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テーラーメイドの新しいMシリーズはゴルファーの潜在能力を引き出す!

テーラーメイドが2017年3月9日に発売する新しい『M1/M2』シリーズのドライバーとスプーンをコースに持ち込んでたっぷりと打ってきました。

アスリートゴルファーの為のクラブというイメージがある『M1/M2』シリーズですが、新しいドライバーとスプーンは一般のゴルファーでも使えるという噂が流れています。レンジで打った印象では、ハードではあるけど、難しいという印象はありませんでした。

論より証拠です。ゴルフコースで検証してみました。

“M2”の評価が高い理由は……

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2017年1月25日、テーラーメイドはタイガー・ウッズとパターを除く13本の使用契約を結んだと発表しました。タイガーが選んだドライバーは“M2”です。現在は、新しい“M2”と2016年モデルの両方を使いながら調整しているそうです。

松山英樹プロも、2017年に入ってから新しい“M2”の3番ウッドを実戦投入しています。初代“M2”のイメージは、“M1”よりもボールをとらえやすくしたクラブというものでした。

新しい“M2”も構えたときには、ヘッドが大きく見える工夫もあるので、安心感があるクラブという印象でした。話題になっていることもあり、こちらのほうが易しいはずだと意識もあって、スタートホールは“M2”を打ちました。

試打用のスペックは、ロフト10.5度、純正シャフトのSです。僕のヘッドスピードは、寒さと厚着のせいで40m/秒ぐらいに落ちていると思われます。気温はマイナス1℃でした。

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構えると“M”シリーズは独特です。ヘッドのフォルムの印象なんかは無視するように、白と黒のコントラストが、目標方向にヘッドを強制的に向ける感じです。

個人的な印象ですが、このヘッドの視覚効果は、クラブを短く感じさせて、かつ軽く感じさせるのです。実際には約300gという重量で軽いドライバーではありません。

つかまるイメージがあったので、フックを警戒して、やや右サイドを狙って打ちました。軽く打ったので、ボールは中弾道の軽いドローでした。

『おぉー、飛ぶ』と思いました。軽く打ったのに、自分のドライバーの普段の距離より20ヤードも先までボールは飛びました。そして、ちょっとした違和感もありました。

その後、ワンハーフの中で、“M2 ドライバー”を6回使いました。全て良い当たりで、5ヤードぐらい曲がる軽いドローで、狙い通りに飛びました。2回は強いて満身の力を込めて打ちましたが、最も感じたのは左に行きにくいことでした。

逆に、気を抜くとすっぽ抜けて右に行きそうだと感じました。1発目に感じた違和感はそれだったのです。とらえてドローを打つというより、右へ逃がそうという感じでクラブが挙動するように感じたのです。

弾道は、勢い良く振れば高弾道になります。そして、低スピンなボールが打ちやすいドライバーです。一見すると、打ち易いイメージですけど、かなりしっかりしています。ドロー打ち向けで、フェード打ちには少しコツがいるような気がします。僕ぐらいのヘッドスピードでも十分に使えます。

そして、書くまでもありませんが、トップレベルに飛ぶドライバーです。平均して、通常よりも10ヤードは飛距離が出ていました。

弾き感はあります。打ち応えもしっかりしています。飛ぶことは間違いないですが、曲がりに鈍感ではありません。ボールコントロールに自信があるゴルファーでなければ、使いこなせないドライバーという印象を持ちました。

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“M2 フェアウェイウッド”も打ちました。試打クラブは、ロフト15度、純正シャフトのSです。安心感があり、構えた感じは易しいスプーンなのですけど、“M2 フェアウェイウッド”は始めは全く当たりませんでした。

右に飛び出して、そこから更に、スライスしてしまったのです。誤解がありました。ボールをとらえにいくフェアウェイウッドだと盲信していました。

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しっかりとストロングに振らなければ“M2 フェアウェイウッド”は機能しません。3球目にそれがわかってからは打てるようになりました。懐かしい感じがしました。クラブは余計なことを全くしないのです。こういうスプーンは久しぶりで、驚きました。

見た目とは違って、かなり敏感でもあります。フェードも、ドローも同じように打てます。逆にいえば、使い切れないと逆球も出やすいといえますので、注意が必要です。

飛距離はドライバーほどではありませんが、飛ぶスプーンに分類されます。戸惑ったのは、弾き感はあるのですけど、打ち応えが軽いのです。弾道を色々と技術で打ち分けられるクラブは、打ち応えがしっかりしていないと僕は使いづらいと感じるので、その部分に関しては残念です。

色々な弾道を打つプロに、新しい“M2 フェアウェイウッド”が高評価を得て、採用されているのはナチュラルでありながら、飛距離性能などで我慢をしなくとも良いからなのだと思います。一般のアマチュアにもヘッドスピードを求めるわけではないので、挑戦しがいのあるクラブです。

“M1”はわかりやすく機能が満載されている

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“M1 460 ドライバー”を次に打ちました。ロフト9.5度、標準シャフトのSです。ウェイトのポジションはT字の両方共に真ん中で打ちました。

軽く感じますが、振ってみればかなり重量があるドライバーだとすぐに実感します。この辺りの感覚が鈍いと、初代同様に『手に負えないドライバー』ということになってしまうので注意して欲しいです。

フェアウェイの真ん中にきれいな弾道で飛んでいきました。弾き感はやや抑えられていますが、打ち応えは明確に感じます。飛距離は、流石のテーラーメイドのドライバーです。

“M2 ドライバー”のほうが飛んでいました。弾道を見て感じたのですけど、思いの外、スピン量が減っていないと感じました。低スピンぽくない弾道だったのです。強いて大きいフックを打って、やっと低スピン風なボールになるという感じでした。

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ロフト9.5度でもボールは上がります。“M1 460 ドライバー”は高弾道で飛ばすという考え方で設計されています。標準シャフトのせいだとも考えられますが、その辺りにこだわりがある人は別注でアフターマーケットのシャフトを入れるでしょうから気にしないで良いと思います。

“M1 460 ドライバー”は、かなり敏感な側面があります。曲げようとすると、かなり激しく反応することもあるのです。

ボールをとらえようとすれば、ちゃんとドローをかけようと動きますが、基本的には右にボールがいきやすく作ってあります。トッププロゴルファーの要請を形にすると、こうなるのかもしれない、と思いました。

中途半端な真ん中ではなく、ドローとフェードを打ち分けてドライバーショットをするのであれば、こういうドライバーは最高の機能を持っているといえるからです。とはいえ、やはり、ドロー打ちのためのクラブだと思いました。

打ち応えの感触がまあまあしっかりとあるので、飛ばしている気分にはなれます。この辺りも面白いところです。

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せっかくなので、『Tトラック・システム』というT字型に配置されたスライディング・ウェイトを動かしてみました。最も前重心にして、外側のフェードで目一杯です。2回ほど打ってみましたが、ほとんどの人にはわからないぐらいの差です。

明らかにスピン量は減りました。後日、計測器を使ってちゃんと調べましたが、最も後ろと最も前にしたときに約300回転スピン量は変わります。300回転は調整機能としては、十分な合格点です。

上手くはまれば、ぶっ飛びの要因になる幸運なゴルファーもいると思います。初代に比べて、新しい“M1 460 ドライバー”は使える人の下限が下がったと思います。易しくはないですけど、打てなくはないのです。

ただ、ヘッドスピードが速い人が使うために作られたドライバーであることは間違いありません。5回使いましたが、途中からは無意識で飛ばそうと気合を入れて振っていました。

振れるんですよ。理由は、多少芯を外しても大丈夫だという安心感があるからだと思います。これは、初めにレンジで打ったときに感じた印象があったからです。

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“M1 440 ドライバー”は、たった20ccとはいえヘッドが小さいことがハッキリとわかります。試打したスペックは、ロフト9.5度、標準シャフトのSです。ウェイトのポジションは調整せずに打ちました。

“M1 460 ドライバー”の特徴は引き継いでいます。より敏感で、曲がる幅は大きくなります。また、芯を外したときに弾道が低くなる傾向もあります。自信がある人ではないと使えないドライバーだともいえます。

個人的に小さなヘッドが好きなので、気持ち良く振れることと、最後に打って慣れてきたこともありました。しかし、飛距離だけにフォーカスすると、3本の中では最も飛びませんでした。しかし、一般的にはトップレベルの飛距離性能があるドライバーです。

飛ばなかった理由は、ヘッドスピード不足だと思われます。“M1 440 ドライバー”は、小さい分だけヘッドスピードの許容範囲が狭くなっているのかもしれません。

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やや距離が出ないとしても、実際に使うのであれば、僕は“M1 440 ドライバー”を使うだろうなぁ、と思いました。構えやすくて、目標にアドレスしやすいことが一番の理由で、次は、じゃじゃ馬的な要素はあるとしても、敏感に反応して弾道に反映されるドライバーは使っていて面白いからです。

普通はオートマチックに打てるドライバーが好まれると思いますが、色々とできるドライバーも捨てたものではないのです。

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“M1 フェアウェイウッド”は、明らかにヘッドが小さいスプーンです。ロフト15度、標準シャフトのSを打ちました。

スライドの調整機能がついていますが、これはオマケみたいなもので、大きく弾道を変えたりするものではないと考えたほうが良いと思います。気は心、おまじないのように考えれば、逆に最強の武器になる可能性はあります。

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“M1 フェアウェイウッド”は大好きになりました。構えやすいし、扱いやすかったからです。弾道も強いボールで高い球も、低い球も打てます。

ラフなどでライが悪いシーンでも使いましたが、気持ち良く抜けます。スプーンが好きな人にはたまらない1本です。小さいヘッドだからこその機能がフルに発揮されるスプーンです。

“M1 フェアウェイウッド”は飛びます。僕の場合は、“M2 フェアウェイウッド”よりも飛びました。ただし、ミスの許容範囲は非常に狭いウッドです。狙い通りに打てれば快感を得られますが、少しのミスなのに、狙いとは全く違うショットになってしまうこともあります。

飛びを実感できるのは芯に当たったとき、芯より少し下目に当たったとき、芯より少しトウ寄りにあたったときのみで、それ以外は飛距離も極端に落ちます。色々なショットを打ちたい自信のあるプレーヤーは、純正シャフトは少し使いづらいかもしれません。

ティーアップして打てるときは問題ありませんが、地面から打つときはシャフトの剛性が少し足りないと感じることがありました。

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“M2 フェアウェイウッド”と“M1 フェアウェイウッド”を並べてみました。左の“M2”のほうが明らかに大きいのがわかります。

フェアウェイウッドは大きくて平べったいほうが、ボールが上がるので打ち易いクラブになります。易しくなる分、失う機能もあります。新しい“M”シリーズのフェアウェイウッドは、明確に違うものになっているので、選ぶのが楽です。

さて、試打した5本のウッドですが、自分が使うなら、という印象を書きます。参考になる人もいると思いますので。

ドライバーは“M2 ドライバー”を選択します。フェアウェイウッドは“M1”です。“M2 ドライバー”は単純に飛んだからです。

今回は計測機器を使って、色々なデータを取ったのですけど、“M2”が最もスピン量が少なくて、飛ぶという結果になっていました。コースで打ったときも、飛距離は最も出ていました。ロフト10.5度、シャフトは純正ではなくて、もう少し固めのものにすると思います。純正のシャフトはかなり軟らかいSだからです。

“M1 フェアウェイウッド”は、構えたときの印象の良さが選択した最大の理由です。シャフトをもう少ししっかりしたものにすれば、もっと機能してくれると感じました。ヘッドが小さくて抜けが良いところも気に入りました。

試打してみて、流石、テーラーメイドだと改めて感心しました。飛ばしてナンボ、という意地とメーカーとしての技術力を堪能できました。飛ぶことはゴルフの魅力の一つですから、柄にもなくワクワクしたりもしました。

若い人にはわからないと思いますが、新しい“M シリーズ”は、昭和40年代にテレビで実写化された『キカイダー』のようだと思いました。白黒のコントラスト、スケルトンのようになって、あらゆる部分に見えるカーボン繊維からの連想です。

新しい“M1 シリーズ”のウッドは、多くのゴルファーの夢を叶えるヒーローのような存在になる可能性があります。手に取って、試してみることを強くお薦めします。

スペック

M1 460 ドライバー

★ヘッド体積  460cc
★ロフト    9.5度 10.5度
★長さ     45.5インチ ※TM-117装着時
★シャフト    TM1-117  72,000円 (税別)
 価格     Tour AD TP-6  89,000円 (税別)
        Speeder 661 EVOLUTION lll  89,000円 (税別)
        Diamana BF 60  89,000円 (税別)
        ATTAS Punch 6  89,000円 (税別)

M1 440 ドライバー

★ヘッド体積  440cc
★ロフト    9.5度 10.5度 ※10.5度はカスタム対応
★長さ     45.5インチ ※TM-117装着時
★シャフト    TM1-117  72,000円 (税別)
 価格     Tour AD TP-6  89,000円 (税別)
        Speeder 661 EVOLUTION lll  89,000円 (税別)
        Diamana BF 60  89,000円 (税別)
        ATTAS Punch 6  89,000円 (税別)

M1 フェアウェイウッド

★番手/ロフト  #3/15度、#5/19度
★シャフト    TM1-117  40,000円 (税別)
 価格     Tour AD TP-6  59,000円 (税別)
        Speeder 661 EVOLUTION lll  59,000円 (税別)

M2 ドライバー

★ヘッド体積  460cc
★ロフト    9.5度 10.5度
★長さ     45.75インチ ※TM1-217装着時
★シャフト    TM1-217  63,000円 (税別)
 価格     FUBUKI V 60  80,000円 (税別)

M2 フェアウェイウッド

★番手/ロフト  #3/15度、#5/18度、#7/23度
★シャフト   TM1-217  35,000円 (税別)
 価格     FUBUKI V 60  54,000円 (税別)

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