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ゴルフ場でのカートスタイルの変化の歴史をみてみよう ~新しいゴルフのカタチ

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ゴルフではほとんどの場合、“カート”を使ってプレーします。しかし、カートとひとくちに言っても、その形態は実にさまざま。

例えば同じ乗用カートでもフェアウェイ乗り入れ型やレールタイプによって、プレーヤーのコースでの動きはかなり違ってきます。

ゴルフスタイルの変化とともに、カートも変化や進化を遂げています。今回は、そんなカートについて調べてみたいと思います。

徒歩系カートと乗用系カート

まず“カート(cart)”という言葉ですが、基本的な意味は

①荷物などを載せて運ぶもの、荷車
②エンジンの付いた簡易的な車

になります。つまり、ゴルフバッグだけを乗せて運ぶものも、人も乗せて運ぶ大きなものも、みんな“カート”になります。

ゴルフ場に存在するゴルフバッグを運ぶものは全て“カート”なのですが、ここではプレーヤーのプレースタイルから、『徒歩系カート』と『乗用系カート』の2パターンに分けることにします。

最近はこのなかでも乗用系カートに人気が集まっていますので、ゴルフ場のプレーを予約する際に、乗用カートの有無を確認する方も多いのではないでしょうか?

しかし、徒歩スタイルのカートも捨てがたい魅力がありますので、それぞれのメリットデメリットも踏まえながらご紹介したいと思います。

“徒歩系”手引きカート

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早朝やトワイライトプレー、もしくは河川敷コースなどでよく見かけるカートです。また、ジュニア・学生ゴルファーがプレーしているのを見かけることもあるかと思います。

自らがゴルフバッグを運び、歩き、プレーするという最も基本的なプレースタイルですが、丘陵・山岳コースが多い日本のゴルフ場にとっては、なかなか体力的に厳しい場合もあります。さらにプレーヤーの高齢化も考えると、ある一定の需要はありつつも増えることはないでしょう。

<メリット>
グリーン以外のほとんどの場所にカート(クラブ)を持ち運ぶことが可能で、クラブの選択が容易。

<デメリット>
自分で運ばなくてはならないので、体力的にきつい。歩く。

“徒歩系”キャディ付き手押しカート

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キャディさんが4つのゴルフバッグを積み、手押しで運んでくれるスタイル。現在は電動モーターが付いている場合が多いです。手動の場合は、ゴルフバッグの重さが規定以上になると、追加料金を取られるシステムもあるようです(キャディさんの負担が大きいため)。

キャディさんが運んでくれるので手引きカートよりは楽ですが、その一方で自分の手元にクラブが無いため、受け渡しにやや時間がかかることも。また、キャディ付きプレー(特に歩き)自体が減少傾向にありますので、比例して手押しカートを使ってのプレースタイルも少なくなってきています。

<メリット>
キャディさんが運んでくれるので楽。
フェアウェイの中までカートが入ることが出来るので比較的ボール近辺にクラブを運ぶことが出来る。

<デメリット>
やや移動に時間がかかる。
4人のプレーヤーが別々に行動してしまうと、クラブの受け渡しに時間がかかる。歩く。

“徒歩系”ターフメイト

ゴルフバッグを前方に積み、キャディさんが立ち乗りして移動するバイク型カートです。

前述の手押しカートの「移動に時間がかかる」という点を克服した、キャディさんにとってありがたいスタイルのカートです。フェアウェイでもスイスイと移動できるので非常に便利ですが、若干プレーヤーの置き去り感が否めません。

実際プレーヤーの方にはあまり評判が良くないことから、こちらも減少傾向にあります。でも、実は立ち乗りスタイルは腰に負担がくるのでキャディさんも大変なのです。

<メリット>
キャディさんが運んでくれるので楽。しかもクラブの受け渡しが早い。

<デメリット>
プレーヤーが「楽そうに見えるキャディさん」に嫉妬する。歩く。

“徒歩系”モノレール型カート

コースにモノレールのようなレールを張り巡らせ、ゴルフバッグだけを乗せたカートがその上を移動する、リモコン操作型カートです。人は乗ることが出来ませんので、プレーヤーもキャディも歩いて行動します。

レールの上を移動するので、カートの停止位置やコース移動に迷うこともありません。グリーン周りでリモコンを操作すれば、次のホールで待っていてくれます。また、カートの移動に手間取ることなくプレーできるので、セルフプレーの場合でも比較的スムーズです。

ゴルフバッグを積んだ無人のカートがコースを流れていく姿は、なかなかシュールですよね。

<メリット>
キャディがいなくても、(初心者でも)スムーズに行動できる。
プレーヤーのクラブ持ち運び負担が平等。

<デメリット>
カートレールと反対方向にボールが行ってしまうと大変。
レールが地面から浮き出た位置に設置してあるので、コースの美観を損ねる。歩く。

“徒歩系”カートまとめ

デメリットのなかに「歩く」を入れていますが、もちろんこの歩きスタイルのゴルフを、逆にメリットと感じている方もいらっしゃいます。

「ゴルフは歩いてこそ」とお思いの方は、歩いているからこそ楽しめるゴルフを満喫していると思います。しかし、斜面のきついコースなど体力的に難しい場合もあり、一概に良し悪しは言えません。

ですから歩きのみのゴルフスタイルは、人によってメリットにもデメリットにもなるとお考え頂ければと思います。

全体的に考えると、“徒歩系カート”はどのスタイルも減少傾向にあります。その理由は、やはりプレーヤーが歩かなくてはならないからです。

長時間にわたって長距離を歩くゴルフは、近年“楽”を求められているのです。それに伴い、カートを使ったプレースタイルもどんどん変わってきています。

次は“乗用系カート”についてみてみましょう。

“乗用系”レール型乗用カート

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人が乗ることが出来るカートでは、比較的初期から多く採用されたスタイルです。コースに埋め込まれたレールに沿って、5人乗りカートが移動します。リモコンでも手動でも動かすことが可能ですが、プレーヤーが操作する場合は、リモコン操作に限定されることが多いようです。

何といってもカートに人が乗ることが出来るので、画期的です。傾斜がきついコースやホール間のインターバルが長い場合など、楽に移動できるので実に快適です。しかしレール上から外れることが出来ない為、どうしてもボール地点に向かう場合に無駄な動きが多くなってしまいます。

歩きのプレーでは、自分のボールに対して直線的に向かうことができますが、カートに乗っているとフェアウェイを横切って移動する必要がでてきます。さらに他のプレーヤーの行動も考慮しなければならなくなりますので、歩きのゴルフスタイルとは全く違う行動が求められることになります。

さらに快適を求めるプレーヤーの要望によって、最近は“カート道路通行タイプ”や“フェアウェイ乗り入れ型”にシフトする傾向にあります。

<メリット>
カートに乗って楽に移動できる。
リモコンを使って遠隔操作することが可能。

<デメリット>
安全の為スピードが遅い。
カートからボール地点に移動するのが多少面倒。

“乗用系”専用カート道路通行カート

レール型と同じ乗用カートで、コース上の専用カート道路のみを走行可としたスタイルです。いわゆる『乗り入れ禁止』型です。

レール型と似ていますが、誰かが運転して移動するという点が異なります。スピードはレール型に比べて早くなりますが、グリーン周りでカートをまわす必要があるので、手際の良さも求められます。

<メリット>
カートに乗って楽に移動できる。移動が早い。

<デメリット>
カートの操作を常に誰かが行う必要がある(キャディさんでも可)。カートからボール地点に移動するのが多少面倒。

“乗用系”フェアウェイ乗り入れ型乗用カート

現在最も人気があり、主流になりつつあるスタイルです。天気によっては乗り入れ不可になる場合もありますが、フェアウェイにカートを乗り入れてボールの近くまで寄せられるのは、本当に楽です。

また、スピードもある程度出せるので、進行もスムーズです。体への負担も少なく、年輩の方でもゴルフが楽しめます。

<メリット>
カートに乗って楽に移動できる。移動が早い。
フェアウェイに侵入しボールに近寄れるので、最も歩かなくて済む。

<デメリット>
プレーヤー全員で乗り込むため、他のプレーヤーの行動も考えながらカートを移動させる必要がある。
芝への負担が大きく、コースの維持が困難。

“乗用系”カートまとめ

乗用カートに慣れてしまうと、その「楽さ」を普通と思ってしまいます。ですから現在は“乗用系”カートを使用してのプレースタイルが一般的で、“徒歩系”カートは珍しくなってしまいました。

今後、「歩きのゴルフ」はそのゴルフスタイルを保ちながら一部で残り、全体的にはさらに“乗用系”カートがその割合を増やしていくと思われます。

第3のカートスタイルとは?

しかし、その“乗用系”カートもさらに進化してきています。そのキーワードは、『個(パーソナル)』です。

乗用カートは便利ですが、プレーヤー同士が『集団』で行動しなければならなくなります。もともと個人競技であるゴルフではどうしても無理が生じ、プレーヤーがプレー中に行きたい方向や意志とは異なる行動をしなければなりません。

さらにゴルフバッグもまとめて搭載するため、プレーヤーは複数人が乗るカートに必ず戻る必要があります。これではスムーズなプレーは望めません。やはり、ゴルフバッグは常にプレーヤーの手元にあることが、最も自然な形ではないでしょうか?

そこで、近年はプレーヤーひとりひとりがカートを運ぶ「パーソナルスタイル」が登場しています。“究極のパーソナルプレースタイル”はどのような形になるのでしょうか?見てみたいと思います。

1人乗り乗用カート

その名の通り、一人乗りタイプの乗用カートです。後方にゴルフバッグも積むことが出来ますので、自分のボールに直線的に進むことが可能です。

現在は年輩の方向けに“徒歩系”カートを採用するコースが、特別に貸し出すケースが多いようです。スピードはあまり出ませんが4人乗りに比べると重量も軽く、フェアウェイへの乗り入れも容易です。

<メリット>
操作が簡単で、座った状態で運転が出来る。
フェアウェイ乗り入れの場合は、ボールの近くまでカートを寄せることが出来る。
体力的負担が少なく、年輩のプレーヤーでもゴルフを楽しむことが出来る。

<デメリット>
高価な為、一斉導入は難しい。

セグウェイ

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すでにごく一部のゴルフ場で導入されている、近未来型ゴルフスタイルのカートです。ひとりひとりがゴルフバッグを乗せて移動し、プレーします。スピードも出るので爽快感があり、広々としたゴルフ場を満喫できる新しいスタイルです。

<メリット>
ひとりひとりがクラブ(ゴルフバッグ)を持って、自分のボールに向かって行動できる。ファストプレーが可能。
単純に乗り物として楽しめる。

<デメリット>
操作にコツが必要なので、誰もが出来るわけではない。
非常に高価。

スケボー型カート



2016年1月に行われた欧州ツアー「アブダビHSBCゴルフチャンピオンシップ」のデモンストレーションとして、ヘンリック・ステンソン、ジョーダン・スピース、リッキー・ファウラー、ローリー・マキロイの4選手が、スケートボード型ゴルフカートを使用したエキシビジョンマッチを行いました。

この時は全員クラブを片手に持ってプレーしていますが、実際はカートにゴルフバッグを積んでプレーすることも可能です。セグウェイスタイルと同じく、ひとりひとりがクラブ(ゴルフバッグ)を持って自分のボールに向かって移動できますので、動作に無駄がありません。

全てが自分の行動だけで完結できるので、本来の個人競技としてのゴルフのプレースタイルにも近く、それでいて近年の“楽”なゴルフに対応した究極スタイルです。

実際に彼らが1ホールを終えるのに5分もかからなかったそうですので、プレー進行とプレー時間短縮に画期的な乗り物であることは間違いないでしょう。しかも、とっても楽しそうです。

もしかしたら近い将来のゴルフは、このようなカートに乗ってプレーするのかもしれませんね。

おわりに

ゴルフは時代とともに、道具もコースも進化してきました。それに伴いカートを使ったプレースタイルも、プレーヤーの要望とともに様々な変貌を遂げています。

乗用カートの存在そのものに異論がある方もいらっしゃるでしょう。ゴルフがスポーツであり続けるためには、非常に難しい問題です。

しかし、ゴルフに対するプレーヤーの求めるものは人それぞれです。レジャーとして楽しむものと考えれば、このような楽しそうなカートの存在も、“アリ”なのではないでしょうか?

一歩一歩地面を踏みしめ、プレーするのもゴルフ。電動カートで滑走しながら、爽快にプレーするのもゴルフです。

あなたはどんなカートを使ってプレーを楽しみますか?

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