ゴルフ場のお風呂って入湯税がかかるの知ってました?
キャディ付きのラウンドでプレイすると歩数距離はおよそ7kmと言われます。
ですがこれって常に真ん中でプレイした人なので、一般的には10km近く歩くことになると思います。
適度なアップダウンのある芝生の上は心地よい疲れが残ります。
そして、それを癒してくれるのがゴルフ場のお風呂と言う人もいると思います。
今回はそのお風呂についてのちょっとしたお話です。
ラウンドの疲れを癒すお風呂の発祥地は?
もともと日本にゴルフコースができた当初はクラブハウスにお風呂はありませんでした。
日本ゴルフ発祥の地「六甲(神戸ゴルフ倶楽部)」は英国人アサーグルームが創設したので、お風呂で入浴する習慣はなかったでしょう。
ですから、たぶん裏六甲の「三田」のハウスにあったお風呂が最初だったのではないでしょうか。
当時は五右衛門風呂で1人ずつしか入ることができなかったそうです。全員が入浴できることはなかったかもしれません。
どちらにしても、運動のあとに汗を流すために入浴するのは日本独特のものであろうと思われます。
日本のゴルフ場も当初はなかったはずですが、三田は日本人用コースとして開場したこともあり、日本初のお風呂を置いたゴルフ場となり、徐々に全国へと広まっていったのかもしれません。
ゴルフ場に入湯税?
いまではどこのゴルフ場でも立派なお風呂が設置されています。湯船の大きさは温泉並みのところもありますし、サウナや露天風呂を併設しているところもあります。
もはや汗を流すためのお風呂じゃなく、癒しの空間と言ってもいいのかもしれません。
お風呂からあがると無料のマッサージ機が並び、無料で温泉以上のサービスを受けることができるようになったころ、ゴルフ界にはちょっとした問題が起こりました。
ゴルフ場のお風呂が入浴施設を所管する保健所から「銭湯」に区分され、税法上では入浴施設として入湯税を徴収する義務を課せられることになったわけです。
もともと入湯税とは鉱泉、つまり温泉をひいている入浴施設が入浴者から1日150 円の税金を徴収するものです。当初は「温泉」についての税金だったのですが、豪華な入浴施設やサウナなどがあっても入湯税がかかることになり、大型の入浴施設をもっているゴルフ場は課税されることになったわけです。
入浴しなければOK?
温泉を引いて利用者が入浴すれば飲食業であっても税金を納めなくてはいけないのですから、ゴルフ場が入湯税を徴収されることは当たり前のことになったわけです。
それまで問題視されなかっただけで、納税義務を主張する自治体が出てきたとしても仕方はありません。
でもこの入湯税は入浴するプレイヤーが支払うものなので、ゴルフはしてもお風呂に入らなければ支払う必要はないわけです。しかも早朝プレイや最終組の場合には、オペレーションによってはお風呂を使えないこともあります。そんなケースや徴収方法を検討していくうちに、大半のコースは利用者の自己申告で支払ってもらうしかなくなったわけです。
たぶんこの当時のプレイヤーは入湯税を支払った記憶がないと思います。
実はこの税は市町村によって扱いが違っていたので、すべてのゴルフ場が徴収していたわけじゃないことと、「今日はお風呂に入りませんでした」と言われれば徴収できなかったので、あえてフロント係も聞きとることがなかったのだと思います。
いつしか入湯税騒動は消えてしまい、いまでも徴収しているゴルフ場は少ないと思いますが、どうでしょうか。
ちなみにシャワーとサウナだけの施設に入湯税はかかりませんし、納税義務が生じることがないわけです。
海外のゴルフ場と同じように、固定費が高くつくお風呂を設置せずに、シャワーだけの浴室にすれば、利用者も入湯税を支払う心配をする必要がなくなるということかもしれません。