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再起なるか!?諸見里しのぶの現在と過去~自分を信じることが大切~

2009年に賞金ランキング2位になり、横峰さくらさんや、上田桃子さんたちと日本の女子ゴルフ界を牽引してきたうちの一人でもある諸見里しのぶさんですが、近年その名を聞かなくなっていました。

実は、ある病を患っていたのです。しかし、今年の開幕戦で、復調の兆しを見せてくれました。

2018年3月1日~4日沖縄県南城市の琉球ゴルフ倶楽部(6558ヤード、パー72)で2018年シーズン開幕戦の ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメントが開催されました。賞金総額は1億2000万円、総勢108名の選手が出場しました。

この開幕戦を制したのは、最終日にトータル5アンダーの5位タイからスタートした韓国のイ・ミニョンさん。6バーディ、ノーボギーの「66」でラウンドして、スコアを6つ伸ばし、トータル11アンダーとしてツアー3勝目を手に入れました。

この開幕戦では、かつて常に上位に名前を上げていた諸見里しのぶさんが、久しぶりに3位タイと大活躍を見せました。アマチュア時代からゴルフの世界で活躍し、賞金女王まで期待された彼女の身にいったい何があったのか。とても気になります。

まずは、復活劇を魅せた、開幕戦、彼女の地元開催、そしてホステス大会でもあるダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメントを振り返ってみましょう。

1.開幕戦ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント

1−1.初日

3月1日のダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント初日、首位に立ったのは、5アンダー「67」をマークした川岸史果さんと森田遥さんでした。

4アンダーの3位には、高橋恵さん、韓国のペ・ヒギョンさん。3アンダーの5位には成田美寿々さん、ホステスプロの諸見里しのぶさんが続きました。諸見里しのぶさんの好発進の要因は、この日冴えたパッティング。

「今日は長めのバーディーパットが決まってくれました」6番では6mの距離を決めて、10番では7m、11番では5mと難しい距離を次々と沈めます。そして17番では、13mの距離を沈めて、ギャラリーから大声援が贈られました。

「今年は推薦をいただいた出場なので完璧に準備をしたかった。練習場でもショットはかなり良くなった。ただ本番で怖いというかプレッシャーに負けてしまう。今年で18回目なので、コースを知っているが故の怖さが抜けていない」
「体の調子も良い。ゴルフも悪くない。でも良いところで緊張してしまう」

また痛みが出てしまうかもしれない。痛みが出てしまえば途中棄権の可能性もある。そんな恐怖心から出たコメントだったのかもしれません。

「自分を信じることが大事」
「信じてやりきる。ミスをしても引きずらない。こうすることで100%に近づいていくと思う。もっと上を目指していきたい。これを乗り越えることで絶対に上にいける」

恐怖心に勝つために、彼女が一番信じたのは自分でした。

そして、しのぶさんは、この開幕戦までドライバーの選択に迷いを見せていました。テストの段階では、昨季と同じ「グローレF2 ドライバー レッド」の使用を示唆していたのですが、最終的にはテーラーメイドの最新モデル「M4ドライバー」を投入。ロフト角を10.5度から9.5度に立てたことで、沖縄の風にも負けない適度な高さの弾道に抑えられ、飛距離も伸びたので、このドライバーで勝負することを決断しました。「選択は正しかったと思います」しのぶさんから笑顔がこぼれました。

1−2.2日目

2日目、諸見里しのぶさんは6バーディ、3ボギーの「69」で回り、通算6アンダーまで伸ばして首位と2打差の4位で決勝ラウンド進出を決めました。

「途中スコアボードで順位は確認していました。首位に抜け出したかったけど、一歩後退しちゃいました」

一歩後退した。こう後悔したのは、最終9番のボギーです。とはいえ、インスタートのこの日は、4つのパー5をすべてバーディで決め、素晴らしいプレーを見せてくれました。

しのぶさんは、大会直前にタイ合宿を行いました。朝から晩まで、ひたすら練習に打ち込み、パッティングにはとくに力を入れたそうです。ショットが良くなっているので、これはパターが良くなればいける!そう確信したのです。大会予選2日間の平均パット数は全体の3位。タイ合宿での練習の成果が数字に表れています。そして、この合宿で体力もアップしました。

それまでは100回のスイングが精一杯でしたが、500回のスイングに対応できるようになったのです。体力アップは自信にも繋がったことでしょう。自分を信じることが大切。彼女の信念は、プロとしてのプライドでもあったのかもしれませんね。

1−3.3日目※雨天中止

2日目を終えた時点で、通算8アンダーで首位にたったのは、昨年の賞金女王の鈴木愛さん。1打差の2位には川岸史果さんと、韓国の李知姫さんが続きました。2打差の4位に諸見里しのぶさんがつけました。まだまだ優勝に手が届く差です。

ですが、大会3日目は、降り続いた強い雨によって中止となってしまいました。フェアウェイは川のような状態、グリーンにも水が大量に浮き、バンカー内にも水が溜まってしまい、プレーは不可能と判断され、最終日に3日目が行われ、短縮競技になり、賞金ランキングの加算額は75%に減額されてしまいました。開幕戦が短縮競技となったのは、国内女子ツアーでは初なのだそうです。

「これも天から与えられたこと。回りたかったけど、気持ちを切り替えて最終日のスコアをどうやって伸ばすかに集中して1日を過ごしたいと思います」
「調子も良かったですし、中止になると賞金も減額になってしまうので、チャンスがあれば回りたかったです」しのぶさんは、記者会見でこう語りました。

原因不明の病とも戦うしのぶさんにとって、この中止は吉となったのかもしれません。昨年の梅雨時には、レインウェアなどで厚着をしてラウンドすると痛みを感じ、肉離れをした経験もあるそう。レインウェアで再度痛みが発症してしまう可能性もあるからです。

そしてこの日には、第31回ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメントの本選の出場権を懸けて、アマチュア予選大会(1月29日~30日)に出場した、13歳未満の子供たちを対象にしたプロ選手との交流会も行なわれました。沖縄県出身のゴルファーの、諸見里しのぶさん、上原彩子さんのほか、鹿児島出身の横峯さくらさんも子供たちからのサインや記念撮影、質問に答えました。

「練習で心がけていることは何ですか?」という質問に対して、しのぶさんは「明確な課題を持って一球一球、真剣に打つこと」とアドバイス。「子供たちのお手本になるように、良い成績を残したい。5年後にはこの中から一緒に試合をする子も出てくると思うので、それまで頑張りたいです」

ジュニアゴルファーたちとの交流会が刺激となり、明確な目標が出来たようです。「何を食べたら大きくなれますか?」こんな可愛い質問もあったそうです。憧れのプロゴルファーを前に、目を輝かせたジュニアたちがツアーで活躍する日も楽しみです。

悪天候による競技中止で、賞金が減額されたことは、6月のリランキングを控えている選手たちには大きな痛手となってしまいました。後半戦の出場権獲得のために1円でも多く稼いでおきたい、前半戦の出場権しか持っていない選手は肩を落としたことでしょう。

リランキング制度とは、2018年よりLPGAツアーで導入される制度。シード選手以外のTP登録者(2018年より、TPD登録者からTP登録者に変更されました)を対象に、シーズンの途中で、賞金ランキング上位順に並び替えて(並び替えたリストをリランキングリストと呼ぶ)翌々週の競技から、リランキングリストに基づき出場資格を付与するという制度です。

実施されるのは、年2回。6月のアースモンダミンカップの終了時に、リランキングを行い、ニッポンハムレディスクラシックから出場権を付与。9月のミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン終了後にリランキングを行い、スタンレーレディスゴルフトーナメントより、出場資格が付与されます。

リランキング制度は、選手間の競争力を高め、ツアー強化を図るという目的で導入されることとなりました。2013年以来シード権を逃している諸見里しのぶさんにとって、今年から導入されるリランキング制度でチャンスはまだ残されています。

1−4.最終日(3日目)

3日目最終日、諸見里しのぶさんは、トップと2打差の4位でスタート。復活を見守るファンの声援にも後押しされ、2打差を追って逆転優勝を狙いました。結果は3バーディ、2ボギーの「71」で回り、トータル7アンダーの3位タイ。

優勝は逃したものの、諸見里しのぶさんが3位以内に入ったのは、2012年のmeijiカップで2位になって以来のこと。表彰式の後には、大勢のファンが列を作ってサインを求めていました。

「しのぶちゃん、おめでとう」彼女の人気は相変わらず。たくさんのファンが彼女の活躍する日を心待ちにしていました。「沖縄の宝です」ファンからそんなコメントも寄せられました。諸見里しのぶさんも、ホッとした表情を見せて、ファンに答えていました。

3位タイに6名の選手が並んだ開幕戦。今シーズンの賞金女王争いも波乱の予感がします。今シーズンの賞金女王は、誰が手に入れるのか。女子ゴルフがますます楽しくなりそうです。

2018年ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント 最終結果
優勝   イ・ミニョン(-11)
2位   ユン・チェヨン(-9)
3位タイ 畑岡奈紗、濱田茉優、申ジエ、諸見里しのぶ、李知姫、鈴木愛(-7)
9位タイ 菊地絵理香、キム・ヘリム、藤田さいき(-6)

2.諸見里しのぶが低迷した原因 彼女を襲った痛みとは?!

諸見里しのぶさんは、ツアー通算9勝で、日本女子プロゴルフ選手権など、国内メジャーでも3勝を上げています。2009年には年間6勝を上げて、賞金女王争い(2009年賞金ランキング2位)も見せてくれました。ですが、この活躍以降は勝ち星から遠ざかってしまったのです。

2009年のメジャー2勝で手に入れた5年間の複数年シード消滅後は、翌年2015年の出場権を懸けたQTに出場。QTランキング34位で出場権を獲得したものの、肋軟骨の痛みに苦しめられ、苦しい状況となってしまいました。

諸見里しのぶ 過去の賞金ランキング
2005年 48位  ¥12,550,000
2006年 14位  ¥46,349,001
2007年 7位   ¥85,255,754
2008年 12位  ¥64,370,505
2009年 2位  ¥165,262,708
2010年 20位  ¥43,344,830
2011年 41位  ¥18,638,881
2012年 37位  ¥24,539,595
2013年 71位  ¥ 8,880,332
2014年 76位  ¥ 8,105,123
2015年 81位   ¥7,073,500
2016年 164位      ¥0
2017年 124位  ¥1,519,000

2-1.完治不能宣言を受けた肋軟骨炎

諸見里しのぶさんを襲った痛みの原因は、「第四肋軟骨の炎症」と呼ばれる病です。2014年1月に医師から診断され、完治不能と宣言されてしまったのです。

「正直つらいです。腰がすぐに固まってしまうし、夜も痛すぎて眠れないことがある」
「付き合い方を考えていくしかない」
「2010年くらいから痛みを感じるようになった。当時は我慢をすればプレーできたけど、13年と14年は深刻でした。病院を回っても原因がわからない。15年は心も体も折れるくらいです。ストレスが全身に充満していた。練習したくても練習できない」

とても辛い心理状況だったことがわかります。「ゴルフを止めなきゃいけない状況なのかな」と考えてしまったそこともあったそうです。そして、2016年シーズンは休養することを決意しました。彼女を突如襲った肋骨痛、肋軟骨炎とはどんな病なのでしょうか?!

肋骨痛、肋軟骨炎の症状は、上半身の動きや深呼吸で強まる胸痛です。肋軟骨とは、胸骨と肋骨の間にあるクッションの役割を果すとても重要な部分です。諸見里しのぶさんは、この一部である第4肋軟骨が石灰化してしまったのです。

体の動きを静めると痛みが和らぐそうです。一般的には第2~5(とくに第3、第4)肋骨に起こりやすく、片側に起こる場合がほとんどです。普通は鋭い痛みですが、鈍い痛みや圧迫感だけの場合もあり、腹部や背中、体の左側に拡散することもあります。

あまり聞きなれない病名ではありますが、この病気の原因は、風邪などによるウイルス感染、胸部の打撲や上半身の繰り返し動作によって生じた外傷などと言われています。でも多くの場合は原因不明で、治療は非ステロイド系抗炎症薬(痛み止め)や症状が長引く場合は物理療法を行ないます。

もっと長引く場合はブロック注射(ステロイドと局所麻酔薬)することもありますが、ここまでの治療が必要となる患者は、まずいないそうです。細菌による感染症による肋軟骨炎の場合は、抗生物質の投与、手術的治療を行なう場合もあります。

2−2.諸見里しのぶを救ったものは?!

石灰化した部分は、もう取り除くことはできない。手術などで削ってしまうこともできない。これ以上悪化しないようにすること。それしかないと言われています。

諸見里しのぶさんは、2016年シーズンはクラブを置くことを決意。本から健康の知識を学んだり、体のケアを行いました。この休養の中で、彼女を激痛から救ったのは、週1回のピラティスでした。ピラティス教室に通って、呼吸法などの改善を行いました。ゆっくりと呼吸を行うエクササイズで、石灰化してしまった肋軟骨をほぐしていったのです。

「完全に痛みが引いたわけではないですが、どんどん良くなっている」
「絶対に良くなる」

昨年2017年の後半戦頃あたりから少しずつ痛みが薄らいで、ショットが良くなってきました。

「優勝の可能性は0%だと思っていた。今はそれが3%くらいにはなった」
「やっと楽しくゴルフが出来ている」

0%と3%は大きな違いです。彼女は同じ症状で苦しんでいる多くの人に、勇気を与えたのではないでしょうか。完治しなくても、痛みを軽減することができる。軽減すれば、また好きなことができる。好きなことを楽しめる。諦めない強い気持ちが大切。そのことを教えてくれました。

ゴルファーは上半身をよく使うスポーツです。上半身を動かすことで激痛が走り、ましてや呼吸さえも激痛を感じてしまったら、一般の生活を送っている私たちでさえも、心が折れてしまうこともあることでしょう。「戻れたことが、すごく幸せです」体のケアも続けながら、これからも戦います。

3.諸見里しのぶ ゴルフの経歴

ジュニア時代からプロの世界で戦ってきた、諸見里しのぶさんのゴルフの経歴をご紹介します。

3ー1.ゴルフの才能が開花

諸見里しのぶさんは、9歳からゴルフを始め、ジュニア時代には数々の大会で優勝し、ゴルフの実力を開花させました。

同じ沖縄出身の上原彩子さんに勧められて、おかやま山陽高等学校に進学します。2004年には「全国高等学校ゴルフ選手権春季大会」で優勝します。

2005年高校在学中にプロのトーナメント「中京テレビ・ブリヂストンレディスオープン」にアマチュアとして出場し、3位に入るなどの大活躍を見せました。もう少しで宮里藍さん以来のアマチュア優勝か?!と思わせる活躍で、一気に注目される選手となりました。

この活躍によって、同年に行なわれた「世界女子マッチプレー選手権」に、唯一のアマチュアゴルファーとして出場が認められました。2回戦で惜敗してしまったものの、素晴らしい記録だと思います。

6月の「日本女子アマチュアゴルフ選手権」で優勝。そしてこの年のプロテストで一発合格を果します。プロデビュー初戦の「日本女子オープンゴルフ選手権競技」で5位。

「NOBUTA GROUPマスターズGCレディース」で4位、「樋口久子IDC大塚家具レディス」で2位に入り、賞金ランキング49位となり、わずか3試合の出場で翌年のシード権を獲得しました。

2006年、プロ転向後約半年にして、全米女子プロゴルフ協会(LPGA)への参戦を表明、QTスクール(レギュラーツアーシード権を争う試合)を9位で通過。日本ツアーとの掛け持ちでプレーしました。そしてこの年の10月「SANKYOレディースオープン」でツアー初優勝を飾ったのです。

2007年9月、「日本女子オープンゴルフ選手権競技」で優勝。JLPGAツアーのメジャー初制覇を達成しました。

2008年、前年同様に「女子ワールドカップ」に出場。3位入賞を果します。日本ツアーでは「アクサレディスゴルフトーナメント」で優勝。この年にダイキン工業と3年間の所属契約を締結しました。

3ー2.諸見里しのぶ 飛躍の年から一転して不振に陥る

諸見里しのぶさんにとって、2009年は飛躍の1年となりました。5月に行なわれた「ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ」でJLPGAメジャータイトル2勝目を飾ります。8月の「CATレディーストーナメント」で優勝。この優勝で生涯獲得賞金3億円を突破しました。諸見里しのぶさんが、女子ゴルフ界の歴史に新たに名を刻んだのです。

9月には「ゴルフ5レディスプロゴルフトーナメント」で優勝し、年間獲得賞金1億円を突破。翌週の「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」で2週連続の優勝。2009年の日本女子国内メジャー大会2連覇を果しました。「日本女子オープンゴルフ選手権競技」「ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ」「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」を制して、史上8人目、最年少記録(23歳59日)でJLPGAメジャー3冠達成となりました。

この年の賞金女王ランキングは2位。最終戦までもつれ込んだ賞金女王の座は、横峯さくらさんに奪われてしまいましたが、2009年の獲得賞金は1億6526万円。賞金女王になってもおかしくない数字です。参考までに、2017年の賞金女王の鈴木愛さんの獲得賞金は1億4012万円です。

しかしこの翌年から肋軟骨の痛みを感じるようになってしまい、好調は続かなくなってしまいました。2013年はシード権を喪失。2009年に公式戦2勝で手に入れた5年シード権は2014年まであったため、2015年シーズンに向けて、プロになって初めてQTからシード権取得に挑むことになりました。

最終QTで34位に入り、2015年のシード権は獲得したものの、成績が振るわず、2016年のシード権を獲得することはできませんでした。2016年には休養を発表。主催者推薦などで資格のある大会には出場しましたが、すべて予選落ちとなってしまいます。それでも2017年は23試合に出場しました。

練習をしたくても練習できない。そんな焦りもあってか、彼女にイップスの症状まで出てしまったのです。そこまで精神的に追い込まれてしまいました。「ダイキンさんにしっかり休んでください。サポートはしますからと言っていただけたので、1年間を治療と休養に充てることができました。」休養している間もサポートしてくれたダイキン工業には感謝しかないそうです。

その後、ピラティスに出会い、少しずつ痛みが軽減されました。2018年シーズンの前には3週間のタイ合宿に参加して、開幕戦に備えました。自分を信じることが重要。完治不能と診断されてしまいましたが、痛みを軽減させることができました。諸見里しのぶさんは努力と信念を貫き、大好きなゴルフと向き合っています。

4.諸見里しのぶ 性格

2009年11月には、台風9号で甚大な被害を受けた兵庫県佐用町と岡山県に水害義援金各50万円を寄付したり、12月には出身地の名護市と社会福祉法人に優勝した時の副賞である乗用車を寄贈しました。また民間ドクターヘリの運用法人と名護市に100万円を寄付。故郷の沖縄を愛する、被害があった地域を心配する、とても心の優しい選手なのです。

そして優勝スピーチの練習もしたことがあるのだとか。勝てない理由はスピーチの練習をしていないからだと思ったから。とても真面目な性格なのです。いつも明るく、辛い時も決して笑顔を忘れない選手です。

彼女のブログのタイトルは「やっぱり笑顔」。しのぶさんらしいタイトルだと思います。誕生日には、毎年ファンからたくさんのプレゼントが届くそう。たくさんの人から見守られていて、とても温かい人柄が人気の選手です。

5.諸見里しのぶ・まとめ

諸見里しのぶさんは、20歳のころには30歳でゴルフを辞めると思っていたそうです。引退して、結婚をして、子供を産んでというのが目標でした。

「もっとゴルフを頑張りたい。いろんな経験をしたい」30歳を迎えた時に、こうコメントしました。現在、結婚の予定や彼氏の情報は不明ですが、今はゴルフに夢中なのかもしれません。今年32歳を迎える彼女は肋軟骨炎という病と戦いながら、ツアーでも戦っています。ゴルフができる喜びを感じています。

諸見里しのぶさんは、女子ゴルフ随一と言われるほど、美しいスイングフォームの持ち主でもあります。アマチュアゴルファーも真似をしたいスイングです。ドライバーの平均飛距離は235ヤードです。またヒップが100cmであることを公言しています。お尻の大きさも彼女の特徴の一つ。でもこれはコーチの江連忠さんによる下半身強化の成果の表れでもあります。

そして左手で箸を使ったり、左手でスコアカードを記入するなどのバランス感覚を養うトレーニングも実践しているそうです。これで右脳を鍛えることができます。いつでもトレーニングをかかさない、ゴルフ漬けの毎日ではありますが、最近の唯一の息抜きは毎週日曜日の大河ドラマを見ることなのだそう。美味しいビールを飲みながら、大河ドラマを楽しむ。これからは、こんな時間も増えてくるかもしれませんね。

今の自分を作ってくれたという大会で3位という成績を残し、2018年シーズンは最高の幕開けとなりました。でもその後の大会では、

3月9日~11日
ヨコハマタイヤゴルフトーナメントPRGRレディスカップ 予選落ち

3月16日~18日
Tポイントレディスゴルフトーナメント 67位タイ

3月23日~25日
アクサレディスゴルフトーナメント in MIYAZAKI 予選落ちという結果になってしまいました。

限られたチャンスをものにして、再びツアーの一戦で活躍を祈っています。たくさんのファンが応援しています。諸見里しのぶさんの完全復活を楽しみに待っています。頑張ってください!

6.諸見里しのぶプロフィール

諸見里しのぶ(Shinobu Moromizato)
生年月日 1986年7月16日(31歳)
身長 160cm
体重 58kg
血液型 O型
出身地 沖縄県
出身校 おかやま山陽高等学校(岡山県)
ゴルフ歴 9歳~
プロ転向 2005年
所属 ダイキン工業
契約 クラブ:テーラーメイド
ボール:テーラーメイド
ウェア:アディダス
シューズ:アディダス
得意クラブ サンドウェッジ、ドライバー
趣味 映画鑑賞、ペットと走ること
好きな色 白、ブルー、エメラルドグリーン
師弟関係 中島敏雅、江連忠
世界ランク最高位 17位(2009年11月26日)
賞金ランク最高位 日本女子:2位(2009年)

7.諸見里しのぶ クラブセッティング

ドライバー
テーラーメイド M4 ドライバー(9.5度)
三菱ケミカル ディアマナ RF-50(硬さSR)

FW&UT
テーラーメイド グローレ フェアウェイウッド(5番、7番、9番、11番、13番)

アイアン
テーラーメイド グローレ Fアイアン(2014年)(6番~P)

ウェッジ
テーラーメイド ミルドフォージドウェッジ(48度、58度)

パター
Yes!MOLLIE MOI Flanged Blade パター

ボール
テーラーメイド TP5 ボール

※2018年ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント練習日

※プロは頻繁にクラブ調整を行なうため、実際の使用ギアとは異なる場合があります。

8.諸見里しのぶ 主な戦歴(優勝)

プロ
2009年
日本女子プロゴルフ選手権大会 コニカミノルタ杯
ゴルフ5レディスプロゴルフトーナメント
Cat Ladies
プロミスレディスゴルフトーナメントサントリーレディスオープンゴルフトーナメント
ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ

2008年
アクサレディスゴルフトーナメント

2007年
日本女子オープンゴルフ選手権競技

2006年
SANKYOレディースオープン

アマチュア

2005年
日本女子アマチュアゴルフ選手権競技

2004年
全国高等学校ゴルフ選手権春季大会
クィーンシリキットカップアジア太平洋女子アマチュア招待ゴルフチーム選手権(個人優勝)

2003年
中国女子アマチュアゴルフ選手権
中国ジュニアゴルフ選手権(女子15歳~17歳の部)

2002年
中国女子アマチュアゴルフ選手権
中国ジュニアゴルフ選手権(女子15歳~17歳の部)

2001年
全国中学校ゴルフ選手権

2000年
日本ジュニアゴルフ選手権競技(女子12歳~14歳の部)

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