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石川遼は2016年、目指すスイングに到達するのか

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石川のデビューはゴルフファンに限らず、強烈な印象を日本のお茶の間に伝えました。2007年、「マンシングウェアオープンKSBカップ」にアマチュア枠でツアー初出場。初日が悪天候のため中止となり、最終日に2ラウンドを行いながら、2日目7打差の23位から36ホールを回って逆転優勝を飾ります。

アマチュアの国内男子ツアー優勝は史上2人目。何より高校生として、まだ15歳245日での優勝は日本プロゴルフ界史上最年少であり、世界最年少でもあることから、ギネス・ワールド・レコーズに認定されています。

2008年にはプロ転向を表明。16歳3カ月24日の史上最年少のJGTOツアープロとともに、史上最年少のシード選手となりました。2008年の「マイナビABCチャンピオンシップ」でプロ転向後ツアー初勝利。

海外にも積極的に挑戦し、2009年のマスターズ、全英オープンに日本人として史上最年少での出場、マスターズにいたっては世界のプロゴルファーとして史上最年少の出場でした。

2013年からは本格的に海外に拠点を移し、PGAツアー24試合に出場。国内でも2015年の「ゴルフ日本シリーズJTカップ」で国内メジャー初優勝しました。

現在24歳。これまでのプロフィールは国内13勝と好成績を残しているものの、鮮烈なデビューに比較すると、ファンが期待する成績には届きません。2015年は米国ツアー予選落ちを繰り返して成績を残せないシーズンとなり、同じく米国を活動拠点にしている松山英樹には大きく離されたとの印象を受けます。

理想を常に求める

16歳、17歳の成長期にプロゴルファーとしてツアー生活を送っていた石川は、やはり身体の負担が大きかったのでしょう。2012年には腰痛を発症、2014年には腰をかばうためスイングを改良したものの、飛距離が減少しました。

飛ばし屋が多い米国男子に交じってのツアー参戦中は飛距離に対する願望が強く、さらに完璧でパワフルなスイングに挑戦するあまり本来のスイングを見失ったのが不調の原因です。

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石川自身も2015年のシーズン途中でインタンビューに答え、自身のスイング状態を分析しています。

「腰を痛めたこともあって、体に負担がかからないよう体重移動をあまり使わず、回転だけで振っていくという感じでやっていた。そのため、ドライバーとアイアンのタイミングがずれていたのかもしれない」

「最近は腰の状態も良くなってきた。自分の場合は多少、横に体を動かす方が良い。バックスイングで右足にしっかりと体重が乗って、軸をしっかり作ることが大切。最近はそれができてなかったと思って、もう一度原点、躍動感のあるスイングをしたいと思ってます」。

ラウンド後の石川のインタビューには、いつもスイングへの不満がありました。

バランスの良いスイングが持ち味

それでは石川遼のスイング動画を紹介します。

ドライバーショットで、バックスイングで右足に体重移動しているのが見てとれます。石川の特徴は、この動画のようにウッドを持っても実に速いスイングです。それでいてスイング中、フィニッシュでもまったく体が揺らがない安定感。そのバランスが魅力です。

これは、左腕と左ふとももがスイングをリードする動きのタイミングがぴったり合っているからです。上半身と下半身のリードが合っているボディバランスの一体感がスムーズな回転を生んでいます。

バックスイングで右足への体重移動もコンパクトに抑えられ、下半身の右足から左足への体重移動による力の蓄えを、上半身背骨を軸とする回転運動で爆発させています。腕、肩の使い方がしなやかで、下半身の動きに合わせて腕がムチのようにしなり、クラブヘッドが走ります。

石川本人も言っていますが、右への体重移動からパワーを左へ移し、パワーをインパクトで放つタイミング、移動の位置などの微妙な感覚、イメージが、2015年シーズンで石川が満足できなかった部分のようです。

バッバ・ワトソンのアドバイス

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こんな石川に、あのバッバ・ワトソンが思わぬ言葉をかけたと言います。2014年の「三井住友VISA太平洋マスターズ」でのことでした。予選ラウンド2日間、石川と一緒に回ったバッバが、ラウンド後のクラブハウスで2人きりで話しかけました。

「いつも自分のスイングのことばかり考えていないか?形にこだわったり、スイングに取組み過ぎるのは良くない。自分がもともと持っている技術を認めて、どんな風にコースを攻めるかという考え方をしてもいいのではないか。君のスイングが悪いとは思わない」。

ラウンド中、練習でも、常にスイングを良くしようとするあまりに試合のスコアメイクがおろそかになっていたのは、当時の石川に見えた姿でした。まさしくバッバがそれを指摘したのです。

バッバの言葉は、石川の心に沁みました。しかし、簡単に切り替えることができるものではありません。ほんのちょっとしたきっかけ、些細な気持ちの切り替えで、石川が世界で復活する2016年を期待しましょう。

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