【ゴルフクラブのグリップ交換ガイド】人気メーカー&選び方3つのポイント
ゴルフを始めるからには、遅かれ早かれ自分のゴルフクラブが欲しくなるものですよね。実際にコースを回ってプレーする時には、自分専用のクラブが必要になります。
ゴルファーの多くは初ラウンドをきっかけに、インターネットショッピングで新品の初心者向けゴルフクラブセットを購入したり、中古ショップで好みに合うセットに遭遇して購入したり。あるいは知人からおさがりを入手するなど、手に入れる経緯は様々ですよね。
ゴルフクラブは使い込めば、ヘッドやシャフトに思いがけず傷がついてしまいます。中古クラブを選ぶ場合は、この傷をしっかり確認することが大切。
そして、ゴルフグリップは時間がたてば劣化する消耗品です。ゴルフクラブのパーツの中で、比較的簡単に、安価で交換できるパーツなので、今のグリップが自分に合っているか見極めて、しっくりこなければ交換してしまうこともアリです。
グリップ交換のサイン
使用頻度にもよりますが、1年半~2年で確実に劣化や摩耗が感じられます。グリップは、車のタイヤと同じく消耗品です。
タイヤを変えて足回りが安定するように、グリップを変えるとクラブの性能を発揮して無駄な力をなくしてスイングを向上させ、方向性が安定して飛距離アップ、ヘッドスピードが上がるなどということも期待できるのです。
新品のグリップのホールド感は、軽くグリップすることで良いスイングへと導きます。硬化してツルツルになったグリップでは、いつスイングの最中に手から滑ってしまうのではないかと、精神衛生上にもよくありません。
スイング中、腕や手首に余計な力が入り、ついリキんでしまう人、それ以外にも、スコアに伸び悩んでいる、ヘッドの走りが悪くなってきた、と感じたら、ゴルフクラブを変える前に、一度グリップ交換を検討してみてもいいかもしれません。
目安としては、グリップの表面に光沢が出て滑りやすい、素材自体が硬いと感じる、左手の親指部分など一部だけくぼんでいたら、交換の目安と考えましょう。
ちなみに、トーナメントプロがグリップ交換するタイミングは、平均して1ヶ月半~2か月くらい。短いときは、ツアー中2週間で交換する場合もあるそうです。グリップの感覚に研ぎ澄まされたプロなら、当然のことなのかもしれません。
グリップを選ぶときの3つの留意点
重さ
グリップの重さは、重要なスペックです。ほとんどのグリップは40グラムから60グラムくらいで、中には、軽いもので20グラムくらい、重いものでは80グラム近いものもあります。
元々50グラムのグリップを使っていて、40グラムのグリップに変えた場合、数値だけみると、総重量が10グラム軽くなった交換後の方が、軽くて振りやすい感じがします。しかし実際は逆。グリップが10グラム軽くなったことでスイングウェートが増すため、ゴルファーのほとんどは総重量が軽い方に重たさ(振りにくさ)を感じます。
グリップが軽くなるとバランスが大きく変わって、スイングにも悪影響が出てしまいます。手元が軽く、ヘッド側が重いとその重さに負けて、ダウンスイングで手元が浮いて、シャフトが寝てしまうため、振りにくく感じるのです。
逆にグリップ側が重いと、振りやすくミート率も上がりやすい。クラブの重量は、スイングに大きく影響を与えるという結果に繋がります。今使っているクラブの重量・バランスを変えずフィーリングを維持したい場合は、交換する際、カットしたグリップの重さを量り、なるべく同じ重量のグリップを選びましょう。
基準は、重すぎず軽すぎないこと。クラブを振った時に、やや重いかなと感じつつ、練習やラウンドで少々疲れてきた頃でも振り切れる重さが、安定したスイングを得やすいちょうどいい重さといえます。
一般的なグリップは50グラム前後がほとんどで、ヘッドやシャフトの重量に対してもっともバランスが取れた重さなのです。
硬さ(素材)
現在のグリップに使用されるラバー素材には、ゴム、樹脂、それに添加剤や強化剤を配合するなど、様々な素材が使われています。グリップメーカーは、フィーリングや衝撃吸収効果を求め、樹脂の調合を変えて微妙なフィーリングの違いを研究開発し商品化しているので、どれを選んだら良いか迷ってしまうのも事実です。
樹脂系コンパウンドのグリップは、ゴムに比べて柔らかくしっとりとした感触を好む人に人気の素材。また、コードが入っているものは重くなる傾向があり、硬めで、表面がざらざらとした感触が特徴です。
それぞれの感覚によって好みは分かれますが、ゴルファーのパワーによって使い分ける必要があります。パワーヒッターが柔らかすぎるグリップを使用すると、切り替えしで力が入ってグリップがつぶれ、スムーズなスイングに弊害が出ることも。
逆に、力の弱いゴルファーが硬すぎるグリップを使用すると、滑りやすく手に馴染まない感覚を覚え、スイング自体に力みが生じる可能性が出てきます。しっかりと握りたい人には、ゴムの中に糸を練り込んでいるため、硬めで滑りにくいコードグリップ。握力が弱く手の皮が柔らかい人は、フィット感の高いソフトなラバーグリップがおすすめです。
グリップはゴルフクラブと身体との唯一の接点。ですから、グリップの硬さは、シャフトや打感のフィーリングにまで影響します。概ね、グリップが硬いとインパクトの打感まで硬く感じ、柔らかいと打感もやわらかく感じられ、同様に同じシャフトでも硬いグリップが装着されているとシャフトも硬く感じられ、柔らかいグリップが入っていれば柔らかく感じられます。
シャフトの硬さがしっくりしないと感じる場合、リシャフトは面倒でも、グリップ交換であれば手軽に、スピーディ、コストも安く済ませられることを考えると、グリップの硬さで調整することも選択のひとつといえます。
太さ(サイズ)
グリップの内側を見ると、サイズが表示されているかと思います。M58、M60、L60、などという表記で、M/Lは、メンズ/レディースの意味、数字はグリップのコアの直径が、インチで表示されています。
M60が最も一般的なサイズで、その他にM58、M62というサイズも見られますが、これらの外径はすべて同じ太さになっています。つまり、M60サイズのグリップはシャフトのバット径が0.60インチ用、M58サイズのグリップは、バット径が0.58インチのシャフトに取りつけると、標準の太さになるように作られていて、M58サイズのグリップの方が、M60よりもコアサイズが小さくなる分肉厚になり、握った時に太く感じます。
人の手の感覚はデリケートなもので、太さの違うグリップを握った際、違和感のある太さの差は、普通の人でも0.01インチ程度、敏感な人では0.005インチほどといいます。今のグリップと同じフィーリングで握りたい場合は、グリップサイズをしっかり確認して、同じサイズにグリップ交換することに留意しましょう。
グリップが太いと手首を返しにくくなり、フェードボールが打ちやすく方向性が安定しやすい。反対に、細いと手首を返しやすいことによる飛距離アップ、ドローボールが打ちやすいといわれます。方向性重視なら太め、飛距離重視なら細めのグリップを試してみることもおすすめです。
バックライン
グリップの裏側に入っているラインを、バックラインと言います。グリップは、このバックライン有りのタイプと、バックラインのないラウンドタイプがあります。
バックライン有りのタイプは、グリップの裏側を若干盛り上げることで、フェースの向きを確認するのに役立ちます。クラブを握るときに、手や指を適切な位置に置いて、正しい向きで構えやすくなります。
インパクトの時にフェースが開いてしまう悩みがあるゴルファーであれば、バックライン有りは改善のためにおすすめです。バックライン無しのタイプは、フェースを開いたり閉じたりして、多彩なショットの打ち分けに向いています。
プロにも人気のグリップメーカー
Golf Pride
ラバーグリップの先駆けとなったゴルフプライド。シャフトに差し込んで接着剤で固定する、スリップオンタイプのグリップを開発したメーカーです。
マルチコンパウンドMCCシリーズは、グローブを装着した手で握る部分をコード入り、素手で握る部分をラバーでソフトな握り心地になっていて、しっかりとしたホールド感とコントロール性能を実現。プロとの使用契約はないものの、世界のトッププロ使用率はナンバーワンの人気メーカーです。
perfect pro
衝撃吸収性に優れたABRという合成ゴム素材にコードを織り込んで作られていて、従来のコード入りよりもしっとり感があり、フィット感、フィーリングに優れていることで、かつて「コード入り=とにかく硬くて劣化が早い」というイメージを払しょくしたメーカーです。
池田勇太プロが使用していたり、石川遼プロ使用モデルが発売されていたりと、国内男子プロに支持率の高い印象を受けます。
イオミック
それまでのラバーグリップの色は黒が主流だった中で、カラーバリエーションを打ち出し、若いゴルファーや女性ゴルファーを中心に人気を博したグリップメーカー。松山英樹プロ、香妻琴乃プロも愛用されているので、トッププロのお墨付きの上ワンポイントも可愛らしい仕様がうかがえますね。
グリップの手入れを習慣にしよう
グリップは、使用しているうちに摩耗してすり減ったり、気温や紫外線、雨や汗で濡れたり、手の脂などで汚れることで、劣化しやすくなります。グリップは直接クラブと身体をつなぐ役割をするので、硬化して滑りやすくなったグリップでは、余計な力が入り必要以上に強く握ろうとしたりして、スイングにも影響を及ぼします。
グリップの汚れが気になったり、少し滑ってきたと感じたら、中性洗剤を吹き付けたタオルでごしごし拭くことで、両手で握った時のフワフワ感がよみがえります。
ラウンド後は、グリップの手入れと同時に、クラブ全体の汚れもふき取って手入れをしておくことも大事。特に雨の日のラウンドでは、クラブが濡れてしまうのは免れません。濡れたまま放置してしまい、次にキャディバッグを開けたときにはアイアンシャフトが錆びていた…なんてことにならないように。
ひと手間かけることで、次に使う時に気持ちよく使用できる上、クラブの状態を把握でき長持ちさせる秘訣です。
まとめ
ゴルフクラブを入手して、2年以上グリップを変えていなければ、新しいグリップに交換することを視野に入れてみては。自分に合ったグリップが入っただけで、意外にもスイングが改善したり、伸び悩んでいた飛距離がアップしたりするものです。
参考まで、グリップ1本の価格は、500円から2,000円くらい。交換の工賃は1本につき150円から高いところでは500円というところもあるようです。
まずは1本、その効果を実感してみてはいかがでしょうか。