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美人プロ藤田光里のスイングは縦のツイストが飛距離を生む

華やかな話題が、藤田光里には似合います。外車メーカーとの契約や、練習場所はグアム島のリゾート。また、ファッションモデルの妹・美里さんもジュニア時代にゴルフ選手として活躍し、姉の試合にはキャディーを務めたことも。

美人姉妹がツアーに登場すると、多くのギャラリーが集まります。ブログも開設し、自身の最近の私事、プロフィールもアップして人気となっています。

昨年4月のフジサンケイクラシックは最終日18番まで、6人のスコアが6アンダーで首位に並ぶ大混戦でした。

藤田は最終18番ミドルで2オンできず、第3打目はグリーンエッジから。5m、長い下りのフックラインをパターでねじ込み、ただ一人7アンダーとして劇的な初優勝を飾りました。

2013年のプロテストは初挑戦トップ通過、国内女子ツアー2014年の出場権をかけた「ファイナルクオリファイングトーナメント」もトップ。続く「LPGA新人戦加賀電子カップ」で優勝。

2014年ツアーも、最終日最終組で回ったのが4回、2位タイが1回と優勝争いにからみ、順風満帆に見えたプロ生活も、この年のツアー後半にはスランプに陥る事態に。そんな中でつかんだプロ初優勝に、笑顔の直後には流れる涙を禁じえませんでした。

藤田といえば、270ヤードを超えるドライバーのドローボールが持ち味。早速、藤田のドライバーショットのスイング動画を見てみましょう。アイアンの動画もあります。

3歳からお父さんにゴルフを教わったという藤田は、その当時からドローボールの練習をしていたと言います。スタンスはクローズに構えます。

肩、腰のライン、ドライバーヘッドのフェースはボールを落としたい方向に向け、両足のつま先を結んだ線はボールを打ち出す方向へ。右足の引きは極端ではなく、ボール1個分程度です。ティーアップは低いほうです。

ボールの位置は、自分の左足かかとの延長線上より内側で左脇の前程度に置きます。グリップは右手親指をグリップ部分の真上に置くオーバーラッピング。左手はグローブのマークが少し上を向くスクエアになります。

右手親指と人さし指でV字形を作る意識はありません。クラブは柔らかく握る意識、下半身が安定し、スタンス全体でリラックスした状態です。

スイング全体のリズムが早くならないよう、テークバックはゆっくりと上げます。手からバックスイングが始まるのではなく、腰と肩のライン全体、体幹からバックスイングが始まり、トップでは自然と左肩が頭の下まで回ります。

トップからダウンスイングが始まりますが、藤田が心がけているのは「体が開かないよう、胸のボールに向けたままインパクトを迎える意識を持つ」と話しています。この時、藤田のパワーが爆発する秘密があるのです。

藤田のスイングはその場で回っているように見えますが、実は大きなパワーの移動が行われています。クラブヘッドが自分の体の右から左に移動する時、ダウンスイングでヘッドが下方へ向かう時に左膝が伸び、相反するように上方に向かいます。そうすることで、クラブヘッドに強烈な加速力が生まれます。

ただし、下半身が伸びても前傾の角度は崩れず、頭の位置も変わりません。この上下の動きによるツイスト=ひねりによって、その場で回るスイングの中で強烈なパワーが爆発します。

これを「縦のツイスト打法」といい、名付け親はあの片山晋呉プロです。この打法、松山英樹やローリー・マキロイも実践しています。さらに、昨年の賞金女王、2億円プレーヤーのイ・ボミも、伸びあがる左膝のパワーを使っています。

もちろん、この動きで爆発させるには、フォームを崩さない強い体幹が必要です。先ほどの動画のスイング解説でも、藤田の体幹の強さが指摘されています。

伸ばした左膝で体が浮き上がったりすると、ヘッドスピードに加わる力が減ってしまいます。藤田はフォロースルーで左足かかとが浮き上がりますが、それでも上体が伸びあがっていません。

それだけ強烈なパワーが左足から生まれ、それを体幹の力で抑えつけ、ヘッドを強烈に走らせています。振り抜いたら手首やフェースを返すなどの意識はなく、大きくフォローをとります。

藤田の出身地・札幌では、冬季間はラウンドできません。当時していた練習方法で、こんな話があります。「室内で練習用に使う短い7番アイアンでボールを打ち込んでいました。両親が次々に置くボールを構える暇もなく打ちます。1日1000球ぐらいは打ちました」(藤田)

こうした練習が、藤田の体幹を鍛えたのでしょう。

この縦のツイスト打法、自分の筋力より早いヘッドスピードが得られる合理的な体の使い方と言えます。非力な人、筋力が衰えても飛距離が得られる打ち方として、アマチュアにも参考になると言えそうです。動画や写真でその特徴をとらえれば、上達の参考になります。

昨シーズンは1勝のみに終わった藤田ですが、今季は「ストップ・イ・ボミ」の若手一番手として期待されます。持ち味の豪快なドライバーに注目です。

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