北海道のゴルフ場で本当にあったゾッとする話
さて、北海道に住む私ですが、こちらで体験したこわいお話をいくつか。
北海道にあるゴルフ場のフェアウェイが広いワケ
・・・田舎町のゴルフ場に出かけた時のことです。
ゴルフ場のクラブハウスに、『カラスがいた時には無罰で安全な場所にドロップしてください』と掲示されていました。
日本全国で沖縄のゴルフ場以外はどこでもカラスはいるものです。
ですが「カラスがいたら…」なんてルールはあまり聞いたことは無かったので、さすが大自然がウリの北海道! あのカラスでさえ保護しているんだ! と同伴の仲間と感心することしきりでした。
1番ホールから出ていくと、確かに青空を黒色のカラスが飛んでいます。
でも1羽や2羽じゃなく相当な数のカラスが飛び回っていて、イメージ的にはヒッチコックの「鳥」のようで、なんだか不気味な感じがしました。
しかも両サイドにはコース整備でクルクル巻き取ったような芝が。これもカラスの仕業だと聞いて気味の悪さはピークです。
カラスがエゾ松の下の芝生の裏にいる黄金虫を狙って芝をめくった結果、コースの両脇には工事中のように巻芝が転がっているわけです。
しかも、そこにボールが侵入すると、木の上からエサ場を監視していたカラスが急降下して頭を狙って攻撃してくるらしく、キャディさんの指示は「お客さ~ん、危ないからこっちで打ってねぇ」・・・。
毎ショットをフェアウェイの真ん中から打つはめになりました。
以来「北海道のゴルフ場は」と聞かれたら「フェアウェイが広い」と答えています。
北海道でゴルフをする時は時速300kmの車が必要
もうひとつは命がけのアクシデントの話。
二十年来の友人を訪ねて日本海側の田舎町に行ったときのことです。
友人が「せっかく来たからイイものを用意したぞ!」と出してくれたのは、マムシを漬けた焼酎でした。
なんでも、近くのゴルフ場に行ったときに捕まえたそうで、1週間焼酎に漬けてエキスを出したものだといいます。
一升瓶のなかに浮かぶヘビはかなり大きくて瓶の容積を半分以上占めるほどでした。
基本的に「大」がつくほどヘビは嫌いですし、生きたままアルコールに沈めてそれを飲むことはもっと嫌だったのですが、旧友の好意なので小さなグラスにほんの少しだけ注いでもらうことにしました。
得意顔の彼が焼酎を注ごうと栓を開けた時。
なんと一升瓶から顔を出したマムシが彼の鼻に噛り付いたのです!
ヘビは液体に浸かっていたのに1週間たっても生きていました。
問題は噛まれた彼の鼻の処置。
この地域では毒が全身に回らないように噛まれた箇所を切り落とすということになっているそうで「切ってくれ」と頼まれたわけです。
いやいや……ヘビの生殺しを見ただけでも嫌なのに、人間の鼻を切り落とすなんてできるはずはありません。
すぐに救急に電話をしたら血清のある病院を教えてくれました。
ここから約80km離れた札幌と、70kmの月形。少しでも近い方が助かる見込みが高いはず。
任侠映画で有名な月形刑務所近くの病院を選択して出発したのですが、車中の彼はうわごとのように「鼻を切れ」と。
鼻無しを希望する彼が言うタイムリミットは2時間だそうで、時速50kmの山道ではかなり厳しい運転となりました。
滑りこむように到着できたのが2時間すこし前。
状況を説明したドクターから「あっ…血清は6時間以内ね」と聞かされました。
緊張していた分だけどっと疲れが出てきたのと、制限時間に間に合わずに鼻を切り落とすことになったら、どんな道具を使ってチョキン!と落としていたんだろうかと余計な考えも浮かびました。
これから北海道の田舎町でゴルフの予定がある人は、マムシの血清がある病院を調べておくか、マムシがいそうな場所の球は諦めるか、鼻を切る道具を持っていくか、もしくは時速300kmで走れる車で行くことをお薦めします。
炭酸ガスが身体に与える影響について
北海道と言えば、歴史のあるコースの筆頭にあげられ毎年プロトーナメントで賑わう海浜コースのことも書かなくてはいけません。
クラシックなクラブハウスから感じる長い歴史と、コースの両隣が広い砂浜の海水浴場ということで、のどかな場所を連想できます。のんびりした場所ですが、風の影響を受けると格段に難しくなる日本屈指の難コースと言われています。
ただ風が無ければ平らな普通のコースなのですが、風の代わりにもっとすごい強敵が襲ってきます。
平らなコースには水はけを良くするために人工で池や用水路を作っていて、風が無いとそこから大量の蚊がやってくるわけです。
しかも海辺特有のハエくらいのサイズのブヨまで襲ってきます。自然の中で育った蚊はバチン!と服の上から音を立てて畳針を刺すように襲います……畳針に刺さった経験はないですが。
でも、なぜかこんな目に遭っているのは自分だけ。
物知りキャディさんによると蚊は炭酸ガスに寄って来るそう。
原因は、前夜のススキノでハメをはずしすぎたせいだったのかもしれません。
まあ、日ごろの行いが悪くなければ、北海道のゴルフ場が特別キケン、なんてことはありません。
だって、北海道在住の私がいまだに元気にゴルフを楽しんでるんですからね。
自然の中で楽しむスポーツなので、どこのゴルフ場でも、ハプニングにはご注意を!