばかりなのです。この年4度目のプロテストの初日には痛みも出てしまったそうです。

キャディーを務める母の麻子さんは、「(プロテスト)3回目くらいには、ドライバーイップスみたいになっていた」とコメントしました。ティーグラウンドに立っても“怖い”と感じてしまい、コースに行くのも嫌になってしまう状態だったそうです。

「昨年(2015年)はメンタルもやられてしまっていた」

プロテストにも合格して、最終予選会(ファイナルQT)で26位に入り、2017年は自身初となるレギュラーツアー出場権も獲得したことから、遊離軟骨除去の手術を決断しました。

まだ痛みを感じることもあり、万全の状態ではないのですが、今年の1月には練習を再開して、2月の中旬からラウンドも再開しました。でも筋力はまだ戻り切っていないようです。

史果さんはスイングも改造。コーチは、「一緒にラウンドしていて、ショットが曲がりだすと修正がきかなくなることがあった」と言っています。スイングを改造したことにより、ドライバーの曲がりが抑えられるようになり、台湾ツアーのQTも経験し、60台が出るようになったこと。そして待望のプロテストに合格したことが史果さんの自信にもなり、技術的にはもちろん、精神的にも成長することができました。

これが最良の精神安定剤にもなったようで、ゴルフにも積極的になり、気持ちの切り替えなどの面でも成長することができました。3月のダイキンオーキッドレディスでは2位、そして同じく3月のアクサレディスで3位タイという成績を残し、さらに自分のゴルフに自信が持てるようになったのではないでしょうか。

その自信と、そしてダイキンオーキッド、アクサレディスの2試合で最終日首位でスタートしながらも逆転されてしまった悔しさが史果さんを更に強くすることでしょう。これから怪我のケアも行いながら、ますます活躍を見せてほしいですね。

川岸史果 開幕戦に続きまたも優勝を逃す

川岸史果さんは、3月24日~26日に開催されたアクサレディスゴルフトーナメントin MIYAZAKIの2日目には冷たい雨で各選手が伸び悩む中、遊離軟骨除去手術の影響も感じさせない素晴らしいプレーを見せ、スコアを5つ伸ばして首位タイに浮上。そして2度目の最終日最終組首位タイからのスタートとなり、初優勝の期待も集まりました。

今季波に乗っている史果さんの開幕戦のリベンジです!前半から猛チャージを見せた若林舞衣子さんに逆転され、追う展開となりました。安定したアイアンショットも見せて、16番では10メートルのバーディーパットを決めて、1打差まで迫ります。ですが、17番でボギー。これで勝負が決まり、優勝は若林舞衣子さん。史果さんは優勝に2打届かず3位タイでフィニッシュしました。

「開幕戦では優勝したいという気持ちが強すぎました。自分のプレーに集中したいです」と平常心で望んだ最終日でしたが、とても悔しい結果となってしまいました。開幕戦ではテレビで観戦していた良兼さんも、この日は急遽会場に駆けつけ、娘の試合を見守っていましたが、大詰めの場面では「もう見てられない」と車に戻ってしまったのだそうです。

この大会の成績は、

1位   若林舞衣子 9アンダー  207
2位   森田遥   8アンダー  208
3位タイ 川岸史果  7アンダー  209
柏原明日架
全美貞(韓国)

「悔しかったです。開幕戦より落ち着いていたし、集中もできていたので。数回あった2~3メートルのバーディーパットを決めきれなかったのが、敗因ですね」

そうコメントしました。好天にも恵まれ、たくさんのギャラリーが見守る中、各選手が接戦を繰り広げました。

史果さんは3月2日~5日に沖縄・琉球GCで行われた国内女子ツアー今季開幕戦の第30回ダイキンオーキッドレディスでは1打届かず2位でフィニッシュ。この大会で優勝し、同組でラウンドしたアン・ソンジュさんは、

「(ショットが)本当にすごい。若いのにボギーを打っても落ち込まない。ドライバーは風にも負けないし羨ましい。試合に出るほど上手くなるのでは?!」

と史果さんを大絶賛しました。父の良兼さんも、「あと1打どうにかならなかったのか」と、とても残念がっていたそうです。初優勝は逃してしまいましたが、この経験はとても大きいものとなったようです。

「日本初の父娘ツアーV!!」

史果さんに注目が集まりましたが、残念な結果となってしまいました。この大会の4日間のパーオン率は73.61%で、大山志保さんと並んでランキング1位です。

川岸史果 飛距離

川岸史果さんは、15歳の頃、2009年のドラコン大会で300ヤードに近い296ヤードを記録したことがあります。小学生で女子プロゴルファー並みの飛距離を出していたのですから驚きです。

現在のドライバーの平均飛距離は270ヤードの飛ばし屋です。これも父親の良兼さんの遺伝子なのでしょうか。良兼さんはジャンボ尾崎さんも驚かせるほどの飛距離の持ち主でした。

まだ史果さんが幼い頃には、お父さんより飛ばないと悔し涙を見せたこともあるのだとか。とても負けず嫌いな性格なのかもしれません。それが爆発的な飛距離を生み出しているのでしょうね。

そんな飛距離を出しながらも、実は得意クラブはPWなのだそうです。ジュニアの頃から史果さんのコーチをしている井上透さんは、

「ドライバーも飛びますし、アイアンは高さが出せて、硬いグリーンに止めることができるのが彼女の長所」

「小技、パットでゴルフを組み立てているんです」

と言っています。飛んで曲がらないドライバーショット。そしてアプローチとパットが得意ならばますます史果さんを強くさせることでしょう。

川岸史果 まとめ“怪物2世”父の遺伝子は飛距離と胃袋

史果さんは、父の勧めではなく自らゴルフの世界へと進みました。良兼さんの娘としてもジュニア時代からとても注目されてきた選手でした。

史果さんは、2011年のマスターズGCレディースで、堂々の7位タイでフィニッシュ。この時まだ高校2年生でしたが、この大会の最終日には“66”を叩き出し、ドライバーで270ヤードという飛距離とパットの上手さでも周囲を驚かせました。

学生時代に負ってしまった足首の怪我の痛みとも戦い、痛み止めの注射も打ちながら望んだ2016年の4度目のプロテストで晴れて合格。闘を重ね、プロゴルファーとしてデビューを果した選手なのです。

史果さんはとても前向きな性格なのかもしれませんね。彼女いわく、父親の良兼さんは少しネガティブな一面もあるのだそうです。父親のようにならないよう、例えばボギーやダブルボギーがあっても残りのホールがある!!そう前向きに考えるようにしているのだそうです。何度もプロテストに挑戦して、晴れて合格した精神力の強さもこれからのゴルフに活かされてくるでしょう。

「川岸良兼の娘ではなく、川岸史果のお父さん(が良兼)と言われるようにしたい」

父親の遺伝子は受け継がれているか?という質問に、「飛距離と胃袋(の大きさ)は、父に似ていると言われます」と答えています。高校時代は、ハンバーグは5、6個。ご飯は3杯くらいは食べたのだとか。とても頼もしいです。

身長は166センチメートル。体格にも恵まれ、飛距離も大きな武器になっています。不運な怪我にも悩まされましたが、それによってメンタルも強くなり、自信も大きくなりました。

今季は好成績も残しています。プロゴルファーの両親の遺伝子は確実に受け継がれているのではないでしょうか。怪物2世として、周囲の期待もますます大きくなっていることでしょう。

まずはツアー初優勝!!
大型新人が現る!?

ツアー初優勝。その日も近いかもしれません。今季の活躍がとても楽しみな選手の一人です。

川岸史果(Fumika Kawagishi)

プロフィール
生年月日 1994年10月13日(22歳)
身長 166cm
体重 75kg
血液型 AB型
出身地 神奈川県
出身校 日本大学高等学校
プロ転向 2013年
ゴルフ歴 10歳から
スポーツ歴 水泳・テニス
趣味 漫画を読むこと・掃除
好きな色 水色・青
目標とする選手 テレサ・ルー
平均飛距離 260ヤード
所属 加賀電子
契約 クラブ:ミズノ
ボール:ブリヂストン
ウェア:ミズノ
シューズ:ミズノ

川岸史果 クラブセッティング

※2017年3月2日現在

ドライバー
ミズノJPX900ドライバー

フェアウェイウッド
ミズノMP METAL Ti

ユーティリティー
ミズノJPX900ユーティリティー

アイアン
ミズノMP-59

ウェッジ
ミズノMP-R4ウェッジ
ミズノT7ウェッジ

※プロは頻繁にクラブ調整を行うため、実際の使用ギアとは異なる場合があります。

川岸史果 今季の成績

2017
スタジオアリス女子オープン 30位タイ +2
ヤマハレディースオープン葛城 6位タイ -2
アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKI 3位タイ -7
Tポイントレディスゴルフトーナメント 11位タイ -4
ヨコハマタイヤゴルフトーナメント PRGRレディスカップ 27位タイ 0
ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント 2位 -5

2017年獲得賞金 ¥20,699,000 4位
平均ストローク数  71.2000    5位
パーオン率     68.8889    14位

※2017年4月10日現在

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