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『TP5』『TP5x』はテーラーメイドの本気を形にしたボールだ!

「ボールにもテーラーメイドのドライバーの飛距離を。」というコピーで、2017年4月上旬にテーラーメイドから発売される新しいボールは『TP5 ボール』(ティーピーファイブ)と『TP5x ボール』(ティーピーファイブエックス)といいます。

特に飛距離性能にこだわって作られたツアー用ボールというコンセプトは、耳にタコかもしれませんが、テーラーメイドは飛距離に関しては信頼できるメーカーですので期待してしまいます。

また、ダスティン・ジョンソン、ジェイソン・デイ、セルジオ・ガルシアが使用していることにも注目です。世界のトップで戦う選手は用具に妥協はしません。良いと認めたものしか試合でバッグに入れないものです。

ツアーボールとしての期待をしつつ、普通にアマチュアにはオーバースペックなのかという不安も持ちながら、コースでテストしてみました。

TP5の凄いところはわかりやすい

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テーラーメイドのツアー用ボールは見たことがない、というゴルファーが多いと思いますが、知る人ぞ知るという感じで使用球にしている上級者がいたのも事実なのです。

今回の新製品にも、期待している使用者がいました。僕も、前のモデルと、前の前のモデルは打ったことがありました。ツアー用ボールということで、総合力の高さは実績があったのです。

新しい“TP5 ボール”は、見た目は特別なことはありません。中身は5層構造という部分は以前のモデルから採用されていましたが、これも見ることはできません。新しい“TP5 ボール”は、主流になりつつある機能性を持っていると説明されています。ツアー用ボールでも、やわらかく距離を打つクラブは低スピンになって、ショートゲームではスピン性能が増すというものです。

打ってみなければわからない、ということで、“TP5 ボール”を打ってみました。

当日は快晴で4mぐらいの風が吹いていて、スタート時の気温は3℃でした。僕のヘッドスピードは防寒着のせいで41m/秒ぐらいでした。ドライバーで打った打音は、やわらかさを感じさせない高音です。締まった良い音です。打ち応えではやわらかい感じで、つぶれているのがわかります。同時に、しっかりとした重さも感じます。

“TP5 ボール”の弾道はやや低めです。ドローを狙って打ちました。手応えでは10ヤードぐらい曲がった感じでしたが、実際には5ヤード程度しか曲がりませんでした。一発目で直進性能の高さはわかりました。

ボールは220ヤードまで飛びました。これについては、トップレベルに飛びますが、特筆するほどでもないという印象です。2017年春の新製品のボールは、軒並みドライバーでは飛距離が出ますので、余計に普通に思ったのかもしれません。

“TP5 ボール”の直進性の高さは、かなり気に入りました。曲がりにくいのですけど、曲がらないわけではないという感じが、ちょうど良いのです。その後、6回ほどドライバーで打ちましたが、中弾道で気持ちの良いボールが打てます。少し感じたのは、ヘッドスピードがもっと速ければ、全く違う結果になったかもしれない、ということです。

5層構造の内、コアとなる内側の3層は、内側ほどやわらかくなっているそうです。最も深層のやわらかいところまでは、つぶせていない、と感じたのです。そこまでつぶせれば、驚異的な飛距離性能を堪能できるかも、と考えました。

フェアウェイウッド、ハイブリッド、ミドルアイアンも、ドライバーと同じ傾向にあります。弾道はやや低めで、直進性能が高いボールがでます。スピンはハイブリッドからかかり始めます。十分なスピン量で、ボールはそこそこ止まります。

飛距離性能は維持されます。これは凄いと思いました。ドライバーの飛距離性能に長けているボールの大半は、アイアンになると少し距離が落ちる傾向があったからです。そういうものなのか、と考えていましたが、“TP5 ボール”は、アイアンでもちゃんと飛んでいると実感しました。

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最も驚かされたのは、ショートアイアンのスピン性能です。やや低めの弾道には戸惑いますが、とにかく止まりまくります。

フォローの風に乗せた100ヤードのショットが、グリーンの受けた面に落ちたとはいえ、5ヤードも戻ったシーンがありました。これは異常です。“TP5 ボール”の売りであるスピン性能は強烈なのです。

特徴的なのは打音です。ウェッジで打ったボールは、かなりの高音です。これはツアー選手のリクエストなのだと思われますが、ツアー用のボールは軒並み、アプローチのときに高音の澄んだ音がするようになっています。(使用しているウェッジによっては、その限りではありません)これは、好感触でした。上手くヒットしたときに、音が教えてくれるのは快感です。

やわらかいツアーボールはアプローチで低い球になる傾向がありますが、面白いことに“TP5 ボール”はそういう傾向を感じませんでした。ロフト通りに弾く感じです。パターで打ったボールの打音も品の良い音で、好感が持てました。パットの打ち応えは、手にしっかりと伝わります。この重さもちょうど良いと思いました。

“TP5 ボール”は、総合点が高いボールです。大きな欠点はなく、全ての分野で合格点を出す優等生的なボールです。そういう中で、ショートアイアンのスピン性能は特別でした。セルジオ・ガルシアが使っているボールが、“TP5 ボール”です。1打、1打を等価に考えるようなゴルフができる人なら、一度は試してみるべきだと思います。

より繊細なのはTP5xの特徴なのかは不明

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“TP5x ボール”は、高弾道で攻めるツアーボールということです。赤いボールナンバーは、それだけで気分が上がります。『x』が付いているボールも、勝手に自分用だと思ってしまいます。

ダスティン・ジョンソン、ジェイソン・デイらが、すぐに切り替えて使用しているということもあります。特にD・ジョンソンは、“TP5x ボール”にしてから絶好調です。注目しないほうがおかしい、のです。

5層構造のボールは、コアに関しては“TP5x ボール”のほうがやや固めで、表皮に近い2層も厚みが違うようです。見えないので、想像するしかありませんが、“TP5x ボール”は他社のツアー用ボールと似ていると思われます。

ドライバーで打った弾道は、確かに高弾道ですが、やや低めの高弾道です。直進性能に関しても“TP5 ボール”と同じように優れています。曲げられるけど、曲がりにくいという印象です。打音はきれいに澄んだ高音で、音からはやわらかさを感じられません。

打ち応えは、弾き感が強いのが特徴です。それでいて、芯を強く感じ取ることができます。やわらかさとしっかりしているバランスが良いのだと思います。ただ、低スピンになるような感じはしませんでした。つぶれた感じがほとんどないからです。

距離性能はトップクラスです。“TP5 ボール”と比べて、“TP5x ボール”はドライバーに関しては少しだけ勝る、と感じました。打った感じや弾道は、そんなに飛んでいる感じはしないのですけど、ボールのところに行くと、ちゃんと飛んでいるという感じで、ドライバーを打った5ホール全てで少し戸惑いました。

アイアンでも、澄んだ高音の打音は健在です。気持ちの良い高さのボールが打てます。アイアンに関しては、“TP5x ボール”の飛距離は“TP5 ボール”に少し劣ります。

長いアイアンは強いスピンがかかりませんが、ショートアイアンになると急にスピンが効くようになります。これはちょっと面白かったです。スピン性能はツアー用ボールらしい感じで、十分に止まりますが、特別に強烈というわけではありません。

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アプローチにおけるスピン性能もなかなかでした。ツアー用のボールの中でも掛かるほうだと思います。打音は、高音で気分良く打てます。ボールのやわらかさはほとんど感じません。むしろ、弾く感じがしました。パットのときは硬質な打音がします。好き嫌いの範疇ですが、僕にはかなり好感触でした。ボールが真っ直ぐに行くような気になります。

“TP5x ボール”は、一言で書くと「大人しいボール」だと感じました。欠点はなく、どの項目でも良い感じなのです。飛距離性能もトップレベルで満足できます。弾道にも大きな違和感はありません。

特別に気に入ったのが、パットのときの打音だけで、他には特別なところが何もないのです。それでいて、“TP5x ボール”は繊細なのです。はっきりはしないけど、微妙な味付けを楽しむから、大人なのかもしれません。もっとヘッドスピードがある人なら、僕が引き出せなかった特別な性能を堪能できるという可能性はあります。

また、ツアーで求められるボールというのは、こういうことなのかもしれませんし、僕が2017年の春に発売されるボールをテストで打ち過ぎて、新しい波に慣れてしまった可能性もあります。つまり、良いボールで、コースで使うのにもなんら抵抗はないほどのレベルのボールです。

“TP5x ボール”はツアー用のボールの代名詞のようなボールです。総合点はオール5みたいな感じです。世界のトップを競うゴルファーを支えるボールを使ってみたい、と考えて、手軽に使ってみても十分に機能します。興味があったら、トッププロになった気分で使ってみるのも悪くないと思います。

最近のボール選びで、僕は「X」が付いているボールを好む傾向があり、ほぼ例外なく、自分が使うなら「X」を選んでいました。しかし、“TP5 ボール”と“TP5x ボール”の場合は、“TP5 ボール”を選ぶと思います。

一番の決め手は、グリーン上です。打音は“TP5x ボール”が好みなのですけど、“TP5 ボール”は手応えが本当に良かったからです。ドライバーの飛距離はやや劣ったものの“TP5 ボール”のほうがトータルでは飛んでいるように感じたこともあります。

ボール選びは、ゴルフ用具の中でも特別です。結果が全てですので、思い切って、色々と試してみるのが正解です。テーラーメイドのドライバーに助けられているゴルファーであれば、“TP5 シリーズ”のボールを一度は試さないと後悔することになるでしょう。

スペック

TP5 ボール

★発売日    4月上旬
★構造     5ピース
★カバー    サーモセットウレタンカバー
★カラー    ホワイト
★価格     オープンプライス

TP5x ボール

★発売日    4月上旬
★構造     5ピース
★カバー    サーモセットウレタンカバー
★カラー    ホワイト
★価格     オープンプライス

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