プロギアのRS 2017 シリーズのギリギリを楽しむ!
2017年6月9日。プロギアから“RS 2017 ドライバー”と“RS-F 2017 ドライバー”が発売になります。
『こんどのギリギリは、もっとヤバイ。』というコピーの新しいドライバーは2タイプです。“RS 2017 ドライバー”はドローで飛ばしたいゴルファー向けとして、“RS-F 2017 ドライバー”はフェードで飛ばしたいゴルファー向けということになっています。
規則違反にならないギリギリの反発で飛ばすドライバーというだけで、興味津々です。
発売前の試打レポートはこちら。
RS 2017 ドライバーは全てのゴルファーに
“RS 2017 ドライバー”(アールエス ニーゼロイチナナと読みます)です。試打したドライバーのスペックは、M-43のシャフト(S相当)で、ロフトは10.5度です。ロフトはプロギアの可変機構『Bacosy(バコシー)』で、1度マイナスすることが出来ます。ロフトは9.5度、10.5度、11.5度の3種類があります。
ソールはブラックです。シンプルなデザインで渋くてカッコイイです。ウェイトが2箇所に装着されています。後方に8g、前方(ネック側)に3gが入っています。入れ替えが可能です。
当日は霧雨が時々降るウェットなコンディションでした。ヘッドスピード42m/秒の僕は軽いドローが持ち球です。素振りをしてみると、発表会で試打したときよりもシャフトが柔らかく感じました。シミュレーターで打つと「ストレートにしか飛ばない」と思いましたが、素振りの段階で強いドロー性能を感じました。
構えてみるとやや三角っぽいフォルムです。一昔前に流行ったフォルムに懐かしさを感じました。
打ってみました。打音は大きめで、複合した破壊音のような飛びそうな音です。ボールは高い弾道で、ぐぐっとドローしていきました。
飛距離は、普段使っているドライバーより10ヤードぐらい先までいきました。1球目で、飛ぶドライバーだということは証明されました。
クラウンのフェース寄りに角度がついた部位があります。『ダブルクラウン構造』です。これが、“RS シリーズ ドライバー”のギリギリの高反発を生む原動力ということですが、構えたときにはあまり気になりません。
『こんどのギリギリは、もっとヤバイ。』というコピーもあり、飛ぶという刷り込みもあるので、テストをしていてもついつい力が入ります。次のホールでは、ドローが出やすい特徴を使って、大きなドローを打って、バックスピン量を減らして、棒球ドローを打ってみようと考えました。フェアウェイには止まりましたが、大きなフックになっただけで上手くいきませんでした。
その後、8ホールで使用しました。“RS 2017 ドライバー”は、飛ぶドライバーです。ドローを打つのが簡単なクラブで、安心して打てます。しかし、ちょっと不満もありました。気持ちよく振ると、球が上がりすぎてしまうのです。打ち出しも高く、更にバックスピンで浮力を得て飛んでいく感じがしました。キャリーは出るのですが、狙ったほどは転がらないのです。
M-43のシャフトは少し軟らかい気がします。しっかりとテークバックをとると挙動が大きくて不安があるので、大人しくパチンと当てるように打ちました。
“RS 2017 ドライバー”は、一言で書くと、「易しいドライバー」です。プロも使用する前提で作られたドライバーは、どんなに易しく使えるように作っても限界があるものですが、“RS 2017 ドライバー”は、腕前がかなり劣るゴルファーでも使えることを想定して調整されたような気がしました。
球が上がりやすいこと、ミスヒットに強いこと、多少の問題があっても、ドローを打とうと捉えにいく挙動。このドライバーじゃないとダメだと、感じるゴルファーの数は多いでしょう。飛ばしたいドロー大好きゴルファーの為の一本です。
それでいて、渋くてカッコイイビジュアルのドライバーというところがニクイです。つまり、見栄心も満たされるということです。バリバリのスポーツカーのボディーなのに、中身は運転しやすくて燃費も良い車のような感じです。
ゴルフは用具を楽しむものでもあります。そういう意味で、“RS 2017 ドライバー”は面白いのです。
自由自在にボールを操るRS-F 2017 ドライバー
“RS-F 2017 ドライバー”(アールエスエフ ニーゼロイチナナと読みます)は、上級モデルという位置付けです。『F』はフェードの意味のようです。
テストしたスペックは、M-43シャフト、ロフト9.5度です。プロギアの可変機構『Bacosy(バコシー)』で、1度マイナスすることが出来るのは“RS 2017 ドライバー”と同じで、ロフトは9.5度、10.5度の2種類があります。
ソールのウェイトは2箇所に装着されています。後方に8g、前方(トウ側)に3gが入っています。入れ替えが可能です。素振りしてみると、“RS 2017 ドライバー”で感じたフワフワした感じは一切ありませんでした。M-43のシャフトはカラーリングだけではなく、中身も別物だと感じました。
構えてみると、丸型でスッと構えられます。個人的には、シャフトの先端が白っぽいのが好感でした。方向を決めやすい、と感じました。“RS 2017 ドライバー”より、構えただけで“RS-F 2017 ドライバー”のほうが気に入ってしまいました。
打ってみました。何も考えず、真ん中を狙って普通に振ってみました。ボールは5ヤードぐらいの軽いドローで、普段より15ヤードぐらい飛びました。弾道は理想的な高さで、余計な回転はしていない感じで気持ちが良かったのです。
打音は、やや大きめですが、音質は澄んでいてシャープなイメージです。“RS-F 2017 ドライバー”は良いぞ、と感触がありました。フェースから伝わってくる感触と、弾道がリンクしていました。
次のホールでは、ほぼストレートなフェードを打ちました。狙い通りでした。その次のホールでは、少し大きめのドローを打ちました。この日の中で最も飛距離が出ました。普段より20ヤード少し飛んでいました。気持ちが良くて、その後、11ホールで使用しました。
“RS-F 2017 ドライバー”は、フェード打ちというより、コントロールに自信があるゴルファーが狙い通りにボールを打つのを楽しむのに最適なドライバーだと思います。そして、トップレベルに飛びます。
注意したいのは、曲げようとすれば、右へも左へも曲がりますので、ボールコントロールに自信がないゴルファーは逆球に苦しむ可能性があるということです。
『こんどのギリギリは、もっとヤバイ。』というコピーをテストしながら、改めて考えました。勝手なイメージで、規則ギリギリ=違反と感じる飛距離だと期待してしまいます。“RS 2017 ドライバー”も“RS-F 2017 ドライバー”も、トップレベルに飛ぶドライバーですが、違反になるほどの奇蹟は僕には起きませんでした。
2017年はドライバーの当たり年だといわれています。各メーカーで色々な工夫をしています。“RS 2017 シリーズ ドライバー”は、そういう中で異質な感じがしました。多くのメーカーが、低スピンと高い打ち出しを追求して、新しいドライバーを次々に市場投入しています。その流れを新しいと感じるようになってきています。
特に“RS 2017ドライバー”に強く感じたのですけど、懐かしいのです。新しい未知の技術ではなく、今までの技術の最高点を目指して調整されたドライバーというイメージです。今までのドライバーで、バックスピン量が適切という範囲内に入っていたゴルファーは、慣らし運転なしでいきなりコースに持ち込んでも問題なく使えると思います
繰り返しになりますが、ドライバーが好きで、ボールコントロールに自信があるゴルファーには“RS-F 2017 ドライバー”がオススメです。上級モデルという設定があっても、あまりハッキリとした差がないクラブが多いですが、明確な違いがあって、本当に面白かったです。
“RS 2017 ドライバー”と“RS-F 2017 ドライバー”は、「自分がどういうドライバーショットを打ちたいのか」という明確なイメージを実現する意味で、わかりやすく、かつ、使いやすいドライバーです。一度、自分自身を見つめ直して、冷静に整理をしてチョイスしましょう。
スペック
RS 2017 ドライバー
★発売日 2017年6月9日
★ロフト 9.5/10.5/11.5
※9.5°はM-37、M-34、M-30に設定なし。10.5°はM-34とM-30では設定なし。11.5°はM-37、M-34、M-30のみに設定
★体積 460cc
★長さ 45.5インチ
★シャフト M-46、M-43、M-40、M-37、M-34、M-30
★金額 1本/80,000円+税
RS-F 2017 ドライバー
★発売日 2017年6月9日
★ロフト 9.5/10.5
※M-37は10.5°のみ
★体積 460cc
★長さ 45.5インチ
★シャフト M-46、M-43、M-40、M-37
★金額 1本/80,000円+税